だいじょうぶ ひとりじゃないよと星がいう
零時の星は、はんぶんがねむり、はんぶんはおきていて、かなしみをすいあげたように、あおい。
せんせいが、ケーキを切り分けるみたいに、だれかに、四等分、八等分と、やさしさをわけあたえているという現実に、めまいがする。まあるいままで、ぼくだけに、くれればいいのに。おとなへの恋、とは、なんたる不自由と、理不尽と、七面倒くさいもので、がんじがらめになってゆくのか。むごいなぁと思いながら、ぼくは、パソコンを、なんとはなしにみている。しらないひとの詩を、なめらかに踊る絵を、なまなましい写真たちを、ランダムに、無造作に、らんざつにながめて、それで、せんせいへの恋心、という、ことばにすると、みょうにはずかしいそれを、なかったことにしたいと思いながらも、結局は、せんせいの、ぼく以外のだれかにむけられる、やさしさを、ひとりじめしたいという本音の、その、相反しあうものに、からだを、ひきちぎられそうな、感じ。
はんぶんがねむり、はんぶんがおきている、真夜中の頃の、ひとびとがとりおこなっているかもしれない、行為を、想像すると、さびしくない気がした。
だいじょうぶ ひとりじゃないよと星がいう