どうせ秋

どうせ秋

 夕方がやってくる少し前。柔らかな日差し。他人のような、白い日差し。
「物悲しいのは秋のせい」
 ためいきは温度がない。落ちないしずく。言えないわたし。
「気温が下がるから人恋しいだけだよ」
 求める温もりは誰かのものじゃない。
 認めたくない。認めたら、わたしは──。
「誰でもいいなんて言うわけないじゃん」
 私の中心にいるのは、明確に。
「ビッチじゃあるまいし。どうせね」
 あなたがほしいと言う勇気などなく。

どうせ秋

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どうせ秋

人肌恋しいのもさ、どうせ秋だからじゃん?

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-17

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