プール

プールに浮かんだ。耳は水中、顔は空。ゴポ、ゴポポ。鈍い弾ける様な音。ここはまるで羊水。やがて泡は消え、静寂――。浮力が働く。僕は沈まない。呼吸は静かに。遠くへ耳を済ませる様に。目を閉じる。瞼に太陽の明るさが透ける。四肢を楽にし、僕は力まない。保たれた均衡は、水面をゆっくりと滑った。

プール

プール

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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