白い朝

目を覚ますと同時に
空気にふたつの穴を開ける
昨日の続きとはまた違う
宝物を見つけた気分で
世界を僕の顔に引き寄せる
例えようもないものほど 
簡単なマフラーで巻いて
たまに落ちて来る煩わしさを
元に戻して温めていく
感情が始まる前に
朝はとっくに着替えているから
白いモヤが取れて晴れ渡る
自分のためにあると思う光に
誰かの存在を重ねながら
朝は静かな寝息を引き取る

白い朝

白い朝

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-31

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