危険なつばさ第4章
海へ、「海鳥しかいないんだよ。どこまで行っても、」「どうしてって、行く所が無いからさ。」一人が寂しいかって、そんなことを、言ってる君には、後ろ姿が、ないんだね。
言い訳なんて、後に心が、のこるだけ。忘れる事が、出来るなら、生きて行くのは、たやすいね 危険なつばさを、持ったスズメはスズメの知らないものを見る。
珍しいと、特別とは違うんだよ。
僕はスズメだ。長くは飛べない。 木の中に、もぐりこむその時は、ピタリと幹にからだをくっつけて 僕の茶色の羽根が役に立つのさ。黒く並んでいる点々も、木の皮の上にできた、デコボコの黒いしみに似ている。僕を見失った敵は 空をニ、三、回、旋回して帰っていく。
「負けるもんか。」
草原や畑に、スズメが、集まって遊んでいる事が良くある。太陽が、光っている のんびりした光景だ。僕は、そこへとびおりていく。 会ったことがない同士でも、一緒に昼食を食べたらおいしいと思う。
僕が、ピョンと前に飛ぶと、正面のスズメは、同じだけ後ろに下がる。周りのスズメもうしろへさがる。
「こんにちは;」
「ゥ;ゥ;こんにちは。」、すごく、よそよそしい。
「あいつだぜ。」
「ウン、あむないね。」
学校帰りの子供達が、畑の中の一本道を帰ってくる。
「見ろよ;あいつだ。」
「虫取りあみは、ないか。」
「新種だぜ。」
学生服を、脱いで広げる。ソロリ、ソロリ、と歩いてくる。僕に向かって、学生服が、投げられる。
僕は、半分泣きそうだ。尾羽根から全身がけいれんする。こめかみが、ピク ピク 動く。
「つかまるもんか。」
僕はビュゥゥと、とびたつ。ツバメがえしだ。お母さんの声が聞こえる。
「お前は、誰よりも速く飛ばなくてはいけないよ。」
「いつもこうだよ」。だから、兄弟達は、僕の頭をふ んずけていることも、からだの上に飛び乗って、ピョン、ピョン、はねている事にも、気がつかないんだ。なにしろ夢中だからね。
危険なつばさ第4章