瞞しに憧憬

誰かの理想として消費されながら生きている

誰かを理想として消費しながら僕も生きている

それがなんとなく生々しくて 恐ろしいことのように思えた

僕の本当のすがたを識っている人間が

また あなたの本当のすがたを見破ることができる人間が

果たしてどれだけいるのか そしてどこにいるのか

わからないし わかりたいか否かもわからない

現実は理想を欺き 理想もまた現実を静かに欺いている

その狭間で僕たちは息も絶え絶えとなって

じぶんと じぶんの居場所を捜し求めている

瞞しに憧憬

瞞しに憧憬

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-06

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