ウイルス-潜伏感染-

そのウイルスは、元々洞窟の中で暮らすコウモリの体内に常在していたウイルスだった。
人間の対内に常在しているヘルペスウイルスのようにそのウイルスは、コウモリの体内に住み着きコウモリと共存している。
時にコウモリが増えすぎた時、そのウイルスの活動が自然に活発になり、コウモリたちの数の調整を自然にやっていた。
洞窟内でコウモリの数が増え過ぎ、二酸化炭素の濃度が濃くなると、ウイルスは活動を開始洞窟の中に浮遊始めコウモリの体内に侵入する。
それがある日、コウモリの体内から人間の体内で生息出来るように進化した。
彼等は酸素濃度が低く、二酸化炭素の濃度が高い環境を好んでいた。
空気の流れがよどんで一定の温度を保てる場所。
人間の肺の状態が、彼等の好む状態に近づくほど、急激に増殖して、人間を死に至らしめた。
彼等の好む環境。
空気の流れがない豪華クルーズ船や、地下鉄、バス、タクシー、ミニ劇場、病院、ホテル。洞窟の中のコウモリの群集のように人間が集まり二酸化炭素を吐き出す場所。

ウイルス-潜伏感染-

ウイルス-潜伏感染-

  • 小説
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-04

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