Rewrite the Stars
軽い性的な描写を含みます。
Rewrite the Stars
熱い。擦り切れた私の内側は確かな熱を持って先程までの行為を克明に記憶していた。
それなのに、肌に残るのは冷たさばかりだ。
ベッドサイドに腰掛け紫煙をくゆらせるアイツ。背中の産毛に汗が絡む。間接照明の薄暗さが乱反射する背中には私の爪後がくっきりと残っていた。
「なあ、俺と結婚するか?」
アイツは私を見ない。
「しない、って言うだろうな」
私の答えを待たずに乾いた笑いをもらし、まだ長い紙煙草をベッドサイドの安っぽい灰皿に押し付けた。
「お前、何にこだわってるんだよ」
別に、と私の声。
「そんな潔癖な癖に俺には抱かれるんだな」
うるさい、という声は聞こえなかった。
場末のホテルは窓がない。厚い壁で覆われた部屋からは数え切れる星空すらも見えやしない。
「運命が、変わればいいのに」
私は生ぬるいシーツを頭まで被った。
「俺が星座すら書き換えてやろうか?」
嘘ばっかり。
あんたにそんな期待してないよ。
流れ落ちる体液は冷たい。
Rewrite the Stars
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