聖者の行進(3-2)

三―二 ある男の行進

「いったい、何だ。こりゃあ」
街の至る所に、霊がたむろしていた。自分の部屋の窓から見て知っていたものの、いざ、自分が街を歩くと特別な光景だ。喫茶店の窓ガラスにへばりついていたり、道路の並木にぶら下がっていたり、歩いている人に抱きついていたり、肩の上に勝手に肩車状態で座っていたりしている。
生きていた時には見えなかったが、まさかこんなに多くの霊が、街の中に住んで(?)いるとは思わなかった。今、思うと気持ちが悪くて仕方がない。そう言いながらも、いざ、自分が死んで、こうして歩いていると、当然の気持ちである。人間の感情は、生きている時も死んでいる時も、やはり自分勝手な生き物、いや、死に物なんだと、今さらながら感心する。
生きていた時と同様、繁華街を歩いていると、自分の体を自転車が通り過ぎたり、歩行者がぶつかってきたりする。それでも、体が透明のため、突き抜けるだけで、痛みは全く感じない。ひととおり街を散歩しながら、駅前までやってきた。
D夫が住んでいた(今も、住んでいると言えば住んでいる)街は海から開かれ、今も、フェリーや高速艇がひっきりなしに、港に出入りしている。その港付近は、十年前ぐらいに再開発され、JRの駅とバスターミナルと港が近接し、交通の結節点となっている。
駅の北側には、街の発展の象徴として、高層タワーが建設された。D夫は、暇な時(失業してからは、いつも暇であった)は、金のかからない楽しみとして、タワーの展望室によく上がった。さっき、自己申告したように、高い所が好きなくせに、いざ、展望室の窓ガラスに近づくと足が震えた。怖いもの見たさであり、怖いもの避けたさがあった。おお、アンビバレンツ!
D夫は、生きている時と同じように、タワーに行こうとした。バスの待合室にも、駅の通路にも、横断歩道にも、霊がうじゃうじゃしていた。タワーのエレベーターに乗ろうとした。生きている人間が待っていた。団体さんだ。
「お前、なにしてんだ」
いきなり声をかけられた。周りを見渡す。見えるのは人間たち。誰もD夫のことなんか気付いていない。
「気のせいか」再び、エレベーターのドアの前に立つ。
「エレベーターなんか使わなくても、展望室に上がれるぞ」確かに聞えた。自分に向かって話している。振り向くまでもなく、天井から逆立ちしてぶらさがった男の顔が目の前十センチ先にあった。
「ひゃあ」驚いて、後ろに下がるD夫。
「びっくりすることないだろう。俺もお前も霊なんだから」
男は、天井から飛び降り、通路の隅に立ち、D夫を手招きした。D夫は近づいた、これまで、数多くの霊を見てきたけれど、話掛けられたのは初めてだった。霊は口がきけないもの、口がないものだと思い込んでいたのだ。もちろん、D夫が生きていた時、街を歩いていて、他人から声を掛けられることはなかったから、死んでも、状況は一緒だ。なんのこっちゃ。
D夫は、同じ霊に呼ばれて近づく。
「はじめまして」我ながら、馬鹿な切りだし方だと思ったが、他に言葉が思い付かなかった。「いい天気ですね」の時候のあいさつもがあったが、これはさすがにやめた。
「遠慮することないよ」男は答える。男は、髪が長く、一枚ものの布の真ん中に穴を開け、頭を通していた。どこかで見たことがある。山登りの時に雨除けに使うポンチョだ。安上がりの服だな。D夫は思った。
「何でも、シンプルが一番だからな」男はこっちの心を見通せるらしい。
「あんた、自分が死んでいること知っているだろう」D夫は頷く。
「死んだら、生きていた時のしがらみや、地球の重力からも自由になれるんだ。ほら、こうして手を羽ばたくだけで、宙に浮けるんだ」
男は、自分の両手を上下させた。男の体は地面から離れ、天井にまで浮かんだ。子どもの手を離れた風船みたいだった。
「ほらな。あんたもやってみろよ」D夫は、鳥の雛が巣立つ時のように、見よう見まねで手を上下させた。
「うわあ」手加減がわからなかったので、バタバタと強く上下させたものだから、男のようにふわっとじゃなく、ブワッと上昇した。男がD夫の袖を引っ張らなければ、あやうく天井にぶつかるところであった。もちろん、天井にぶつかっても、素通りするだけだが。
「ありがとうございます」D夫は礼を言った。
「いやいや、こちらこそ。あんた、まだ、死んで間もないだろう」
「わかりますか」普段は相手に関係なく、タメ口をきくD夫だが、目の前の相手には、何かしらの威圧を感じ、丁寧語を使ってしまう。
「わかるよ。わかる。だって、まだ、生温かいもの」
「えっ、本当ですか」D夫は自分の体を触ろうとするが、手はすり抜ける。
「いや、冗談だよ。冗談」目の前の男は、長く伸びた髭を触りながら、「あんた、なかなか、素質があるぞ」とD夫に向かって言う。
「素質って、何ですか。俺、恥ずかしいけど、生きている時、失業者だったんですよ。何の能力もなく、資格もなく、求人広告に申し込んでも落とされてばかり。ホント、いやになっちゃいましたよ。そんな、俺に何の素質があるんですか」D夫は首をかしげる。
「そんなこと知ってるよ。あんたの過去は全部知ってるよ」
「どうして、俺。いや、私のことを知っているんですか。あなたは、神様ですか?」
「よく、わかったな。そうだ、あたしは、わしは、私は、オイラは、俺っちは、神様だ」
フーテン暮らしのじいさんが胸を張る。(いつから、フーテンのじいさんになってしまったんだ。くれぐれも、身なりだけで、人を判断しないように)
「嘘でしょう」いくら世間知らずのD夫でも、正々堂々と神様だなんて言われると疑ってしまう。神様はやはり謙虚でなくちゃいけない。
「そのとおり、嘘だ。あっ、はっ、はっ、は」フーテンが腰に手を当て笑いだす。
「ホントは、あんたの額に、あんたのこれまで生きてきた人生の映像が流れているんだ。それを見りゃあ、誰だって、あんたのことがわかるよ」
「本当ですか?」D夫は自分の額に手をやる、だが、その手は通り過ぎるだけ。
 D夫は入り口のドアの前に立つ。ガラスの向こうには、放置自転車と植栽が仲良く並んでいた。
「残念ながら、自分では見えないんじゃ」
じいさんが本当に残念そうに答えた。
「だけど、自分が歩んできた人生じゃ。思い起こせば全てわかるだろう。もちろん、自分に都合の悪いことは封印しているだろうけどな」
 D夫は再び、ガラスの前に立つ。やはり、自分の姿はもちろんのこと、額の映像も見えない。自転車のサドルにハトが止まっている。仲間が増えたらしい。仲良きことは善きことかな、だ。
「どうして自分に見えない映像が流れているんですか?」
「さあ、わしもわからん。自己紹介のための名刺みたいなもんじゃないか」
D夫は、フーテンじいさんを見る。じいさんの額にも映像が流れていた。産まれて直ぐの赤ん坊なのに、立ち上がり、三歩歩いて天に向かって呟いているシーン。海の前に佇み、大声で叫ぶと海が真っ二つに分かれ、道ができるシーン。何かを抱えながら山に登り、その抱えた物に自分の体を縛り付けられているシーン、などだ。どこかで見たような気がする。
「そんなに、俺を見つめるな。恥ずかしいじゃないか」フーテンじいさん、柄にもなく、顔を赤らめ、はおっているマントもどきで、顔を隠す。じいさんが続ける。
「ホントに、あんたは、素質がある。気にいった。さあ、わしと一緒に来い」
「来いって、どこに?」D歩は首をかしげる。
「ここだ」フーテンのじいさんは、D夫の手を握ると(D夫は、自分の手で、自分を握れなかったはずなのに、じいさんは、いともたやすく、D夫の手を固く握りしめることができた。不思議だ)どんどんと上昇し始めた。二階、三階、五階、十階、二十階、三十階と、天井と床を次々とクリアしていった。
「どうだ、絶景だろ」そこは、ビルの最上階の展望室。先ほど、一緒にエレベーターを待っていた団体さんたちが、「こりゃ、すごい」と窓ガラスから街並みを見つめていた。確かにすごい光景だ。街中の至る所に、霊がたむろしているのだ。道路もビルも、中央道路のケヤキ並木も、今は天守閣がない城跡公園も、タワーの真下の海浜公園から遥かかかなたに見える山から島まで、霊がいっぱいだ。お代わりはいらない。もう、見るだけで満足だ。
「私を始め、どうして、こんなに霊がたくさんいるんですか」D夫はフーテンじいさんに尋ねる。
「行き場がないんだよ、行き場が」
「行き場?」
「そう、行き場だ。本来なら、死んだ人間の魂は、それぞれ思いや考え方が異なるから、天国やあの世、浄土などに行くべきなんだが、それがこうしてここに立ち止っているんだ」
「どうして立ち止まっているんですか?みんな行き先は知っているんですか?」
「そりゃあ、もちろん、知っているさ。だが、リーダーがいない」
「リーダーですか?」
「そう、リーダーだ。みんな、烏合の衆、会議は踊る、船頭多くして船動かず、状態だ」
「はあ」
D夫は、もう一度、展望室から街を眺める、霊たちは、何をするわけでもなく、ただ立ち尽くしたり、寝転がったり、ベンチに座って足をぶらぶらさせたり、と、暇を持て余している。
「どうして、みんな、自分の行き場に行こうとしないんですか」
「みんな、誰かが動き出すのを待っているんだ」
「みんな、この街で死んだ者ですか?」
「いいや、違う。よそから来た者もいる」
「よそからはどうのようにして、ここにやって来たんですか」
「わしが連れてきた」
「あなたが」
「そうだ。わしだ」フーテンじいさん、胸を張る。だが、大風呂敷の服のため、本当に胸を張っているか、本当のことを言っているのかわからない。
「それじゃあ、あなたが、引き続き、あの行き場を失った人たちを連れていけばいいじゃないですか」D夫は、訝しそうに尋ねる。
「いやあ、疲れたんじゃ」
「疲れた?」
「そう。べリー、ベリー、タイアードじゃ」
「べリー、ベリー、タイアード、ですか?」
「そうじゃ。それで、こうして、ここに休んでおる」
「このままでいいんですか?」
「このままではよくない」
「それじゃあ、どうすればいいんですか?」
「どうすればいいと思う?」
「誰かがリーダーとなって、この行き場を失った霊たちを闇の国か、明るい国か、悟りの地か、地獄かに連れていけばいいんでしょう」
「そうじゃ。卓球」
「それも言うなら、ピンポンでしょう」
「そうとも言う」
D夫はフーテンじいさんと会話をしているうちに、知らない間に、主導権を得て行った。いや、取らされようとしていた。
「フーテンじいさん。いや、神様。どうして、あなたは疲れたんですか」
「わしは神じゃない。単なるリーダーだ。わしは年をとった。ほらこの腰の曲がり具合を見ろ」
じいさんは、ポンチョの中で、腰をかがめる。大風呂敷のため、本当に、腰が曲がっているかどうかはD夫にはよくわからない。
「それじゃあ、後はどうするんですか」
じいさんが、にやっと笑った。
「そこで、お前じゃ」
「お前って、私ですか」
「わしの目の前にいるのはお前だ。だから、御前だ。お前しかいない」
D夫はあたりを見回す。生きている人間たちの姿はあるが、不思議なことに、この展望室には霊の姿はない。
「いくら辺りを見回しても無駄じゃ。ここには、選ばれし者しか来られないんじゃ」
じいさんは、また、胸を張る。
「はあ」何となく不安なD夫。
「何も心配することはない。あんたも選ばれし者じゃ」
「はあ」訳のわからないじいさんに選ばれたので、余計に不安になる。これまで、会社に履歴書をさんざん送付してきたが、選ばれたのか、選ばれなかったのか、書類選考で落とされ続けた。今さら、選ばれたと言われても、誰が信用するか、という気持ちだ。
「なんか、わしを疑ってるな」じいさんは、D夫の顔の前に顔を突き出す。
「そんな、ことは、ありませんよ」D夫は首を振るものの、内心は、変な姿のフーテンじいさんを信用していない。
「まあ、いい。すぐに信用するようになる。そこでじゃ、D夫さん」じいさんが初めて、D夫の名前を呼んだ。
「どうして、わたしの名前を知っているんですか?」
「さっき言ったろ。あんたの額に、あんたのこれまで歩んできた人生が映し出されているんじゃ。名前ぐらいわかるわい」
D夫は思わず額に手をやる。手をやっても何もわからない。展望室の人間をすり抜け、窓ガラスの一番前に近づく。ガラスには何も映っていないので、よくわからない。相手の言うがまま、なすがままだ。
「まあ、それはいい。見ろ、この街の風景。霊たちがどこへ行くあてもなく、彷徨う姿を見て、どう思う」
「どう思って言われましても・・・」
「この亡き人たちを救ってやろうとは思わないか」
「はあ」
「はあ、じゃない。みんな、困っているんじゃ。誰かの後ろを着いていきたいんじゃ。誰かリーダーが必要なんじゃ」
「リーダーはあなたなのでしょう?」
「わしはここまでのリーダーじゃ。次の道程は、新しいリーダーが必要なんじゃ」
「そう、言われましても・・・」
「あんたも、昔は、会社人だったんだろ。会社は、辞令一枚で、いろんな課に配属される。国内の営業所のあちこちに移動させられることもあるじゃろうし、海外の支店に飛ばされることもある。どうじゃ、そうだろう」
「そうですが・・・」
「それじゃあ、決まりだ。おまえをこの霊たちの行進リーダーに任命する。○年○月○日 ○○聖者」
じいさんは、ポンチョの服の下から、紙を取り出し、読み上げ、辞令を突き出す。口を開けたまま、ペリカンのようにとまどうD夫。
「さあ、受け取れ」じいさんに強要され、手を出すD夫。
「よ、確かに受け取ったな。今日から、お前が、この霊たち、いや、聖者たちのリーダーだ。この迷える羊どもを、導いてやってくれ。その前に、その寝まきみたいな服をなんとかしないといけないな」
D夫は一日中、ジャージを着ていた。これなら、寝る時も、起きてからも、着替えしなくていいからだ。
「よし、記念にこれをやろう」
じいさんはいきなり、自分のポンチョを脱ぐとD夫に被せた。頭がひっかかってなかなか入らない。じいさんの頭は意外に小さかったのだ。いや、D夫の頭がでかかったのかもしれない。
「じゃあな、D夫」
「ちょっと、ちょっと。ちょっと、待ってくれ。いや、待ってください」
D夫は慌てて被り物の頭を通し、辺りを見回すが、フーテンじいさんはもうそこにはいなかった。一人取り残されたD夫。
「ええ、くそっ。俺が、あのゾンビみたいな奴らのリーダーか」手の辞令をじっと見つめながら、街を見渡す。さっき見た通り、ビルや小学校、県庁や市役所、道路、公園に、何するでもなく、霊たちがうじゃうじゃとたむろっている。
「あっ、見つけた」子どもの声がした。後ろを振り向くD夫。子どもの霊がいる。男の子だ。女の子もいる。
「こんなことにいたの」
「もう、休憩は飽きたから、そろそろ行こうよ」D夫の手を握って、歩きだそうとする。
「いやあ。俺は、俺は、フーテンのじいさんじゃないぞ」
「フーテンのじいさん?」
「だって、その服を着ているじゃない」
「これは、俺の服じゃない。こんなもの」
D夫はポンチョを脱ごうとしたが、首回りが小さくて脱げない。さっき、強引に頭を入れ込んだせいだ。
「さあ、行こう。行こう」子どもたちは、D夫の手を引っ張り、タワーの展望室から外に飛び出した。
「ああ、落ちる」D夫は叫ぶが、子どもたちは反対に、「ひゃっほー」「気持ちいいね」と喜んでいる。このまま地上に激突かと思われたが、ポンチョがパラシュートのように開き、ふんわりと着地できた。
降りた先は、街の中央公園。元はお寺で、その後、県営球場ができ、高校野球や夏祭りのメイン会場として使われていたが、今は、樹木と芝生と水辺とベンチが溢れる市民の憩いの場所となっている。もちろん、市民だけでない。行き場を失った霊たちも何することなく佇んでいる。その芝生の真ん中に、子どもたちに連れられたD夫が舞い降りた。
最初、霊たちは誰もD夫の存在に気が付かなかったが、ふと、ポンチョに目が止まった。「おお」「あら」「リーダーだ」「また、戻って来てくれたぞ」「よし、行こう」と声を上げ、次々とD夫の前に集まりだした。その数、十、百、千、すぐに中央公園を埋め尽くした。
「さあ、みんな。一緒に出発するよ」D夫を公園に連れてきた男の子が叫ぶ。
「そうよ。また、みんな、一緒よ」今度は、女の子が叫ぶ。
「出発するって、どこへ?」D夫は、男の子と女の子に小声で尋ねる。
「それは、リーダーが決めるのよ」
「みんな、あなたに付いていきます」二人に言われて、よけいにとまどうD夫。
「出発だ」「ここでの休憩はもう終わりだ」
「俺たちに明日はあるぞ」
「とにかく、前に進もう」
「リーダー、リーダー、リーダー、リーダー」
集まった霊たちから激が飛び、鬨の声が上がる。
「さあ、行こうよ」
「あなたの出番ですよ」
二人の子どもに促され、D夫は意を決する。
「よし、行こう」D夫は拳を握り、手を空に向かって突き上げる。霊たちの添乗員だ。
「うおー」
ポンチョ姿のD夫を先頭に、男の子と女の子がその両側で、霊たちの行進が始まった。
ある男がつぶやく。「どこへ行くのかなあ」
ある女が答える。「きっと、天国よ」
「俺、生きている時、他人に迷惑ばかりかけてきたからなあ」
「じゃあ、今から、人のためにいいことしたら」
「いいこと?」
「いいことよ」
「どんなこと?」
「例えば、この行進から取り残されている人に声を掛け、この行進に誘うこと」
「それなら、俺にでもできる」
男は行進から離れ、道端で座っている霊たちに声をかけ始めた。女が手招きして呼んでいる。霊たちは、とまどっている重い心をようやく持ち上げ、行進に加わった。
D夫を先頭にした行進は商店街を練り歩き始めた。ベンチに座っていた霊たちも立ち上がり、行進の輪の中に入っていく。

聖者の行進(3-2)

聖者の行進(3-2)

死んだ者たちがかつて生きていた街を行進し、どこかへ向かう物語。三―二 ある男の行進

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-06

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