殺人

初めて書きました。よろしくお願いいたします

人の気配のない町外れの建物。ビルのようだが何に使われていたのかは全く不明だ。
僕は階段を1人で上っていく。使われていないのに簡単に入れることは前もって調べていた。

これから僕は人を殺しに行く。

改めて考えるとゾッとするものだ。だが、もう計画を止めるつもりは無い―計画というほどのものではないが。僕は彼が、斎藤亮太が大嫌いで仕方がない。
いつだろう、彼を嫌いになったのは。
彼は、一言で言うなら完璧な人間だった。テストでは常に学年でトップ。性格良好。困っている人がいれば必ず助ける。運動神経が良く、生徒会の役員。クラスメイトに聞いても欠点が出ることはないだろう。
だけど僕は知っている。彼が人に優しくするのは本心からではない。勉強ができるのは、身体を壊すまで徹夜しているからだ。生徒会に入ったのは周りに言われて断れなかったから。
結局彼は完璧な高校生を演じているだけに過ぎない。

気づいたら屋上についていた。
彼を殺すことで僕は楽になれる。彼といると疲れるから。殺す以外の解決法も考えたが、もう無理だ。殺しでもしないと彼はまた同じことを繰り返す。小学生から中学生、中学生から高校生。何度も変わるチャンスはあったのだから。
少し触るだけで壊れそうなほど脆いフェンスに触れる。
彼が素の自分を出していたら、もっと仲良くなれただろうか。もう考えるのは止めよう。
フェンスに足をかける。
まう疲れた。
楽になろう。
斎藤亮太は最後の一歩を踏み出した。

殺人

殺人

僕は彼を殺すことにした

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-23

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