生活を忘れた

閉じこもって埃被った五体
今夜は眠るのが悔やまれて
イヤホンで耳を塞いだまま




閉めた扉の小窓が見透かしてくるみたい
漏れる灯が薄汚い体を微かに照らす



本物に憧れた偽物の僕だ
枯れてしまった生存本能




いつから人を辞めたのだろう




正しいはずの一歩一歩が
有耶無耶の海に溶けてく



繰り返すこの瞬間が
堪らなく永遠なんだって
どうして誰もわからないんだろう



雨が降って思い出は流れて
なんかもう言葉も忘れちゃった
何を考えていたんだっけな
全部どうでもよくなって
閉じていたはずの目を瞑った。

生活を忘れた

生活を忘れた

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-15

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