思い上がるな

センシティブな恋愛表現を含みます。

思い上がるな

 彼女は私の頬を叩くことすらできず、ただわなわなと震えて睨んでいた。
 私は挑戦的に尋ねる。
「人の彼氏を取るな、なんて言うつもり?」
「言ったら悪い? あなたが何したのか分かってるの?」
「分かってるよ。アイツと私はセックスした。それが何?」
 なにじゃないわよ、という彼女の声が面白いくらいに怒りに満ちて、私は思わす笑ってしまう。
「言っておくけどレイプじゃないの。あいつが私を抱くことを選んだの。その事実から目を逸らす気?」
 あっ、それとね? と私はとどめを刺す。
「人は誰かの所有物じゃなくて意思のある存在なの。あなたが所有していたなんて思い上がらないでね。馬鹿に見えるよ?」

思い上がるな

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思い上がるな

人はあなたの所有物じゃないんだよ?

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2020-05-17

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