【超短編小説】匂い
六井 象
裏路地の塀に沿ってずっと並んだ、窓、そして換気扇。夕暮れ時、裏路地を歩いていたら、その換気扇から吐き出される夕飯の匂いの中に、かすかに魂の匂いが混じっていた。どこかで人が死んだらしい。裏路地を振り返りそっと手を合わせ、私は自分の家に帰った。温かい夕食と母が待つ家に。
【超短編小説】匂い
六井 象
裏路地の塀に沿ってずっと並んだ、窓、そして換気扇。夕暮れ時、裏路地を歩いていたら、その換気扇から吐き出される夕飯の匂いの中に、かすかに魂の匂いが混じっていた。どこかで人が死んだらしい。裏路地を振り返りそっと手を合わせ、私は自分の家に帰った。温かい夕食と母が待つ家に。
【超短編小説】匂い