夢~叶えるために
<生活が急変!?さらば今までの俺>
今は春。満開の桜が咲いている中、俺はというと・・・。
家に引きこもっていた。カーテンを締切り、机の上には昨日の晩飯が散らっばていて、指でキーボードを叩く音が暗い部屋に鳴り響いていた。入学してから約一週間、入学式以来一度も部屋から出ていない。
ずっとパソコンをいじって、腹が減った時には飯を食って、眠たくなったら寝るという生活を続けていた。小さい頃からアニメが大好きで、中学の頃はオタクという異名を持っていたほどだ。「今日は何見よっかな」とキモいほどの笑顔で顔をにやつけせながらアニメの検索をしていた。ここ最近毎日アニメを見続けているせいか毎日見るのが習慣になっていた。何をしていてもアニメ、飯を食っていてもアニメ、寝るときもアニメ、俺の日常はアニメで成り立っているといってもおかしくはないくらいだ。
その時なんだか聞き覚えのある音が鳴った。
プルルン。パソコンにメールが来たのだ。「はじめまして、どこでこのアドレスをゲットしたかって思っていると思うけど、とりあえず気にせんでいいから。あと用件があって送ったんだけど、君に逢いたい。以上」「えっ・・・」一瞬俺の中の時が止まった。思えばここ最近他人と話していないし、メールすらやっていなかった。ずっと部屋に引きこもってアニメをただただ見ているだけだった。そんな俺にメール?驚きが隠せない。「どこで俺のアドレスを・・・。てか、逢いたいって絶対からかいだろ、こいつ」そう、俺は童貞だ。小学生の時に幼馴染とメールして以来女の子とメールなんてしていなかった。それ以前に話すらしていなかった。自分に自信がなく、自分から女の子を避けていたからだ。そんな時、俺にものすごい程の童貞力が急に湧いてき、とっさに怒りが込み上げて来て思わず、返信してしまった。
「誰だかわかりませんが、からかうのはやめてください。あと次メール送ってきたら警察に通報します」よし、これでいい。実に清々しい。今まで「アニメでもあるまいし」と思うできことなんて一度もなく、夢だけを見てきた俺にこんな運命みたいな出来事が起こるわけがないと、ずっと思ってきた。なのに、ある日突然メールなんてもんが来ると「もしかして、誰かからの紹介かな」と思いたくはないけど、思ってしまう。しかし、通報しますって送ったから大丈夫だろうと思っていた。そんな時、再び聞き覚えのある音が鳴った。プルルン。「メール!!」慌ててメールを確認してみた。
「今日の天気は晴れのち曇り・・・」天気予報だった。今日の俺の予報は当たらんな、などとくだらんじょうくを言ってみたりもした。期待するだけ損。俺はそんなこと知っていたはずだろ。最初から期待なんてしていなかったんだから。この時改めて感じた。俺の人生は暗闇の中だとーー。寝むたくなり明日の朝一アニメの見る時間を作らねば・・・っと思いながら、ゆっくりベットに入った。
朝8時、なんだか今日はいつもより早く目が覚めた。いつもは朝一アニメを見るなんて考えた事なかったから、早く起きるのも仕方ないか・・・って寝起きながらも頭を使いながら、いつも通りパソコンの前に座った。昨日のメールの件がやたらと気になったせいか、メールボックスを開いてメールが来ているか確認してみた。不思議と3通も来ていた。
「朝の8時なのに3通って」不思議に思った。いつもは朝の10時にやっとサイトのメールが来るぐらいなのに朝早くから3通も来ているとやたらと不思議に思える。なにが書いているか気になるから、メールの確認をしてみた。
「この前メール送ったものですが・・・ってこの前の不審者!」心臓が止まりそうになった。一瞬携帯を持って警察に通報しよとしたが、何か目的があってメールを送ってきているのだと予想した。なので一度携帯を置きメールの内容を確認してみた。
「この前は急にメールなんてしてしまってすみません。ですが、私はあなたに逢いたい。ただそれだけのためにこちらに引っ越してきました。このあたりの事も引っ越してきたばかりでよくわかりませんので、教えて欲しいです。今度の土曜日の朝8時、秀節公園にて待ってます。」笑いが止まらなかった。なんとバカバカしい。俺の現実にこんなことがあるわけがない。てか、あってはいけない。そんなことが実際にあるのならば、俺はもう経験しているはず・・。なんだか今度は童貞力とはまた別の怒りが湧いて来て、他のメールも見る気が失せ消えてしまえと人を今から呪うかのように笑いながらメールを消去した。てか、まだ8時やん。ゆっくりしたかったのか、そのまま二度寝してしまった。目が覚めると夜の9時。「よく寝たなぁ」大あくびをしながら、どうでもいい独り言をつぶやき、朝と同じくパソコンの前に座った。何かが突然心を震わせてきた。そのせいか、慌ててメールボックスを確認した。
「0件か、やっぱり期待なんてするもんじゃないよな」そう、メールが気になったのだ。そう思いながらもあきらめがつかなかった俺はその謎の不審者に返信してしまった。「こんばんは」なんでこんな一言だけ送ったのだろう。そう思いながら
「まぁどうせメール返ってこないからどうでもいいや」そう思った。そして、何事もなかったようにアニメを見始めた。昨日朝見るために検索していたやつだ。いつものようにキモいほどの笑顔で笑いながら幸せのひと時を過ごしていた。その時、音が家中に鳴り響く。ピーンポーン。「誰だよ」夜の9時なんかに家に訪ねてくる行儀のなってない奴も世の中にはいるもんだな・・・っと世間に文句をいいながらも玄関に向かった。
「ハーイ」返事とともにドアを開けた。「待ちきれないのできちゃいました」満面の笑みで見つめて来る可愛らしい女の子がそこに立っていた。すぐさまドアを閉めた。「えっ、誰?あの子?」奇妙すぎる。「こんな時間に女の子一人で、さらによりにもよって俺の家に来るなんて、神様が死なない限り一生やってこない運命どぞこれ」なぜ神様が死なない限りなのかは分からないが、今なにが起こっているのか全くわかんなかった。とりあえず冷静になれ俺・・・。自分に言い聞かせながら「とりあえず、誰か聞いてみよう」そう思い、再びドアを開いた。「あの~どちら様ですか?」
とりあえず疑問形で聞いてみた。
「私はあなたの妹です。お兄様。」またも一瞬俺の中の時が止まった。「俺に妹?ありえない。えっ、でも、今実際に目の前にいるし、いやいや、これは疲れから来る幻覚というやつだな」これホントに現実か。夢だよな・・・多分。もう起こっていることが理解できない。だから訳の分からんことまで考えてしまう。宇宙人?未来人?俺を殺しに来たとか。だから逢いたいっていったんだろ。俺殺されるのかな、でもそれはありえないだろ。この時から、俺のオタクライフは一気にモテ期ライフに変わろうとしていた。さよなら、今までの俺。そして、ようこそ新しい俺。
<第二章ようこそ・・・・新しい俺>
今日は何か違和感を感じて起きた。いつもとは違う、まるでとなりに誰かいるみたいで体に柔らかいものが当たる。目を開けてみると、隣でぐっすりいびきを掻きながら寝ている自称妹がいた。俺は驚いて、慌てた様子ですぐにベットから立ち上がった。
「お、おい。なにやってんだよ?」俺はとにかく慌てていた。「ん~朝から声でかいよ、お兄様」いやいや、初日からなんだよ、このハプニング!
明らかにいつもの自分の日常ではなくなってしまった。
しかし、俺はとりあえずこの状況をなんとかしなければと思い、「お、俺は買い物に行ってくるからな」今は朝の8時。朝の8時から買い物なんてどこもあいてないことなんて当然知っていた。しかし、突然が突然をうみ、それに対応できなくなった俺は逃げ出したくなり、買い物と嘘をつき家を飛び出していった。普段だとあいている商店街もまるで戦争の後かのように静かで人一人歩いていなかった。
俺はこの様子がおかしいと最初は思わなかった。俺は昼夜逆転してる生活をおくっているため、朝の商店街なんて歩いたことがなかったからだ。「キャー」突然悲鳴が聞こえた。俺はなぜだか分からないがその悲鳴の方へと走っていった。路地裏に入り悲鳴がしたあたりに行き、微かに耳をすますと声が聞こえる。「やめて!やめてください」俺は声のする方へ走っていった。壁から少し覗いてみると若い女の人が軍の人に囲まれていた。その女の人は5人ほどの軍人に囲まれて強姦されていた。そして軍人の一人が銃を取り出し女に向けて引き金を引いた。女の人は射殺された。俺はその光景を目の前に耐え切れなく気づかれないように猛ダッシュで逃げていった。
家につきドアを二重ロックにして家の中へと足をすすめる。「お兄様!どこに行ってたんですか?」自称妹が不思議そうな顔で訪ねてきた。「か、買い物だよ・・」少し怯えた感じで俺は言った。そうすると自称妹は「外に行ってたなら説明が早くすみそうです」「なんだよ、説明って?」妹はまるで説明書を音読しているみたいに語りだした。「今、この世界は戦線となっています。お兄様が引きこもっている間に世の中は戦場へと姿を変えたのです。現在起こっているのは{人間殲滅計画(にんげんせんめつけいかく)}というものです。軍の人が都市を指定して、その都市の人間を虐殺しているという現状です。そして私はある人の命によりお兄様を守りにきました。
「お兄様にも戦ってもらいますけどね!」えっ・・なんだよ!一度にいろんなことおこりすぎだろ。俺は絶望したかのように床に膝をついてこういった「俺は死ぬのか?もう俺の人生は終わりなのか?どうなんだよ!」その時自称妹がこう言った。「お兄様は私のお兄様です。誰が何を言おうと。だからこそ私はお兄様を守ります。その代わりお兄様も私を守ってください。分かりましたか?ちなみに私のことはユイでいいですよ!」なんだよこの子。なんで平気でいれるの。俺は今すぐ平和な国に行きたいぐらいだよ。でもこの女の子がこんなに言ってくれてるのに俺がこんなんじゃいけないよな。ここで俺は何かを決心したかのような顔でユイって子に言った。「分かった。俺のことは守らなくていい。俺が君を守るから」俺はこの子に恋をしてしまった。
<第三章・・・境界の戦線・・・>
「おにいさま~、ご飯ができましたよー!」昨日のことが夢のような感じがした。朝起きるといつもなら冷蔵庫を探って今日の食料は何かを30分くらい考える日課だったのに、朝リビングに行くとまるでおぼっちゃまになった気分になるくらい、の料理がテーブルに並んでいた。「俺の家にこんなに食料あったっけ・・・。」そういえば説明が遅れたが、俺の家は俺一人しかいない。親はというと海外に住んでいる。いつも仕送りみたいな感じで金と食料を届けてくる。「おにいさま!ぼーっとしないで食べてくださいよ!!」「お、おう」恐る恐る黄金に輝くコーンスープみたいな物体をスプーンで口に入れた。「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
目が覚めた。「ここは?」自称妹がこう言った。「おにいさまったら、私の料理食べたら急に倒れるからびっくりしましたよ」あ~、そうだった。俺は想像を絶するレベルのものを口に入れて、その勢いでしっしんしたんだった。「こんな料理を俺に食わして何の恨みがある?」俺はものすごく怒った表情で自称妹に言ってやった。そうすると自称妹が「そんなに私の料理まずかったですか?」と泣きそうな目で俺に言ってくる。せこい奴め!そうやって何人の男を騙してきた?まぁいいだろう。ここでこいつを泣かしたとして俺に利益はない。ここはひとまず・・・。「悪いが俺は用事がある。だから自分の部屋に戻らせてもらうよ。入ってくるなよ。」俺はそのまま何も気にせずに自分の部屋へと戻った。
そしていつものようにパソコンのスイッチを入れて「プラグイン!!」とわけのわからないことを言いながらパソコンを起動させた。「ん?」メールが来ている。なんでまた?前のメールは自称妹が送ってきたやつでなんでまた来てるんだよ。
ものすごく気になり、そのメールボックスを開いた。
「よー息子よ!ここ最近お前の周りで変なことが起きてないか?お前のところまで広がってなかったらいいけど。
父さんの場所は今戦争状態になっている。父さんはいつ死ぬか分からない状態にある。
そこでだ!お前に一つ頼みがある。お前の家にもういると思うが、実はお前には妹がいてその妹を守ってほしいんだ!
一般の人間と比べればものすごく強い方だと思うが、少し心配な部分がある。だから兄貴であるお前が妹を守ってやるんだ。頼んだぞ!父より」
「まじで・・・・・・・・・・・・。」思わず声が出てしまった。父さんまで巻き込まれているとは・・・。あいつにもう一度状況を教えて欲しいが、話したくない。俺はあいつが嫌いなんだ。急に人の家にきて、妹とかほざきやがあって!俺の人生にそんな青春ラブコメみたいなできことがあるはずがない。俺はこの先一生認めんぞ!と自分の心に問いかけながらパソコンの方を向き、アニメを見出した。
気がつくと夜になっていた。なんだかしたの様子が気になって自分の部屋を出て、リビングに向かった。「・・・・・・・・・。リビングに自称妹がおらず、さらに静まりかえったいた。「どうしちまったんだよ!」俺は外の様子も気になり、無我夢中で外に向かった。
<第四章・・・外の世界・・・>
薄暗く周りは静かだった。まるで人の姿がないと思うくらい静かだった。俺は一番に行きつけの電気屋に行った。誰もいなかった・・・。「なんでだよ!」俺は驚きを隠せなかった。俺はそのあとも何個も何個も店を回った。しかし、誰ひとり見なかった。俺はあの時なんで逃げたんだろうと後悔した。もしあの時あの女性を助けていれば、ここまでひどくはならなかったんだろうと自分を責めた。俺はそこで膝をつき絶望していた。
しかし、そんな悲しみに浸る時間なんてなかった。「バババババッ」後ろから銃声が聞こえる。俺は急いで近くの建物に隠れた。
夢~叶えるために