夏の短歌
夕立の拝島橋を走りゆく車の上を急ぐ白鷺
我が袖に断末魔の蝉羽ばたきて暗きも暗きへ手首引き寄す
梅雨はいま明けぬと思ふ七月の雨はやみけり合羽着る間に
自転車のサドルに花を覗かせてわれを見送る妻の向日葵
歩けない夫を支え子の来るを喜ぶ母の口元に皺
われわれの不戦の誓いよ消し飛ぶな終戦記念日嵐来るとも
空蝉のこの身だにさはあらなくに何をかわれの意のままにせむ
夏の短歌
夕立の拝島橋を走りゆく車の上を急ぐ白鷺
我が袖に断末魔の蝉羽ばたきて暗きも暗きへ手首引き寄す
梅雨はいま明けぬと思ふ七月の雨はやみけり合羽着る間に
自転車のサドルに花を覗かせてわれを見送る妻の向日葵
歩けない夫を支え子の来るを喜ぶ母の口元に皺
われわれの不戦の誓いよ消し飛ぶな終戦記念日嵐来るとも
空蝉のこの身だにさはあらなくに何をかわれの意のままにせむ
夏の短歌