大きなおはな

35人の長蛇の列の最後尾にいます。
これから鳥の糞をもらいにいきます。
大きな大きな赤い花を植えるのに、その鳥の糞が貴重な肥料になるんです。
晴天だと言うのに、空を見上げても太陽一つ見えません。
あっちこっちに皆が花を植えたおかげで、見上げてもどこもかしこも真ん丸花弁だらけです。
だけど、肥料を貰いに行くのをやめません。
お花を植えるのを僕もやめません。
だって、皆やってるから。
だって、皆やってるから。

大きなおはな

大きなおはな

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-10

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