我ら、ネバーギ部アップ!第1話『始まりは恥じらいと共に』

女子高生四人で
楽しくて
めちゃくちゃで
全力投球する
そんな始まりのお話

我ら、ネバーギ部アップ!第1話『始まりは恥じらいと共に』

配役表(0:4:0)
柊 実紅(ひいらぎ みく)
元気いっぱい高校1年生おバカ。だがいざと言う時の閃き力に長けている。
紺野 聖奈(こんの せな)
クールな高校1年生成績優秀。真面目で美人。
水神 杏樹(みかみ あんじゅ)
穏やかな高校1年生実紅の幼なじみ。家はお金持ち、そして天然。
桃生 花連(ものう かれん)
ツンデレ高校1年生不器用でツンツンしてしまうが故に、中々友達が出来ない。

セリフ数
実紅→76
杏樹→54
花連→72
聖奈→48

我ら、ネバーギ部アップ!第1話『始まりは恥じらいと共に』/夜御伽アウル 作
https://slib.net/98638
配役表(0:4:0)
柊 実紅(ひいらぎ みく):
桃生 花連(ものう かれん):
水神 杏樹(みかみ あんじゅ):
紺野 聖奈(こんの せな):
(演者敬称略)

 


______↓ここから台本↓______
実紅「…というわけだから、作ろうよ!部活!」
杏樹「部活をつくるの?いくらくらい必要なのかしら…」
実紅「えぇっ!部活作るのに、お金いるの!?」
杏樹「いるかもしれない…。ほら、会社を作るのだって資本金がいるじゃない?」
実紅「しほんきん…。」(悩ましげに唸る)
杏樹「どうしたの?実紅ちゃん。」
実紅「私、お金いるなんて知らなくて…。今月のお小遣い、全部使っちゃったんだよー!」
杏樹「それは大変!」
実紅「でしょ!?」
杏樹「でも大丈夫だよ実紅ちゃん。私からパパに頼んでみるわ。水神財閥の力を持ってすれば、部活のひとつやふたつ…」
花連「さっきから聞いてたら、馬鹿じゃないのあんた達。」
実紅「…えっと、君は確か」
花連「さっきHRでクラス全員の自己紹介をしたばかりなんだから、分かるでしょ?」
実紅「忘れるわけないよ!可愛い子だなあって思って見てたもん!」
花連「かわ…っ!?べ、別に可愛くなんかないから!」
杏樹「こういうの、ツンデレって言うのよね?小説で読んだわ。」
花連「誰がツンデレよ!!」
実紅「そう!あかちゃんが持ってるおもちゃみたいな名前だなって思ったの!」
花連「……は?」
実紅「君は、からんちゃんだね!?」
花連「かれんよ!!!」
実紅「あるぇ?」
花連「ちゃんと覚えなさいよ、柊さん」
実紅「実紅でいいよ?」
杏樹「あ、私も杏樹で良いよ~」
花連「な…っ!?」
実紅「ん?」
杏樹「どうしたの?花連ちゃん。顔が赤くなってきて…」
花連「な、名前で呼ぶのは…と、ととと…っ」
実紅「と?」
杏樹「と?」
花連「と、友達になってからでしょ!?」
実紅「………へ?」
杏樹「あらー…!」
花連「な、何よ!私別に、変なこと言ってないでしょ!?友達になる時は、『友達になろう』って言わないと!」
実紅「(花連のセリフに被せるように)あははははっ!!」
花連「なんで笑うのよー!!」
杏樹「いや、だって…!ふふ、ふふふっ」
実紅「ごめんごめん!面白くって…!!あはははっ」
花連「~~~~っ!!」
実紅「じゃあ、私…」
聖奈「柊さん、少し良いかしら」
実紅「君は…えぇと…」
杏樹「こんぼうさん、じゃなかったかしら!」
実紅「おぉっ!強そうな名前だね!」
聖奈「紺野よ…。」
実紅「あるぇ?」
花連「なんかすごいデジャヴ…」
杏樹「間違えちゃった。ごめんなさい」
聖奈「別に…。今日初めて会ったわけだし、気にしないわ。」
実紅「えぇと…何紺野ちゃんなの?」
聖奈「紺野聖奈。一応学級委員長もやることになったから。」
実紅「えぇ!?学級委員長!?絶対頭良い子だよ…!」
聖奈「…。(一瞬表情を曇らせる)」
花連「いや、さっきのHRで多数決で決まったばかりでしょ…何聞いてたのよ。」
杏樹「実紅ちゃんは、ぐっすり眠ってたわ~。」
花連「初っ端から…せめて最初くらい話聞きなさいよ…。」
実紅「窓側の席だったから、心地よくって!」
花連「話にならない…。」
聖奈「柊さんに水神さん、桃生さんも。入部届の提出は出来そうかしら?」
実紅「それがねー?私たち部活を作ろうと思ってるんだけど、しほんきん?が手元に無くて…」
聖奈「資本金?」
杏樹「部活の設立には、いくらくらいかかるのかしら?委員長さん知ってる?」
聖奈「部活の設立にお金は必要無いわよ。」
実紅「えっそうなの!?どうして教えてくれなかったのー!かーれーんー!」
花連「あんたたちのツッコミに忙しくてそれどころじゃ無かったのよ。ていうか抱きつくなっ!」
実紅「じゃあさっそく部活作ろうよ!名前何にするー?」
杏樹「そうねぇ…」
花連「いや、部活つくろー!ですぐに作れるわけじゃないのよ?」
実紅「えっ!何が要るの?」
聖奈「部活の設立には、最低部員3人と顧問が1人。活動する場所の申請が必要よ。」
実紅「えぇと…まず部員は、私でしょ?杏樹ちゃんでしょ?花連でしょ?」
花連「ちょっと!?あたしはまだ入るなんて一言も言ってないわよ!」
実紅「えっ。じゃあ…委員長、部活決めた?」
聖奈「いえ、私は…」
実紅「なら委員長で決まり!」
聖奈「え…っ!」
実紅「だめ…?」
聖奈「……。」
杏樹「だめ…?」
聖奈「……分かったわ。」
花連「委員長ちょろっ!?」
実紅「わーいっ!」
杏樹「これで3人揃ったね!」
実紅「うん!」
花連「えぇ…。」
聖奈「それで、一体どんな活動をする部活なのかしら?」
実紅「えっとねー…なんでもする部活!」
聖奈「なんでもする…部活?」
実紅「うん!」
聖奈「具体的には?」
実紅「スポーツしたり、お部屋でトランプしたり、お菓子作ったり、学校にお花を植えたり、みんなで南の島に行ったり!」
聖奈「……活動場所がひとつに留まらない気がするのだけれど」
花連「ツッコミどころそこなの!?」
杏樹「あ、大丈夫よ。活動費はうちから出すわぁ。」
花連「そういう問題でもないから!」
聖奈「まあ、それなら…」
花連「良いんだ!?」
実紅「あとは顧問の先生だね!んー…誰が良いのかなぁ。」
杏樹「職員室に行ってみましょう」
実紅「そうだね!行こう、杏樹ちゃん。委員長。花連!」
花連「えっ、あたしも!?」
実紅「うん!」
花連「ま、まあ…そう言うなら…。」



聖奈M「15分後」



花連「まじか…」
実紅「わーいっ!」
杏樹「やったねえ、実紅ちゃん!」
聖奈「新任の菜々村先生、まだ部活の顧問に付いていなかったのね。」
花連「いやいやいや。まさか職員室に入って最初に話しかけた先生に顧問頼んで、あっさりOKもらえるなんて思わないじゃん…」
杏樹「しかもノリノリだったねえ。」
実紅「とりあえず!部室は旧館の元学習室現倉庫を使って良いって言ってくれたし!」
聖奈「まずは部屋を掃除しないといけないわね。」
花連「てか、私別に入るなんて言ってな……」
聖奈「これで、部の設立届も出せるわね。」
杏樹「そうねえ。あ、でも」
聖奈「でも?」
杏樹「部長決めないと…」
聖奈「…確かに。部屋の掃除をしながら決めましょう。」
実紅「はいはい!部長は委員長が良いと思いまーす!」
聖奈「え?」
杏樹「賛成!しっかりしているし頼りになるし美人だし!」
花連「美人関係あるの…?」
聖奈「わ、私…?後から入っているのに、良いのかしら…。」
実紅「もちろん!満場一致!ね、花連!」
花連「だから、あたし部員じゃないかr」
実紅「決定!」
花連「話を聞きなさいよっ!」
聖奈「…分かったわ。私で良ければ、精一杯勤めるわね。」
実紅「うん!よろしくね!」
杏樹「…あ、部室ってあそこじゃない?」
聖奈「そう、みたいね。」
実紅「うわぁ…なんていうか…」
聖奈「掃除に時間がかかりそうね。」
杏樹「お手伝いさんを呼んだ方が良いかなあ?」
実紅「ううん!これも部活動だよ。今日の活動は、部室の掃除!ね、花連!」
花連「えっ」
杏樹「そうねえ、4人でやれば早く終わるだろうし」
花連「いや、あたしは……」
聖奈「さっそく、役割分担して取り掛かりましょう。」
花連「だから、あたしの話を聞けーーーっ!!」



杏樹M「1時間後~」



花連「つ、疲れた……」
実紅「花連すごーい!」
聖奈「ムダの無い動き、テキパキのした掃除っぷり。学校の掃除時間にも頼りになりそう。」
花連「お断りよっ!」
杏樹「なんとか掃除も終わったし、これで明日から活動ができるね~」
実紅「うん!明日の放課後は、ここに集合だね!」
聖奈「私は学級委員の仕事で遅れる日があるかもしれないけど、なるべく早く向かうわ。」
実紅「待ってるよ!」
花連「はー…。喉乾いた…ジュース買いに行こ…。」
実紅「良いねえ!みんなで乾杯しよ!」
杏樹「賛成~」
花連「いや、そんな事一言も…」
聖奈「みんなで買いに行きましょうか。」
実紅「はーい!」
花連「まあ…別に良いけ………ひっ!?」
聖奈「どうしたの?桃生さ………!?(花連の視線の先を見て青ざめる)」
杏樹「きゃあっ!あ、ああああれ……!?」
実紅「じっ……Gだよね…?」
花連「ちょ、ちょっと!なんとかしてよっ!」
実紅「えええ私!?」
杏樹「実紅ちゃん頑張って…!!」
花連「い、委員長!……委員長?」
杏樹「わぁ!?委員長さん、が」
花連「立ったまま気絶してる……」
実紅「ええっ!?ど、どうしよ…しかも入口のとこにいる…」
花連「ど、どうすんのよこれぇ!」
実紅「…うぅっ」
杏樹「実紅ちゃん…っ!」
実紅「………ップ」
杏樹「え?」
実紅「ネバーギブアップ!絶対に諦めない、とりゃあああっ!!」

(しばらくの間)

聖奈「……あれ、ここは」
杏樹「委員長さん、大丈夫?」
聖奈「えぇ…。」
花連「Gを見て気絶してたのよ。立ったまま気絶しててびっくりした。」
聖奈「っ!ご、ゴキ……」
杏樹「あ、大丈夫よ。実紅ちゃんが何とかしてくれたから。」
聖奈「なんとか、って……?」
花連「ほうき持って『ネバーギブアーップ!』って叫んで走り出したから、叩き潰すのかと思ってヒヤヒヤしたけど…」


(回想)

実紅『ネバーギブアップ!絶対に諦めない、とりゃあああっ!!』
杏樹『ひっ!』
花連『っ!』
杏樹『………ん?』
実紅『ほら、早く外に行きな…!』
花連『…えっと、何してんの?』
実紅『え?ゴキブリをほうきで掃いて外に…ほらほら、行って行って!』
花連『………。』
杏樹『…ふふっ、実紅ちゃんらしい。』
花連『らしいって?』
杏樹『実紅ちゃんは人一倍優しくて、正義感が強いの。』
花連『…みたいね。』
杏樹『ほうきを振り上げて走り出した時は、ちょっと焦ったけど…』
花連『私も。』
杏樹『…ふふっ』
花連『(笑いながら)やっぱそうだよね』
実紅『あっ、ちょっと!2人だけ仲良くなってずーるーいー!』
花連『や、別にそういうのじゃ…』
実紅『あ、そうか!私達ももう仲良しだもんね!』
花連『…へ?』
杏樹『そうね!』
花連『いや、えっと…?』
実紅『花連!私達はもう、友達だよ!』
花連『~~~~~っ!!』
実紅『…うん?』
杏樹『花連ちゃん?』
花連『……うん、友達。』
実紅『やったあ!これで名前で呼んでくれるよね?』
花連『なっ…そんな急には…!』
杏樹『私も呼んでもらいたいなあ?』
花連『ちょ、ちょっと…!?』
実紅『ほらほら!みーくって!』
杏樹『あーんじゅって呼んでくれてもいいのよ?』
花連『そ、それよりも!委員長連れてかないと!』
実紅・杏樹『そうだった!』


回想終わり


聖奈「そんなことが…」
花連「…まあ、そういうわけだから。よろしく」
聖奈「…よろしく?」
花連「部員名簿!…私も入るから。部活」
聖奈「…えぇ。書いておくわ」
花連「…ん。」
実紅「やったぁ!これで部員4人だね!」
杏樹「クラスも一緒だし、活動しやすいね。」
花連「まあ、入る部活決めてなかったし…」
聖奈「今日中に部の設立届を記入して明日の朝に提出しておくわ。……えっと」
杏樹「どうしたの?」
聖奈「ごめんなさい、部の名前は何だったかなと思って…」
杏樹「…確かに」
花連「そういや、決めてなかっt」
実紅「ネバーギブアップ!」
花連「ん?」
実紅「だから、ネバーギブアップだよ!」
聖奈「部の、名前?」
実紅「そう!こう書くんだよ!」

(実紅、カバンからノートを取り出しペンで文字を書く)

聖奈「…ネバーギ部アップ」
杏樹「ネバーギ部アップ」
花連「なるほど?ギブアップのブを、漢字にするわけだ?」
実紅「うん!」
杏樹「…ふふっ、面白いと思う」
聖奈「えぇ、私も賛成するわ。」
花連「…ま、良いんじゃない?」
実紅「じゃ決定!ネバーギ部アップ、ここに結成!」


杏樹「次回の予告です~」
実紅「お花見しようよー!」
花連「いきなりだな…ていうかそれ、部の活動として成り立つの?」
杏樹「あら、賛成!みんなで花見しましょう」
花連「良いんだ…」
聖奈「私だけ、このまま委員長って呼ばれるのかな…」
実紅「次回!我ら、ネバーギ部アップ!第2話、『お花見は切なさと共に』お楽しみにっ!」
聖奈「なんだか…胸が痛い。」

我ら、ネバーギ部アップ!第1話『始まりは恥じらいと共に』

女性四人なんて書いたことないなあとお思いつつ第1話。
楽しんでもらえたら嬉しいです!

我ら、ネバーギ部アップ!第1話『始まりは恥じらいと共に』

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-13

CC BY-NC-ND
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