闇に生ける

冷えた空気に身をつつまれて
きょうも明かりをつけない
暗い 暗いお部屋にお布団を敷いて
終わらない夜と 眠っていたのでございます

そう わたくし
暗い 暗いところが好きなんですの...
暗がりなわたくしの心とおんなじ
自分の心のなかにいる心地がして
落ちつきますから...

朝は 朝の明るさは
わたくしには 眩しすぎていけないのです
ああ
アマテラス様が岩陰にお隠れになったきり
お帰りにならなかったとしたら
お花を愛でることも 叶わなかったのかしら

ひとりでいるということは
そんなに惨めで
そんなに変わっていることかしら

闇のなかでも輝くお花が
この世の何処かにないものでしょうか...

世界に拒まれるまえに
わたくしが世界を拒みます

果つる底なき 闇の奥まで...

闇に生ける

闇に生ける

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-23

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