耽美と背徳

ちいさい透明な器に

いちごが三粒 睡っていました

幼いころの 幼い殺害

すりつぶされる体躯をみて すりつぶされる心がシンクロする

右手に握っていたフォークをみて 慄然としました

(どうして...?)

............

新宿のタイ料理屋さんで

レモンサワーのレモンを

ともだちにスクイーザーで絞ってもらっているときに

ふと おもいだしたことです

あのとき いけないことをしてたのかしら

ともだちの目のまえには

鋭利なスクイーザーに犯されて睡っている

レモンとわたしが いるのでした

耽美と背徳

耽美と背徳

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted