俺の話。
これは俺の二日前のお話
「ねぇ、あきくん!この映画一緒見ようよ!借りてきたんだ!!」
「んー、もうちょっと待ってー」
「ねーゲームやめて私にも構ってよーー、暇なんだよー」
「だからもうちょっと待ってって!!うっせぇな」
「んーもう!コンビニ行ってアイス買ってくる!私の分だけ!私の分だけね!!」
「あーはいはい、勝手に行ってくれば?
あ、コーラ飲みたいからコーラ買ってきて」
「はぁ?自分で買いに行きなよ」
「そういって買ってきてくれるのが七海のいいところ」
「んもう!」
七海がコンビニから帰ってきていないのに気づいたのは次の日の朝8時だった。
前の日の夜10時ごろからオンラインゲームを始め、気づいたら朝になっていた。
七海がコンビニに出て行ったのは多分1時ごろ。いつもは2時ぐらいまでゲームするが、前の日朝4時までやっていたので、七海が出て行ってから
すぐ落ちてしまったんだろう。
七海が帰ってないと気付いてすぐ、俺は自分のスマホを見た。七海の母親から100件ほどの電話が来ていた。
急いで掛けなおすと、七海が夜中、交通事故にあったと言われた。
俺が病院に着いた時、もう彼女は息をしていなかった。
「俺はちゃんとお前のこと大切にしてるよな??」
「さぁーー」
「もう照れなくていいって」
「うん。あ、そうだ、大学のレポートの題材どっちか決めてくれた?」
「んーー?なにそれー」
「え、この前言ったじゃん、この二つから選ぼうって。あれ?聞いてなかった?」
「聞いてないも何も、お前そんなこと言ってないじゃん」
「ちゃんと言ったよー。あ、そういえばけんくん、ゲームしてた。なら聞いてないのもしょうがないね。」
「もー俺がゲームしてるときに言ったお前のせいな」
「ふーん、結局、さっきの物語の中の男とおんなじじゃん。ごめん、ついていけない、じゃ。」
「え!おい、ちょっと待てって!俺なんか悪いことした?」
「うん!私の誕生日、もちろん空けてるよってけんくん言ったよね?なのに当日どこにいた?
大学遅くなったからネカフェでゲームして帰るわ?ちょーしこいてんじゃないよ。
あとさ、このけんくんが使ってるコンピュータの通信料払ってるの私だよね?バイトもろくにしないで
お金だけ使うな!!じゃあね!」
「おい待てよ!かな!おい!!!!」
バタンッ
これは俺の二日前のお話。
俺の話。