小さな傷

風が吹いて髪が乱れ
潮の香りが鼻につく

膝を抱えて見る波は
行くだけの片道切符

目を閉じて思い出す
何故ここにいるのか

まだ頑張れるからと
空を仰ぎ気を逸らす

大きな海には小さ過ぎて
悩むほどかとひとり笑う

小さな傷

小さな傷

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-01

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