ささきななこ@nanako_tanka 2020

佐々木菜々子

  1. さっきから何しているの深呼吸きみのまわりがパワースポット‬
  2. きっと今はてなマークが飛び出てるこれは入門書なのでしょうか‬
  3. 短歌 2020.05.07〜‬

さっきから何しているの深呼吸きみのまわりがパワースポット‬

‪きょうもねえ、おしごとなのよ、あしたもね、クリスマスもね、おしごとでした‬

‪チョコチップ多めでブレべできますかインスタントにハッピーにする‬

‪はじめてのスーツを買ったアラサーの心の穴にガラス嵌め込む‬

‪胸の穴もはや窓とも呼べそうな存在感を魅力と呼ぼう‬

‪ふわふわのコッペパンなら埋まるかな胸の穴にも卵フィリング‬

‪起こらないドラマみたいなできごとは未来の君は会いに来ないし‬

‪叱られるときとおんなじ言い方の「普通」電車の来るアナウンス‬

‪お土産をぜんぶ一度に食べてしまう君とはきっと違いすぎたね‬

‪ジェネリックスターバックス(コンビニのチルドカップ)の柄で知る干支‬

‪さっきまで泣いていようと電話では元気な声が出る受付嬢‬

‪幸せにしてあげたいよできること君から遠く離れることだけ‬

‪傷つけてしまわないよう取る距離を愛情という名前で呼んで‬

‪押し込めた足の小指が苛立ちを吐き出すように自己主張する‬

‪すり減った靴のカカトをクルトガのように使ってまだ歩いてく‬

‪楽しさに値段を付けて値切られるよりはじめから無い方がいい‬

‪嫌われていいやわたしのたましいがだめだとかいうわけでもないし‬

ふればふるほどに楽しくなりそうなシャカシャカポテト控えめにふる

今度こそ天職でありますように祈って祈って祈って祈る

正解がないならこれではなまるをくださいこれでセイカイにして

‪性格が悪いと思われるくらいなら死にたいよ(そういうとこよ)‬

‪幸せなくせにあの子はずるいのよ涙が似合うから泣いている‬

‪楽しいとそれだけ言って帰るのね私の価値は言葉ひとつね‬

‪本を閉じ道ゆく人にあのひとの面影探すことも終わった‬

‪あのひとを探さず歩く交差点パンを片手に楽な呼吸で‬

‪とびきりの失恋をしたお祝いに枝の付いてるレーズンを買う‬

‪駅前のひと、ひと、ひとを探さないことがこんなに心が軽い‬

‪美味しさも写真の中に移るのか撮らずに食べたパンが美味しい‬

‪ぬくもりが欲しくてチキンタツタ買うもっと欲しくて探すコンビニ‬

‪前髪を伸ばしてみたい少しでもあのひとのこと忘れたいから‬

‪前髪を切ったあの子が微笑んでくれたらきっと可愛くなれる‬

‪椅子取りに破れ寒さの中啜るフラペチーノに罪はないけど‬

‪鍵待ちの身をあたためてくれるのはスタバじゃなくてイオン(イートイン)でした‬

‪赤ちゃんと同じ目をして電車から流れる景色初めて見てる‬

‪iPhoneを忘れて景色眺めてたこんな色した街だったんだ‬

きみおもうときに染み出すはちみつで漬かった肺は思考を奪う

‪777未読メールの件数に期待を込めて君を探した‬

左耳たぶを今宵のデザートにしていいですかささやいてみる

Amazonの家族会員でいるからあなたが生きていることわかる

‪女の子の中で一番好きだけど男の方が好きなんでしょう?‬

‪好きだって言えばあなたの手は離れ私はひとり奈落に落ちる‬

ごっこには付き合うけれど本気にはならない好きだなんて言わない

沖縄に行けばあなたは今度こそ私を選んでくれるでしょうか

結婚をしていてほしいもう今はあなたのことをあきらめたくて

「今日という日はもう二度と来ないのよ」そうやってまた叱られたくて

‪みんなみんな幸せになるひとりだけおいていかれるなんてもういや‬

嫌よって言える相手のいることの甘い響きでイヤイヤをする

‪言葉より触れて伝わる種族にはない悲しみがまた一つ、ころん‬

怖いのは君を失うことだけで失った今なにもそれほど

風船の易く吹き飛ぶ始まっていない恋にもすがりたくなる

にんげんの形をしてる毒薬かその手を取れば楽になれるか

ほら月が綺麗だよってゆびさせば一日過ぎた満月がある

元カレの話を聞きたがる君は私のことをもう好きじゃない

女って馬鹿だよねって笑い合うこだまのしみるペディキュアを塗る

大丈夫だってあなたが笑うなら指をからめてどこへ飛び立つ

あなたとは死にたくないとハンドルを切る指ながめ恋が終わった

桜降る心は今も冬なれど君のそばには春来るらむか

君となら死んでもいいと思うことそれが恋だと今ならわかる

きみとなら生きてみたいと遅すぎる返事をどこに置いたらいいの

‪友達がほしかったねと笑い合う君とは今も探り合ってる‬

五メートルよりも大きい人ならば胸に差し込むポケット六法

‪友達がほしかったねと笑い合う君とは探るまた春が来る

‪I show you the most important thing is love,but,I tell you my birthday……相性よりも愛情が大事‬

‪しんぶんしんぶんしんぶんしあなたの手元をのぞく猫の真似する‬

‪こんな夜がくるとわかっていたようなスクショの数々どれも消せない‬

‪夢に見るきみはいちまいだけのこる写真のままで年をとらない‬

‪しんぶんしんぶんしんぶんしあなたの手元をのぞくねこのきもちで‬

‪何もできないけど生きていていいと思えるほどの余裕もなくて‬

‪本編のストーリーよりやり込んだあのミニゲーム覚えてますか‬

条文に割り込んでくるウグイスの声にいきづくあかりとりまど

砂浜に書く文字ほどの儚さを知ればとりけむ君とのLINE

‪有名になって私を捨てたひとたちを後悔させたかったね‬

‪削除キー連打で全部消えてほしい「褒められたい」も「きみが好きだ」も‬

いつまでも未来のままでいたかった大人になんてなりたくなかった‬

二時間の迷いに勝った入門書そのやさしさに期待している

‪幸せなら手をたたこう地団駄を踏む君二番を知っているのね‬

‪友人としてはつきあえますけども君と二人はなんだかこわい‬

‪やさしさをもってあなたは捕食者の爪を研いでる笑顔の下で‬

‪たいていのことは遺伝で決まるけどわたしにとってきみはかわいい‬

‪かあさまの子どもの頃に描いた絵は私に似てるあれは予言書‬

‪腹筋に力を入れて読んでいくこれは「私の」ではない感情‬

‪手を繋ぎどこまでもゆけ赤い糸今夜限りでちぎれていても‬

‪さっきから何しているの深呼吸きみのまわりがパワースポット‬

きっと今はてなマークが飛び出てるこれは入門書なのでしょうか‬

コンビニを目指す夜道は輝いて君とふたりでぼうけんごっこ‬

‪のんあるで酔ったふりした横目では君の口元ばかり見ていた‬

‪にんげんとしてのえいぎょうじかんならとうにおわってしまいましたよ‬

‪屋上へ続く階段の途中の壁に書かれた電話番号‬

‪やわらかい心を武装するために胸ポケットにカッターナイフ‬

‪昼間から飲んでしまって君からの会いたいの文字伏せてまた飲む‬

‪神妙な顔して読んだ専門書(なにひとつ意味わかってません)‬

‪やりたいもやりたくないもトントントン均しただただ淡々とやる‬

‪ふたりだけにわかる言葉を交わすとき生まれる前にもどる気がする‬

‪布団から出ないナナメを通り越しタテになってるご機嫌なので‬

‪ご機嫌は縦、横、斜め、どれですか 丸い布団をぽんぽん撫でる‬

‪新しいノートに名前書くときに間違えそうになった苗字‬

‪辛いという漢字に一本足す棒を持ったあなたを探しています‬

‪未練など別れ話を遠隔で済ませる人に持つものじゃない‬

‪人生が物語ならこの日々はどのへんにあるシナリオですか‬

‪誰のことも好きになったことがない気がする誰か好きを教えて‬

‪形から入るタイプのあの人とおそろい明日も会えますように‬

‪好きだとか嫌いだとかの奴隷にはなりたくなくて一人焼肉‬

‪しあわせは歩いてこないなら走れ青いジャージは君とお揃い‬

‪食べ方が綺麗だねって褒められて感謝している母の厳しさ‬

‪本棚に残るあなたの面影は今や私の一部でもある‬

‪もう少し器用になれる午後からはシーブリーズの香る教室‬

‪きっと今はてなマークが飛び出てるこれは入門書なのでしょうか‬

‪彼もまたDNAを運ぶ船わたしを海か船か知らずに‬

‪痛むけど触ってしまう傷口のひとつとなった思い出の君‬

‪抱いている「辛」の棘で痛んでも抗ってみる夢の果てまで‬

‪首の傷、手首の傷に太ももの傷、傷、傷にキスをください‬

‪夜に読む本と一緒に開かれる傷の優しい痛みと生きる‬

‪役人になってまもない十八の子らの透明すぎるまなざし‬

‪役でいいから友達がほしかった夢から覚めるカーテンコール‬

‪仕事場という舞台での役割を果たし帰路では真顔に戻る‬

‪頼れないひとほど罹るヤマイだし大丈夫って言うのやめなよ‬

生かされています世間のみなさまが下見て安心する用として‬

好きだからつらいのどうか花びらの終わりが「きらい」でありますように

二時間は一緒にいられます趣味を映画と言っておいてよかった

ほんとうは内容よりも三時間いっしょにいられるから好きです

‪すき、きらい、すき、きらい、すき 花占い桜でするのずるい? 好きでしょ‬

‪いらっしゃいらっしゃいやすいよやすいよままごとでやる店第一位‬

‪すき、きらい、すき、きらい、すき 必ずや叶う桜の恋の占い‬

‪色紙を丸めたリンゴ食べるとこじっと見ているちいさな八百屋‬

‪いちめんに舞う花びらをプリクラの落書きペンで再現したい‬

短歌 2020.05.07〜‬

コンビニを目指す夜道は輝いて君とふたりでぼうけんごっこ‬

‪のんあるで酔ったふりした横目では君の口元ばかり見ていた‬

‪にんげんとしてのえいぎょうじかんならとうにおわってしまいましたよ‬

‪屋上へ続く階段の途中の壁に書かれた電話番号‬

‪やわらかい心を武装するために胸ポケットにカッターナイフ‬

‪昼間から飲んでしまって君からの会いたいの文字伏せてまた飲む‬

‪神妙な顔して読んだ専門書(なにひとつ意味わかってません)‬

‪やりたいもやりたくないもトントントン均しただただ淡々とやる‬

‪ふたりだけにわかる言葉を交わすとき生まれる前にもどる気がする‬

‪布団から出ないナナメを通り越しタテになってるご機嫌なので‬

‪ご機嫌は縦、横、斜め、どれですか 丸い布団をぽんぽん撫でる‬

‪新しいノートに名前書くときに間違えそうになった苗字‬

‪辛いという漢字に一本足す棒を持ったあなたを探しています‬

‪未練など別れ話を遠隔で済ませる人に持つものじゃない‬

‪人生が物語ならこの日々はどのへんにあるシナリオですか‬

‪誰のことも好きになったことがない気がする誰か好きを教えて‬

‪形から入るタイプのあの人とおそろい明日も会えますように‬

‪好きだとか嫌いだとかの奴隷にはなりたくなくて一人焼肉‬

‪しあわせは歩いてこないなら走れ青いジャージは君とお揃い‬

‪食べ方が綺麗だねって褒められて感謝している母の厳しさ‬

‪本棚に残るあなたの面影は今や私の一部でもある‬

‪もう少し器用になれる午後からはシーブリーズの香る教室‬

‪きっと今はてなマークが飛び出てるこれは入門書なのでしょうか‬

‪彼もまたDNAを運ぶ船わたしを海か船か知らずに‬

‪痛むけど触ってしまう傷口のひとつとなった思い出の君‬

‪抱いている「辛」の棘で痛んでも抗ってみる夢の果てまで‬

‪夜に読む本と一緒に開かれる傷の優しい痛みと生きる‬

‪役人になってまもない十八の子らの透明すぎるまなざし‬

‪役でいいから友達がほしかった夢から覚めるカーテンコール‬

‪仕事場という舞台での役割を果たし帰路では真顔に戻る‬

‪頼れないひとほど罹るヤマイだし大丈夫って言うのやめなよ‬

生かされています世間のみなさまが下見て安心する用として‬

好きだからつらいのどうか花びらの終わりが「きらい」でありますように

二時間は一緒にいられます趣味を映画と言っておいてよかった

ほんとうは内容よりも三時間いっしょにいられるから好きです

‪すき、きらい、すき、きらい、すき 花占い桜でするのずるい? 好きでしょ‬

‪いらっしゃいらっしゃいやすいよやすいよままごとでやる店第一位‬

‪色紙を丸めたリンゴ食べるとこじっと見ているちいさな八百屋‬

‪いちめんに舞う花びらをプリクラの落書きペンで再現したい‬

‪胸の穴からもれている冷たい空気があたって目が乾きそう‬

‪すき、きらい、すき、きらい、すき 執着をちぎって飛ばす許せ花びら‬

‪空と海どちらだろうか細やかに青を区切ってさくらは伸びる‬

‪えいえんにここにいたくてそのままにしている最後一個の団子‬

‪透きとおるさくらの花に空の青かさねたいろのきみのゆびさき‬

‪意味はなくとも生きるのだ牛乳で割った珈琲一気飲みする‬

‪3Dプリンタのある家庭なら発明家にもなれていたかも‬

‪ほしがれなかったピアノを諦めて大人になってギターを買った‬

‪わかりあえないきみとぼくコーヒーとミルクの仲に嫉妬している‬

‪ひび割れたそらを彩るさくらから零れおちたる光ひとつぶ‬

‪幸せになりたい手づかみで食べるナスのマリネのしみるささくれ‬

‪やはらかな鎧を破りそらまめの甘い本音がとびだしてくる‬

‪会社でもニックネームで呼ばれてるような人にはわかりませんよ‬

‪ひとりではいたくないけどふたりでもいたくないのであっち向いてて‬

‪原付で往復二時間通院をした後かじるプロテインバー‬

‪ウインナー、海苔、葡萄、大人になってその価値を知る食卓だった‬

‪ボーカルの鳥とベースのざわめきとバンドを組んだ木漏れ日(ライト)‬

‪平静を保つ水無川だって下に流れる感情がある‬

‪短パンの紐が通っていないこと忘れ片手で押さえて走る‬

‪ゆびきりをするとき触れた細い小指が冷たくて守りたかった‬

‪感想は言えないけれど好きだよと君のお世辞が上手くなってく‬

‪罪じゃないけれど正しくもない告白を濁して友達でいる‬

‪親が寝た後に貪るチョコレート 昼間は我慢できていたのに‬

‪好きな人とはSNS上では相互ブロックの関係でいたい‬

‪しあわせになりたい人が一人残らずしあわせになりますように‬

‪ウナコーワクールは夏の守護神で見せ場をきょねんから待っている‬

‪Tシャツの首と赤白帽のゴム味わう給食前の少年‬

‪歌詞のなかダーリンという語句が出るたび目を伏せ@カラオケボックス‬

‪丁寧な暮らしのために外食で頼むグレープフルーツジュース‬

‪井のなかの丶はせかいぜんたいを愛してすこし丸まっている‬

‪傾いた軸が季節を生み出した わたしもなにか生み出せるはず‬

‪才能はほしいけれども好きなだけでつくる歌もちょっといとしい‬

‪死んだあといちばん好きな歌になりまどろむようにたゆたってたい‬

‪青春の象徴として思い出す君の笑顔がぼんやりひかる

‪きみのこと歌にするたびかろやかに剥がれる未練と呼ぶ薄皮‬

‪笑われてないこと確認して走る好きなフォームで 好きなフォームで‬

‪名を知らぬ花もわたしの名を知らずやさしい風の吹く街をゆく‬

‪丸くなる地球全体平均でプラス3キロ心も丸く‬

‪走るまで恵みの雨は待っていてシャワーとともに世界を洗う‬

‪歳をとるごとにゆるやかになりゆく手書きの文字のとめはねはらい‬

‪名を知らぬ花もわたしの名を知らず救われているしがらみのなさ‬

‪その指で奏でられたい六弦はなくてもギターと呼んでくれる?‬

‪なにかひとつ誇れるものがあるといい夜は何度もやってくるから‬

‪「つめた〜い」「あったか〜い」に当たり前のような顔して混ざる「しにた〜い」‬

‪わかってないけどわかった顔をして読む本のなんと面白きこと‬

‪鳥の声 解答欄はぐにゃぐにゃで 腕は震えて 欠ける消しゴム‬

‪大学に行きたかったな髪色は職場規定でいつも8番‬

‪つらいなら辞めてもいいかあと1分あと1分を先送りする‬

‪お願いです頭を良くしてください誰すも傷つけなくて済むよう‬

‪海になるはずだったのに水溜り遠い目で空ばかり見ている‬

‪うぐいすと蛙がクロスフェードする狭間でわたし“一回休み”‬

‪傷つけないように離れて暮らそうか君は地球でわたしは月で‬

‪噛まれたり引き摺られたり聞き分けのないしにたみ躾けてみせよう

‪弱音は許されないからこっそり泣くためにシャワーばかり浴びてる‬

‪毎食後抗惚れ薬飲みたいね春夏過ぎて秋が来るから‬

‪償いたい。許されたい。助かりたい。ごめんなさい。許してください。‬

‪目を閉じて恋の破片の漂うをみればここにも宇宙があった‬

‪生きていくために切り離した恋の分だけ軽くなったたましひ‬

‪がいこくのおはかみたいと幼子はチラシの裏にでっかく描く‬

‪急速に冷めてく酔いが烏龍茶おまえの苦さ思い出させる‬

‪計算で切り捨てられた小数点以下はそれからどこへ行ったの‬

‪幻肢痛かもしれない背中が痛いきっと翼を失ったんだ‬

‪あやまちにするには惜しいこの部屋に愛はあるのかとりあえず水‬

‪生きる希望は無くてもギターを弾くように生きたらそれでいいと思った‬

B面の方が好きだと通ぶってみても友達にはなれなくて

ドラッグとしてのあなたは優秀ね4年経ってもまだ抜けてない

‪FREE KISSES/FREE SEX 血の色のマニキュアはまだまだ乾かない‬

‪「SEXは、心を抱くこととする。」とありましたのでノーカウントで‬

‪眠れない夜はあなたのせいじゃない23時はまだ夜じゃない‬

‪鬼は皆公務員だと気がついて地獄が急に優しくなった‬

‪必要でなくなってから現れる制度を憎むことの虚しさ‬

‪錆びていてバネにならない逆境をリサイクル業者に託したい‬

雨だから死にたいそんな気軽さで電子の海で心中しよう

‪結婚をしないと決めてから君は女性とばかり付き合っている‬

‪愛情を受ける器と悲しみを受ける器が逆ならいいのに‬

‪繰り返す不平不満はもう意味を失っている酷い雨音‬

‪愛情を受ける器と悲しみを受ける器を入れ替えたいね‬

‪愛情の器はザルで悲しみの器はコップ 入れ替えたいね‬

‪物語みたいに海が青くって正装として裸足になった‬

‪海の上走るカーナビは自由であえてアップグレードはしない‬

‪馬鹿なふりできるくらいの賢さを持てたら楽に生きられるかな‬

‪日焼け跡みたいに白い傷跡は酔うとピンクになるの、知ってた?‬

‪幸せの定義を探し六法の銀の表紙を何度もめくる‬

‪恋人というより共犯者だったね鎖の跡がまだ残ってる‬

‪運命の糸の代わりに繋いでた細い鎖の跡が赤いよ‬

‪特大のてるてる坊主になろうか海になるまで雨はやまない‬

‪死にたさの海で背泳ぎばかりして泳ぎばかりがうまくなってく‬

‪選ぶメニュー選ぶメニューがことごとく売り切れの日はちょっと誇らし‬

‪iPhoneの画面が割れている女からもやめなと言われる 夏だ‬

‪くちびるの端のソースを拭うときサムズアップになる君が好き‬

噴き出した赤の滴る自己愛をラッピングして夢として飼う

堂々とあなたが飲んだのと同じ薬をさっきトイレで飲んだ

餌に似た漢方薬を流し込む わたし水から上がった金魚

義務になるとすぐに嫌になる「生きる」を趣味にとどめる方法【急募】

‪過去形の言葉で胸を縫い留めて君は私を標本にする‬

‪ディストピアかもしれないな暗闇でぴっちり並ぶ冷凍ごはん‬

‪似合わない可愛い服をダンボールに詰め込むソーシャルディス箪笥‬

‪天国のジュースバーにて今生で吸えない甘い汁を吸いたい‬

‪とりあえずお風呂に入るそのあとのことはそのあとまた考える‬

目の下に刻まれている折り合いをつけた理想を塗りつぶす朝

全方位祝福される恋愛をしたい臆病者でごめんね

隠してたけれどそもそも私など誰も見てない横髪留める

プラタナスそよぐ場所にて語らへる遠い未来の散骨のこと

きびだんご食べたら前を向きなさいおまえをさした魔はもういない

「勝てない」と認めて透き通る空に捧げる炭酸水染み渡る

キスよりも先に喪う童貞のこんなもんかという断末魔

溢れ出すビールの泡も落ち着けばこんなもんかと呷る おかわり

君の吐く言の葉はうつくしすぎる進研ゼミの模範解答

傷つけてしまわないよう取る距離を愛情という名前で呼んで

波音に呼吸を合わせ太陽と海と私は同期してゆく

悲しみの涙は甘い味がする嬉しいときの涙と同じ

相槌を淡々と打つ骨抜きにされたナゲットまるくなりたり

あの夏のジャングルジムの独裁者だったあなたの綺麗なお辞儀

見えていて無視されているよりマシだわたしはきっと透明なんだ

太陽を知っているのかキッチンの光でなんか育つな豆苗

唇が模範解答紡ぎ出す心はどこで何をしている

孤独ではなかったことを知るために遣わされたるさらなる孤独

ささきななこ@nanako_tanka 2020

ささきななこ@nanako_tanka 2020

  • 自由詩
  • 短編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-05-19

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著作権法内での利用のみを許可します。

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