おわるまで
そう、だって、ちがう。
まちに、死のにおいがただよってる。教会の鐘の音。木魚の規則ただしさ。灰が、こぼれて、肺が、悲鳴。
永遠、は、イコール、寿命。だからないはずのそれを誓うんだ。
だから、まっかなたにんごときがおわりをみいださないで。宣告、とか、さ。
砂浜にうちあげられちゃったくらげが、さいごにみあげた月は、でも、ひとにはみえない。かってに、欠けたって、おもいこんだりするけど、月はずうっと、まあるい。
でも、欠けちゃった。ぽろっと、欠けちゃって、地球の引力に惹かれてやってきて、みいんなそれで、灰になった。腐って、骨になった。
地球の寿命がやってくるまで生きのびる、ぬいぐるみ、くらげの子孫たち、野生、の動物、植物たち、燃やされないし、たゆたっているままだし、殺されないから。
いのちの重さは、だって、不平等なのだ。ぼくにとっては。ほかのひとのと、きみのと。それに、ほら、地球と運命をともにする、にんげん以外のと。
おわるまで