堕ちない希望

静堂唯我


僕はアスペルガー的で孤立していた。その時点で良い事はないだろう。

1
僕は筋ジストロフィー。キレると抑えられない。中高共不愉快であった。が、仕方ないし、過去はこだわらなくていいものだ。
キレるのは相変わらずだったので、秀夫には嫌われていた。僕も嫌いであった。
「どっかのバカがエロサイト見て請求来たらしいよ」
秀夫は僕に気付かず教師に皮肉った。結果的に架空請求なので、無視すればいい類であった。

2
或る教師は秀夫を笑って皮肉った。
「お前のシミ付きパンツは見たくない」
どういう意味なのだろうか? 指摘されるまでは自慰のシミ付きのまま居た僕への皮肉かもしれない。

3
僕は大学に行きたがったが、母に反対され何か秀夫が気に食わなかった。中学三年のこの頃は数年前にはあるにはあった秀夫との会話もないし、無視されていた。割と仲が良かった瑠璃とばかりいるので、正直秀夫には消えて欲しかった。すれ違い様にわざと電動車椅子で避けずぶつかりそうになったり、一度は僕から寄せておいて怒鳴りつけたこともあった。そうなっては瑠璃と不仲になった。
高校になり、ハッキリ大学が行けないとなると僕はおかしくなった。

4
僕は秀夫とも瑠璃とも仲良くはないので、転校生が増えても相変わらず孤立していた。またも秀夫に消えて欲しかった。秀夫ばかり楽しそうで気に食わなかった。
瑠璃は僕に言ってきた。
「自分から行かないとさ」
確かにね。綺麗事を言うなよ。分かっていることだ。

5
僕は秀夫にHDDプレイヤーのデータをゴミ箱に移すという嫌がらせをした。その他にも迷惑をかけていた。
「友達を傷つけるのは許さない」
瑠璃の一言は明らかに僕を排除していた。

6
僕はそれと意識することなく秀夫への不平を口にしていた。聞かれていたので、瑠璃に激昂された。秀夫は僕と関わらないことにしていたようだった。が、瑠璃は秀夫が言っている僕への不満を真に受け、僕に代弁しに来ていた。何度もね。

7
僕は何かの八つ当たりに激昂して、かなり人のいる前で秀夫の憤懣を大声で言ってしまった。見ていた先輩後輩は多くいた。もはやこれまでという。

8
今、同窓の友人は一人もいない。

堕ちない希望

堕ちない希望

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-05

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