【土山】ある朝のこと

しずよ

二次創作(腐)につきご注意ください。
旧サイトからの再録です。あんぱん回を読んだ直後に「山崎ぜんぜんヒゲが伸びないのかな?」と思って書きました。
土方さんと山崎がいちゃいちゃしているだけのお話。
張り込み先に副長が訪れると、二人の時間があるので夢が広がりますね。

 少し冷気を感じて、緩く目を開ける。まだ暗い天井が目に入った。
 あれ、寝てたんだっけ? 何時? と思って、枕元に置いてあるはずの目覚まし時計を見ようとした。すると隣に黒い大きな塊があり、かなりびっくりした。
 そうだった、昨日の夜は土方さんと一緒だったんだ。
 俺はこの一月近く、潜入捜査でとある両替商に住み込んでいた。結果的には物証は見付からなかったので、白ということで良しとして帰って来た。早々に夕飯と風呂は済ませ、九時には寝入った。はずだった。まぶたが落ちる、ちょうどその瞬間に「山崎」と声が掛けられた。はずみで返事をしてしまった。
 戸が開いて人が入ってくる音がするけど、強烈に眠くて目が開けられない。その人が何事か言ってくるが全然頭に入ってこない。訳が分からないまま「もう俺無理です、全然無理」と返事をしたような気がする。
 そうしたら布団にもぐりこんで来た。タバコの匂いがしたので土方さんだと分かった。と言うより、こんな事するのはこの人しかいない。
 ものすごく寝るスペースが狭くなったけど、これでもう眠れると思って安心したところで、口に何か当たった。すぐには離れず唇やら歯を舐めてくるので、いい加減に寝かせて欲しいとちょっとムカついた。
 でもくっついている胸とかの体温が服越しでもあったかくて気持ちがいい。俺は腕を背中に回す。そうしたら背骨がなぜか気になった。
 あれ? どこにある?
 手を滑らしあちこち確認する。あ、ちゃんとあった。この背骨の凹凸が実は俺は好きなんだ。指で丁寧になぞり満足したところで、俺は意識を手放した。



 向こうをむいて寝ている背中が見えた。そこに額をくっつけて温かさを感じてみたいなんて、いじらしいことを考えてしまう。……ていうかなんかスースーする。
 ハッと目が覚めて掛け布団をめくった。 すると寝間着どころか俺は下着も履いていなかった。だから妙に寒かったんだ。て言うかどうして全裸なんだ。目の前に横たわる人は、しっかり着てるのに。
 寝ている間に何かしたんだろうか? でも下半身に違和感はない。それに寝てる人間相手にやっても別に面白くもないだろう。本人に聞けばすぐ分かる事を色々と考えた。
 つーか自分だけ服着て寝やがって……、俺にもなんか着せてくれてもいいじゃないかコンチクショー!
 俺はムカつきながら布団の周りを探した。ゴソゴソやってたから土方さんが身じろぎした。
「……今、何時?」
 声が掠れている。
「まだ四時半です。いま部屋に戻ったらどうですか」
 見つけた寝間着を着て腰ひもを結び、再び布団へ入ろうとした。そうすると寝起きとは思えない力であっという間に引きずり込まれて、覆いかぶさられた。
「あの、何してんですか……。土方さんもう戻った方がいいですって」
「お前、昨日の事覚えてるか?」
 顔を寄せられ耳に近いところでささやくから、少し鳥肌が立った。
「無理矢理起こされたのは覚えてます」
「途中で寝ちまいやがって」
 目の前の顔は、眉間にしわが寄りずいぶん非難がましい。
「いやその前に俺寝てましたよね。やりたいとか言ってませんよね」
「だったらあんなにベタベタ触んじゃねえよ」
「……」
 背中を撫で回したのを覚えている。ちょっと後ろめたくなった。一方的に責めるのも気が引けてきた。
「なんで着たんだ? そのままで良かったのに」
 言うが早いか、土方さんがさっそく脱がしにかかる。もうすっかり目が覚めた顔をしている。
「い、今は勘弁してくださいよ」
「なんで」
 喋りながらも、脱がそうとする手は止めない。
「だって、朝からすると昼間だるくなるじゃないですか。それに土方さん、ヒゲが伸びててちょっと痛いです」
「ヒゲって、女子供みてえなこと言うなよ」
「じゃ、俺もしばらくヒゲ伸ばしましょうか。そしたら女子供の気持ち分かりますよ」
 脱がすのを止めてくれないので言い返したら、それがちょっと癪に触ったらしい。すっかり前をはだけられた肌に、彼は顎を押し付けてきた。
「ちょ、それ止めて痛いですって! 乳首はホント止めて!」
「大丈夫、痛いのは最初だけだから」
 かなりいやらしい顔だ。なんだか火を点けてしまったらしい。お願いだから下はヒゲで刺激しないで、と心の中で必死にお願いした。

【土山】ある朝のこと

【土山】ある朝のこと

  • 小説
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日 2020-05-16

Derivative work
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