ウイルス-傍観する発熱外来-

町長が近隣の総合病院とは別に町の発熱外来を立ち上げようと地元の開業医に集まってもらった。
町長は熱く発熱外来の重要性を訴えかけたけれど、地元の開業医たちの反応は冷ややかなものだった。
自分の職場で働く看護士の協力が得られない。
もし感染させた場合の保障担保が与えられない。
会社を退職させ、町の正式な職員になり終息後に地方公務員として就職させる。
時給3万円で、一日三時間の仕事。
それでも、家族への感染や、差別への恐怖感。
開業医自身が感染しても、自分の医院を閉鎖しなければならない期間ができる。収入のロスができるためだ。
町長の熱い訴えだけがただ空回りしていた。

ウイルス-傍観する発熱外来-

ウイルス-傍観する発熱外来-

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • 時代・歴史
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-05

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