学校の空白
誰もいない 誰もいない教室 机上の鉛筆は立ったまま
神様のいない 神様のいない階段 踊り場には黒いイヤホン
風の来ない 風の来ない屋上 僕の上には何もない空
何を掴めばいいんだろう
白い地べたはそのうち消える
青い空には水が溢れる
手は どこに行くんだろう
空気は掴めなくて信じられない
それでも耳は音を待っている
信じられなくても待っている
でも神様は現れない
廊下のざわめきが空に続いていく
洋式便器の渦は光を巻き込む
制汗剤の匂いは形を変えながら
鳴り止んだ電話のあたりを漂流している
学校の空白