蛹
きょうは 外にでてない
のに
なぜか 服が濡れちゃって
サ
あたし
脚の生えた梅雨
みたいな
心だ
から
だれの傘にも
いれてもらえない気がして
だれにもみえないところで
ひとり
躓いて
転んで
日が昇るまで
じぶんと睨めっこしてる
だけなの
こんなに濡れた恰好じゃ
だれにも合わせる顔がない
から
(からして?)
嫌われるための
優しさじゃないわ
別れるための
出逢いでもないわ
みえないうちに
みえなくならないで
月が約束を受胎して
梅雨に生えた脚はすこしずつ
すこしずつすり減っていく
もうすこし
もうすこしだけ...
最後の記憶のなかで
まっててくれる
かしら
晴れたらすぐに
迎えにいく
探しにいく
から
蛹