そらのひかり
くるまのなかの
くるまのなかの泥だんご
ドロドロ溶けて窓ガラスにベタリと張り付いて
つるつるゆっくり落ちてって、
ついた先にザラザラ砂山
足跡も一緒に飲み込んでって、
ドアの開く音と共に外に飛び出してって
冷たい風を浴びて
真っ暗闇の中ボコボコ地面の上を直ぐに通り過ぎてって、波の揺れる音、
風のかすれる音、
透き通って冷たくて、初めて触れた頬の感触
オレンジ色の月明かりに恋い焦がれたけど、
待っていたのは辺り一面に黄色い光
下にも上にも小さな黄色い光
息を飲むのも忘れて導かれるまま、光の先へ
暗くて揺れる波の方へ
ずっと憧れた、冷たい海の揺れ
遠くの光に辿り着こうと、
ここからまた誓って。
ドロドロと体は溶けていくけど、
きっと大丈夫。
この向こう側へ辿り着けると胸踊らせて。
そらのひかり