彼らの過ごした0時間(タイムゼロ) 第七話「二つの道『トム編』」

これはフィクション小説第7弾である

「なんだ、君は?」


「私?私はね『オーバー・テイスト』。ここに住んでたんだよ。」


 自己紹介をするその『少女』にトムが会ったのは彼がこの建物内を物色していた時のことである。


 こんな少女をこんなところに放っておいてはだめだと思い、
ついてくるようにいったトムであったがその判断は間違いだったことに彼は気付く。


 そう、トムは・・・


「ねえ、聞いてる?」


「黙ってくれ。僕は子供が苦手なんだ・・・」


「じゃあ、お兄ちゃん!!」


「待つんだ、今僕の言ったことが聞こえなかったか?」


 ?マークを浮かべるテイストにトムは、


「だから僕は子供が大の苦手なんだ!!」


 珍しく激昂する。


 だが彼女はそのことに『慣れている』かのようにまったく動じなかった。


 それどころかテイストはトムに話し続ける。


「それでねお兄ちゃん、あのねあのねー・・・・・・」


 はあ・・・と心の中で一人ため息をついたトムだったがあることに気付く。


「・・・君はさっきずっとここに住んでたって言ったよね?」


「テイストって下の名前で呼んでよ」


「・・・なあテイスト、さっき僕に『ここにずっと住んでた』って言ったよね?」


「うん、言ったよ」

 
 自信満々に言うテイストを見てトムは続ける。


「じゃあ、『この建物』について何か知ってーーー」


「知らない・・・」


 先ほどとは違って自信なく答えるテイストにトムは再びため息をつく。


 が付いている暇はなかった。


 突然テイストが「やったー、外に出られるうーー!!」


 と笑いながら駆けだしていったからだ。


「あっ、こら!!」


 きゃはははーと笑うテイストを見てトムはひとりはっとなる。


「・・・まさかこれから僕があいつの面倒を見るのか?」
 

彼らの過ごした0時間(タイムゼロ) 第七話「二つの道『トム編』」

こんにちは、最下 最上です。いかがだったでしょうか?
今回は特別短くなってしまいました。
とある理由により「彼らの過ごした0時間」はE☆エブリスタのほうに移転することにしました。
申し訳ありません。こちらでは連載を終了しますが、あちらでは連載を続けるのでよかったら見てください。
ありがとうございました。(尚これに応じて作品を非公開にします)

彼らの過ごした0時間(タイムゼロ) 第七話「二つの道『トム編』」

とある理由により「彼らの過ごした0時間」は移転します。(詳しくはあとがきをどうぞ)

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-03-30

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted