貫く

すべてに理由をつけようとすると

自分がいる意味なんて なくなってしまう

情動に素直でありたい

人間でいることをわすれないように

数えきれないほどの感情を殺してきたけれど

殺されるべき感情なんて本当は一つもなかった

情動には裏も表もない 裏付けも要らない

欺瞞に駆られることもない 体裁なんか握り潰した

死ぬまで死ぬほど後悔したい

人間でいることをわすれないように

妄想が生む必然はいつだって

無自覚にじぶんを殺してしまうから

貫く

貫く

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-15

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