どうせ秋
どうせ秋
夕方がやってくる少し前。柔らかな日差し。他人のような、白い日差し。
「物悲しいのは秋のせい」
ためいきは温度がない。落ちないしずく。言えないわたし。
「気温が下がるから人恋しいだけだよ」
求める温もりは誰かのものじゃない。
認めたくない。認めたら、わたしは──。
「誰でもいいなんて言うわけないじゃん」
私の中心にいるのは、明確に。
「ビッチじゃあるまいし。どうせね」
あなたがほしいと言う勇気などなく。
どうせ秋
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