破滅的ふたりぼっち
壊れてゆくものを、ただ傍観している、真夜中の波打つシーツは、つめたい。
きみの、おおきなからだが早く、ぼくを、おしつぶしてほしいと祈りながら、星の儚さを嘆く。海は枯れて、大地は腐り、都会は荒廃し、崩壊を待つあいだに、ぼくときみが、粛々と執り行うものに愛はあって、愛だけがあって、未来はないのだと、夢のなかで神さまが囁く。ぼくは、きみの体温に包まれて、安らかに眠ることができれば、他にはなにもいらないと思う。軋むベッド。きみの吐く息は生温かく、ぼくの視界には、きみしかいない。鋭い爪が加減をあやまって、ぼくの皮膚を突き破るかもしれないという想像に身震いがして、それでも、きみに、ぐちゃぐちゃにされたい。星の悲鳴がきこえる、午前二時。
破滅的ふたりぼっち