いちごが熟せば

閉じたカーテン めくればサテン
見上げた天井に黄ばんだ思念
息を奪えば迫る時間
構わず這わせた赤い舌

男子(おのこ)女子(おなご) 大人の真似事
騙しの闇に光った眼
誰にも誰にも内緒だよ?
伝わる熱は後に混ざる温度

鬼さんこちら手の鳴る方へ 遊びましょう
細く伸びた白い筋 耳をすませたら
鬼さんこちら口笛ひゅるりら 遊びましょう
鍵が開くまでタイムリミット これはあくまで遊び大人ごっこ

はなから果てまでむき出しの本能
知ってはダメなの そのシルエット
プラトニックのふりをする
かちかちゃ外れぬブラホック

繰り返し交わり湿った温もり
取り返しつかない罪の意識
後どうなるかは分からない
だから今は終わらなくていい

鬼さんこちら九つ数えて 遊びましょう
誰も彼も予想できない 優越感を添えたら
鬼さんこちら蕩けた混ざった 遊びましょう
咲いた白いバラの蕾 赤く染って幸せの痛み

鬼さんこちら怖いを拭って 遊びましょう
ここには足りない責任に 目を逸らしたなら
鬼さんこちら声の鳴る方へ 遊びましょう
初めて見た大人の世界 まだ知らなくてよかったかもしれない

いちごが熟せば

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いちごが熟せば

後悔先に立たず でも少しくらいは

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2020-05-01

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