ひだりての作文

小学校のときに、ある先生がいて
その先生はわたしに左手で作文を書けと言った

左手は右手よりも
何倍も時間がかかる。

けれども
そこに綴られるのは

ずっと思いの詰まった 真実の言葉だという。


結局

何年も何年も
ときが過ぎてしまって


左手の作文は提出する事はできなかった。


10年後の今 作文を書くとしたら
先生に


精一杯、左手の汚い字で


「ありがとう」とだけ、書きたい。


思い出をくれた先生へ。

ひだりての作文

ひだりての作文

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-08

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