MAKA‥特殊工作科
※実話を題材にしたハーフフィクション小説。史実(真実)に創作を織り交ぜた作品です
MAKA特殊工作科
俺の名は‥キャッスル・スターリン‥MAKA特殊工作科の工作員だ。
俺の仕事は‥暗殺‥隠蔽‥撹乱‥陽動全般における情報操作と外国の保守政党への助力だ。MAKA‥通称マカは国内における‥全ての情報を操作している。
MAKAの上に政府がいて‥MAKAと並行して‥KAと言われる‥アジア特殊暗殺チームが存在する。
マカの成員は主に‥ハーフとクォーターで構成されており‥どの人種に馴染みやすい顔かで区別している。
KAと言われる‥アジア特殊暗殺部隊の住居は地下に作られており‥彼らの物資の多くを俺たちMAKAがマフィアとの裏取引により入手している。
第一話‥海外赴任
キャッスル「長官お呼びでしょうか?」
長官「うむ‥キャッスル‥君にはこれから‥新興国日本に出向いてもらい‥ある保守政党を選挙で勝たせてもらいたい。」
キャッスル「保守政党?了解しました。長官」
長官の命令で日本へと来た‥キャッスルは‥早速情報を集めた。まず‥現在の日本は大きく2つの政党が日本を支配している。
その一つが自民党であり‥もう一方が民主党である。今回‥キャッスルに課せられた役目は‥日本に最近作られたばかりの新興政党の代表‥柳本を勝たせる事にあった。
柳本は‥弁護士として名を馳せ‥TVタレントとして成功した後‥選挙に出馬する事を決めた若手のホープであった。その後キャッスルは柳本が演説している場所に出くわす
時は民主党政権‥真っ只中の時代であった。
キャッスル「あれが柳本か?」
柳本「お集まりの皆さん‥現在‥日本は腐敗しております。民主党の‥種蔵が政権を握り‥」
演説後‥キャッスルは柳本の秘書である倉本に接触した。
倉本「お待たせして申し訳ありません」
キャッスル「先生はいつもあのような感じなのですか?」
倉本「はい。」
キャッスル「なるほど」そう言うとキャッスルは倉本に小声で有る事を告げた。
倉本「本当ですか?」
キャッスル「ええ。資金不足で悩んでらしたのでしょう?」
倉本「はい。」
キャッスル「では‥私はこれで‥あ、それと倉本さん‥先程の言葉を選挙勝利後私が指示したタイミングで先生に必ず言っていただけるようにお願いしますね?」キャッスルはそう言うとその場を後にした。
倉本「わかりました」
瞬く間に時は過ぎ‥倉本は見事‥勝利した。その後‥数年が過ぎた頃‥キャッスルは動く。
キャッスル「倉本さん時が来ましたよ。」
倉本「わかりました」
柳本「種蔵首相はすごい。確実に決める政治をされている。民主党の支持率は急回復すると思う。」
キャッスルが柳本に言わせた発言はこれだけだった。その数年後‥キャッスルは時を見計らい‥さらに指示をだす。
キャッスル「倉本さん‥約束の時が来ましたよ」
倉本「わかりました」
柳本はTVの前に立っていた。
柳本「慰安婦問題なんてはじめからない。」柳本のその発言は海を超えて‥瞬く間に波及した。
そして‥慰安婦とされる女性たちが日本に押し寄せ‥世界は混乱の渦に巻き込まれた。
キャッスルが長官より命令された指令は‥ある政党を選挙で勝たせ‥現在主導権を握っている民主党政権を打倒し‥慰安婦問題を全世界に広げる事。狙いは近々‥米国で明らかになる‥ケネディ暗殺の謎から全世界の人間の目を逸らすことにあった。そして‥民主党政権を打倒させたのには‥もう一つ理由がある。それは‥ケネディ暗殺の謎の重要機密を知る‥一人の自民党指導者に政権を握らせ‥日本をコントロールする為だ。
慰安婦問題は米国でも取り上げられ‥国民の関心がケネディから慰安婦とトランプ‥北朝鮮へと向いた。
米国政府がそこまでする理由は‥国民の関心を逸らす事と‥選定をする為だ。つまり‥事実が明るみになった時‥南部の典型的な白人層は納得し得る問題だが‥北部の人間や‥優し過ぎる人間はその事実に‥怒りを覚え‥その反発から来る混乱を収集しづらくなる為だ。慰安婦問題は優し過ぎる人間や人道的な人間「黒人主導者や‥白人主導者」を見付けるにはうってつけの議題で人道的であればある程‥政府が公開する事実は受け入れられないものである。また‥そういった混乱の時に‥誰が陣頭指揮に立ちデモ隊の指揮をとっているかを把握する事で‥今現在‥誰が若者たちを率いているのかがわかる。そういった‥主導者を政府側に引き込む事で‥事態の収集をはかろうとしている訳である。
ジョンFケネディ大統領暗殺事件。
ケネディはリベラルな北部出身であり‥選挙で‥選ばれた最も若い大統領であった。そんなケネディが暗殺されたのは1963年の事であった。
話しは数十年前に遡る。時は1960年代‥時代は‥ベトナム戦争真っ只中の時代のこと‥南部では人種差別問題へのケネディの強硬な姿勢と公民権法案の議会提出により、政権への反感が高まっていた。
ダラス‥当時この地区を縄張りにしていた‥マフィアのボスの名はカルロス・マルセロである。
カルロスはアメリカでは最も古い歴史をもつゴッドファーザーであり‥ニューオーリンズを本拠地にルイジアナ州、テキサス州などの都市を支配しメキシコ湾岸も支配していた暗黒街の顔役だった。
1960年の大統領選でカルロスはリチャード・ニクソンに50万ドルを献金した。またカルロスはリンドン・B・ジョンソンに年間少なくとも5万ドルは手渡したと推定されている。その見返りとして犯罪を取り締まる法案を委員会でつぶすのに協力したという。そのため、リンドン・ジョンソンの力を借りて、カルロスはダラスで思い通りに事業をやれていた。
そんな時代の話である。
特殊暗殺部隊「KA」
長官「諸君らに‥指令を与える」
長官「今回のターゲットは‥大統領‥ジョンFケネディだ」
長官「私の部下である‥ジョージとハントが君たちの補佐をする良いね?」
KA隊員「はっ承知しました」
この‥KAと言われる‥特殊暗殺部隊は元々‥時の韓国大統領‥朴正煕とMAKAの長官の間で秘密裏に作られた組織である。
彼等の任務は‥主に暗殺で‥MAKAの工作員たちは彼らを補佐し‥情報をコントロールし‥隠蔽工作をするのが主な任務である。
ジョージ「君たち‥KAの仕事は簡単だ‥ジョンFケネディを狙撃する事。後処理はこの私に任せたまえ」
KA隊員「承知しました」
少し前の事‥時の副大統領リンドンジョンソンはとある人物と話しをしていた。
??「ジョンソン‥私はあの兄弟を疎ましく感じている」
ジョンソン「私もさ‥あの小僧めが‥若造の癖にでしゃばりおって」
??「ならば‥我々と手を組まないか?」
ジョンソン「手を?」
??「ああ」そう言うと‥男はジョンソンにあることを告げた。
そして‥ジョンソンはニンマリ笑いこう言った。
ジョンソン「良いだろう。わかった。」
その頃‥FBI長官‥フーヴァーは趣味の競馬を‥マフィアの重鎮‥フランク・コステロと見物していた‥。フランクはこの時期‥ボスの座を降りたばかりで悠々自適の老後を堪能していた。
実況「さぁ‥スタートしました。まず先頭は‥1番キャッスルロード続いて‥4番‥サンデーモーニングです」
解説「ロイ‥出だしは‥予想通りだね」
ロイ「あぁそうだね?でも‥見ててご覧‥今日の主役は‥大穴‥キャッスルスターリングさ」
フランク「フーヴァー‥今日はどの馬に賭けたんだい?」
フーヴァー「キャッスルスターリングだ」
フランク「そうか」そう言うと‥フランクはある合図をだした。
実況「さぁ‥最終コーナー曲がって‥出てきます。先頭はサイレスクウラ‥さぁ‥後ろから‥後ろから3番キャッスルスターリング‥キャッスルスターリングが来た‥キャッスルスターリング‥キャッスルスターリングだ」
アナウンス「1着3番‥キャッスルスターリング‥2着7番サイレスクウラ‥3着1番キャッスルロード」
フーヴァー「ohーYES」そう言うとフーヴァーはガッツポーズをとり喜んだ。
フランク「良かったじゃないか?フーヴァー」
フーヴァー「あぁ‥君がいるといつも私は負け無しだ」
フーヴァー「このレースのように‥私が抱えている問題も上手く行けば良いが」
フランク「何かあったのかね?」
フーヴァー「実は‥」そう言うとフーヴァーは現大統領‥ジョンFケネディとその弟‥ロバートとの確執について語り始めた。
フーヴァー「捜査しているのだが‥奴め‥中々尻尾を掴ません。どうしたら良いものか?」
フランク「なるほど‥フーヴァー‥ジョンの悪事の証拠をつかむのに協力しようか?」
フーヴァー「本当か?」
フランク「あぁ‥私の古いツテの話によると‥彼はとあるマフィアのボスと連携をとり大統領になったらしい」
フーヴァー「それは本当かね?」
フランク「あぁ‥」そう言うとフランクは優しく微笑み頷いた。
フーヴァーはその後‥自身が入会している‥フリーメイソンでとある人物と密接に関わっていく事になる。その人物の名は‥時のアメリカ副大統領‥リンドンジョンソンである。
フーヴァーとリンドンジョンソンは共にフリーメイソンの会員で‥彼らは1ヶ月の内に決められた日に‥フリーメイソンだけが‥入室を許される居室で話し合っていた。
フーヴァー「ジョンソン‥大統領になりたくはないか?」
ジョンソン「もちろんなりたいさ」
フーヴァー「君の野望を私は実現する事ができる」
ジョンソン「本当か?」
フーヴァー「あぁ‥」そう言うとフーヴァーはニンマリ笑った。
フーヴァーはその後‥自らの腹心である‥クライド・トルソンを使い‥ケネディとマフィアの関係を探らせた。
サムジアンカーナ「ケネディおめでとう」
ケネディ「Thank you‥ジアンカーナ」
サムジアンカーナ「その後‥キャンベルとはどうだね?」
ケネディ「もちろん‥上手く行ってますよ」
ケネディとサムジアンカーナがいるのは‥フランク・コステロの勧めで‥サムジアンカーナに貸し与えた。あるビルの居室である。
少し前の事
フランク「ジアンカーナ‥君はケネディといつも電話しているそうだね?」
サムジアンカーナ「そうだが?それが何か?」
フランク「電話は盗聴される危険があるからやめたまえ」
フランク「代わりに‥ケネディと会う際は私の知り合いが所有するビルを使うと良い」
そう言ってフランクが貸し与えた部屋がまさに今‥ケネディとサムジアンカーナが会話をしている部屋である。クライド・トルソンはこの部屋に予め‥カメラと盗聴器を仕掛け‥ケネディがサムジアンカーナと会話するやり取りを全て記録していった。まだケータイ電話もない時代‥公衆電話の時代だからこそ‥サムジアンカーナはフランクのこの言葉を鵜呑みにした。
サムジアンカーナ「やる時はいつもハウスの中かい?」
ケネディ「フッハハ(笑)まさか?‥HOTELですよ」
サムジアンカーナ「信じられないね?どーせやっているのだろう?」
その頃‥リンドンジョンソンはホワイトハウスでは有名な‥ケネディのやり部屋にとある物をこっそりと仕掛けていた。
ジョンソン「フフ‥(笑)‥若造め今にみておれ」
ケネディがサムジアンカーナの誘いに応じ電話を使わなかったのはフーヴァーがケネディの方にも伏線を仕掛けていたのが功をそうしたからだ。
少し前の事‥
フーヴァー「大統領‥私は君がマフィアと密接にやり取りをしている証拠を掴んでる」
ケネディ「証拠だと?どんな証拠だ?言ってみろ?」
フーヴァー「良いだろう‥」そう言ってフーヴァーがケネディに見せたのは‥ホワイトハウスでの通話記録であった。
ケネディ「これが何だと言うんだね?」
フーヴァー「しらばっくれるな‥この電話番号はとあるマフィアの番号だ。私が知らないと思ったかね?」
ケネディ「電話をしていたのは私ではない。」
フーヴァー「ほう?誰だね?」
ケネディ「キャンベルだ。キャンベルがよく古い知り合いと電話をしている」
フーヴァー「キャンベル?」
ケネディ「あぁそうだ。悪いが私は失礼する」そう言うとケネディはその場を後にした。
この伏線があった為‥ケネディは‥サムジアンカーナとの電話での会話をやめ‥彼の勧めで‥ビルの居室に来ていたのである。
ちょうど‥その時期‥MAKAと韓国政府の間でKAという特殊暗殺部隊が設立された。彼らは韓国軍の中で特に優秀な成績を納めた者から構成されており‥まさに銃器のプロフェッショナルだった。
本作の主人公‥キャッスルの叔父は‥このKAを指導する‥MAKAの重鎮で次期長官候補で名を‥アレン・ウォッカ・キャッスルと言った。
ウォッカは情報操作のプロで‥MAKA創設時代から‥その名を連ねる‥腕利きのスナイパーだった。
ウォッカ「次だ‥」
KA隊員「はい」
ドン‥っドンっドン
ウォッカ「遅い‥次弾発射まで時間をかけ過ぎだ。2秒以内を目指せ」
KA隊員「はい。」
ライト「ウォッカさん」
ウォッカ「何だ?」
ライト「長官がお呼びですよ」
ウォッカ「わかった。すぐ向かう。ライト‥少しの間こいつ等を見ててくれ」
ライト「了解しました」
その頃‥後にオズワルド殺しで捕まる事となる‥ジャック・ルビーはダラスのナイトクラブにいた。
ジャック「やぁ‥ジョセフ‥今日も来たのかい?」
ジョセフ「あぁ‥ジャック」
ジャック「おいそこのボーイ‥彼に飲み物を」
ボーイ「はい。かしこまりました」
ジョセフ「美味い‥」
ジャック「そうだろ?何せ‥今日のはフランス産の高級ワインだ」
ジャック「それより‥今日はどの子が良い?」
ジョセフ「良いのか?」
ジャック「君には‥いつも世話になっている。先日も助けられたしね?」
ジョセフ「なら‥あの子を」ジョセフが指を指した先には‥一人のストリッパーがいた。名をステファニーと言い‥長い金髪の髪が特徴的な女性だ。
ジャック「ステファニーか?OK‥俺の方から話しをつけておくよ」
ジョセフ「すまない」
ジャック「いや?なに?気にするな。いいんだ。」
時を同じくして‥ダラスを縄張りとするカルロス・マルセロはリンドンジョンソンの力を使い‥事業を展開していた。
カルロスがこれまでしてきた事業は‥バーでの麻薬取引‥ピンボール機とジュークボックスを貸し出す会社にカジノ産業だった。カルロスは‥政治家や警察など主要な人物に金をばらまく事で‥違法な事業を合法に変え‥好き放題にビジネスを展開していた。
また‥警察をその手中に収め‥自由自在に操れるカルロスにとってダラスは無法と言っても良い地帯であった。
カルロスの能力で優れていたのは‥肉体や精神力はもちろんの事‥組織を操り、検事、判事、政治家を支配する能力。つまり人を操る能力にたけていたのだ。
また160cmという小柄な肉体でデカイ黒人を押さつけるほどの腕力と‥その凶暴な性格が彼を暗黒街のボスと言わしめた理由である。
カルロス「ケビン」
ケビン「ボスお呼びでしょうか?」
カルロス「あぁ‥」そう言うと‥カルロスはケビンに耳打ちをした。
ケビン「了解しました。ボス。このケビン・コスナー命に変えてもその役目‥やり遂げてご覧にいれます」
カルロス「頼んだぞ」
ケビンはカルロスの命令通りに‥動き‥ナイトクラブで働く‥ジャック・ルビーに接触した。
ジャック「おや?みない顔だね?」
ケビン「ジャック‥少し話しがある。」
ジャック「何だ?」
ケビン「ここでは何だ‥場所を移そう」
そう言うと‥ケビンはジャックとナイトクラブの個室に入り‥静かに口を開いた。
ケビン「ジャック‥君にやってもらいたい仕事がある」
ジャック「何だよ?改まって」
ケビン「とにかく聞け」そう言うと‥ケビンはジャックに計画を語り始めた。
ジャック「それは‥?」
ケビン「やってくれるな?」
ジャック「少し考えさせてくれ‥」
ケビン「わかった。来週またここに来る。その時には良い返事を期待している」そう言うとケビンはその場を立ち去った。
コードネーム「K」ミハエル・フェルトマン
その頃‥MAKA上層部は‥日本で暗躍し始めた‥麻薬について調査していた。麻薬の出処はガンビーノを始めとしたマフィアらしいが‥当時のBOSS‥カルロ・ガンビーノは麻薬取引に反対していた。しかし‥彼のファミリー内では‥密かに島国‥日本で麻薬取引をする者が出始めていた。
長官「K‥君にある任務を任せる」そう言うと‥長官は任務内容について話し始めた。
K「了解しました。長官。」
そして‥MAKA特殊工作員‥コードネームKこと‥ミハエル・フェルトマンは日本に降り立った。
ミハエルのコードネームはKで‥MAKAの中でも主に麻薬についての捜査を担当する者は‥代々‥Kというコードネームを使用している。
彼らの主な任務は‥日本の警察や麻取と密接に連携し‥マフィアや日本に当時出始めた暴力団と接触し‥情報を探る事である。MAKAがこの任務を遂行する理由は‥ある事件で逃走中の大物マフィアが日本に潜伏している。という情報を掴んだからである。
錦「君がKか?よろしく」
K「よろしくお願いします。警視総監」
錦「うむ‥君も既に聞き及んでいると思うが今回‥君に潜入してもらいたいのは‥とある暴力団だ。」
K「‥はい」
錦「現在の山口組の組長は田岡という男で‥奴が経営している‥神戸芸能社という会社はどーもきな臭い」
錦「そこで‥K‥君にはとある人物と一緒に暴力団内部から神戸芸能社を探ってほしい」
K「とある人物?」
錦「うむ。入りたまえ」
??「失礼します。警視総監」
??「K‥よろしく‥私は成瀬‥成瀬尊だ」
K「よろしく。成瀬」
錦「では2人とも頼んだぞ」
K・成瀬「了解しました。警視総監」
錦の命をうけた2人は早速動き出した。まず‥暴力団内部に潜入する為に‥成瀬は田岡が経営していた甲陽運輸という会社に入社する事にした。
そこで成瀬はとある人物と出会う。男の名は森田と言い‥田岡が務める会社の古参の社員である。
森田「お前らに新入社員を紹介する。山本だ」
成瀬「山本です‥よろしくお願いします」
男A「よろしくな山本」
男B「これから俺らが‥ビシビシ教えてやるよ」
こうして成瀬は‥甲陽運輸に入社する事になった。Kは神戸芸能社の内情を調べるべく‥秘密裏に動いた。まずは頭髪の色を黒く変えて‥日本人に溶け込むように努めた。
Kが日本にいる際‥暮らした家は‥ワシントンハイツの中にあり‥あのジャニー喜多川が居住していた事でも有名である。
K「レニーここがワシントンハイツか?初めて見た」
レニー「中々良いとこだろ?」
K「あぁ」
レニー「でも‥こことももうすぐでお別れさ」
この時期‥一年後に開催予定の東京五輪の選手村・競技場用地としてワシントンハイツが使用する事が決定していたのである。Kがここに来たのはワシントンハイツにとって転換期となる大事な時期である。
レニー「そういえば‥Kここに暮していた‥ジョンという青年が最近‥会社を設立したんだ」
K「会社?」
レニー「あぁジャニーズ事務所というらしい」
K「ジャニーズ事務所?」
レニー「そうだ。K‥ジョンは渡辺プロダクションを窓口にしているようだ」
K「なるほど。レニーありがとう。」
K「使えるな」Kはそう呟くと‥ジョンと会うことにした。
K「そのジョンにはどこに行けば会える?」
レニー「あぁそれなら」そう言うと‥レニーはKに耳打ちをした。
時を同じくして‥錦政会の稲川聖城は‥最近関東に‥進出してきた山口組の動向を探っていた。というのも少し前の事
稲川自身が兄貴と慕う児玉誉士夫の要請で‥山口組を動きを探るように頼まれたからである。また‥この時‥児玉は‥北星会・岡村吾一会長、東声会・町井久之会長らにも根回しを始め‥徐々に‥山口組勢力を追い詰めるべく動き出していた。
手下1「組長」
稲川「来たか?で?向こうさんはどうだった?」
手下1「どーもこーもいつも通りですぜ。でも今日に限って奴ら山三食品なる店の裏手で怪しい取引をしてやしたね?」
稲川「怪しい取引だと?」
手下1「へぇ‥組長あれは間違いなく‥麻薬ですぜ」
稲川「田岡め俺の庭で好き勝手しおって」
手下1「どーしやすか?」
稲川「幹部を集めろ」
手下1「わかりやした」
稲川「今日お前らに集まってもらったのは‥他でもない‥山口組の事だ。」
林「ついにこの日が来たって事ですね?」
稲川「あぁ」
佐藤「どうするんですか?」
稲川「何?どーもしないさ。ただ‥」そう言うと稲川は幹部5人にある事を伝えた。
林「なるほどねぇ」
佐藤「あちらさんはカンカンになるでしょーね?」
林「けどあちらさんの勢力を弱めるには最適かもしれませんね?」
稲川「頼んだぞ。お前ら。」
林‥佐藤「「任せてください」」
その頃‥アメリカ‥NYでは‥ガンビーノファミリーの一人の男が‥秘密裏に麻薬取引を進めていた。
男の名は‥アニエロ‥ガンビーノ一家きっての武闘派で‥かつてマーダー・インク「殺人株式会社」に所属していた男である。
アニエロ「カーマインいるか?」
カーマイン「はい。お呼びでしょうか?」
アニエロ「ブツは売れたか?」
カーマイン「上々ですよ。」
カーマイン「あの国なら‥BOSSの目を逃れて取引し放題ですよ」
アニエロ「そうか?私はBOSSの目が行き届かぬように‥なんとかする。そっちの方は頼んだぞ」
カーマイン「お任せ下さい」
数日後‥アメリカ合衆国のとある船着場‥そこにカーマインは居た。
カーマイン「ルチアーノ‥アニエロさんからの手紙だ。船内で目を通せ」
ルチアーノ「OK」
カーマイン「それと‥今月のブツは‥かなりある。くれぐれも気取られるなよ」
ルチアーノ「大丈夫ですよ。あそこの国の奴ら‥何にも警戒してないですから‥」
こうして‥マフィア構成員‥リック・ジオルト・ルチアーノ率いるマフィア数十名は日本へと‥密入国した。
ルチアーノの役目は‥マフィアと日本に‥存在する暴力団とのパイプ役になる事である。
マフィア構成員「佐藤のダンナ」
佐藤「トーマスか?よく来た。例の物は?」
トーマス「ありますよ。それと佐藤さん紹介したい人がいるんです」
佐藤「紹介?」
トーマス「こちらはルチアーノさん俺の直属の上司になります」
ルチアーノ「お初にお目にかかります。私はガンビーノ一家リック・ジオルト・ルチアーノ以後お見知りおきを」
佐藤「こちらこそ‥錦政会幹部の佐藤だ。」
こうして‥ルチアーノと佐藤は出逢うことになったのである。MAKA工作員‥Kはルチアーノと幹部のこの繋がりに目をつけ‥暴力団お抱えの通訳として‥活動する事となっていくのである。
というのも‥日本語を話せるのは‥トーマスやルチアーノの様に一部の構成員だけでそれ以外の人間は話せなかったからである。その事に目をつけたKは‥錦政会の幹部‥林に接触し‥通訳として自らを雇わないか?と言う事を‥持ちかけたのである。
その後の事である‥あの事件が起きたのは‥1963年3月‥横浜市中区山下町のサパークラブ「グランド・パレス」でのこと。
??「佐藤さんうまいっすねぇ」
佐藤「あぁそうだな?」
佐藤たち錦政界‥幹部5人がサパークラブにて楽しんでいた所‥山口組の堀江という男が現れた。
林「何しに来た?堀江?」
堀江「怖いなぁ?林はん酒でもどうでっか?」
佐藤「舐めてるのか貴様?」
堀江「舐めてなんかいやしまへんよ。酒‥美味いでっせ」
ドンっ佐藤は机を叩くと‥堀江の胸ぐらを掴みこう言う
佐藤「それが舐めてると言うんだ」
堀江「その手?」
佐藤「はぁ?」
堀江「その手どけてもらいまっか?」
佐藤「貴様‥自分の立場がわかってるのか?」
堀江「佐藤はん‥わい何かしましたやろか?」
店員「お客様‥店内での揉め事は」
林「佐藤‥その辺にしておけ」
佐藤「チッ助かったな?堀江」そう言うと佐藤は手を離した。
堀江「なんや気分害したんやったら謝るわ。すまんかった」堀江はそう言い残し‥店を出た。
山口組井志組横浜支部‥
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ガチャン
高村「誰や?」
堀江「わいや‥」
高村「兄貴か?どないしたんや?」
堀江「今すぐ‥組員集めてサパークラブに来い。ええな」
高村「サパークラブ??あぁ~あそこか?わかった。待っとき」
高村「お前ら‥兄貴からの招集命令や。行くぞ」
松下「兄貴からの?」
高村「そや松下‥行くで。」
こうして‥堀江率いる山口組井志組員たちは‥サパークラブへと進行し始めた。
日本で錦政界と山口組の抗争が激化し始めたちょうどその頃‥NYに事務所を構える‥ある姉妹の元に‥依頼が舞い込んだ。
ステファニー「あの‥」
??「依頼ですね?」
ステファニー「はい」
??「お聞かせ下さい」
ステファニー「実は‥ある人を探してるんです」
??「ある人?」
ステファニー「この人です」そう言うと‥ステファニーは1枚の写真を探偵に見せた。
ステファニー「私の兄で名をリックと言います。NYにある兄の家に訪ねた時の事です」
NY‥ルチアーノ家別邸
ステファニー「お兄ちゃん‥」
執事「お嬢様お帰りなさいませ」
ステファニー「お兄ちゃんは?」
執事「リック様は仕事に行かれました」
ステファニー「行き先は?」
執事「お教えできません」
ステファニー「何でよ?」
執事「妹に場所を聞かれても教えるなとリック様から命令されております」
ステファニー「何よそれ?意味わからないわ」
そして現在‥探偵事務所
ステファニー「とゆう事があったの?」
??「なるほどですね。わかりました。その依頼‥このレイヴン姉妹にお任せ下さい」
ステファニー「お願いします」 そう言うとステファニーは依頼料をおいて出ていった。
ワカ「お姉ちゃん。受けちゃって大丈夫なの?」
トワ「大丈夫でしょ?」
ワカ「ふーん?でもこのリックって人マフィアだよね?」
トワ「だから?何よ?」
ワカ「別に‥?」
トワ「何よ?端切れ悪いわね?」
トワ「相手がマフィアでも依頼は依頼よ。それに‥このリックっていうマフィアが何処に行ったか?気になるじゃない?」
ワカ「はぁ‥また始まった。シュウも何か言ってやったらどう?」
シュウ「ワカ‥ほっとけよ姉貴のその癖はいつもの事だろ?それより‥ゲームしようぜ」
ワカ・ジュン「賛成」
トワ「賛成じゃないでしょ?‥仕事よほらチャッチャと動く」
ワカ・ジュン・シュウ「え〜〜‥」
ジュン「はぁ‥たくしゃあねぇなぁ‥」そう言うと‥ジュンは‥スーツを着込みだした。
トワ「どこ行くのよ?」
ジュン「聞き込みに決まってんだろ?シュウ行くぜ」
シュウ「え〜俺も?」
ジュン「当たり前だろ?早く来いよ」
シュウ「うぃ〜‥す」
ここでこの探偵事務所について‥紹介しよう。この探偵事務所は‥ジュン・トワ・シュウ・ワカの4人が設立した探偵事務所で名を「レイヴン」と言う。
ジュンとシュウが情報を集め‥トワとワカが推理する。4人はそれぞれの長所を生かし‥これまで多くの事件を解決に導き‥NYでもその名を知られる程の探偵事務所となったのである。
またワカは超能力を有しており‥その力で離れた位置から‥シュウやジュンとも会話できる。このワカの特殊能力が事件解決に大いに役立っているのである。
ジュン「さてと‥出てきたは良いけど何から調べるかな?」
シュウ「依頼者の話だと‥このリックって言う男が足繁く通っていた‥BARがあるみたいだ。」
ジュン「んじゃまずそこに行ってみるか?」そう言うと‥ジュンは車を走らせて‥BARに向かった。
ジュン「ここか?」
シュウ「みてぇだな?」
ジュン「行くぜ。シュウ」ジュンとシュウは車から降りると‥BARに入った。
店内は静寂に包まれており‥とてもNYのBARとは思えない程の静けさだった。
マスター「何にするかね?」
ジュン「ウィスキーを」
マスター「そちらは?」
シュウ「同じでいいよ」
マスター「かしこまりました」マスターはそう言うと‥ウィスキーを注ぎ終えるとジュンたちの前に置く。
コト‥コト‥虚しく音が響く‥
シュウ「マスター‥ここに通ってたリックって言う男を知ってるかい?」
マスター「ええ‥存じておりますよ」
ジュン「じゃあさそのリックの居所とか知ってたりするのかい?」
マスター「いえ‥存じておりません」
シュウ「ふーん?なるほどねぇ?」シュウはそう呟くと‥ジュンを見る。
ジュン「マスター‥賭けをしねぇか?」
マスター「賭け?」
ジュン「あぁ‥今からコインを投げて‥裏が出るか表が出るかを当てる。もし俺が勝ったら‥リックに関するマスターの知ってる情報全部教えちゃくれねぇかい?」
マスター「フッ(笑)私が勝ったら?」
ジュン「そうだな?マスターの望みを一つ聞くって言うのはどうだい?」
マスター「フフフ(笑)面白い。乗りましょう」
ジュン「行くぜ」‥そう言うと‥ジュンはコインを空中に投げ回転させて‥拳の上にコインを乗せた。
パシ‥
ジュン「先手は譲るぜ」
マスター「裏」
ジュン「んじぁ俺は表だ」
ジュン「さぁーてどうかな?」そう言うとジュンは手のひらをゆっくりどけコインを見た。
ジュン「表‥俺の勝ちだ。」
マスター「これは‥?してやられましたね?」
ジュン「勝負は決まったみてぇだ。マスター‥知ってる情報教えてもらうぜ」
マスター「良いでしょう」そう言うと‥マスターはリックに関する情報を喋り始めた。
シュウは静かに‥マスターの話を聞き‥メモを取る。
マスター「私が彼の事で知ってる情報はそれだけだ」
ジュン「Thank youな助かったぜマスター」そう言うとジュンとシュウはBARを後にした。
マスターから得られた重要な情報は3つ
一つ‥リックはマフィアの構成員で‥薬物に関する取引を担当していた事
二つ‥近々‥デカイ仕事があり成功すれば‥多額の金が入ると周囲に漏らしていた事
三つ‥次の勤務先は海外で暫くBARには来られない。とマスターに呟いていた事
この3つの情報がマスターから得られた重要な情報である。
シュウ「勤務先が海外となると‥どこだ?イタリアか?」
ジュン「さぁな‥小難しい話はトワたちに任せよーぜ」
シュウ「そうだな?」そう言うとシュウはゆっくり目を閉じ念じ始めた。
シュウ「ワカ‥ワカ‥」
ワカ「お兄ちゃん‥お疲れ‥何かわかったの?」
シュウ「あぁ‥」そう言うとシュウは得た情報を全てワカに伝えた。得た情報をすかさず‥ワカはメモに取り書き出す。
ワカ「なるほどねぇ?了解。」
シュウ「また何かわかったら報告するぜ」
ワカ「お願いね?」
レイヴン‥探偵事務所本部
ワカ「お姉ちゃん‥シュウ兄から情報入ったよ」
トワ「OK‥どれどれ‥薬物に海外勤務ねぇ?」
ワカ「何かわかる?」
トワ「うーん?これだけじゃ‥何とも言えないわ」
ワカ「シュウ兄はイタリアかも?って言ってたよ」
トワ「多分‥それはないわね?」
ワカ「何で?」
トワ「だって‥イタリアでの仕事なら‥これまでマフィアは山のようにやってきたでしょ?今更‥イタリアでの仕事でデカイ儲けになるとは思えないわ」
ワカ「ふーん?」
トワ「とにかく情報を整理しましょう。」トワがそう言った瞬間‥事務所の電話が鳴り響く。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ガチャ‥
ワカ「レイヴン探偵事務所です」
ステファニー「探偵さん‥ステファニーです」
ワカ「ステファニー様どうされましたか?」
ステファニー「一つ重要な事を伝え忘れたの」
ワカ「重要なこと?」
ステファニー「ええ‥私の方で出来うる限りの事はするけど‥組織の人間にバレないように‥動いてちょうだい」
ワカ「わかりました。ご忠告ありがとうございます」
ガチャ‥
トワ「依頼者から?」
ワカ「うん。依頼者の話では組織の人間にバレないように動いてって言ってたわ」
トワ「大変じゃない?」
ワカ「どうする?お姉ちゃん?」
トワ「う〜んそうねぇ‥」
トワ「とりあえず‥暫く‥身を潜めて‥隠密行動に徹しましょう」
トワ「シュウとジュン兄にもそう伝えて」
ワカ「わかった」
ワカ「シュウ兄‥ジュン兄‥聞こえる?」
ジュン・シュウ「ん?」
ジュン「聞こえるぜ‥どうした?」
ワカ「マフィアに探偵だとバレないように情報を探って。正体がバレたら‥シュウ兄とジュン兄が危ないわ」
シュウ「要するに隠密行動しろって事か?」
ジュン「了解。わかったぜ」
時を同じくして‥BARでは‥マスターがどこかに電話をかけていた。
??「妙な2人組?」
マスター「ええ‥私にルチアーノの情報はないか?と尋ねてきました」
??「喋ったのか?」
マスター「いえ‥ただ‥」そう言うとマスターは事の経緯を電話越しの男に話す。
マスター「少し‥困り既に周囲に知れ渡っている情報のみを伝えました」
??「そうか‥?本当に伝えたのはそれだけか?」
マスター「はい。勿論です」
??「良いか。今回は見逃す。ただ‥今後はその情報も外には漏らすな。言えば。どうなるか?わかってるな?」
マスター「はい。かしこまりました。」
??「その2人組の方は俺の方で探ってみる。お前はいつも通り仕事をこなせ。わかったな?」
マスター「はい。わかりました。」
ガチャ‥マスターは受話器を置くと‥静かに時計をみる。時刻は‥夜の22時をまわっていた。
レイヴン姉妹‥ワカ・レイヴンの超能力
ワカ「お姉ちゃん‥私もう寝るね。」そう言うと‥ワカはソファーに寝転んだ。
トワ「またぁ‥そんなところで寝て‥部屋に戻って寝なさい」
ワカ「だって帰るのめんどくさいんだもん」
トワ「めんどくさいも何も‥エレベーターで地下に降りるだけでしょ?」
ワカ「もう‥わかったよ」そう言うと‥ワカはエレベーターに乗り‥地下へと降りていった。ワカたちの部屋は地下に造っていて‥中々侵入できない様になっている。ちなみに部屋に行くにはエレベーターから降りる以外の手段はない。
何故?ここまで大掛かりな‥探偵事務所を造れたのかと言うと‥それは‥トワやワカの父親がアメリカでも有数の資産家で世界で10本の指に入る金持ちだからである。
レイヴンというのは母親の苗字で‥父親の姓ではない。数年前‥父親の不倫で父と母は離婚し‥兄弟たちは皆母親が親権をとったが‥その時に母親が受け取った慰謝料が莫大だった。
その母親も数年前に他界し‥母親がもっていた遺産を兄弟で分配し‥そのお金で探偵事務所を設立したのである。探偵事務所を設立し‥じか数億はかかる住居を構えても‥それでもワカたちのお金は貰った遺産の10000分の1程しか減らなかった。
執事「お帰りなさいませ‥お嬢様」
ワカ「じぃただいま」
執事「お食事になされますか?」
ワカ「ううん。今日はもう疲れたから寝る」
執事「かしこまりました。ゆっくりとお休み下さい」
ワカが部屋に入った数分後‥執事室の電話が鳴る。♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
リチャード「はい」
??「娘は戻ったか?」
リチャード「はい。今しがた‥ワカ様がお戻りになりました」
??「そうか‥」
??「リチャード‥子供たちの護衛は任せたぞ」
リチャード「かしこまりました。」
その頃‥シュウとジュンは‥父親が経営するHOTELの一室から‥ある男を見張っていた。
ジュン「シュウ‥奴らは動いたか?」
シュウ「いや‥全然‥」
ジュン「OK‥俺はちっと仮眠するから‥見張っててくれよ」
シュウ「3時間したら交代ね」
ジュン「わってるよ」
少し前の事‥BARを出たシュウとジュンは‥数名の男がBARに入って行くのを確認した。
数分後‥銃声がしたかと思うと‥男たちはマスターをトランクに乗せ‥車を発進させた。
それをみた‥シュウとジュンは‥男たちの車を尾行した。車はやがて‥ひとけのない山で止まると‥マスターの遺体がトランクからだされた。数十分後‥男たちは戻ってきたが‥そこにマスターの姿はなかった。
シュウとジュンはその男たちをさらに尾行した。すると‥男たちの車は‥あるアパートの一室で止まったのである。
そして現在‥シュウとジュンはそのアパートからちょうど‥少しした所にあるHOTELの一室にいるのである。
NYのとあるアパートの一室
?「マイク‥アドニスさんに報告したのか?」
マイク「勿論したよ。レナード」
レナード「そうか‥」
??「それにしてもアドニスさんの命令とは言え後味の悪い仕事だったぜ」
マイク「そう言うな‥ダグ」
ダグ「つってもなぁ‥」
マイク「それより‥アドニスさんからの指令だ。俺らを嗅ぎまわる‥怪しい2人組を始末しろ。だとさ」
レナード「どんな奴なんだろうな?」
ダグ「さぁな?そこのバカが。奴に2人組がどんな奴か?って聞く前に‥撃っちまったからな」
???「それ俺の事かよ?」
ダグ「他に誰がいるんだ?」
マイク「まぁ‥ダグ‥過ぎた事はしょうがない。ザックを攻めるな。」
マイクたちがそんな話をしている頃‥眠ったワカは‥ある夢を見ていた。
ワカ「あれは?お兄ちゃん?」ワカが目にした光景は‥妙な男たちに捕らえられ‥銃を突き付けられた‥ジュンとシュウの姿であった。それをみたワカは小声で何かを呟く。
ワカ「~~~~?~~~~~」
??「ガキ共‥俺に見つかったのが仇になったな?」
シュウ「ちくしょう」
?「??さん‥どうしますやっちまいますか?」
??「いや‥コイツ等‥まだ何かを隠してそうだ。屋敷に連れ帰ろう。」
男がそういった瞬間‥ワカは‥目覚めた。
ワカ「はぁ‥はぁ‥はぁ‥(汗)大変だ。お兄ちゃんに知らせなきゃ」
ワカ「ジュン兄‥シュウ兄聞こえる?」
シュウ「ん?」
シュウ「どうした?ワカ?いつもならもう寝てる頃だろ?」
ワカ「ジュン兄は?」
シュウ「ジュン兄なら‥俺の後ろでグースカ眠ってるぜ」
ワカ「そっか。良かった。シュウ兄‥黒いスーツを着た金髪の男に気をつけて」
シュウ「金髪の男?」
ワカ「うん‥それと」そう言うとワカは‥経緯を説明し始めた。
シュウ「なるほどなぁ。了解。ジュン兄にも伝えとくぜ」
ワカ「お願いね。あとさっき言ったこと絶対守ってね」
シュウ「OKわかったよ。Thank youなワカ」シュウがそう言い終えた瞬間‥アパートから人が出てきた。
シュウ「1‥2‥3‥3人か?一人足りないな。」
アパート前駐車場
ダグ「ザックもうヘマするなよ」
ザック「うるせぇ」
レナード「何してるんです。2人とも乗ってください。」
ダグ「わりぃわりぃ‥」
その様子をみていたシュウはすかさず‥駐車場にいた‥部下のニックに無線で知らせる。
シュウ「ニック‥ニック起きろ」
ニック「ん?あぁ仕事ですかい?」
シュウ「あぁ」
シュウ「奴らの車を追え」
ニック「OK‥了解」
シュウ「すぐに俺も出る。奴らの行き先がわかったら‥いつもの場所で落ち合おう」
ニック「あそこですね?」
シュウ「そう?あそこだ。」シュウがそう言い終えた瞬間‥ダグたちを乗せた車は走り出した。
数分後‥レナードの車の車内
ザック「変だな?つけられてる?」
ダグ「どうした?ザック‥またいつものトイレか?」
ザック「ちげぇーよ。つけられてんだよ」
ダグ「気のせいじゃねえのか?」
ザック「いや‥あの車‥さっき俺らが駐車場から出てからずっとくっついて来やがる。」
レナード「それが本当なら‥少々厄介ですね。まきますか」そう言うと‥レナードは車の速度を上げ‥ニックを引き離しにかかった。
それ見た‥ニックは無線でシュウに伝える。
ニック「シュウ‥向こうさんに勘付かれたようだ」
シュウ「了解‥今‥どの辺だ?」
ニック「交差点の辺りだ」
シュウ「なら‥次の信号で変わろう」
ニック「OK‥」そう言うと‥ニックはスピードを上げた。
ザック「やっぱりつけてきやがる」
レナード「任せてください。」
ザック「ん?曲がった?」
ダグ「ほらな?みろ?気のせいだったじゃねぇか?」
ザック「わりぃ‥レナード」
レナード「いや‥いいんですよ」レナードはそう言うと‥速度を緩め始めた。
ニックが曲がったのと同時に‥シュウがレナードたちの車の後ろにつき‥再び‥尾行する。
シュウ「ニック‥車を別のに変えて‥次の信号でまた俺と変わるぞ」
ニック「OK‥シュウ」
シュウ「オルフェ‥オルフェ‥聞こえるか?」
オルフェ「聞こえるぜ‥BOSS」
シュウ「その言い方はやめろ。それより‥今車を尾行している。お前も来るんだ」
オルフェ「了解。所で‥今どの辺だい?」
シュウ「ブルックリン橋の辺だ」
オルフェ「OK‥なら次の次の信号で合流するかね?」
シュウ「頼んだぞ。あと‥エヴァとシオンにも来るように伝えてくれ」
オルフェ「OK‥了解‥」
その頃‥HOTELでは‥シュウに置いてけぼりにされたジュンが爆睡していた。
??「ジュン様‥ジュン様起きて下さい」
ジュン「‥ん?もう交代か?シュウ?」そう言いながらジュンは目を覚まし‥起き上がる。
??「ええ(笑)交代ですよ」
ジュン「ん?ってええ〜(驚)ココミ?何でここにいんだよ?」
ココミ「何でって?見張りの為ですよ」
ジュン「シュウは何処に行ったんだよ?」
ココミ「先程‥アパートから男たちが出てきたので‥尾行しに行かれましたよ」
ジュン「なんだよ?そういう事か?シュウの奴俺も起こしてくれりゃ良かったのに」
ココミ「フフ(笑)ジュン様があまりにも気持ち良さそうに寝てたので‥シュウ様も悪いと思ったのでしょうね?」
ジュン「はぁ‥」
ココミ「これ。シュウ様からのメッセージです」そう言うとココミはジュンにメモを手渡した。
それを見てジュンが言う
ジュン「なるほど。だいたい状況は把握できた。アパートに残ってるもう一人の男はまだ出てこないみたいだな?」
ココミ「はい(笑)」そう言うとココミはニッコリ笑った。
ジュン「‥」「かわいい」ジュンはコーヒーを飲みながら内心そう思ったが口にはださなかった。
ココミ「ん?どうしたんです?私の顔なんかみて?」
ジュン「なっ(汗)何でもねぇーよ」
ジュン「お前が変なこと言うからコーヒーこぼしちまったじゃねえか?」
ココミ「フフ(笑)すいません」
ジュン「‥」「たくっあんにゃろう覚えとけよ。」ジュンは心の中でそう思い‥口を開く。
ジュン「ココミ‥後は俺が見張っとくから‥交代の時間まで暫く休んどけ。」
ココミ「はい(笑)じゃあ遠慮なくそうさせてもらいます」そう言うとココミはジュンたちの部屋のベットに横たわる
ジュン「ちょ(驚)そこで寝るのかよ?」
ココミ「はい?何か問題でも?」
ジュン「いや(汗)集中できねぇから自分の部屋で休めよ」
ココミ「はぁ?わかりました。それじゃジュン様‥3時間したらまた来ますね」
ジュン「おう」ジュンのその言葉を聞き終えてココミは部屋を後にした。
ジュン「はぁ‥起きてそうそう疲れた(汗)」
ジュン「さてと‥ローガン聞こえるか?」ジュンは無線を手に取り‥話しかける。
ローガン「ジュンか?聞こえるぜ」
ジュン「もう少ししたらBARの中から金髪の男が出てくるが‥そいつは追うな」
ローガン「そりゃまた?なんでだい?」
ジュン「とにかく追うな。その男は勘が鋭い。これは命令だ」
ローガン「何かあるってことだね?」
ジュン「あぁ。だが男がBARから出てきた時間はちゃんとメモっとけよ」
ローガン「OK‥了解だ。」
実はマスターが襲撃された際‥店の中に入った人数は5人いたが‥マスターがBARから運び出される際‥一緒に来た金髪の男の姿はなかった。そこで‥ジュンたちは‥二手に分かれ‥ジュンとシュウが車を追い‥ローガンたちにBARの張り込みをさせていたのである。
ローガン「レン‥ジュンからの命令だ金髪の男は追うな。だとさ」
レン「OK了解」
ローガンたちが‥BARの前で張り込みをしていると‥BARの店の裏手に一台の車が止まった。
ローガン「なんだ?」
ローガン「レン?車が一台そっちに行った。何か見えねぇか?」ローガンはすかさず無線でレンに話しかける。
レン「バッチリ見えてるぜ。男が2人出てきた」レンはそう言いながら‥カメラのシャッターをきる。
カシャ‥カシャカシャ‥カシャカシャカシャカシャ‥
レン「ローガン‥こいつはとんだ大物だ」
ローガン「何か写ったのか??」
レン「あぁ‥2人の内一人はフーヴァー‥FBI長官だ‥」
レン「そしてもう一人は‥マイヤーランスキー。マフィアの財政顧問をしている男だ。」
ローガン「FBIにマフィア?いよいよきな臭いな?」
レン「だな」ローガンとそんな会話をしながらも‥レンはシャッターをきり続ける。
カシャ‥カシャカシャ‥カシャカシャカシャカシャ‥
その後‥金髪の男とフーヴァーたちは‥BARを後にした。
それを確認した‥ローガンは車から降りると口笛を吹いた。すると‥一羽の鳥がローガンの手に止まった。ローガンはメモを鳥にくくりつけると再び空に放った。
数十分後‥HOTELの窓
ジュン「お!!来た来た」ジュンがそう言うと‥一羽の鳥がジュンたちが宿泊するHOTELの窓辺にとまった。
ジュンは鳥の足にくくりつけられたメモ用紙をとると‥呟く
ジュン「なるほど?マフィアとFBIは癒着してるって事か?」ジュンがそう呟いた瞬間‥ローガンから無線が入る
ローガン「ジュン。メモは届いたかい?」
ジュン「あぁ‥届いたぜ。」
ローガン「ジュン。この山危ないんじゃないのか?」
ジュン「ローガン‥今更‥それを言っても仕方ねぇーぜ。俺らの仕事は情報集めだ。後処理はトワたちが何とかするだろ?」
ローガン「しかし‥」
ジュン「怖気づいたのか??」
ローガン「馬鹿な俺はただ‥」
ジュン「ただ‥何だよ?」
ローガン「何でもない。」そう言うとローガンは無線を切った。
ところ変わってここは‥アメリカにある‥とある屋敷の前‥少し前‥シュウたちはレナードたちの車を尾行していた。そして‥辿り着いたのがこの屋敷の前である。
シュウ「オルフェ‥動きがあったら教えてくれ‥俺は少し眠る」
オルフェ「OK‥ゆっくり眠りな」
エヴァ「オルフェ‥大きい屋敷だね?」エヴァから無線が入る。
オルフェ「だな‥相手は資産家のようだ。」オルフェはそう呟くと‥時計をみる。時刻は夜中の3時‥あたりは静寂に包まれていた‥。
数時間後‥屋敷からレナードたちが出てきた。
オルフェ「シュウ‥奴らが動いた」
シュウ「了解。Thank youオルフェ」
エヴァ「シオン運転変わってよ。エヴァ疲れた」
シオン「うん。わかった」
シュウ「ニック起きてるか?」シュウは無線でニックに話しかける。
ニック「起きてるぜ。」
シュウ「行くぞ」
ニック「了解」
その後‥レナードたちの車はそれぞれNY市内にある2つのアパートの前と1つの屋敷の前で止まった。
一つは‥ブルックリン区にあるアパートで‥近くに図書館があるアパートの前‥
二つ目はクイーンズ区にあるアパートでクイーンズブリッジ団地の中だった。
三つ目はブロンクス区にある屋敷で‥上流階級たちが住むエリアの中だった。
まず‥1つ目のアパートに‥黒人の男が入り‥その後‥2つ目のアパートの前でアジア系の男が降り‥最後に運転をしていた男がブロンクス区の屋敷の中に入った。
エヴァ「エヴァ‥この家知ってるよ。」
シュウ「本当か?」
エヴァ「うん。確か‥ここの家の人の名前は‥コスナーって名前だよ」
シュウ「コスナー?」
エヴァ「うん。最近この辺りに引っ越してきたの」
シュウ「何で知ってんだ。」
エヴァ「だって家‥この近くだもん」
シュウ「あぁ(納)なるほど」
シュウ「エヴァの家は張り込みに使えないよな?」
エヴァ「うーん‥多分無理だと思う。家に男の人を連れ込んだらパパが怒るから」
シュウ「だよな(汗)」
シュウ「うっしなら‥買うか。」
エヴァ「買うって?」
シュウ「この家の真向かいにある家を買うんだよ」そう言うと‥シュウは一軒の家を指差した。
その頃‥オルフェたちはブルックリン区のアパートの前に居た。
シオン「オルフェさん‥これ朝ご飯」シオンは助手席に座るとオルフェにパンと牛乳を手渡す。
オルフェ「Thank youシオン」
オルフェ「あの黒人野郎‥ぜってぇ捕まえてやるからな」
シオン「はは(笑)オルフェさんの黒人嫌いは筋金入りだね?」
オルフェ「人聞き悪りぃ事言ってんじゃねぇーよ。俺はただ人を殺しておいてのうのうと‥平気なツラして街を出歩いてる奴が許せねぇだけだ」
シオン「そういう事にしておきますか(笑)」
クイーンズ区のアパート前には‥ニックとリムが張り込みについた。
ニック「リム‥お前も朝から大変だな?」
リム「本当ですよ。今日はせっかくの休みだと思ったのに」
ニック「まぁそう言うなよ休みみたいなもんじゃねぇーか?」
ニック「リム‥ベット使わして貰うぜ‥俺はちっと仮眠する」
リム「な!!!他人事だと思って。てゆーか人の家のベットで寝ないで下さい」
ニック「ケチ臭えこと言ってんじゃねぇーよ」
リム「全くもう‥」
少し前の事である‥クイーンズ区のアパートの前で張り込んでいたニックは同僚のリムが犯人のアパートの近くに住んでいた事を思い出し‥半ば強引にリムの家に上がり込み今に至る訳である。
シュウ‥ブロンクス区別邸
エヴァ「まさか本当に買うとは驚きですよ」
シュウ「まぁ家を買うぐらいの金ならいくらでもあるからな」
シュウ「それに‥ブロンクス区に一軒ぐらい家があっても損じゃねぇーし」
エヴァ「なるほどですね。所で‥いくらしたんです?」
シュウ「5億ぐらいかな?」
エヴァ「5億?意外と安かったんですね?」
シュウ「だろ?何でも前の家主が国外に行ってずっと空き家だったから‥不動産屋も困ってたみてぇだ」
エヴァ「なるほど」
??「シュウさぁ~ん買って来ましたよ」
シュウ「ん?Thank you‥ユウ」
ユウ「でも‥シュウさんこんなの買ってどうするんです?」
シュウ「まぁ今にみとけって」
その頃‥レイヴン探偵事務所では
ワカ「お姉ちゃん‥シュウ兄また別荘買ったみたいだよ」
トワ「またぁ?全くあの子ったら無駄遣いばっかりして」
ワカ「大丈夫なんじゃない?シュウ兄‥前に某企業の株を丸々60%ぐらい買って副業で株取引して資産さらに上げてるらしいし」
トワ「あの子‥そんな事もやってるの?」
ワカ「うん。前に‥貯金いくらあるの?って聞いたら3兆ぐらいかな?って言ってたから」
トワ「マジで!!?某企業ってどこよ?」
ワカ「さぁ‥そこまでは‥お父さんの会社なんじゃない?」
トワ「もう‥お父さんもあの子を甘やかして‥これだからシュウの無駄遣いが治らないのよ」
ワカ「あたしもお父さんの会社の株‥20%貰ったよ」
トワ「あんたもなの?」
ワカ「うん。それより‥ジュン兄とシュウ兄から色々情報届いてるよ」
トワ「どれどれ?ふーんなるほどねぇ‥マフィアとFBIが癒着‥BARのマスターを襲撃した謎の男たち。ね。」
トワ「マスターのNEWSやってないの?」
ワカ「まだみたい。今朝からTVずっとまわしてるし‥新聞も読んでるけど‥それらしい情報はないよ。」
トワ「OK‥了解」
ワカ「どうするの?」
トワ「そうねぇ‥あ!!!そうだ。」そう言うと‥トワある所に電話をかけ始めた。
NYのとある屋敷
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ガチャ
執事「はい。どちら様でしょうか?」
トワ「私‥レイヴン探偵事務所のトワ・レイヴンという者です。マイケル君はいらっしゃいますか?」
執事「マイケルおぼっちゃまは今出掛けられおります」
トワ「OK。わかったわ。じゃあマイケル君が戻ったらこっちに電話をしてもらえるように頼めるかしら?」
執事「かしこまりました。その様に伝えます」
ガチャ
レイヴン探偵事務所
ワカ「なるほどね。お姉ちゃんの狙いが詠めた」
トワ「さっしがいいわね?ワカ」
ワカ「まぁね(笑)」
その頃…ニューヨークにあるとある組織の一室では‥ある人物が呼び出されていた。
?「リッチモンド君…私にはコレクションがあるんだ。みたまえ。」男はそう言うとリッチモンドという男にとある物を見せた。無数に分けられた透明なケースの中に収まる物。防腐処理がなされたそれは…下から青い光で照らされていた。
?「これは今まで私に逆らった者から切り取った陰茎だ。彼らのその後が気になるかね?」
リッチモンド「い…いえ(汗)」
?「なぁ~にそんな深刻な顔をする必要はない。クルーのリーダーである君がしっかり仕事をこなせばこうはならない。では検討を祈るよ。」そう言うと男はリッチモンドの肩を叩いた。
その後リッチモンドは建物から出ると…ブルックリン区にある黒人の男が住まうアパートへと向けて車を走らせた。
時を同じくしてブルックリン区のアパートでは…黒人の男とある男が揉め事になっていた。
マイク「よすんだ?ゲイリー」
ゲイリー「何故だ?私の姪を暗殺したのは奴らに違いない」
マイク「だとしても…証拠がない」
ゲイリー「証拠ならあるさ」そう言うとゲイリーはとある書類をマイクに見せた。
ゲイリー「この書類には奴らの情報がこと細かく書かれている。マイクお前の件に関してもな…」それを聞いた瞬間マイクの顔が青ざめた。
マイク「俺の事?何を言ってるゲイリー?」
ゲイリー「芝居は辞めろマイク。お前らが殺したんだろ?」
マイク「何をバカな?そんな訳ないだろ?」そう言うとマイクは顔を少し逸らし鼻を手で触れた。それをみたゲイリーは呟く
ゲイリー「残念だよマイク。お前は嘘をつくときはいつも顔を逸らし鼻を触る。正直信じたくなかった」そう言ってゲイリーはアパートから出ようとする。その時だった。後ろからマイクがゲイリーを鈍器のような物で殴りつけ馬乗りになった。
マイク「知られた以上しょうがない」そういうとマイクはサイレンサー付きの銃でゲイリーの頭を貫き。心臓にナイフで一刺しして殺害した。
マイクはゲイリーの遺体を浴槽でシャワーと共に洗い流し血を抜いた。その後ゲイリーの遺体を解体して分離し‥いくつかのバッグに分けた。
ちょうどその頃…リッチモンドがマイクのアパートに辿り着き部屋に入ってきた。
リッチモンド「マイク?またやったのか?」
マイク「リッチモンドさんすまねぇ‥」そう言うとマイクはゲイリーに見せられた書類をリッチモンドに手渡した。それを読んでリッチモンドは呟く
リッチモンド「しょうがない。今回は見逃してやる。」そう言うとリッチモンドはそのバッグの内一つを持ってこう言う。
リッチモンド「マイク半分は俺が処理しといてやるがもう半分は自分でしろ。いいな?わかったか?」
マイク「OK了解した」マイクのその返事を聞いてリッチモンドは部屋から出る。その後リッチモンドの車は組織が経営するゴミ処理場の前に止まった。すると一人の男がおもむろに近寄ってきた。
?「やぁリッチモンドさんまたかい?」
リッチモンド「あぁいつもすまない。ウォルフ」そう言うとリッチモンドはバックをウォルフに手渡す。
ウォルフ「まぁ良いってことよ。」そう言うとウォルフはそのバッグを持ってゴミ処理場の中へと入っていく。
その頃…マイクは部屋に同じブルックリン区に住まうダグを呼び出していた。
ダグ「どうした?マイク?何かあったのか?」
マイク「あぁちょっとな」そう言うとマイクはダグにバッグを見せた。
ダグ「お前…!!?それ?」
マイク「しっ声がでかい」マイクはダグの口を抑えて事情を説明する。
ダグ「なるほどな。で?マイクそいつをどうするつもりだ?」
マイク「それなんだが…俺の古いツテを頼ろうかと思ってる」
マイク「俺はこれから数日…部屋を開ける。その間お前には俺のフリをしてもらいたい」マイクとダグの顔は傍目には区別がつかず背格好もほぼ同じであった為マイクはダグにそう頼んだ。
ダグ「フリを?」
マイク「あぁ頼むぜダグ」
ダグ「しゃあねえな」
マイク「Thank you。恩に切るぜダグ」そう言うとマイクはバックを肩に背負いアパートを出た。マイクはダグが先程まで着ていた衣服を身に纏いバッグを車に乗せると走り出した。
その様子をオルフェとシオンが遠くで監視していた。
シオン「オルフェさん出て来ましたよ」
オルフェ「やっと出てきやがったか?あの黒人野郎?何だぁあのバッグは?」
シオン「怪しさプンプンですね?」
オルフェ「追うぞ」オルフェはそう言うと車を発進させた。
オルフェ「シオン無線を頼む」
シオン「誰を呼ぶんですか?」
オルフェ「ヴォルフだ。確か奴はこの辺に住んでる」
シオン「OK了解しました」
シオン「ヴォルフさん‥ヴォルフさん?聞こえますか?」
ヴォルフ「聞こえてるよぉ?こりゃまたシオンちゃんからとは珍しいね?」
シオン「今からとある男の尾行を開始します。車のナンバーは☓☓☓1の白の乗用車です」
ヴォルフ「了解。わかったよ。今どの辺だい?」
シオン「ダンボの辺りです」
ヴォルフ「OK‥ダンボだね?んじゃあ次の次の信号で合流しよう」
シオン「了解です」
その頃レナードの屋敷を監視するエヴァとシュウはシュウが購入した別荘の外に監視カメラを仕掛け‥外の様子を別室のモニターから見ていた。監視カメラは外から見るとシュウたちの別荘を映しているように見えるよう偽装されているが実は…レナードの別荘を映している。
エヴァ「シュウさん…向かいの家何か動きありましたか?」
シュウ「今のとこ特にねぇーな。」
ユウ「シュウさん…そろそろ向かいの家にあれが届く頃ですよ」
シュウ「やっとか?上手くやってくれよショーン」
ピンポーン♪♪♪♪♪♪♪ガチャ
使用人「どなた様でしょうか?」
ショーン「ちぃーっす。お届け物でーす」
使用人「その様な荷物を頼んだ覚えはありません。お引き取り下さい」
ショーン「おっかしいなぁ…この家に住んでるレナードって人宛なんだけど…」
使用人「レナード様の?」
ショーン「そうだよ。とりあえず受け取ってよ。俺もこれを届けるのが仕事だしさ。間違った荷物ならそのレナードって人が中身を確認してから送り返してくれていいからさ」
使用人「かしこまりました」
ショーン「じゃ(笑)俺はこれで」そう言うとショーンはバイクに跨りその場を後にした。
レナード家…屋敷内
使用人「レナード様荷物が届いております」
レナード「俺に?」そう言うとレナードは箱を受け取る。
レナード「あ!!これこの前頼んでおいた奴じゃん‥」そう言うとレナードはある製品を満足げに箱から取り出す。
使用人「時計ですか?」
レナード「そ!!何でも新製品らしいぜ」
数日前の事…レナードはある営業マンとカフェで会話をしていた。
?「我が社が作った新製品…その名もオルガ。この時計には時価数百万はするダイヤが散りばめられていて‥針には数千万はくだらないルビーの一部を極小にしたものを使用しております。これをつけてパーティーに行けばモテる事間違いなしでございます」
レナード「高そうだな?」
?「ご心配ございません。今回は当社の製品を使用してもらう事を目的としております。ですので…本来であれば1000万はするこの時計をレナード様に限り250万でご提供させて頂きます」
レナード「250万!!?本当か?それは?」
?「ええ本当でございます。レナード様には当社のこの時計を使用して頂き…時計の優美さと美しさを世に広めて頂けるだけで良いのです」
?「いかがされますか?」
レナード「むむぅ…(悩)よし買おう」
?「ありがとうございます。時計は後日レナード様の屋敷へ宅配で送らせて頂きます。ではここに署名を」
レナード「わかった」
そして…現在
レナード「これがオルガか?」そう言うとレナードは時計を腕にはめた。
エヴァ「シュウさん音拾えました」
シュウ「まんまとひっかかったか?馬鹿な奴だぜ」実はレナードが購入した時計はシュウがオーダメイドで創らせた時計で内部に盗聴器が仕掛けてある。
ユウ「こんな簡単な手にひっかかるなんてレナードって人馬鹿なんですね?」
シュウ「まぁそう言ってやるなよ。まさか時計に盗聴器があるなんて奴も思っちゃいないよ」
レナード「よし。これで完璧だな?」
使用人「どこか行かれるのですか?」
レナード「あぁ。今夜パーティーがあるんだ」そう言うとレナードはタキシードに身を包み始めた。
シュウ「さてと俺らも準備するか?」
エヴァ「あたしも行くの?」
シュウ「たりめぇだろ…?ユウ…カメラの監視の方は頼んだぜ」
ユウ「任せて下さい(笑)シュウさん」そう言うとユウはニッコリ笑った。
時を同じくして…探偵事務所ではシュウからワカに連絡が入る。
ワカ「お姉ちゃん。シュウ兄がレナードって人を尾行するから…応援呼んでほしいみたいだよ」
トワ「わかったわ。どこに呼べば良いの?」
ワカ「ウォルドルフアストリアってホテルみたいだよ」
トワ「マンハッタンね?了解。わかったわ」
それから数時間後…レナードが屋敷から出て車に乗り込む。レナードが行ったのを確認したシュウとエヴァが出てくる
エヴァ「むむぅ…動きずらい」
シュウ「我慢しろ。てかお嬢様なんだからドレスぐらい着慣れてるだろ?」
エヴァ「うるさいなぁ…私はドレスより乗馬服の方が好きなの!!?」
シュウ「乗馬って?どんだけ馬好きなんだよ」
エヴァ「あれぇ言ってませんでしたっけ?」
シュウ「はいはい。もうわかったからとりあえず車に乗れって。」
その頃ウォルドルフ・アストリアでは…フランク・コステロ主催のパーティーが開かれていた。フランクはこのホテルに居住していて1957年BOSSの座を降り…1958年に再逮捕され1961年に出所されて以降いろいろバダバタしていたフランクはこの日の数時間だけ部下を使いホテルに一般客を入らせないようにして…パーティーを開催していた。ホテル側もフランクの頼みである為断れない為少し困っているようだったが何も言えなかった。
部下「BOSS…ホテルの閉鎖完了しました」
フランク「ご苦労。それともうその呼び方はよせ」
部下「いえ…言わせて下さい。私にとってあなたは今でもBOSSなのです」
フランク「フンっ好きにしろ」フランクがそう言った直後…ホテルの入り口に一人の男が現れる。
フランク「開けてやれ奴が来たようだ」
部下「了解しました」部下がホテルのドアを開けると一人の男が入ってきた。
?「お久しぶりでございます」
フランク「最近…羽振りが良いみたいだな?リフェル?」
リフェル「これも全てあなたのお陰です(笑)」リフェルと呼ばれた男はフランクの部下の男で数年前までフランクのボディーガードをしていた。新しいボディーガードが来たことを契機として…組織のヒットマンになった男である。その様子を遠目で見るホテルの従業員が言う。
従業員「先輩…こんな勝手な事させていいんですか?」
ナイトマネージャー「オーナーが許している。それにあの人を怒らせたら…こちらもタダではすまない。」
従業員「けどさぁ~…」
ナイトマネージャー「けどもへったくれもない。お前は良いから裏に下がって室内の清掃でもしてろ。」
従業員「へいへい了解でーす」
フランク「すまんね。いつも」
ナイトマネージャー「いえ…とんでもございません。あなた様は当ホテルの最も大切なお客様の一人ですから。これぐらいの事は当然でございます」
フランク「(笑)」それを聞いたフランクは微笑むと少し満足げにしてその場を後にした。
ちょうどその頃…レナードはマンハッタン区に向けて車を走らせ…シュウたちはその後をくっついていた。
エヴァ「あのひとマンハッタンまっしぐらって感じですね?」
シュウ「だな?」
エヴァ「それよりこれ何に使うの?」そう言うとエヴァは後部座席にあるアタッシュケースを指差した。
シュウ「ん?それか?気になるなら開けてみろよ。面白いもん入ってるぜ」シュウにそう促されエヴァがケースを開けるとそこには何かマスクのような物が入っていた。
エヴァ「何これ?」
シュウ「フハハッ(笑)予想通りの反応だな?それはな?こういう事さ」そう言うとシュウは信号で止まったその一瞬の隙にマスクを顔につけた。すると先程までブカブカだったマスクがシュウの顔にピッタリくっつきまるで別人の顔になった。
エヴァ「なるほど?てか?キモッ。それうちのパパの顔じゃん?」
シュウ「キモって親の顔にそれはないだろ(^_^;)親父さん泣くぜ(汗)とにかくだ。後でお前の両親に事情は説明しといてくれよ」
エヴァ「あたしを連れて来た理由はそれか?納得」
その頃…ダグの衣服を身に纏い…車に乗ったマイクは…ルイジアナ州に向けて車を走らせていた。マイクが車を運転し始めて4時間が経過し辺りは暗くなったがルイジアナまでの道のりは遠かった。車でNYからルイジアナ州に向かうには15時間以上かかる。本来ならばコテージやHOTELに宿泊して明日にすべきだが…ペンシルバニア州は白人が多く黒人差別の根強い当時のペンシルバニアでマイクが宿泊できるHOTELを探すのは困難だった。マイクは車を運転しながらずっとついてくる2台の不審な車に気付き始めていた。
マイク「(何だ?あの車は?つけられてる?)」
マイク「くそつ」ドンっマイクは助手席のシートを右腕で叩くとスピードを上げた。
その様子を見ていたオルフェは呟く。
オルフェ「気付かれたか?」
シオン「何処に行くつもり何でしょうね?」
オルフェ「さぁな‥」そう呟くとオルフェは無線を手に取りこう呟く
オルフェ「ヴォルフ…俺は一時この場を離れる。数時間後に合流しよう」
ヴォルフ「了解した」
シオン「離れちゃうんですか?」
オルフェ「なぁーにあの野郎の先回りをするだけさ」そう言うとオルフェは一気にスピードを上げて右側の道へと曲がっていった。
オルフェが曲がった事に安心したマイクは車の速度を緩める。
マイク「考え過ぎか…?」
時を同じくしてオルフェからワカに連絡が入る。
ワカ「車を?うんわかった。お姉ちゃんオルフェさんが新しい車用意して欲しいみたいだよ」
トワ「車ね?彼はどの辺りにいるの?」
ワカ「ペンシルベニア州だって」
トワ「随分遠くに行ったのね?ペンシルバニアには確か今ニクソンが…張り込みにいる筈だわ。ニクソンと車を変えてもらうと良いわって伝えて。」
ワカ「うん。わかった。」
ワカ「ニクソンの場所は何処なのか?って聞いてるよ」
トワ「確かフィラデルフィア美術館の辺りよ」
ワカ「わかった。ニクソンさんにも伝えとくね」
トワ「頼んだわよ」
ワカ「ニクソンさん…ニクソンさん」
ニクソン「ん?ワカちゃんかい?どうしたんだい?」
ワカ「んーとね‥」ワカはそう切り出すと事情をニクソンに説明した。
ニクソン「なるほどねぇ。了解したよ。ワカちゃん。」
ワカ「ありがと。ニクソン」
ニクソン「礼には及ばねぇさ。こっちもターゲットにそろそろ勘付かれ始めた頃だしな。オルフェに美術館近くの例の駐車場で待ってるって伝えてくれよ」
ワカ「うん。わかった」
その頃…オルフェたちの車の車内では
シオン「オルフェさんフィラデルフィア美術館だと戻っちゃうんじゃないですか?」
オルフェ「まぁな」
シオン「まぁなってどうすんですか?」
オルフェ「安心しな…先回りするって言ったろ?」そう言うとオルフェは意味深に少し笑った。
シオン「はぁ??まぁオルフェさんがそこまで言うなら何かあるんでしょーね?」
数時間後…フィラデルフィア美術館近くの駐車場でニクソンと車を乗り換えた‥オルフェは来た道を戻り始めたその頃マイクは通行止めの影響で進めずにいた。
マイク「おい!!そこの警備員まだなのか?何なんだこの渋滞は?」
白人警備員「すいませんねぇ…ちょっと事故がありまして。復旧するまでもう少々お待ち下さい」
マイク「くそっもういい」そう言うとマイクは渋滞から抜け出すと…右の空いてる道を通り迂回し…進んでいった。
マイクが通り過ぎて数分後の事…白人警備員がおもむろに無線を手に取る
白人警備員「皆ぁおつかれもういいぞ」警備員がそう告げた瞬間突然車が何事もなかったかのように進み始めた。
少し前の事である
オルフェ「それとなぁ嬢ちゃん。ちっと頼まれてくれねぇか?」
ワカ「ん?何です」
オルフェ「実はな」オルフェはそう切り出すとある事をワカに告げた。
ワカ「はい…いいですけど…少し時間が掛かりますよ」
オルフェ「大丈夫さ。もしあいつらに何なんだてめぇとか言われたら俺の名を出しといてくれよ」
ワカ「了解です」
そして現在
白人警備員「ジョアンナ…聞こえるか?」白人警備員は無線を手に取りそう呟く。
ジョアンナ「聞こえてるわよ。」
白人警備員「ターゲットは右に曲がった。」
ジョアンナ「了解…」そう言うとジョアンナは別の人間に無線で同じ事を言いそれを繰り返して…マイクが曲がった先の道にいる白人警備員のヘンリーにその伝達が伝わる。
ヘンリー「野郎ども仕事だ。ターゲットはこっちに来る。準備良いな」ヘンリーは無線でそう叫ぶ。
?「できてるぜ」
??「抜かんなよ…ウォルトン。てめぇが一番心配だ」
ウォルトン「ニックス…てめぇにだけゃ言われたくねぇーよ」
ニックス「ひと仕事終わったら飲み行こーぜ」
ウォルトン「イイね(笑)もちろんお前の奢りだろ?」
ニックス「はぁ?何でそうなるんだよ?意味わかんねぇーし」
ヘンリー「ニックス…ウォルトン無線から声漏れてるぞぉ~。無駄口は仕事終わってからにしてくんな」
ニックス・ウォルトン「「わりい(汗)ヘンリー」」
右の道を曲がったマイクは…またしても…渋滞に出くわす。
マイク「おい!!今度は何なんだ?」そう言うとマイクは車のクラクションを鳴らした。
プッープッー♪♪♪♪そのクラクションの音を聞いて前の車から人が降りてきて…マイクの元に来る。
コンッコンっ男性が窓を叩くのでマイクは窓を開ける。
マイク「何だ?」
?「この先の道路で人が倒れてんだよ」
マイク「何だって!?そんなもの知るか?こっちは急いでるんだ」
?「まぁそう言わずにもう少し待っててくれよ。次期にヘリが来る。急いでるってどこ目指してんだよ?」
マイク「うるさい。お前には関係ないだろ」
?「そりゃそうだけどよ?」そう言うと男はタバコを加え火をつけた。
マイク「何なんだ?お前?さっきから偉そうに」そう言うとマイクは車を降りて男の胸ぐらを掴む。その拍子にタバコが地面に落ちる。
?「よしてくれよ。喧嘩は好きじゃないんだ」
?「そんなに気になるなら前の状況を見てくれば良い」
マイク「フンッ」そう一言言うとマイクは腕を離し先頭車両の方へと向けて歩き出した。
公衆電話では…男が何処かに電話をかけていた。
♪♪♪♪♪
トワ「はい。こちらレイヴン探偵事務所です」
ニックス「あんたがオルフェのダンナが言ってた探偵さんかい?」
トワ「オルフェさんの知り合いですか?」
ニックス「まぁそんなとこだよ。オルフェのタンナに伝えてくんな。今ターゲットは750番電話BOX沿いの道に居るってな」
トワ「はぁ…わかりました」
ニックス「んじゃ頼んだぜ」ニックスはそう言うと電話は切った。
トワ「ワカ…オルフェ君に伝言頼める?」
ワカ「ん?わかった?何て言えば良いの?」
トワ「ターゲットは750番電話BOX沿いの道に居るって伝えてちょうだい」
ワカ「750番電話BOX??わかった。」
その頃オルフェはフィラデルフィアから1時間ほど走った道に居た。
オルフェ「なるほど。750番電話BOXか?」
シオン「何です?それ?」
オルフェ「黒人野郎の現在地だよ。シオン。そこから地図を出してくれ」
シオン「そこって何処ですか?」
オルフェ「んなもん…そこしか無いだろ」そう言うとオルフェは助手席の収納スペースを開けた。
シオン「あぁ!!なるほどここですか?」
オルフェ「分厚い本に挟まってる地図がそこにあるはずだ」オルフェはタバコを吸いながらそう言う
シオン「分厚い本??あ!!これですね?」
オルフェ「あんがとよ。そう言うとオルフェは片手で地図を開き…視線を少し落とした。」
シオン「ちょ!!危ないですよ。オルフェさん前見て下さい」
オルフェ「大丈夫だよ。つかそんなに心配なら運転変わってくれりゃ良いじゃねぇーか?」
シオン「はぁ…さっき嬢ちゃんはこの後…頑張ってもらう予定してるから今の内に休んどけ?って言ったのは誰ですか?」
オルフェ「んな事言ったっけなぁ。」
オルフェ「なるほど…あの野郎南部を目指してやがんな。」
シオン「南部?どーしてそんな事わかるんです?」
オルフェ「口で説明するより地図見る方が早え。750番って記入されてるとこらへん見てみな」そう言うとオルフェはシオンに地図を渡した。
オルフェ「まずブルックリンから…南部への最短ルートはニュージャージーからペンシルバニア…メリーランドを超えてそしてテネシーへと行くルートだ。」
オルフェ「だが黒人野郎は…途中…ペンシルバニアの街で衣服と食事を買った。その時公衆電話をかけていたのも見てる」
シオン「うん。それは見てた」
オルフェ「俺等が黒人野郎に気付かれたのはハリスバーグの辺り」
オルフェ「衣服と食事を買い…公衆電話での話で大幅に時間をロスした黒人野郎はそれに加え…チェンバーズバーグで予期していなかった渋滞に巻き込まれルートを変更せざる負えなかった。」
オルフェ「曲がった先にはマッコネルバーグがあり…そこから…来た道を戻る…バーントキャビンズ…べドフォード方面へ向かうプリーズウッド…そしてワーフォーズバーグへ向かうニードモア方面の3つの道がある」
オルフェ「今黒人野郎がいるのはニードモアの辺りさ。」
オルフェ「予期せぬ渋滞に巻き込まれチェンバーズバーグで曲がり…ニードモア方面に黒人野郎はいる。この事から導き出される答えは一つ。奴は南部を目指してる。」
シオン「なるほど!!さすがオルフェさん」
オルフェ「それ程でもねぇーよ。それよりちょっと飛ばすからしっかりシートベルト締めとけよ」
シオン「ずっと締めてますよ」
オルフェたちがマイクの居場所に気付いたその頃依然としてマイクは渋滞から抜け出せずにいた。
少し前の事…先頭車両を見に行ったマイクはそこで道に倒れ込む高齢の男性に懸命に心臓マッサージをする男と大破した車とバイク…そして散乱した双方の車両の残骸を目にした。
それを見たマイクは事の重大さを悟り…運転してきた車に戻ったのであった。
マイク「くそっいつになったら動くんだ?」マイクが苛立ちを隠せずにいた時…ちょうど空から救命ヘリがマイクの車の上空を通り過ぎる。その少し後に警察車両が続いて到着しマイクの車を追い越す。
その様子を遠目で見てるウォルトンは…マイクに気付かれないように笑っていた。
ウォルトン「ククッ(笑)…」
ヘンリー「おいウォルトン…笑うなよ。バレるぞ」
ウォルトン「わりぃわりぃ笑えてきてな。」
ウォルトン「ニックス…オルフェには伝えたのか?」
ニックス「伝えたぜ。それより足止めだけっていうのも退屈だな?」
ウォルトン「俺も同じ事考えてたぜ。ニックスちょっくらあの黒人野郎をからかってやるか?」
ニックス「そりゃあいいな。」
その頃…コステロ主催のパーティー会場では…シュウとエヴァが変装し潜入していた。
?「やぁ…Mr.ゲーツお久しぶりだ」
シュウ「あぁこちらこそ久しぶりだ。Mr.トリッシュ」
トリッシュ「君ほどの人物に覚えて頂けてるとは光栄だよ」
シュウ「最近…仕事は順調のようだね?」
トリッシュ「はは(笑)君ほどじゃないよ」二人がそんな会話をしていると曲が流れ始める。
?「Mrs.カーマイン一曲私とどうかな?」
エヴァ「喜んで。お相手しますわ。Mr.エヴァンス」
♪♪♪♪♪エヴァとエヴァンスの見事な踊りが会場を彩り…盛り上げる。それを見ながらフランクの部下の男がそっとフランクに歩み寄る。
部下「BOSS…例の男が裏手に来ております」
フランク「うむ。すぐに行く。奴をルームへ案内しておけ」
部下「かしこまりました」
その会場の様子を羨ましそうに見積める一人の男がいた。
?「ちっくしょう~何で俺だけ会場に入れねぇんだよ」
??「しょうがないでしょ?私たちまだ未成年なのよ」
?「だけどさぁ~」
??「だけどもへったくれも無いわ」
トワ「ごめんね。2人とも今日はバイト休みなのに」
?「全然ットワ姉さんの頼みなら何処へだって飛んで行くぜ」
トワ「フフ(笑)ありがと」
??「またぁ…調子いい事言ってあんたはいっつもそうなんだから」
トワ「ちょっと…シュウ…会場の様子がわかりづらいわよ。もう少し右に行ってちょうだい」
シュウ「はぁ?チっしぁあねぇなぁ」
トワ「マーク君…音は拾えそう?」
マーク「バッチリっすよトワ姉さん」
リッチモンド「フン。遅れずに来たようだなレナード。」そう言うと男はレナードの耳元でこう告げる
リッチモンド「~~~?~~~」
レナード「OK了解した。兄貴」
リッチモンド「良い返事だ。ゆっくりパーティーを楽しめよ」
トワ「今何言ったのかしら?スフェアちゃん…今の所録音できた?」
スフェア「もっちろんです。トワさん」
トワ「聞かせてちょうだい」
リッチモンド「近々…~~~?」
トワ「よく聞き取れないわね?」
スフェア「ちょっと待ってて下さいねトワ姉さん」そう言うとスフェアは…ショーンに作成してもらったパソコンで音の解析を始めた。ショーンの作成したパソコンは既に1977年に発売される予定のアップルⅡを凌ぐ性能を持っておりこれにより捜査は格段に進歩した。
カチャ…カチヤ…カチャ…カチャ
スフェア「これでわかるはずです」そう言うとスフェアはエンターキーを押した。
バシッ ♪♪♪♪「近々仕事がある」♪♪♪♪
トワ「仕事?」
スフェア「そう言ってますね?」
トワ「何の仕事かしら?」
マーク「多分…何かやばい事っすよ。もしかして誰かの暗殺だったりして」
スフェア「あははは(笑)バッカじゃないの?んな訳ないでしょ?」
トワ「いや?あながち間違いじゃないかもしれないわ」
スフェア・マーク「「え!!?」」
その頃…HOTELの警備員に変装したココミとショーンは裏手から構成員に案内される謎の男を目撃した。
ココミ「誰だろ?」
ショーン「わかんねぇ?」
ココミ「ショーン。ちょっとここを任せても良い?」
ショーン「ちょ…ちょっとココミさんどこに行くつもりなんですか?」
ココミ「アイツが誰なのか?正体を突き止めるのよ」そう言うとココミはこっそりと男の後をつけて行った。
時を同じくして…ルイジアナを拠点として活動する黒人犯罪集団「Nigg」は動き始めていた。
?「BOSS…準備OKだ」
カルロス「ご苦労。マイト。下がっていい。」
マイト「はっ。」
カルロス「ニルズ…説明しろ」
ニルズ「YES…BOSS」
ニルズ「今日からマイト…ジャガー…ケビン…を含めた3人はある特殊詐欺チームに合流してもらう」
ニルズ「ターゲットは日本人女性だ。マイトを含めた特殊詐欺チームはアメリカ軍人を装ってターゲットになりそうな日本人に近付き…(来日費用の負担)という名目で金を騙し取ってもらう」
ケビン「リーダーバレないですかね?」
ニルズ「バレるかバレないかはお前らの腕次第だ。以上」
ニルズ「それでは…ニューオーリンズの詐欺グループのアジトへ移動を始めてくれ」
ケビン・マイト・ジャガー「「「了解しました」」」
ニューオーリンズ詐欺グループ「アジト内」
?「よろしく。君がマイトか?待ってたよ」
マイト「あぁこちらこそ会えて嬉しいよ。Mr.ポテトヘッド」
ポテトヘッド「早速だが…マイトたち3人には日本に出向いてもらう。行ったらまず「木村」という男を頼れ…彼が…我々と君たちを繋ぐ中継役だ」
マイト「いきなりですか?」
ポテトヘッド「あぁ…だが最初の来日は3日間だ。3日滞在した後…すぐにこちらに戻って来てもらう。良いな?」
ジャガー「ポテトヘッドさん…質問良いですか?」
ポテトヘッド「勿論だともジャガー」
ジャガー「何で俺たちなんですか?」
ポテトヘッド「理由?理由は君たちの肉体さ」
ケビン「肉体?」
ポテトヘッド「あぁ君たちはアメリカ軍人の役をこなしても申し分ない身体をしているからだ」
ポテトヘッド「ターゲットとなる日本人は既にこちらで選定済みだ。君たちはただ相手の話を聞きあわせてくれるだけで良い」
ケビン・マイト・ジャガー「「「了解しました」」」
ポテトヘッド「うむ。良い返事だ。では検討を祈るよ。ターゲットに関する情報は紙にまとめて君たちの部屋のドアポストに入れてある」
その後部屋に戻ったマイトは書類に目を通した。そこにはターゲットの名前…年齢…年収…好きなタイプ…好きな香水…好きな仕草…好きな服装…髪型に至るまでこと細かく書かれていた。この情報はNiggとの中継役である…「木村」という男が…徹底的にターゲットに関する情報をまとめたものである。また木村はターゲット周辺の人物たちを抱き込み…ターゲットの周囲に自身の内通者を送り込んでいる。
書類にはその他にも日本での…宿泊先…デートスポット…警察署の情報などこと細かく記されており…マイトたちが日本に来ても困らないような配慮がなされている。元々…マイトは高校の時陸上の特待生として一時的に日本で生活していた事もあり日本語が堪能だった。今回の抜擢はその事もあっての事である。
マイト「なるほど」マイトはそう呟くとタバコを口に加え火をつけ書類に目を通していく。
一通り読み漁り短くなったタバコの火を灰皿で消したマイトはおもむろに立ち上がると…クローゼットをみた。中にはターゲット好みの衣服が並んでおり…どれも高価なものだった
マイト「これはすごい」マイトはそう言い…衣服の一つを身に纏いベッドにうつ伏せになると高揚感が湧き上がってきた。
その頃…ケビンとジャガーは…アジトのシャワー室で汗を流していた。
ジャガー「ケビン…書類みたかよ?」
ケビン「見たぜ。」
ジャガー「しっかしニルズさんには感謝だよな?」
ケビン「俺たちがこうやってシャワーを浴びてられるのも全部ニルズさんがナイジェリアで暮らしてた俺らを拾ってくれたおかげだ」
ジャガー「だな?じゃなきなゃ俺たちは今でもあのブスしかいないナイジェリアの奥地で…その辺に落ちてる物を食ったり…木の棒で歯を磨いたりしなきゃいけなかったんだからな?」
ケビン「だな?」
ケビンとジャガーは典型的な黒人男性で元々ナイジェリア奥地に住む部族の子供で…都市部とはかけ離れた暮らしをしていた。電気もなく…TVも車も無い…おおよそ科学とはかけ離れた世界で暮らしてきた2人はある時…父の母国であるナイジェリアに来ていたニルズと出逢い。そして現在に至る訳である。
ジャガー「なぁケビン稼いだ金を何に使う?」
ケビン「白人を抱きまくるさ…ナイジェリアのブス女や日本の猿女には興味ないぜ」
ジャガー「相変わらずケビンは白人好きだな?」
ケビン「まぁな。日本の猿女から稼いだ金を白人美女ハーレムに使うって訳さ」
ケビン「そういうお前はどうなんだよ?」
ジャガー「俺か?俺はとりあえず実家の家族にいくらか仕送りして余った金で車でも買うさ」
その頃…マイクは未だに渋滞に悩まされていた。救命ヘリが飛び去ったとは言え‥道にはバイクや車の破片が散乱しており…とても進める状況ではなかった。それに加え警察の現場検証もまだ終わっておらず…事故を起こしたであろう…車の運転手は警官に事情を聞かれ警察車両の中である。苛立つマイクの車の前にニックスが立ち塞がりボンネットに座り始めた。すぐさまマイクは窓を開けて叫ぶ
マイク「おい!!何なんだ?お前?今すぐそこをどけ?」
ニックス「……」
マイク「おい!!聞いてるのか?」
ウォルトン「おいニックス…変な野郎がお前に話しかけてるぜ」
ニックス「あん?いんやぁ~気付かなかったよ。」
ウォルトン「つか…お前それ車の上だぞ」
ニックス「これ車だったのか?こんなとこに良い椅子があると思ってたんだよ」
マイク「きさまぁぁぁぁ…(怒)」そう叫ぶとマイクは車から降りる
ニックス「お?何だよ?やんのか?いいぜ相手になってやるよ」そう言うとニックスはボクシングポーズを取る
ウォルトン「おいおいニックスやめとけよ。前には警察がいるんだぜ」
ニックス「大丈夫さウォルトン。来な。黒人野郎」
マイク「言われなくてもそうしてやるよ」マイクが殴ろうとしたその時だった後ろの騒ぎを聞きつけた警官が歩いてきたのが見えた。
ニックス「どうしたんだよ?殴らねぇのか?」マイクはニックスのすんでで拳を止めこう呟く
マイク「貴様など殴る価値もない。」そう呟くとマイクは車に戻って行った。
ニックス「チッしらけちまったぜ。行こうぜウォルトン」
ウォルトン「あぁ」ウォルトンはそう呟きながら…足に仕込んだ針でマイクの車のタイヤに穴を開けその場を立ち去った。
ニックス「それより…ウェインは迫真の演技だったな?」
ウォルトン「だな?あの野郎もまさかこれが全部演技だとは思っちゃいないさ」
ニックス「今思い出しても笑えるぜあの野郎の面」
少し前の事…救命ヘリが到着し…倒れていた男が…ヘリに乗せられていく。その様子を見ながらマイクは真っ青な顔になりしきりに後ろを気にし始めた。
時を同じくしてヘリの中では…死体役をしていた一人の男がやっと解放された。
スコット「ふっ〜〜ーー疲れたぁ。ウェインのやつ胸…痛えよどんだけ強く押すんだか?」
?「アハハハ(笑)お疲れスコット」そう言うとスコットをヘリに乗せた男がコーヒを渡す
スコット「Thank you…ジェームズ」
ジェームズ「おう。とりあえず一旦病院には行くが…いつも通りで良いからな」
スコット「わかってるよ。アレン今日も順調そうだな?」
アレン「お前ほどじゃねえーよ。」
スコット「何がだよ?」
アレン「あの黒人野郎の顔さ。お前を見て真っ青な顔になって後ろに戻って行ったぜ」
スコット「あぁさすがの奴もこれが演技だなんて思っちゃいなかったんだろうな?」
ジェームズ「俺は奴の顔を見て笑いを堪えるのに必死だったぜ」
アレン「同感。俺もそう思ったぜジェームズ」
ここで(マイク)について紹介しよう
マイク・スミ・ルーム
典型的なアフリカ系アメリカ人でレナードクルーのメンバーの一人でプロの「殺し屋」である。元々はルイジアナを拠点とするNigg「ニッグ」という黒人犯罪集団の団員であったが…カルロスの命を受け…ガンビーノファミリーに来た。プロの殺し屋であるが任務外の殺人も多く…その事でリッチモンドを度々怒らさせている。友人のゲイリーに彼の姪の殺害や…組織の事がバレそうになり突発的にゲイリーを殺してしまい…やむなく彼の遺体を解体しバッグに詰め処分する事となった。半分はリッチモンドが処分してくれたがもう半分は自身で処分せざる負えなくなり…古いツテを頼りルイジアナへ向かう事となった。その道中…ニックスやウォルトンに足止めされたり様々な事があったがルイジアナに辿り着き…旧友であるニルズと会う事となる。
その頃…メリーランド州ボルチモアを拠点として活動するキング牧師をトップとした全米黒人団体…通称【JB】に所属するマイケル・ゲイ・スピードは動き始めていた。
1955年12月にモンゴメリーで発生したローザ・パークス逮捕事件が彼らの運命に大きな変動をもたらした。黒人であるローザ・パークスがバス内で白人に席を譲らなかったために逮捕されたもので、キングはこの事件に激しく抗議してモンゴメリー・バス・ボイコット事件運動を計画し、運動の先頭に立った。キングの活動を見て多くの黒人が全米黒人団体に入会した。マイケル・ゲイ・スピードもその一人で彼には人には言えない秘事があった。
少し前‥マイケルがJBに入会する前の事。場所はNY様々な店が軒並み立ち並び‥街には人が溢れていた
エリック「マイケル。エリップスの顔見たかよ?」
マイケル「もちろんさエリック。笑えたよな?」
エリック「あぁ(笑)」
マイケル「あれは?」
エリック「どうした」
マイケル「いや…何でもない」
エリック「何だよ?マイケルあのBARに入ってみたいのか?」
マイケル「いや…そういう訳じゃ…」
エリック「遠慮すんなよ行こーぜ。」そう言うとエリックはマイケルの手を握り…路地裏にひっそりと立つBARに近づいて行く。店の前には大柄の男が立っておりいかにもな感じだが…中は賑わっているようだった。
エリック「やぁ…ジェット久しぶりだな?通してくれよ」
ジェット「かしこまりました」そう言うとジェットはドアを開けた。
エリック「マイケル。ほら。」そう言うとエリックはマイケルの手に指を絡ませる。
その時だった。
ジェット「申し訳ございません。エリック様。お通しできるのはあなたのみになります。」
エリック「ジェット?なぜだ?」
ジェット「失礼ですがお連れの方は「黒人」でいらっしゃいますよね?」
エリック「それが何だと言うんだ?」
ジェット「当店に入店できるのは「白人とアジア人」の方のみに限られております。黒人の方に関しましては…入店させてはいけない。と申しつけられております」
エリック「はぁ?ふざけるな!!マイケルが黒人だから駄目だと言うのか!!?」
ジェット「規則ですので」
エリック「きさまぁ…」そう言うとエリックはジェットの胸ぐらを掴む。それを見たマイケルが咄嗟に止めに入る。
マイケル「まっ待てエリックよすんだ」マイケルはエリックを後ろから抱きしめなだめる。
エリック「チックソ。しらけちまったぜ。マイケル…別の所へ行こう」
その後…いくつかBARに立ち寄ったが全ての店でマイケルは入店拒否された。しょぼくれる2人は街を練り歩いた。やがて疲れた2人はエリックは嫁がパーティーに出掛けていて留守である事をいい事に…マイケルを部屋に招き入れた。子供部屋では生まれたばかりの赤ん坊と2歳と3歳の子供が眠っていた。子供たちを起こさぬ様に…こっそりエリックはマイケルを寝室に誘導する。
エリック「こっちだ。マイケル」
マイケル「エリック。奥さんに悪い」
エリック「大丈夫だ。バレないさ」そう言うとエリックはマイケルを押し倒し…衣服を脱がせる。唇を奪い…2人の舌は激しく絡み合う。やがてマイケルがエリックの上に馬乗りになり…陰茎を口で加え始める。
エリック「はぁ…はぁ…マイケル最高だ」
ジュプっジュプジュプ…ブチュ。マイケルがエリックの陰茎を口の中で包み込む音が部屋にこだまする。
その後…マイケルはエリックの乳首を舐め…静かにエリックの唇を奪う。それを合図にしてエリックがマイケルの唇を激しく奪い始め…やがて体制が反対になる。
それから何時間過ぎただろうか?。あと一時間もすれば嫁が帰ってくる時間となった頃…マイケルが衣服を着始める。
エリック「行くのか?」
マイケル「あぁ。愛してる。エリック」そう言うとマイケルはエリックにやさしくキスをし舌を絡め始める。
チュッ。チュバ…チュ…ジュル…別れを惜しむようにエリックとマイケルは唇を重ねる。
エリック「マイケル…もうお前と離れたくない」そう言うとエリックはマイケルを抱きしめた。
そして…
マイケル「本当に良いのか?」
エリック「あぁ後悔はしていない」そう呟くと…エリックはバッグを肩に背負い静かに家の扉を締めた。
その後…パーティーから帰宅したエリックの嫁である…ステファニーが見たものは…乱れた寝室と…なくなったいくつかの衣服。それと…机に置かれたメモだった。
ステファニー「何よこれ?」メモにはこう記されていた。
エリックのメモ
すまない。ステファニー。君にだけは本当の事を言う。俺は部下の…「マイケル・ゲイ・スピード」と付き合ってる。お前とはもう暮らせない。ごめんよ。ステファニー
ステファニー「はぁ?何よ?何なのよそれ?マイケル・ゲイ?あんな黒人に私が負けたっていうの?」
ステファニー「ふざけないでよ。子供たちはどうするのよ?ねぇ?」
ステファニー「ねぇ?ふ…く…は…あ」そう声を漏らすとステファニーは床に膝をつき涙を流し始めた。
ステファニー「ふざけないでよね?何で?何で?よりにもよって男なのよ?何でよりにもよって黒人なのよ?」
ステファニー「ふざけんなぁ〜うわぁぁ〜ん」ステファニーは大声で泣き崩れる。その声を聞いた3歳の長男のリックスが子ども部屋から出てきて…ステファニーの背中をさする。
リックス「ママぁどうちたの?」
ステファニー「ひ…う…くありがとねリックス。ありがとね?」そう言うとステファニーはリックスを強く抱きしめた。
それから少しして…ステファニーとエリックは正式に離婚したのであった。
その後…エリックの「前妻」である…ステファニーこと…ステファニー・ルーシー・バレンは「ノア」に入会したのであった。
【NA】(アメリカ支部)
ステファニー「私はこの国の同性愛について強く反対する」
ステファニー「私の夫は…ある(黒人)の男と(不倫)した挙げ句…子供たちと私を捨て家を出ていった」
スコット「彼女のような悲劇を2度と生み出さない為にも…黒人はこの国から追放すべきだ」
支持者A「そ…そうだ。奴らにに俺たちの世界に来る権利など無い。」
支持者B「わかるわ。私も…夫を黒人男に盗られたわ」
スコット「少しでも彼女の意見に賛同できるものは…ここに署名してくれ。私は…(ノア)フランス支部の(代表)をしている…スコット。スコット・オブ・ライアンだ。アメリカ支部に新しく入った我らが同士…ステファニーの事を聞きはるばるフランスから…この地に来た」
スコット「そして…短期間ではあるが…私もアメリカ支部に残り…君たちに加勢する。その為にビザまでとった。荷物もある。皆で共に…憎き黒人の首領…マーティン・ルーサー・キング・ジュニアことキング牧師を倒そう。」
支持者たち「「「おお〜〜」」」
スコット「黒人に人権など無い。黒人に同性愛をする資格も権利も存在しない」
スコット「かつてこの国に来た黒人には価値があった。君たちの手足となり労働力としての価値が」
スコット「だが、今‥この国に住まう黒人に価値などない。100年前…リンカーン大統領により奴隷制が廃止された。そのせいでかつてこの国で力をもっていた偉大な君たちの祖先はたちはかつてないほどまでに衰退した」
スコット「今ここで憎き黒人の首領…マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを打ち破り…力と権威を取り戻そう。」
支持者C「よく言った。スコット気にいったぜ。俺はあんたらを支援する」
支持者D「俺もだ」
支持者F「俺たち皆で黒人共をやっつけてやろうぜ」
支持者たち「「「おお〜〜」」」
その様子を静かに遠目で見守る者がいた…全米黒人団体の支援者であるとある…白人男性…名を「マッシュ・マクドル・アレン」と言った。
?「大変な事になってますね?」
マッシュ「厄介だな?。ナッシュあのフランス人について調べろ。」
ナッシュ「了解しました」
同日…アメリカのある地域に…一人の男が来ていた。男の名はノア。スコットやステファニーが入会している。ノアを設立し影から支え…資金提供などをしてきた人物だ。ノアは普段はイタリア郊外の街で宝石商を営んでおりそこのオーナーである。イタリアでも5本の指に入る大富豪で金回りもよく…上流階級との付き合いもあった。周囲の人間はノアが何故?これほど成功を掴んだのか?不思議がる者もいたが…さして気にされる程の事でもなかった。
【MAKA…アメリカ本部】
?「はるばるイタリアから呼び寄せてすまないね?」
ノア「いえ…気にしないで下さい」
?「ノア…君に頼みたい事がある」
ノア「何ですか?長官?」
長官「国民のケネディ大統領に対する不満を煽ってもらいたい」
ノア「大統領の??長官…了解しました」
ノア「その任務…このノア・リル・エスタークが成し遂げてご覧にいれます」
そして…あの日の晩から数年が過ぎた…マイケルとエリックは…メリーランド州…ボルチモアで密やかに暮らしていた。
マイケル「エリック。行ってくるよ」
エリック「あぁマイケル。君の帰りを待ってる。」
マイケル「今日…あそこに行くんだろ?」
エリック「あぁ…。マイケルくれぐれも怪我はしないでくれよ」そう言うとエリックはマイケルに優しくKissをする。出勤前で時間がないにも関わらずマイケルとエリックは舌を絡め激しく唇を奪い合う。
チュップチュ…ブチュ…ジュル
マイケル「行ってくる」そう言うとマイケルは部屋を出た。マイケルはメリーランド州で外科医として暮らしている。そして…仕事が休みの日はエリックと共に…キング牧師の元で公民運動をする。ここ数ヶ月はずっとそんな日々が続いてる。
というのも…2人には「夢」がある。数年前の事…NYの街から飛び出し駆け落ちをした2人はメリーランド州にある役所に来ていた。
ドンッ♪♪♪
エリック「なぜだ?なぜ婚姻できないんだ?」
市の職員「法律上の問題がありまして…男性同士の婚姻はこのメリーランド州を始めほぼ全ての州で認められておりません」
エリック「嘘をつくな。マイケルが黒人だから差別してるんだろ」エリックの怒号が役所内に響く。
市の職員「い…いえ(汗)けっしてそういう訳では?」
エリック「嘘をつくなぁ。私の知り合いには男性同士でも婚姻している者はいる。」
市の職員「そのような事は決してございません」
エリック「まだそんな事を言うか!!?」
マイケル「エリック…落ち着け。もういい。帰ろう」マイケルがエリックをなだめ…2人は渋々役所を出る。
そんなモヤモヤを抱えたまま数年が過ぎたある日‥新聞の切り出しでエリックはキング牧師の事を知る。そこにはこう記されていた。偉大なる黒人牧師…「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア」不当逮捕で傷付いた若者の心を救う
エリック「これだ。」そしてその日の晩…マイケルにこの事を話した。
エリック「マイケル。聞いてくれ。」
マイケル「どうしたんだ?エリック」
エリック「俺たちはひょっとしたら婚姻できるかもしれない」
マイケル「何だって!!?それは本当なのか?」
エリック「あぁこれを見てくれ」そう言うとエリックはキング牧師の事が書かれた新聞記事をマイケルに見せた。
マイケル「偉大なる黒人牧師…「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア」不当逮捕で傷付いた若者の心を救う」
エリック「凄いだろ?マイケル。彼の公民運動に俺たちも参加しよう」
マイケル「公民運動に!!?」
エリック「あぁそうだ!ここを見てくれ。彼が所属する全米黒人団体の本部はココ…メリーランド州にある」
エリック「君がそこに入会して…彼の運動に協力するんだ」
マイケル「俺が?」
エリック「あぁ。もちろん俺も君に付き添うという形で協力する。」
マイケル「良い話だが…本当にこれで俺たちは婚姻できるのか?」
エリック「彼の運動を大統領や著名な有名人が認め始めている。この波に乗って公民運動をすれば…黒人の法における人種差別はなくなるはずだ。その時が来ればきっと俺たちも婚姻できるはずさ。マイケル一緒に頑張ろう。全ての黒人の未来の為に。そして俺たちの未来の為に。」
それを聞いたマイケルはニッコリ笑い…こう言う。
マイケル「OKエリック。一緒に頑張ろう」そしてマイケルは全米黒人団体【JB】へと入会した。
そして…現在
エリック「マイケル……行こうか」
マイケル「あぁ」
マイケルとエリック…そしてキング牧師を含めた全米黒人団体【JB】はバーミンガムでの公民活動をするべく各々別の地域から…一つの場所に向けて集結するべく動き始めていた。
その頃ルイジアナ州を目指す…マイクはようやく数十分前に車が動き出し…ニードモアからルイジアナに向けて進み始めていた。
マイク「一時はどうなる事かと思ったが‥これでようやく進める」マイクはそう言うと車のアクセルを踏んだ。その時だった。
ガシャン…ガゴゴゴ…ドン♪♪♪♪
マイク「何だ!!?」異変に気付いたマイクは車を降りる。見ると車の右側のタイヤが両方パンクしていたのである。パンクの影響で車体が右側に沈み車体の一部分が‥地面にこすり付き傷付いてしまったのである。
マイク「なんてこった」そう言うとマイクは手を頭に当て空を見上げる。
マイク「いつだ…?いつパンクした?はっそうかあの時か?」
それは少し前の事である…。ニックスがマイクの車のポンネットに座っていた時の事だ。
ウォルトン「ククっあの黒人野郎…ニックスに気をとられてやがんな?」そう言うとウォルトンは靴の踵部分を地面につけた。すると…ウォルトンの靴から仕込み針が靴の先端から出現した。
マイク「おい…何なんだお前!!?そこをどけ」
そして…マイクが…ニックスに向けて怒鳴っている時に隙を見て仕込み針でマイクの車のタイヤに小さな穴を開けたのである。この穴は開けてすぐに空気が漏れるというものではなく…数時間すれば空気が抜けるように細工されている。
元々…ウォルトンは便利屋を始める前に車の修理をしていた。ミスで客のタイヤに誤って穴をあけてしまった事がありその事が原因で会社をクビになったのだが…ウォルトンはその失敗を別の意味で生かし…自分で仕込み針付きの靴を作ったのである。
そして後輪のタイヤに穴を開けると…ニックスに話しかけたのである。
マイク「くそっあの野郎」そう呟くとマイクは地面を足の裏で蹴り…苛立ちを地面に向けるとふぅー…っと息を吐き…後部座席に置いてある予備のタイヤを取り出し…タイヤの交換をし始めた。
その様子を見たヴォルフはマイクの車を追い越し…マイクの先回りをする事にした。というのも既にヴォルフ自身もマイクの行き先に気付いていたからである。
ヴォルフ「このルートで行くと奴が次に…通るのはココだな?」そう呟くとヴォルフは車の速度を上げた。
オルフェの過去
時を同じくして…オルフェとシオンは一足速く…マイクの先回りをし最短ルートからテネシー州へと抜ける道を進んでいた。
シオン「オルフェさん本当にこっちに来るんですか?」
オルフェ「来るさ。間違いねぇ。」そう言うとオルフェはタバコに火を付けふぅー…っと息を吐いた。
シオン「‥」
オルフェ「信じられねぇって面してんな?」
シオン「いえ…別にそういう訳じゃ‥」
オルフェ「何だよ?」
シオン「何で?オルフェさんはそこまで「黒人」に執着するんですか?」
オルフェ「嬢ちゃんには言ってなかったな?あれは俺がまだ年端もゆかねぇガキの頃だった。」
数十年前…アメリカ合衆国…
新聞配達員「号外だぁ号外だぁ?テロ事件発生。」
通行人「テロだって?ちょっと君新聞を見せてくれ」
通行人「ベン・イェフダ通り爆弾テロ事件…死亡者58人」
ベン・イェフダ通り爆弾テロ事件とは1948年2月22日、アラブの非正規軍とイギリスの脱走兵が運転する装甲車が率いる3台のイギリス陸軍トラックがベンイェフダ通りで爆発し、49人から58人の民間人が死亡し140人から200人が負傷した事件である。
話はこのテロ事件が起きる少し前にまで遡る。当時…オルフェ8歳…弟のミハエル4歳の頃であった。
ミハエル「兄ちゃん待ってよぉ」
オルフェ「もうしょうがないなぁミハエルは?」そう言うとオルフェはミハエルに手を差し伸べた。
リアンナ「オルフェ…ミハエル…何してるの?」
オルフェ「ごめん。母さんすぐ行くよ。ミハエルの奴が転んじゃったんだ」
リアンナ「早くなさい」
オルフェたち家族が向かっているのは当時のイギリス領パレスチナである。オルフェの祖父はイギリス…ロンドン生まれでイギリス領パレスチナの出身のイギリス人将校であった。元々…ヨーロッパの名門貴族の家柄で曽祖父の代にはイギリス陸軍元帥になったほどの家系であるがオルフェの母リアンナの代に米国に来たのである。
ミハエル「ねぇ兄ちゃん…爺ちゃんに会うの楽しみだね?」
オルフェ「あぁそうだな?」そう言うとオルフェはニッコリ笑う。
それから何時間か飛行機に揺られオルフェたち家族は…イギリス領パレスチナに着いた。オルフェたち家族がパレスチナに向かう理由は祖父に会うため…そしてもう一つは聖地巡礼の為である。元々キリスト教徒の家系に育ったオルフェは物心がつく頃にはキリスト教を信仰していた。パレスチナの首都東エルサレムは…ユダヤ教…イスラム教‥キリスト教の聖地であり…敬虔なクリスチャンである…オルフェの母リアンナにとっては重要な場所であった。その為…年に数回…父の実家があるエルサレムに顔を出していた。
ミハエル「じいちゃぁーん」
シルバル「よく来たのうミハエル」
オルフェ「じいちゃん久しぶり」
シルバル「大きくなったのうオルフェ」
リアンナ「父さん…」
シルバル「リアンナ…さ、お前も入りなさい」
リアンナ「ありがとう。入らせてもらうわ」そう言うとリアンナは父である「シルバル」の部屋に入る。
部屋に入り…一息ついたリアンナは口を開く。
リアンナ「父さん…また痩せたんじゃない?」
シルバル「大丈夫じゃよ。ほれわしはまだまだ現役じゃ」そう言うとシルバルはマッスルポーズをとってみせる。
リアンナ「はぁ(呆)そういうのいいから…全くもうほんっとうに昔から強がりなんだから父さんは。」
シルバル「ほっほっほっほ(笑)お前には隠し事とはできんのう」
その時だった…部屋に荷物を置いたオルフェとミハエルがリビングに来る。
ミハエル「ねぇねェじいちゃん。外行こうよ」
シルバル「OKじゃミハエル!まずはどこへ行きたい?」
ミハエル「んっとね〜」
オルフェ「ミハエルじいちゃんをあんまり困らせんなよ」
ミハエル「わかってるよ兄ちゃん」
リアンナ「父さんごめんね」
シルバル「いいんじゃよリアンナ。お前もたまにはゆっくり休みなさい」そう言うとシルバルはミハエルを連れて部屋から出てエルサレム郊外の街へと歩いて行った。
それから数時間がたち…辺りも暗くなったが…シルバルとミハエルは戻ってこなかった。
オルフェ「母さん…おかしいよ」
リアンナ「そんなに心配することないわ。オルフェ。きっと買い物に夢中になってるのよ」
オルフェ「買い物?買い物だって?今何時だと思ってるんだ?こんな時間どこも開いてないよ」そう言うとオルフェは部屋を飛び出して行った。
リアンナ「ちょっと待ちなさい。オルフェ」
辺りは暗く…街灯はあった…静寂に包まれていたが…オルフェは夢中で走った。
オルフェ「はぁ…はぁ…はぁじいちゃん、ミハエル」
オルフェ「ミハエ」オルフェは空に向けて叫び声をあげようとしたが突然背後から口を抑えられ…ひとけのいない所へと連れ込まれる。
オルフェ「うーううもぐぐ」
?「シーっ手荒な事をしてすまない」
オルフェ「がぱぁ…何なんだよあんた?」
?「私の名は【N】とりあえず君の味方だとだけ言っておこう」
オルフェ「N?」
N「そうだ。Nだ。」
オルフェ「そのNが何のようだよ?」
N「別に特に用はない。ただ少し静かにしていてくれ。今良いとこなんだ」
オルフェ「良いとこ?良いとこって何」
N「シっ彼らが来る」そう言うとNはまたもオルフェの口を塞ぎ…そのままオルフェを抱きかかえ物陰に隠れる。
?「エティ本当に大丈夫なのか?」
エディ「大丈夫さ。ピーター。それより今朝俺らの話を聞いたジジイとガキはどうした?」
ピーター「とりあえず…拘束して監禁してる」
エディ「ピーターぬるいぞ…聞かれた以上殺すしかない」
ピーター「わかってるさ。エディ」そう言うと…ピーターはその場を離れどこかへと足速に向かっていった。その様子を見ていたエディはこう呟く
エディ「たくっしやぁねぇな。」そう言い残しエディもまたその場を立ち去った。
N「なるほどねぇ」
オルフェ「むぐぐ…ばふぁ…うーうー」
N「あ!ごめんごめん」
オルフェ「ごめんじゃねぇーよ殺す気かよ?」
N「いやぁ〜悪い悪い」
N「所で君はさっき誰かを探しているようだったね?」
オルフェ「あぁそうだよ。じいちゃんと弟を探してたんだ」
オルフェ「つか…アイツら何なんだよ?さっきの話し本当なのか?」
N「さぁね?本当かどーかはわからない。ただ君の今の話を聞いてなんとなくだけど確信したよ」そう言うとNはその場を立ち去ろうとした。
オルフェ「おい!!ちょっと待てよ。俺も行く」
N「うー…ん困ったねぇ(汗)やめたほうが良いと思うよ」
オルフェ「やめられっかよ。じいちゃんとミハエルの命がかかってんのに黙って指加えて待ってられっかよ」
N「行けば死ぬかもしれないよ?」
オルフェ「俺の命なんざ惜しくねぇ。俺は何が何でも弟をミハエルを救ってみせる。」オルフェは澄み切った瞳でNにそう叫んだ。
N「うー…ん。OK。そこまで言うならついて来てもいい」
オルフェ「本当か?」
N「あぁただし…自分の身は自分で守る事。いいね?」
オルフェ「んなのたりめぇだろ?」
N「それとこれは万一のときの為に持ってると良い」そう言うとNはオルフェにナイフを手渡した。
その後…オルフェと「N」はイギリス軍陣地内にある…ピーターというイギリス人伍長が管轄するテントにやってきた…伍長とは兵の上‥下士官の最下位に位置しており‥陸上部隊で言うなら…12人か13人ぐらいの兵士長と言ったところである。元々は5人組のリーダーで空軍で言えば5年目ぐらいのパイロットだ。現代社会においてわかりやすく言うと会社の主任ぐらいの役職である。
テントには5人ぐらいの兵士がいて…その奥に伍長のピーターがいるテントがあってさらにその奥に部隊の武器や物資を保管する物置小屋があった。この物置小屋はピーター自身が部下に命じ余った材木や木々を切り倒して作らせたもので…上級士官の許可も‥もらって作っている。
名目上は…部下の統率をはかるためと物資における無用な争いを防ぐためとなっており…主に部隊の統率をとることを目的として作られている。
物資における無用な争いとは…アラブ人非正規兵やその他の勢力における物資の盗難を防ぐ事が目的である。がそれはあくまで表向きな目的にしか過ぎず…ピーターがそれを作った理由はテロ計画で使用する予定の「爆弾」を密かに貯蔵する為である。ピーターやエディが練っている計画は…とある組織のメンバーを「殺害」する事である。
オルフェ「本当にこんなとこにいるのか?」
N「おそらくね」
オルフェ「あ!!誰かいるぞおー」
オルフェ「もぐぐっ」
イギリス軍黒人兵士「ん?今人の声が聞こえたような?」
オルフェ「なにすんだよ?」
N「静かにするんだ。彼らはイギリス兵だ」
イギリス軍黒人兵士「おい!!そこに誰かいるのか!!?」
N「しょうがないね」そう言うとNは走り出しテントの裏手にいた兵士を手早く気絶させて…ロープで手足を縛り口に布をつけて拘束すると物置小屋の裏手に身を潜めた。
N「少年…こっちだ」Nは小声でそう言うとオルフェを物置小屋の裏手に誘導した。
物置小屋の正面には黒人のイギリス兵がいて…鎖と南京錠で戸が開かないように厳重に守られていた。
ピーターが管轄する部隊は黒人を中心として集められており‥13人の黒人兵士と白人士官であるピーターから成り立っていた。
その頃…物置小屋の中では…
ミハエル「うぅーうーううー」(じいちゃん)(じいちゃん)ミハエルは口に布をつけられており…喋れないようだったが必至に頭から血を流し倒れるシルバルをさすっていた。
少し前の事である。エディに促され物置小屋に来たピーターはミハエルが見ている目の前で…シルバルを(射殺)したのである。
ミハエルも撃とうとしたが…まだ幼いミハエルに自身の子供の影を見たピーターは撃てなかった。
そして現在…
オルフェ「ん?ココ穴が空いてるぞ」そう言うとオルフェは物置小屋にある僅かな隙間から中を確認した。
N「何か見えるかい?」
オルフェ「何にも?」
その時だった…オルフェの母「リアンナ」がピーターの部下である黒人兵士に拘束されて物置小屋の正面に来た。
イギリス軍黒人兵士「何だ?その女は?」
イギリス軍黒人兵士2「伍長が捕まえた。何でも街で俺たちの事を嗅ぎまわってたらしい。」
イギリス軍黒人兵士3「敵国のスパイの可能性があるため物置に監禁せよとの命令だ。そこを開けてくれ」
イギリス軍黒人兵士「わかった」
その時だった…
オルフェ「待て」
イギリス軍黒人兵士3「何だお前は?」
オルフェ「俺はオルフェ。オルフェ・ザックリード。」
オルフェ「母さんを離せ」そう言うとオルフェはナイフを手にして果敢に黒人兵士に向かって行ったが蹴り倒されてしまう
イギリス軍黒人兵士2「チッこの女のガキか?面倒だ」そう言うと黒人兵はオルフェもろとも物置の戸を開けてリアンナを放り込んだ。
オルフェ「いってぇ…つつ」
リアンナ「オルフェ‥オルフェ…大丈夫」
オルフェ「大丈夫だよ」
ミハエル「うーうにゃん」(兄ちゃん)
オルフェ「ミハエル!!大丈夫か?」そう言うとオルフェはミハエルに近寄り…口の布をほどきミハエルの手の縄を切った。
ミハエル「う…う…兄ちゃん。じいちゃんがじいちゃんがうええーーん」そう言うとミハエルは今まで溜まってたものが溢れ出るように涙を流した。
オルフェ「ミハエル。安心しろ。兄ちゃんがついてる。もう怖くないぞ」そう言うとオルフェはミハエルを強く抱きしめた。
ミハエル「う…う兄ちゃん…兄ちゃん怖かった。怖かったよぉぉぉぉぉ」それからひとしきりミハエルは泣きわめき…泣き疲れてオルフェの胸の中で眠った。
その泣き声を聞いて一人の若者が目を覚ます。
?「お前らも捕まっちまったのかよ?」
オルフェ「誰だ?」
?「お前らと同じ囚われの捕虜さ。よろしくな俺はウォルトン。そっちは」
オルフェ「オルフェ…オルフェ・ザックリードだ」
ウォルトン「おう。よろしくなオルフェ」
その頃…物置の外では静かにNが…動向を探っていた。
N「…心の声(全く対したものだ…?)」
N「少年…君の努力と勇気を無駄にはしないよ」そう言うとNは犬笛のようなモノを口に加えて鳴らす。
数秒後…獰猛なカラスの群れが物置の前に押し寄せる。
イギリス軍黒人兵士「くっ何だこいつ等は…よるな。」
イギリス軍黒人兵士2「ええいめんどうだ撃ち殺してやる」イギリス軍黒人兵士2はそう言うと銃をカラスに構える。
その時だった。物置の中から…ドゴッという音が響く。
イギリス軍黒人兵士「何だ?今の音は?」
イギリス軍黒人兵士2「裏手に回れ」イギリス軍黒人兵士たちが見たものは物置の後ろの壁に空いた大きな穴だった。
イギリス軍黒人兵士「くっそぉ~豚どもめぇ。」ドンッイギリス軍黒人兵士は物置の壁を叩くと歯を噛み締める
イギリス軍黒人兵士2「探すぞ!!まだ遠くには行ってない筈だ。」
イギリス軍黒人兵士「伍長への報告は?どうする?」
イギリス軍黒人兵士2「バカがそんなモノは後回しだ。」そう言うとイギリス軍黒人兵士たちは基地内を探索し始めた。
その頃…難を逃れた…オルフェたちは…Nの誘導で…基地から脱出する為の最短ルートを走っていた。
オルフェ「はぁ…はぁ…はぁ(汗)」
N「少年?大丈夫か?」
オルフェ「舐めんじゃねぇ。それよりミハエルに何かあったら許さねぇかんな?」
N「わかっているさ。」そう言うとNはミハエルを抱きかかえながら基地を疾走する。
N「止まれ!!!!」Nはそう言うとオルフェたちを止めて…物陰に隠れるように指示を出す。
イギリス人兵士「おい!あの噂聞いたかよ?」
イギリス人兵士2「何だ?噂って?」
イギリス人兵士「何でもピーター伍長が反乱を起こす為の物資を密かに貯蔵してるらしい」
イギリス人兵士2「何だって??」
イギリス人兵士「シッ声がデカイぞ」そう言うとイギリス人兵士たちはさらに声を潜め喋り始める
N「…心の声(何だ?奴ら何の話をしているんだ?)」
ウォルトン「なぁ?オルフェつったか?」
オルフェ「あぁ?そうだけど?何だよ?」
ウォルトン「いや何でもねぇーよ」そう言うとウォルトンは満足げな表情をして笑みを浮かべる。
オルフェ「はぁ?んだよ気持ちわりぃな…?」
イギリス人兵士「おい!!!そこに誰かいるのか?」イギリス人兵士たちはオルフェたちの微かな話し声を察知し歩み寄る。
ウォルトン「…心の声(やべぇ…(汗))」
オルフェ「おいっこっちだ」オルフェは小声でウォルトンにそう言うと2人は車の下に潜り込む。Nはその様子を少し遠めで見ながら万一に備えて銃を構える。
その時だった。ドンッドン。2発の銃声が基地内に響く
イギリス人兵士「何だ!!?」
リアンナ「こっちよ」リアンナはそう言うと単身…基地を抜け林の方へ駆けて行く。
イギリス人兵士「逃がすか!!?」イギリス人兵士たちはリアンナに釣られるように追いかけて行く。
オルフェ「かぁ…もぐっもぐ…うー…」
ウォルトン「気持ちはわかるが堪えろ。オルフェ。」ウォルトンはそう言うとオルフェの口を手で塞ぎ息をころすように指示を出す
N「…心の声(懸命な判断だ?)」
N「2人共こっちだ」Nはウォルトンとオルフェをイギリス軍基地内からだすと犬笛のような物を鳴らす
♪♪♪♪
すると一羽のカラスがNの腕に止まる。Nはそのカラスの足に文を一枚くくりつけると空に放つ。
N「頼んだぞニーグ」
その頃‥林の中へと逃げたリアンナはイギリス軍兵士に追われていた。
リアンナ「はぁ‥はぁ‥はぁ」
イギリス人兵士「止まれ!!」
ダダダダダッ♪♪♪♪♪
??「嬢ちゃんこっちだ」謎の男はリアンナの手を取ると地下に造られた謎の空間にリアンナを隠す
リアンナ「ありがとうございます。あの貴方は?」
??「俺かい?俺の名はマックスだ」
イギリス人兵士「くそっどこに行った?」
イギリス人兵士2「探せ近くにいるはずだ」
マックス「行ったか?さてと…一つ聞かせてもらっても良いかい?」
リアンナ「はい!何でしょう?」
マックス「あんたぁ?何もんだ?何故奴らに追われてた?」
リアンナ「それは…実は」リアンナはそう言うと事のあらましを説明し始める。
マックス「なるほどなぁ?それで嬢ちゃんは逃げてた?って事か?」
リアンナ「ええ(汗)まぁ」
その時とある人物から無線が入る。
ザザザぁ--♪♪♪
??「マックス。何かあったのか?」
マックス「ちょっとな?それより、ゼノ‥Nから連絡はあったか?」
ゼノ「まだだ‥?どうやら作戦中に何かあったらしい?」
マックス「その何かだが‥心当たりがある」
ゼノ「ん?どういう事だ?」
マックス「実はな‥?」マックスはゼノに先程リアンナから聞いた話しを話し始める。
マックス「それで今から‥一応ローグたちに報告しようかと思ってる所だ」
ゼノ「いやその必要はないだろう?」
ゼノ「その話しが本当ならNは今第3拠点にいる可能性が高いからだ」
マックス「なるほど‥あそこなら安全か?」
第3拠点イギリス軍基地から南西10Km地点Bポイント
オルフェ「離せ。ウォルトン。俺は母さんを探しに戻る」
ウォルトン「離せる訳ねぇだろ?」
N「血気盛んだねぇ~(笑)?」
オルフェ「笑い事じゃねぇーよ」
N「はは(笑)心配な気持ちはわかるけど‥君の母さんなら心配はないよ」
オルフェ「どういう事だ?」
N「さっき仲間から君のお母さんを無事に保護したと連絡がはいってね(笑)」
オルフェ「本当なのか?N?」
N「あぁ(笑)間違いないよ」
オルフェ「だったら今すぐ合流を」
N「残念だけど…それは待った方が良い」
オルフェ「何でたよ?」
N「さっきの騒ぎで現状‥外にはイギリス軍兵が多数‥徘徊してる。今出るのは自殺行為だよ」
ウォルトン「そうだぜ。オルフェ。」
ドンッ
オルフェ「くそっだったらどうすりゃ良いんだよ」
N「少年。心配しなくてもすぐに会えるさ」そう言うとNはニッコリ笑った。
??「N‥作戦会議の時間よ。」
N「OK今すぐ行くよミア。それとあの子の様子はどうだい?」
ミア「ぐっすり眠ってるわ」
N「少年。とにかく今日の所は弟くんと一緒に眠ると良い」そう言うとNはミアと共に奥の部屋へと消えて行った
一晩明けた明くる日‥オルフェとウォルトンは異様な光景を目にしていた。Nたちの基地内部はアラブ人と黒人が多数で占められており‥白人が少数だった。ふと、基地内部の医務室で怪我の具合などを診てもらうために立ち寄った時の事だ
アラブ人看護婦「Dr.ゲイル、患者は20代の白人男性で39℃前後の発熱があります。」
黒人医師「ただの風邪だろう?放っておきたまえ。それよりこちらには見なくてはならない患者が山程いる。あぁ、それとその患者には別室で待機して貰っといてくれ」
アラブ人看護婦「かしこまりました」アラブ人看護婦は白人患者を別室へ移動させると名前が呼ばれたら出て来るように指示をだす
白人患者「はぁはぁはぁ‥わかりました(汗)」
白人患者「ゴホッゴホッやぁ少年」白人患者はそう言うとニコッとオルフェとウォルトンに話し掛ける。
ウォルトン「おっさん。しんどいならあんまり無理しない方が良いぜ」
オルフェ「こら!言いすぎだろ?ウォルトン」
ウォルトン「はぁ?んだよ?本当の事じゃねぇーか?」
白人患者「はは(笑)そうだね」オルフェやウォルトンたちが案内された別室はとても良い造りとは思えないボロボロでホコリまみれな部屋でその部屋には白人ばかりが集められていた。
ウォルトン「にしても、ボロっちぃな?この部屋」
オルフェ「だな?」
ウォルトン「なぁオルフェ‥ちっと隣を覗いて見ようぜ」
オルフェ「辞めろってNさんにも隣の部屋はあまり見ない方が良いって言われてるだろ?」
ウォルトン「大丈夫だよ。ちょっとだけさ」そう言ってオルフェが扉を少し開けて中を覗いた時に見たものは‥キレイに作り込まれた部屋と細部まで清潔さに拘った内部と自分よりも軽傷だとすら思える程の黒人とアラブ人患者たちがそこに座っていた。
ウォルトン「な‥んだ‥よコレ?」
オルフェ「あぁ?どうしたんだよ?」オルフェはウォルトンの態度を不審がり同じように扉を少し開けて中を覗く。
オルフェ「…………心の声(ちっくしょう‥むかつくぜ)」オルフェがそんな事を考えながら中を覗いているとふと、アラブ人看護婦が黒人男性の熱を計るために水銀体温計で熱を計ったときの事だ。ふとアラブ人看護婦は(37℃)かと呟きこう言う。
アラブ人看護婦「熱がありますね?すぐに診察してもらえる様にゲイル医師にお願いしてみますね?」
黒人患者「お願いします」黒人患者のその言葉を聞いてアラブ人看護婦は診察室の方へと向かう。
アラブ人看護婦「Dr.ゲイル。患者は20代の黒人患者で37℃前後の発熱があります」
黒人医師「何!!?大変じゃ無いか?すぐに患者を診察室へ呼びたまえ。」
アラブ人看護婦「かしこまりました。」やがて、先程の黒人患者はすぐに診察室へと呼ばれ‥詳しく様子を診てもらえる事となった。
黒人医師「ふむふむ。この様子なら心配はありませんね。喉もそんなに腫れてませんし、その他、他の感染症の心配もありません。すぐに薬を用意しておきますね?」
黒人患者「はい。ありがとうございます。」黒人患者はそう言うと満面の笑みでその場を後にした。
アラブ人看護婦「Dr.ゲイル。どうしましょーか?風邪薬の在庫が先程の患者の分で最後になりました。」
黒人医師「心配する事など何も無いだろう?」
アラブ人看護婦「はっ?ですがそれだと白人患者に渡す分の薬が無くなります」
黒人医師「それが何だと言うんだ?奴らに薬など必要ない。その患者には今日は帰ってもらうように伝えてくれたまえ」
アラブ人看護婦「‥かしこまりました」
Dr.ゲイルの言葉を聞いた看護婦は指示に従い、オルフェたち白人患者がいる別室の方へと向けて静かに歩き始める。
ちょうどその時、先程の黒人患者がお会計の為に呼び出される。
医療事務職員「15番のお客さまこちらへどーぞ」
黒人患者「はい」
医療事務職員「それでは本日のお会計ですが薬代と診察代込みでタダとなります。」
黒人患者「タダ?タダで良いんですか?」
医療事務職員「ええ」そう言うと医療事務職員はニッコリ笑う。時を同じくしてようやく、アラブ人看護婦がオルフェたち白人患者がいる別室へとやってくる。
アラブ人看護婦「10番のお客さまいらっしゃいますか?」
白人患者「はい。やっと診察‥ゴホっゴホッなんですね?」
アラブ人看護婦「いえ…本日はお引取り下さい。」
白人患者「はっ?どういうゴホッ事で…すか?」
アラブ人看護婦「言葉の通りです。」
白人患者「何とか‥ゴホッゴホッなりませんか?」
アラブ人看護婦「そうですね?それでは診察代と薬代込みで20万アグロット(役60000万円)頂けますか?」
※100アグロット=30円
白人患者「20万アグロット??ゴホッゴホ」
アラブ人看護婦「どうしますか?払いますか?払わないと薬も渡しませんし診察もしませんよ」
白人患者「そん‥な‥ゴホッゴホッ無‥理で‥す。そんなに渡したら私は今月どうやって生活すれば?」
アラブ人看護婦「無理なんですね?それじゃ薬を用意する事も診察もする事ができません」
白人患者「い‥えそう言う訳じゃ何と…か‥お金はゴホッゴホ用意しま‥す」
アラブ人看護婦「わかりました。では今すぐ20万アグロット渡して下さい」アラブ人看護婦にそう言われ白人患者は今月の生活費である21万アグロットの内20万アグロットを手渡す。
それを受け取った直後パンッパンッ♪♪♪という音が響き全身をいかにもな服装で身にまとった屈強な黒人男性が2名現れて白人患者を外につまみ出してしまった。
それを見たオルフェは思わず身体が動く。
オルフェ「てんめぇぇぇぇぇッー(怒)」オルフェはそう叫ぶとアラブ人看護婦の胸ぐらを掴む
アラブ人看護婦「何です?この手??迷惑な患者ですね?」
ウォルトン「何が?何です?この手?だ?さっきのおっちゃんの診察をする気がねぇならせめて金だけでも返してやれよ。」
アラブ人看護婦「本当に迷惑です。クレームは電話で聞きますからとりあえず帰って頂けませんか?」
オルフェ「てめぇそれでも医者の端くれかよ?」
アラブ人看護婦「ウフフフ(笑)笑っちゃいますわね?」
ウォルトン「何がおかしい?」
アラブ人看護婦「ボーヤたち、医者や看護師を慈善事業か?何かと勘違いしてはいませんか?」
アラブ人看護婦「金を払えない患者には医療を受ける資格すらないのよ」
オルフェ「なぁ?言いてぇ事はそれだけか?言ってる事矛盾してねぇか?」
アラブ人看護婦「何がです?」
ウォルトン「さっきのおっちゃん金払ってたよな?」
アラブ人看護婦「あぁ?彼には然るべき診察は受けさせた後ですので」
オルフェ「嘘つくなぁぁぁぁぁーーー(怒)俺はずっと見てたおっちゃんはこの部屋に通されてから一度だって診察室に呼ばれちゃいねぇ!!!」
ウォルトン「俺も見てたぜ」
アラブ人看護婦「これだからお子様は嫌ですわ(笑)??」
オルフェ「あぁ?よーくわかったぜあんた等がクズだって事がな?」そう言うとオルフェは胸ぐらに掴んだ手にさらに力を込める。
アラブ人看護婦「はぁ‥?不愉快ですね?この手離して頂けますか?」
オルフェ「嫌だね?」
アラブ人看護婦「そうですか?それでは仕方ありませんね?あなたたちやっておしまいなさい」アラブ人看護婦がそう言った直後またも屈強な黒人男性2名が現れてオルフェに殴りかかろうとした。
その時だった。
??「悪いけどそれは困るかな?」
アラブ人看護婦「誰です!!?」
??「僕かい?僕は通称(F)特務機関MAKAにおいて(N)の右腕をしているものだ」
F「先程のやり取り最初から見せさせて貰った。君たちの行動や言動は重要な機密規定違反に当たる行為だ。我々MAKAは君たち潜りの医者や看護師に医療の場を与える見返りとして全ての患者を平等に扱うように再三に応じて注意、指導してきたはずだ。」
アラブ人看護婦「な!!?機密規定違反?それが何ですの?」
F「はぁ?君の頭じゃわからないか?ねぇ?契約書にはこうも書いてるよね?我々の指導に従わない場合は解雇にする事もある?と」
アラブ人看護婦「解雇?私たちがいなかったら誰がこのブタどもを診るのよ。コイツ等は私等がいなければただ死にゆくしかないただのゴミなのよ。」
F「あぁ(納)その件についてなら心配ない。2人共出て来ると良い」そうFが言った直後、後ろの扉から長身の英国紳士と若いアジア人看護婦が中に入ってきた。
F「今日からここの現場は彼ら2人に任せる。君はもう出ていってくれたまえ」
アラブ人看護婦「はぁ?何?何?意味わからないわ。あたしがいなきゃこのゴミクズ共は死ぬしか無いのよ。それなのに、どーして?」
F「聞こえなかったのかね?出ていけと言ってるんだ(怒)」
アラブ人看護婦「ひィっ(汗)な!?何なのよ?こんな所私から願い下げよ」アラブ人看護婦はFの怒号を聞き少し声を震わせながらその場を後にした。
F「君たちすまなかったね?」Fは申し訳無さそうにそう言う。
ウォルトン「別にお兄さんが謝る事じゃないよ」
オルフェ「そうだぜ。むしろこっちが感謝したいぐらいさ」
F「そうかい?そう言って貰えてとても嬉しいよ」そう言うとFはニッコリ笑う。
その頃‥マックスと共にイギリス軍基地近くの林の中の地底に作った部屋一室分ぐらいのスペースに隠れるリアンナは外に出る機会を伺っていた。
ドンッドンッドン
マックス「行ったか?」
リアンナ「ええ?」
マックス「嬢ちゃん待ってな‥もう既にNには援軍を頼んである。時期に帰れるはずだ」
リアンナ「ええ…」
マックス「どうした?浮かねぇ顔をして?」
リアンナ「ごめんなさい‥そう見えたかしら?何でもないの。」
マックス「……?」
マックス「そうかい?何か言いてえ事があったらいつでも言ってくんな」
リアンナ「ええ。本当にありがとう。そうさせてもらうわ」
イギリス軍基地近くの森林
ピーター「くそっ探せまだこの辺りにいるはずだ」
イギリス軍黒人兵士「「了解しました」」
ピーター「待て。ゲイリーお前はここに残れ」
黒人兵士ゲイリー「何です?伍長?」
ピーター「何故?昨日逃した時点で俺に言わなかった?」
黒人兵士ゲイリー「すいません。あの時は逃がした奴らを捕まえる事に躍起になって。それで‥」
??「伍長。自分の提案です。ゲイリーに責はありません。」
ピーター「レニー?またお前か?何度命令違反すれば気が済むんだ?何かあれば真っ先に無線で報告しろと言っているだろ?」
黒人兵士レニー「申し訳ございません」
ピーター「次はないぞ。行け!!?」
レニー&ゲイリー「「了解しました」」
時を同じくして‥街でも軍による大規模なリアンナ捜索が行われていた。
コンッコンッコン
街の住人「はい」
イギリス軍兵「突然申し訳ございません。この写真の女性に心当たりはございませんか?」イギリス兵はジルバルを射殺した際にピーターが奪い取ったネックレスに埋め込まれてる写真を頼りに捜査をしていた。それ以外の所持品もあったがNがジルバルの所持品を密かに抜き取りそれをオルフェに手渡していた為幸いにも身元は特定されていなかった。
街の住人「いやぁ~知りませんねぇ?」
イギリス軍兵「そうですか?ご協力ありがとうございます」
その様子を密かにNたちの仲間が監視していて‥誰にもバレないようにそっとメモに書きとる。
??「こりゃまずい事になってるッスねぇ?」そう言うと少年は拳を握りしめイギリス軍兵を尾行しながら正面から来た仲間にメモを手渡す。
??「Nさんに至急報告だ」
?「了解した」
ザザザァ−−♪♪♪
???「リル‥聞こえるか?」リルと呼ばれた少年の元に無線が入る。
リル「聞こえてますよ。オルガさん」
オルガ「奴らの位置は?」
リル「街の南東ッス。」
オルガ「南東か?だとしたら少しめんどいな?」
リル「何かあるんスか?」
オルガ「リル。てめぇ昨日のNさんの話し何も聞いてなかったろ?」
リル「昨日の?あぁー!!そういう事ッスね?覚えてるッス。確かあの2人の祖父母の住所がその辺なんでしたっけ?」
オルガ「あぁそうだよ。とにかくお前は奴らの動きを暫く観察しててくれ。後の事は俺らが何とかする」
リル「ホントにそれだけで良いんスか?何ならもっと手伝っても良いっスよ」
オルガ「ガキが余計な心配してんじゃねぇ?てめぇは黙って俺の指示に従ってりゃ良いんだよ」
リル「ヘーい了解。」
その頃…NたちMAKAの隊員たちはイギリス軍に潜入させてる通称(鷹の目)から近々軍内部で反乱が起きるらしいという情報をキャッチする。
N「なるほど。あの時奴らが話していたのはこれの事か?」
シエン「Nさん…反乱軍の狙いは何だと思いますか?」
N「さぁね‥?そこまではわからない。ただ何かきな臭い匂いがするのだけは確かだ。念の為(目)には反乱軍の動向を探るように伝えてくれ」
シエン「かしこまりました」
ジェフ「N…オルガたちからだ」そう言うとジェフは先程リルが書いたメモ用紙をNに手渡す。
N「いよいよ街にも軍が来たか?」そう呟くとNは少し考えてジェフに命令をだす。
N「ジェフ。マックスに連絡をとってくれ。これからあの2人の少年の母親の救出に向かう。」
ジェフ「了解。BOSS」そう言うとジェフはその場を後にする。それから少ししてマックスの元に連絡が伝わる。
MAKAイギリス軍基地近く監視用シェルター
マックス「了解した。森にはまだイギリス軍がいる。気をつけろ」
ジェフ「OK。ノープロブレムだ。問題ない。〇〇15時第3シェルター近くでリアンナの救出を行う。」
ジェフ「そこまで誘導を頼めるか?」
マックス「任せておけ。俺を誰だと思っている」
ジェフ「フッ(笑)そうだったな?じゃあな相棒。また後で」
マックス「あぁまた後でな」そうマックスが答えた瞬間無線が切られる。
マックス「と言う訳だ。嬢ちゃん。今から奴らの包囲網をかいくぐりつつココを脱出する」
マックス「覚悟はできてるかい?」
リアンナ「もちろんよ。」リアンナはそう答えると‥ドレスの裾を少し上げて走りやすい様にする。
マックス「良い目だ。」そう言うとマックスはリアンナにとある機械を手渡す。
リアンナ「コレは?」
マックス「ちょっとしたお守りさ。もし嬢ちゃんの身に危険が迫ったらそいつを使うと良い。多少の目晦まし程度にはなるはずだ」
リアンナ「わかったわ」リアンナはそう答えると決意に満ちた表情になる。
マックス「さてと‥近くに敵はいねぇな?」マックスは顔を少しだけだして周囲を見渡すと外に出る。
マックス「こっちだ!!捕まれ。」そう言うとマックスは手を差し伸べる。
リアンナ「ありがとう。マックス」
マックス「なぁーに?良いってことよ」マックスはリアンナを引き上げると改めて周囲を見渡す。土壌は前日の雨で少し濡れており‥イギリス軍が通った足跡がくっきりと地面に刻まれていた。
マックス「うーん…こりゃ困ったねぇ?嬢ちゃん‥少し遠わまりになるがそれでもいいかい?」
リアンナ「ええ。構わないわ。そっちから行くと軍人がいるんでしょ?」
マックス「わかるかい?」
リアンナ「これだけくっきり足跡があったら誰でもわかるわよ。」
マックス「ま、そりゃそうか?んじゃ行くぜ?」そう言うとマックスは足跡とは反対の道を歩き始めた。
その頃…イギリス軍の林近くのとあるビルの一室ではシエンがライフルを構えて静かにその時を待っていた。
N「シエン。俺の合図があるまでそこで待機だ。」
シエン「了解です。Nさんなるべく早めにお願いしますよ。この体制しんどいんですから」
N「はは(笑)努力するよ」そう言うとNはまたも犬笛の様な物を鳴らす。少しすると‥森の動物たちが騒ぎ始める。
その異変を森を探索していたピーターは即座に察知する。
ピーター「何だ…?お前ら止まれ」
黒人兵士ゲイリー「伍長。どうしたんです?急に?」
ピーター「何か変だ?」ピーターがそう言った直後…数十羽のカラスの群れがピーターたちに向かって突撃し始めた。
黒人兵士レニー「うわ。何だコイツ等は?くそ。よるな」
ピーター「くっ。ええいうっとおしい。」
黒人兵士ゲイリー「伍長。こっちに行きましょう」
黒人兵士レニー「くっうわぁ…!!?」
ドォーン。一発の銃声が森に響く。
ピーター「レニー。無駄弾は撃つな。」
黒人兵士レニー「しかし、伍長このままでは?」
ピーター「バカめ。この手の奴らはこうするんだ」そう言うとピーターは銃の柄の方でカラスを次々に叩き始めた。
その様子をNは双眼鏡越しに少し遠目の木の上から見つめる。
N「うー‥んさすがに無駄弾は撃ってくれないか?」
N「それにしてもカラス相手に血も涙もないねぇ?」
N「ならこれはどうだい?」Nはそう言うと双眼鏡を静かに下ろすとライフルを構えた。
ドォーン。一発の銃声が森に響き‥レニーが口から血を吹き出し倒れる。
即座にNは…木から木へ飛び移り…忍者のような身軽な動きでその場を離れる。
黒人兵士レニー「がハァッゴファゥッ」
黒人兵士ゲイリー「しっかりしろレニー。畜生誰だ。出てきやがれ。」
ドンドンドンッ。ゲイリーは怒りに身を任せ無作為に森に銃を撃ち放つ。
ピーター「落ち着け!!。ゲイリー。とにかくココを離れるぞ」
その頃…森を疾走するマックスはリアンナを連れて遠回りしながら第3シェルターを目指していた。森の地底にはMAKAがイギリス軍を監視する為に作った8つのシェルターが存在し…人が数人入れる程のスペースが設けられている。
シェルター内には当面の食料と外を監視する為に作られた装置や無線機などが設置されており…マックスのような隊員の役目は主にイギリス軍の監視と鷹の目と呼ばれる軍内部に潜り込ませたスパイと本部との中継役である。
鷹の目の隊員たちは何か渡したい情報がある場合はシェルター内から見える木に様々な合図をだす。木で用を足した場合は軍内部で新しい動きありの合図でその際に尿でアルファベットを記入する。何もせずに通り過ぎた場合は特に異状なし。等様々である。
アルファベットはA~Zまで存在しAは軍内部で反乱の動きがあり近々デカイ事が起きる事を意味しておりBは作戦行動中にちょっとした支障があり凶兆を意味する。
中の隊員からはその尿が光って見えて文字に見える。これは外を監視する為に作られた特殊な装置の効果でMAKA特殊工作科では通称(ZERO)と呼ばれている。但し雨で木が濡れていた場合に限り隊員たちはシェルターの中の隊員に見えるように自然なポーズを取る。例えば顎を触るような仕草なら新しい情報がある証拠で何もない場合は…ノーリアクションで通り過ぎる。隊員がそうしたサインをだした場合は常に木に開けられた小さな穴にメモ用紙がくるんで入れられており、シェルター内の隊員がバレないように回収する。メモは一見白紙だが鉛筆等でなぞるとA~Zまでアルファベットが出現しそれを確認した隊員が本部に知らせる。
マックス「リアンナ。こっちだ。」
リアンナ「ありがとう。マックス」
マックス「ストップ。ここで待っているんだ」そう言うとマックスは銃を構えながらそっと辺りを見渡す。遠くには森を駆け回るイギリス兵の姿が見えた。マックスは息をころし彼らが通り過ぎるのを確認するとリアンナに合図を送る。
その頃Nは木から木を飛び乗り一際大きな木のてっぺんから森全体の様子を見渡していた。
ザザぁあーー
N「シエン。ターゲットは現在北西に向かって移動中だ。」
シエン「にひひ(笑)了解。腕がなりますねぇ?」
N「一発勝負になる。くれぐれもミスだけはないようにな」
シエン「わかってますよ(笑)」
N「リル。マックスの姿は見えたか?」
リル「まだだよN人っ子一人見当たらない。」
N「そうかならば見つけ次第少年の母親の保護を優先にするようにいいね?」
リル「あぁ任せてくれN。」
その頃MAKA第3拠点では…オルフェが基地内の動きを察知していた。
ザザぁあー
?「F。準備が整いました」
F「OK。ニア。予定通り頼むよ」
ニア「かしこまりました」
アラブ人非正規兵「F。準備完了です」
F「OK。なら俺たちもNの元に向かおうか?」そう言うとFはアラブ人非正規兵と共に…部屋を出る。
その様子を遠目で見ていたオルフェは直感する。
オルフェ「なぁウォルトン」
ウォルトン「ん?どしたぁ?」
オルフェ「俺‥ちょっくら行ってくるぜ」
ウォルトン「い…行くって何処にだよ?」
オルフェ「決まってんだろ?母ちゃんのとこだ」そう言うとオルフェは静かにFの後をつけ始める。
ウォルトン「お!!おい辞めとけって…あの人たちに任せよーぜ」
オルフェ「んな訳にはいかねぇーよ。おめえが止めても俺は行くかんな。」そう言うとオルフェは…足早に歩き始めた。それはまだオルフェが8歳の頃の出来事だった。
エヴァ「ふーん?そんな事があったんですね?」
オルフェ「まぁな?」
エヴァ「それで?その後お母さんとミハエルちゃんははどうなったんです?」
オルフェ「死んだ…」
エヴァ「えっ…!!?」
オルフェ「俺が見ている目の前で黒人野郎に母親と弟は殺されたんだ」
オルフェはこみ上げる怒りを押さえるようにタバコを加えると再び話し始める。
オルフェ「あの後の事だ。」
第3シェルター近くの森林
マックス「よし。リアンナもうすぐだ」
リアンナ「ええ。助かるわマックス」
マックス「ここで待っていろ。」そうマックスに言われた場所は第4シェルターの中で誰も使ってない無人シェルターの中だった。
マックス「いいか?ここから第3シェルターまでは目と鼻の先だ。だが、運の悪い事に周囲にイギリス兵がいて近付けない」
マックス「そこで…俺が囮になって奴らを引き付ける。リアンナはシェルター内のスコープから外を確認しイギリス兵がいない事を確認したらそっと外に出て第3シェルターを目指すんだ」そう言うとマックスは第3シェルターの場所を示した地図をリアンナに手渡した。
リアンナ「ええ。わかったわ」
マックスが行ってから数分後の事だ。リアンナは突如として意識を失い深い闇に落ちる。再び目を覚ました時そこは見た事も無い建物の中だった。
リアンナ「ここは…?」
??「フフッ(笑)やっとお目覚めの様ですね?」
リアンナ「だッ誰なの!!?」
??「これはこれは申し遅れました。マドモアゼル私はナッシュと申します。訳あって貴方を拘束させて頂きました」そう言った男は浅黒い肌にタキシード姿をしていておおよそパレスチナの人間とは思えない様相をしていた。
リアンナ「訳がわからないわ?何で私がこんな目にあわなきゃいけないのよ!!?」
ナッシュ「フフ(笑)本当にわかりませんか?貴方は先日捕えられた際見てはいけない物を見てしまった。」
リアンナ「先日ッ!?はっ貴方もイギリス兵なのね?」
ナッシュ「フフフッ(笑)そういう事にしておきましょうか?」
リアンナ「??」
ナッシュ「ピーターこの女で間違いないですね?」
ピーター「間違いありません。ナッシュ様。」とそこにとある男が資材の確認の為に部屋に入室する
マックス「ナッシュ司令。武器弾薬の目処がつきました。これでいつでも決行できます」
リアンナ「!!?」
ナッシュ「ご苦労さまです。ピーター下がってなさい」
マックス「はっ」
リアンナ「マックス?マックスでしょ?貴方?」
マックス「おや?リアンナやっと目が覚めたのか?」
リアンナ「貴方?どーしてここに?」
ナッシュ「まだ気付きませんか?リアンナ?彼は我々の組織の一員なのですよ」
マックス「訳がわからねぇって顔してんな?フフハハハっ(笑)こりゃ傑作だ。リアンナ。お前みたいなおばさんを誰が守る?それはそうとあの日の晩楽しかったぜ」
リアンナ「最っ低。」
マックス「フンッ何とでも言うがいいさ」
??「ナッシュ司令。MAKAパレスチナ支部の代表‥通称(N)を名乗る男から無線が入りました」
ナッシュ「OK。すぐ行くよ。悪いけどマックス‥ピーター‥暫くその女の監視を宜しく。」
マックス×ピーター「「了解」」
ナッシュ「あっ!!それはそうと好きにしてもいいけど殺さないようにね?彼女とミハエルくんにはまだ人質としての価値があるんだ」そう言うとナッシュは部屋を出て行った。
リアンナ「ミハエル?ってどういう事?」
マックス「クククっ鈍いねぇ?まだ気付かねぇのかい?MAKAにスパイとして潜り込んでたのは俺だけじゃないって事さ」
マックス「リアンナ。次期にオルフェもここに来る。そうすりゃ感動の親子対面だ。俺も鬼じゃない‥死ぬ時ぐらいは全員まとめて送ってやるよ」
リアンナ「貴方?どれだけ卑劣なの?」
マックス「フフフッ(笑)何とでも言うがいいさ。計画を知ってるてめぇ等親子を生かしておく訳にはいかねぇんだ。それより…どうだい?俺と今晩楽しめねぇかい?」そう言うとマックスはリアンナの胸元のボタンを少しずつ外していく。
リアンナ「だッ誰があんたなんかと」そう言葉を返すとリアンナはマックスにツバを吐きかける。
マックス「この(女)あまぁ調子に乗りやがって」マックスはそう言うと激しくリアンナを殴り始める。それから数十分後その様子を見兼ねたピーターが止めに入る。
ピーター「おいッよせマックス。これ以上は命に関わる」
マックス「はぁッはぁっはあこの女がイケないんだ。この女が」
作者の二次創作設定
(トランシーバーと無線について)
この時代の無線機は持ち運べる様な高性能の物では無かったが…この小説においてはパラレルワールドという設定の元で話しを進めている為…現実世界で実際に起きた(歴史)と存在しない(歴史)が混在している。その為トランシーバーやPCが今いる現実の世界よりも早く発達した世界だと考えてくれれば辻褄は合う。故にこの小説はハーフフィクション小説なのである。
※存在しない歴史(物語)現実には存在しない登場人物がいる段階でこの小説の中の世界そのものがパラレルワールド。
作者の二次創作設定とキャラの一例
トワ・レイヴン
ワカ・レイヴン
MAKA特殊工作科と(KA)
NOAH×NOAH(2つのNOAH)
Ash bell財団
全米黒人団体(JB)
レナードクルー
オルフェザックリードの過去
デメイオクルー(⇒(レナードクルー))
現実世界(KKK)⇒パラレル世界では(NOAH)
現実世界(全米黒人地位向上協会)⇒パラレルワールドでは(全米黒人団体)
あくまでも実話を題材にしたハーフフィクション小説。史実(真実)に創作を織り交ぜた作品である。
登場人物の設定
MAKA特殊工作科関係者各位
キャッスル・スターリン‥
MAKA特殊工作科の工作員。キャッスルの仕事は‥暗殺‥隠蔽‥撹乱‥陽動全般における情報操作と外国の保守政党への助力。MAKA‥通称マカは国内における‥全ての情報を操作している政府機関であり米国を影から支えてきた組織。CIAとの根本的な違いはCIAは表向きに確かに存在する機関に対してMAKAは表向きに存在しない組織とされている点である。CIAができないような汚い仕事や大統領やFBIに知られたくない仕事がMAKAの元に集まり隊員たちがその任務を遂行する。
コードネーム「K」ミハエルフェルトマン
MAKA特殊工作科の工作員。ミハエルの仕事は麻薬取引に関する事柄が多く‥暴力団やマフィアといった組織にスパイとして潜り込み様々な情報を得る事である。また…外国の保守政党に資金提供をしたり…軍事協力するのも彼の任務の一つである。
コードネーム「D」ジョージ・ディッセルマン
MAKA特殊工作科の隊員で…この時代のジョージは工作員であった。彼の任務の全容は明らかになっていないがこの小説においてはケネディ大統領暗殺に関わっている人物の一人として登場する。銃器の扱いに長けており…2km先の標的の頭も正確に撃ち抜ける。また…早撃ちの名手で普通の射手が次弾発射まで5秒から6秒かかるところをジョージは1秒未満で発射する事ができる。後に任務での功績が認められ長官となり…老年は大統領となり…一代財閥を築く事になる人物である。
アレン・ウォッカ・キャッスル
MAKA特殊工作科の重鎮で次期長官候補である。本作の主人公キャッスルの叔父であり‥パクたちKAの技術指導を担当している。アレンは銃器のスペシャリストで米国屈指の腕前を持つ。若い頃から政府に敵対する様々な人間の暗殺をなし得てきた。CIAが反クーデター派を制した最大の功労者でもあり‥時の韓国大統領朴正煕と深い繋がりを持つ。
パク・ソジュン「박서준」
アジア人特殊暗殺科KAの隊員。時の韓国大統領朴正煕の命により結成された秘密組織で主に朴の独裁に反対する外国勢力の暗殺を行う。米国の秘密組織MAKAの下部組織ではあるが母体を韓国に持ちCIAと朴正煕の橋渡し的なポジションである。パクは銃器のスペシャリストで…1Km先の敵の頭を正確に撃ち抜ける。近接戦闘も得意としており軍隊式格闘術を用いて戦う。
キム・テヒョン「김태현」
アジア人特殊暗殺科KAの隊員。時の韓国大統領朴正煕の命により結成された秘密組織で主に朴の独裁に反対する外国勢力の暗殺を行う。米国の秘密組織MAKAの下部組織ではあるが母体を韓国に持ちCIAと朴正煕の橋渡し的なポジションである。パクが銃器を得意としているのに対してキムは近接戦闘を得意としており‥接近戦でキムにかなうものはいない。
ライト・エル・スターリン
キャッスルの父であり…特殊工作科の隊員。ウォッカの部下で生まれながらにMAKAに在席している。その為公には生まれてすらもいない存在で…まさに生ける屍。存在しないはずのスナイパーである。近接戦闘のスペシャリストで空手…ムエタイ…柔術を使い刀剣術にも優れている。KAの技術指導をウォッカと共に行い‥銃器の腕はパクを超える程である。
コードネーム「F」アッシュ・ベル・ハイド
MAKA特殊工作科の隊員で…コードネームは「F」ハイドの任務は‥他国の内情を探ったり他国を混乱させあわよくばターゲットを暗殺する事である。イタリアやフランス等を舞台にして暗躍し…様々な内紛を勃発させている…普段はイタリア料理店のオーナーとして暮らし店に訪れる人間から様々な情報を得ると共に…人権主義団体「アッシュベル財団」を設立し彼らを使い様々なデモを起こしている。デモを起こす主な目的は場合によって色々でCIAや政府からの依頼が殆どであったりする。例えば‥CIAやFBIの信頼を守る為にどーしても国民の目を別方向に逸したい場合などにデモを起こしたり…他の政府機関の右翼派に揺さぶりをかけ…CIAが支持する政党を勝たせたりするのが目的である。その他にもマフィアや他の政府機関の内情を探るのもハイドの役目だが時には暗殺も行ったりする。暗殺の依頼は二通りあり‥一つは政府機関が公に動けない人物の暗殺。もう一つは裏切ったCIA職員や任務に失敗したCIA職員の暗殺である。MAKAにこの依頼が来る理由は単純に顔見知りより顔の知らない人間の方が暗殺に向いているし‥味方の工作員を始末するにあたってCIAが動くとどこから情報が漏れるかわからない為部外者であるMAKAの工作員が使われるのである。
コードネーム「N」ノア・リル・エスターク
MAKA特殊工作科の隊員で…コードネームは「N」ノアの任務は‥ハイド同様他国の内情を探ったり他国を混乱させあわよくばターゲットを暗殺する事である。イタリアやフランス等を舞台にして暗躍し…様々な内紛を勃発させている。普段は宝石店のオーナーとして暮らし…店に訪れる富裕層のセレブたちと仲良くなり様々なパーティーに参加し‥白人至上主義団体…ノアを設立し彼らを使い様々なデモを起こしている。デモを起こす主な目的は場合によって色々でCIAや政府からの依頼が殆どであったりする。例えば‥CIAやFBIの信頼を守る為にどーしても国民の目を別方向に逸したい場合などにデモを起こしたり…他の政府機関の左翼派に揺さぶりをかけ…CIAが支持する政党に勝たせたりするのが目的である。その他にもマフィアや他の政府機関の内情を探るのもノアの役目だが時には暗殺も行ったりする。暗殺の依頼は二通りあり‥一つは政府機関が公に動けない人物の暗殺。もう一つは裏切ったCIA職員や任務に失敗したCIA職員の暗殺である。MAKAにこの依頼が来る理由は単純に顔見知りより顔の知らない人間の方が暗殺に向いているし‥味方の工作員を始末するにあたってCIAが動くとどこから情報が漏れるかわからない為部外者であるMAKAの工作員が使われるのである。
NOAH関係者各位
白人至上主義団体「ノア」は白人以外の人種は基本的に下にみている組織で中でも特に黒人を酷く嫌う人間たちの集まり。デモがおきたり集会が開かれる理由は様々で…黒人による「事件」が明るみになった時や…アッシュベル財団や全米黒人団体に抗議をする意味で彼らの妨害をしたりしている。彼等は白人至上主義者の大統領や政府役人と強いパイプを持っており…その権限を使い財団と戦うが‥その事が原因でデモが更に広がる。尚この小説においてのノアは…反ユダヤ反イスラエルや…ネオナチと言った思想の人間はノアには所属していない。白人至上主義…反共…反同性愛の3つの思想に共感または賛同する人々の団体。
コードネーム「N」ノア・リル・エスターク
MAKA特殊工作科の隊員で…コードネームは「N」ノアの任務は‥ハイド同様他国の内情を探ったり他国を混乱させあわよくばターゲットを暗殺する事である。イタリアやフランス等を舞台にして暗躍し…様々な内紛を勃発させている。普段は宝石店のオーナーとして暮らし…店に訪れる富裕層のセレブたちと仲良くなり様々なパーティーに参加し‥白人至上主義団体…ノアを設立し彼らを使い様々なデモを起こしている。デモを起こす主な目的は場合によって色々でCIAや政府からの依頼が殆どであったりする。例えば‥CIAやFBIの信頼を守る為にどーしても国民の目を別方向に逸したい場合などにデモを起こしたり…他の政府機関の左翼派に揺さぶりをかけ…CIAが支持する政党に勝たせたりするのが目的である。その他にもマフィアや他の政府機関の内情を探るのもノアの役目だが時には暗殺も行ったりする。暗殺の依頼は二通りあり‥一つは政府機関が公に動けない人物の暗殺。もう一つは裏切ったCIA職員や任務に失敗したCIA職員の暗殺である。MAKAにこの依頼が来る理由は単純に顔見知りより顔の知らない人間の方が暗殺に向いているし‥味方の工作員を始末するにあたってCIAが動くとどこから情報が漏れるかわからない為部外者であるMAKAの工作員が使われるのである。
メリンダ・エル・エスターク
「ノア」の代表を務める人物で…幼い頃より親のいない孤児として施設で暮らし‥その施設において当時の黒人指導員の男性に毎日のようにレイプされていた。また高校の時に体育館で黒人男性グループに無理やり…犯された事もある。大学卒業後に出会った白人のボーイフレンド「ナイル」と付き合う事になり結婚の約束までしたがある日突然…通り魔に刺されナイルはこの世を去る事となる。容疑者は黒人のマックス・エリスンで…犯行動機は白人が目障りだった。正直白人なら誰でも良かったという身勝手なものだった。人生で経験してきたそれらの出来事が引き金となり以降黒人を憎み軽蔑するようになる。スコットの勧めで「ノア」の代表理事となったメリンダは…過去に施設で黒人に無理やりレイプされていた事を明かし周囲を巻き込んでいく。
ジャニファー・シェス・リード
ノアとニアに所属する白人女性。幼少の頃は黒人…白人共に分け隔てなく接する女のコだったが…ある時黒人に父を殺されてしまう。…その事がきっかけで黒人を軽視する様になり現在に至る。ジェニファーの中にある「黒人」への怒りの炎は静まる事なくいつまでもその憎しみが消えずにいる。黒人以外の人間には優しく笑顔も気立ても愛想も良いが…黒人に対してだけは嫌悪の感情を剥き出しにし同じ空気を吸うのも嫌であると豪語する。その為…人種差別を無くそうとする全米黒人団体の活動を疎ましく感じており度々デモ隊の陣頭指揮に立ち彼らの妨害をしている。
スコット・オブ・ライアン
ノアに所属する白人至上主義の男性。基本的に白人以外は見下しているが…中でも黒人を激しく軽視し…白人が犯した罪は徹底的に擁護するが…黒人が犯した罪に関しては激しく批判し…攻撃する。また財界の大物やマフィアとも繋がりのある人物。
ステファニー・ルーシー・バレン
ノアに所属する反同性愛主義の女性で…同性愛について強く批判し抗議している。きっかけは彼の前夫である…エリックが会社の部下の黒人男性と不倫し挙げ句の果に自身と子供を捨て家を出ていった事である。それ以来ステファニーは同性愛をするものはこの国には必要ないと抗議し同性愛者で有名な男性と度々口論になっている。ステファニーにとって同性愛者は全て自身の敵でありライバルである。その為…ついつい…言葉がキツくなるがその事が度々同性愛者の間で問題となっている
Ash bell財団関係者各位
アッシュベル財団とはあらゆる人種と女性の為の人権団体組織。白人…アジア人…黒人…そして全ての女性には人権があり…彼らの人権を踏みにじるような事はしてはいけない。と叫ぶ民間団体。デモがおきたり集会が開かれる理由は様々で…大統領の女性を軽視した発言から黒人や白人を差別する団体に抗議をする。など幅広いものがある。
コードネーム「F」アッシュ・ベル・ハイド
MAKA特殊工作科の隊員で…コードネームは「F」ハイドの任務は‥他国の内情を探ったり他国を混乱させあわよくばターゲットを暗殺する事である。イタリアやフランス等を舞台にして暗躍し…様々な内紛を勃発させている…普段はイタリア料理店のオーナーとして暮らし店に訪れる人間から様々な情報を得ると共に…人権主義団体「アッシュベル財団」を設立し彼らを使い様々なデモを起こしている。デモを起こす主な目的は場合によって色々でCIAや政府からの依頼が殆どであったりする。例えば‥CIAやFBIの信頼を守る為にどーしても国民の目を別方向に逸したい場合などにデモを起こしたり…他の政府機関の右翼派に揺さぶりをかけ…CIAが支持する政党を勝たせたりするのが目的である。その他にもマフィアや他の政府機関の内情を探るのもハイドの役目だが時には暗殺も行ったりする。暗殺の依頼は二通りあり‥一つは政府機関が公に動けない人物の暗殺。もう一つは裏切ったCIA職員や任務に失敗したCIA職員の暗殺である。MAKAにこの依頼が来る理由は単純に顔見知りより顔の知らない人間の方が暗殺に向いているし‥味方の工作員を始末するにあたってCIAが動くとどこから情報が漏れるかわからない為部外者であるMAKAの工作員が使われるのである。
王凜風(オウ・リンファ)(アジア人)
アッシュベル財団に所属する人権活動家。女性の人権問題でたびたび各国の首相や大統領とぶつかり…彼らを怒らせているが自身の主張の正当性を訴え彼らが権力で押し潰そうとしてきても決して屈しない強固な意思を持った女性。
ジョージ・エンゲージ(白人)
アッシュベル財団に所属する人権活動家。全ての人種は平等で差は無い。と主張したびたびノアのスコットや「JB」のジャック・パーセルと意見がぶつかり揉め事になっており…政府役人や国家権力などが権力で彼を押し潰そうとしても決して屈しない強固な意思を持った男性。ジャック・パーセルとはライバル関係にある人物。彼はジャックが「自分たち黒人だけが差別をされている」と思い込み「ジャック自身も白人を差別」している事を批判し度々論争を繰り広げている。ジョージは全ての人間が「平等」であると真に信じ…ジャックの「白人に対する憎悪と偏見と差別」を捨てるようにしんげきに向き合っているが当のジャックは黒人こそが一番であると考え込み白人に人権はないと差別し豪語している。そうした…ジャックの考えを改めるべくジョージは勝負に出る。
ミック・スカール・スミス(黒人)
アッシュベル財団に所属する人権活動家。ジョージと共にノアやジャック・ブラウンと戦うパートナー。たびたびノアのスコット・オブ・ライアンと口論をしておりライバル関係にある。スコットは黒人であるミックを酷く嫌い…ノアの団員を使いミックの活動を度々妨害してくる。ミックも全ての人種に差はないと考える人間で真の意味での「平等」を目指している。スコットはそんなミックに対して強く抗議し黒人に人権など無い。と言い放っているがそんなスコットに対してミックは黒人にもアジア人にも…白人の君にも人権はあると主張し真向から対立している。スコットが白人至上主義の 政府関係者による圧力を強めても決して屈しない強固な意思をもった男性。
エヴァンス・ミハイロヴィッチ・エルゲージ
「ユダヤ系アメリカ人」
アッシュベル財団に所属する人権活動家。エヴァンスもジョージ同様全ての人種は平等で差は無い。と考えており…白人も黒人もアジア人も差はないと度々演説しており犯罪者と普通の人間の間には一本の線がありその一線を踏み越えたものが犯罪者で踏み越えずに留まってるものが一般人である。と説いている。また白人をどこまでも軽視する「JB」のジャック・パーセルや「NA」のスコット・オブ・ライアンとは度々口論しており彼等の中に渦巻く差別意識を無くそうと奮闘している。ジャックは黒人を第一に考え白人を全ての人種の中で最も劣った種族であると考えており…彼らには人権などない。と豪語しており…スコットは白人を第一に考え黒人を全ての人種の中で最も劣った種族であると考えており…彼らには人権などない。と言っている。二人の中に渦巻くそうした差別意識を無くすためにエヴァンスは勝負に出る。「NA」のスコット・オブ・ライアン「JB」のジャック・パーセルが政府役人や国家権力などで彼を押し潰そうとしても決して屈しない強固な意思を持った男性。
全米黒人団体(JB)関係者各位
(JB)は米国内における黒人差別をなくす為の団体。デモがおきたり集会が開かれる理由は様々で…白人による黒人の「不当逮捕」が明るみになった時や…白人至上主義団体【NOAH】に抗議をする意味で彼らに抗議をしたりしている。基本的には人種差別を無くすための団体だが中にはジャック・パーセルのように黒人至上主義の団員もいて全員が全員…真の意味での「平等」を目指している訳ではないが…「黒人差別」をなくす為に奮闘している。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)
キング牧師の愛称で知られ…アフリカ系アメリカ人公民権運動家として活躍し…「黒人差別」を無くす事に奮闘した指導者。キングは黒人であるローザ・パークスがバス内で白人に席を譲らなかったために逮捕されたもので、キングはこの事件に激しく抗議してモンゴメリー・バス・ボイコット事件運動を計画し、運動の先頭に立った。1957年には南部キリスト教指導者会議 (SCLC)を結成し、その会長となった。1958年9月20日にはハーレムで黒人女性によってナイフを胸に突き立てられたが、この暗殺計画は未遂に終わり、キングは一命を取り留めた。キングが新たな解放運動を起こす場所として選んだのは、アラバマ州のバーミングハム市である。当時バーミングハム市の人口の7割は黒人で占められるといわれていたが、同時に南部でも最も人種差別の激しい場所として知られていた。こうして、1963年はじめにバーミングハムでの解放運動が開始された。キングを先頭に行われたこれらの地道かつ積極的な運動の結果、アメリカ国内の世論も盛り上がりを見せ、ついにリンドン・B・ジョンソン政権下の1964年7月2日に公民権法(Civil Rights Act)が制定された。これにより、建国以来200年近くの間アメリカで施行されてきた法の上における人種差別が終わりを告げることになった。
ジャック・パーセル
(JB)に所属する黒人至上主義の男性。基本的に白人を軽視しており…白人が罪を犯せば業火の如く怒り狂い激しく抗議する。その一方で黒人に対して優しく黒人男性が殺人犯であっても彼は悪くない。とどこまでも擁護する男性。
レニー・ウォルニコット・ブラウン
典型的なアフリカ系アメリカ人の家庭に生まれた。彼の祖先はかつてアフリカより奴隷として売られてきた人間たちでレニーの曽祖父の代まで…無賃労働を強いられた。祖父の代にようやく…奴隷制度が廃止されたがそれでも黒人差別が酷かった。奴隷制度が終わったとはいえ黒人の多いバーミンガムでは一部の白人たちによる差別と弾圧は見えない所で確実に続いていた。幼い頃から…対した教育は受けられず…白人たちから(ニガー)と言われ殴る蹴るの毎日。だがある時…キング牧師が公民運動をしている姿を目にし…レニーの中で何かが変わる。その後…レニーはキング牧師の元…共に立ち上がり黒人差別を無くすために奮闘していく事になる。
マイケル・ゲイ・スピード
「JB」に所属する男性でキング牧師に憧れ…黒人全米協会に入会した。マイケルは…典型的なアフリカ系アメリカ人であったが黒人というだけでこれまで度重なる侮辱と差別を白人たちから受けてきた。黒人というだけで「ゲイバー」への入店を拒否されたり…憧れの上司からは黒人である為忌み嫌われる毎日。そんな時…15歳年上の先輩医師エリックと出会う。エリックはとても優しく紳士的だった。ある時エリックから突然Kissをされ…衝動に身を任せるまま激しく唇を重ねた。それから2人は…様々な場所で密会を重ねるようになる。ある時エリックと街に出掛けた時に不意に目に止まったゲイバーをマイケルはみつめてしまう。それを見たエリックがマイケルを誘いゲイバーに入ろうとするが‥入店拒否されてしまう。エリックは怒り狂い怒鳴ったが‥マイケルがそれを優しく包み込みなだめた。その後エリックの部屋に招かれたマイケルはエリックと身体を重ねる。決意を決めたエリックはマイケルと駆け落ちする事となった。その後2人は一度は「婚姻」をしようとしたものの‥法律上男性同士の婚姻はできないと断られてしまう。だがある時キング牧師の事が新聞の見出しに書かれており…そこには偉大なる黒人牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)不当逮捕で傷付いた若者の心を救う。と書かれていた。それを見たエリックとマイケルは…自分たちが置かれている現状を打開する為に立ち上がったのである。
エリック・ウィリアム・バレン
ステファニーの前夫で現在マイケル・ゲイ・スピードと同棲してる婚約者の男性。典型的なヨーロッパ系アメリカ人の白人。38歳の男性医師でマイケルより15歳年上。エリックは若い頃から「ゲイ」であったがずっとそれを周囲に隠していた。親の勧めで35歳の頃にステファニーと婚姻したが…当初からエリックの気持ちはそこにはなかった。ステファニーに求められ渋々SEXをし…3人の子供まで作ったが…それでも心の中にあるモヤは晴れなかった。優しい夫を演じ…職場では良い医者を演じる。そんな時…15歳下の新人医師(マイケル)と出会う。ある時エリックはマイケルを長男の誕生パーティーに誘った。マイケルとエリックは気が合い…周囲の目も忘れて酒を飲み明かした。そんなエリックを当初のステファニーは「ゲイ」であるとは考えていなかった為気にも止めなかった。その後…トイレの中でバッタリ会ったマイケルの手を引きトイレの個室で強引にkissをした。受け入れてくれるとは考えてなかったエリックだが…マイケルはエリックの唇を受け止め2人は口を絡めて激しくKissをした。その後2人は様々な場所で密会を重ね今までの隙間を埋めるように何度も身体を重ねた。それから数日後エリックはマイケルを部屋に招きいれこの日も身体を重ねる。マイケルが衣服を着る姿を見て離れたくないと決意を決めたエリックはマイケルと駆け落ちする事となった。その後2人は一度は「婚姻」をしようとしたものの‥法律上男性同士の婚姻はできないと断られてしまう。だがある時キング牧師の事が新聞の見出しに書かれており…そこには偉大なる黒人牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)不当逮捕で傷付いた若者の心を救う。と書かれていた。それを見たエリックとマイケルは…自分たちが置かれている現状を打開する為に立ち上がったのである。
「探偵&FBI&警察」関係者各位
トワ・レイヴン
大富豪の娘で探偵事務所の創業者の一人。母親から受け継いだ莫大な遺産で探偵事務所を立ち上げた。ルチアーノの妹に行方を晦ました兄の捜索を頼まれその過程で様々な事実を知る事になる。またトワは姉妹会社として…身辺警護の会社も設立しておりそこの社長でもある。
ワカ・レイヴン
トワの妹で4人兄妹の末っ子。生まれた時から不思議な能力を宿しており‥電話を使わなくても心で念じるだけで様々な人間と会話できる。また予知夢の能力も有しておりこれまで数多くの人間の危機を救ってきた。また父親の会社の株を20%保有しており‥かなりの資産を持っている。
ベルナ・ジュン・レイヴン
トワの兄でレイヴン兄妹の長男で探偵事務所の創業者の一人。ワカのように不思議な能力こそ宿していないが‥柔道…剣道…空手の有段者。またここぞという時の勝負強さは天性のモノがあり…賭け事において負け知らずである。カジノのオーナーからも出禁をくらうほど賭け事に強く…カジノで儲けた額は1兆を超える。
リルム・シュウ・レイヴン
トワの弟であり…レイヴン兄弟の2男。シュウは母親から受け継いだ遺産を元手に探偵業の傍ら株取引で財を成し。投資界の帝王と呼ばれている。投資で稼いだ金をふんだんに使った捜査がシュウの持ち味で…調査をする為に別荘や…クルーザー…島までも購入する。調査で使い終えた後は島の中に遊園地を創り上げ…大型客船で島との間にルートをつくり収益も得ている。遊園地の運営は自身の部下である…黒鉄という男に任せ…シュウは実質的にお飾り会長であるが…その遊園地の株式の全てに加え様々な企業の株を保有している。
オルフェ・ザックリード
シュウやジュンたちの部下の一人で…大の黒人嫌い。だがその理由は肌の色などでは無く…オルフェが幼少の頃…母親と弟と共に外国のテロ組織に捕まり自身がみている目の前で黒人兵士に母親と弟を銃殺された事がきっかけである。オルフェだけは人質としての価値を問われ生かされたものの…黒人の顔を見る度にその時の情景が頭に浮かび怒りがこみ上げる。オルフェのこの怒りが執念に変わり黒人絡みの様々な事件の解決に貢献している。
シオン・エル・フェルネシア
シュウやジュンたちの部下の一人。探偵事務所に務める前は軍に所属しており…見かけや喋り方とは対象的にかなりの戦闘力を有している。銃器…刀…ナイフ…あらゆる武器を使いこなし…あらゆる国の言葉を話せる。様々な人種と多種多様な言語が飛び交う米国においてシオンのこのスキルは捜査においてかなり役立つ。
エヴァ・マクスウェル・ゲーツ
米国有数の大富豪‥ゲーツの一人娘。米国内におけるゲーツ家の力は絶大で…大統領からも一目をおかれている。またエヴァは幼少の頃より乗馬を得意としており…オリンピック候補選手になった程の逸材である。それ以外にも父親の勧めで様々な英才教育を受けておりずば抜けた知性を持っている。普段は面倒くさそうな態度をとっているが頭の中は冷静で常に一歩先…2歩先を見据えて行動している。
冬平優香(ユウ)
父親は日本で外交官を勤める冬平誠である。ユウは大学卒業後に単身アメリカに渡りそこでシュウたちと出逢う。外交官である父の英才教育のおかげもあってか…ユウは慣れない米国生活も苦にはしなかった。また…軍隊式格闘術を幼少の頃より習ってきた事もありかなりの戦闘力を有している。デカイ黒人相手でも怯まずに挑みマフィアのボディーガードすら手玉に取る程の強さである。
ヴォルフ・ジェイ・ドルフ
シュウやジュンたちの部下の一人で…元軍人。鍛え抜かれた肉体と軍隊仕込みの格闘術…それに加えあらゆる武器を使いこなす戦闘のスペシャリスト。軍時代は…銀狼のヴォルフと恐れられた男。ある時を堺に軍を辞め…魂が抜けたように街を彷徨ってた彼をジュンとシュウが探偵事務所にひきいれた。ジュンは探偵事務所に入る際ある「賭け」をヴォルフに仕掛け見事それに勝った。以来…ジュンに忠誠を誓うようになり現在に至る。
柊ココミ「ヒイラギココミ」
シュウやジュンの部下の一人。財務大臣「柊修二」の子供で大学卒業後…単身アメリカに来てそこでジュンと出会う。日本でも有数の女子大に通ってたココミは最初は文化の違いに少し戸惑ったようだったがすぐに慣れて今ではアメリカ人もびっくりするぐらい積極的になった。特技は…暗号解読でココミに解けない暗号はない。と本人は自負している。数年前に起きたとある事件の暗号をココミが解読しその事が新聞に掲載され…いちやくNYでも話題になった程である。
ショーン・ディック・フレバー
シュウやジュンたちの部下の一人。ショーンは幼少の頃より運動神経が高く何をやっても器用にこなせた。これまでの人生で躓いた事は無かったが。ハーバード大学在学中のショーンにはやりたい事が見付からずに悩んでいた。そんな時シュウにやりたい事が見付かるまでうちでバイトでもしない?と軽いノリで勧められたのをきっかけに今に至る。普通のピザのバイトやマックのバイトをするより遥かに高給であった為ショーンはその提案を受ける事にしたのである。ちなみにNYからボストンまで車で3時間半…飛行機で1時間半かかるが‥バイトがある日はシュウが所有するプライベートジェットで送り迎えをしてもらっている。シュウがショーンにそこまでする理由は彼の知識にあり…ショーンはこの時代にはまだ市場には出回っていないミニコンピュータを既に開発し所有していた。シュウはショーンに頼みパソコンを開発してもらい事務所のデスクに設置している。しかもショーンのその技術は発展途上でシュウはショーンに暇な時はコンピュータの開発をしても良いし…必要なパーツがあれば言ってくれ。と常日頃から言っている。世界で初めてミニコンピューターが発売されたのは1965年にDEC社ダートマス大カシオ社のPDP8だが…ショーンの設計図のコンピューターはその機能を凌駕していたが…予算の問題で開発できなかった。だがシュウが予算の問題をクリアした事で開発に成功したのである。
スフェア・リア・バフェット
後の世界で投資の神様と言われる。ウォーレン・バフェットの親戚。スフェアは名門校に通う高校生で父は一流企業の役員を務めている。ショーンに作成してもらったパソコンに早くから興味を抱き…彼に作ってもらった。時代の先を行くパソコンを手にしたスフェアは…パソコン内に様々のソフトやアプリを作り出し…ショーンと共同で音声解析ソフトまで作った。これにより捜査は格段に進歩し…バイトながらレイヴン探偵事務所には欠かせない存在となっている。
マーク・リル・エヴァンス
スフェアの幼馴染で…ユダヤ系の少年。母方の祖父がロックフェラーに連なる家柄で…近所でも名の知れた家である。父と母は医師をしており…裕福な家庭に育った。現在は探偵のバイトの傍ら将来のやりたい事を探している真っ最中である。スフェアが持ってるパソコンを稀にいじっており…自身でゲームを多数開発している。休み時間はもっぱらスフェアと遊んでおり…夕方になると…探偵事務所に顔を出している。ショーンともたまにパソコンの話しをしており…様々な技術を教えてもらっている。マークはパソコンの可能性は無限大と語っており…これからの時代を作るのはパソコンだと豪語している。
ジョン・エドガー・フーヴァー「FBI長官」
FBI連邦捜査局初代長官で‥米国を影から操ってきたフィクサーの一人。1924年に連邦捜査局の長官に任命され組織の名称がFBIに変わり1974年に死去するまで長官職に留まった人物。プライベートでは競馬や賭博が好きで…マフィア界の重鎮であるフランク・コステロとの付き合いは1920年代後半に始まりとても仲が良かった。フランクはフーヴァーの為にインチキレースいわゆる八百長を仕組んだりもしていた。また…フリーメイソンの会員で後に大統領となるリンドンジョンソンとも接点があった。50年間FBIのトップに君臨したフーヴァーは、8人の大統領と17人の司法長官にマフィアの組織はアメリカに存在しないと言い続けた。
マイケル・グリッグ
NY市警の黒人警官で前々からFBIの動きに疑念を持つ男。典型的なアフリカ系アメリカ人の家庭に生まれたグリッグは幼少の頃よりの努力のかいあって晴れてNY市警となれた。勤続10年が過ぎたある日とある事件が起きる。それはとある資産家男性が車のトランクの中で変死した事件である。被害者の男性の名は「ヴァン・オルフェ・ルチアーノ」という人物で彼には息子と娘がいた。不可解な点や証拠物件が多いにも関わらず事件は迷宮入りとされFBIによる不自然な隠蔽工作の跡も見られた。不審に思ったグリッグは日々の業務の傍らFBIの内部調査を始めたのであった。
ジェームズ・マクレガー
NY市警の白人警官でマイケルの同僚。典型的な白人家庭に育ったジェームズだが‥黒人に対して悪い感情を抱いておらず‥マイケルにも他の白人警官たちが彼をイジメる中優しく接する存在。気が弱い為表立ってマイケルを庇えないジェームズだが本当は救いたい気持ちでいっぱいの青年である。そんなある時ジェームズの恋人である「ジェシー」が不可解な死を遂げる。順調に捜査が進み犯人逮捕迄あと一歩と迫った時FBIの介入で事態は一変する。集めた証拠品をこちらで預かるという名目で持ち出し…FBIへと移動中何者かに襲撃されて全ての証拠品を奪われてしまう。捜査は振り出しに戻り再度証拠品を見つける為の捜査が行われた。犯人と思わしき男はFBIに邪魔をされて動けずにいた間に国外へ逃亡。しかも‥この事件に熱を出していたジェシーの父である‥スペンサーがFBIに抗議を言いに行った直後謎の死を遂げたのである。一連のFBIの行動を不審に感じたジェームズはマイケルと共に普段の業務の傍らFBIの内部調査を始めたのであった。
ミハエル・エスティライヒ
フーヴァーの元で働く若きFBI捜査官。FBIに入る前はこの組織は米国を影から守る立派な職業であると思いこんでいたミハエルだが‥フーヴァーの元で働きその理想は打ち砕かれた。自身が提出したマフィアに関する証拠資料の尽くがフーヴァーの手によってなかった物とされ…捕まるはずと思い込んでいたマフィアたちはのうのうと外を歩いている。マフィア関連で起きた事故や事件に関する不自然なFBIの関与。フーヴァーに何度マフィアの存在を問いただしても「この件に関してはもう調べるな」と突き返されるだけ。フーヴァーを尊敬してFBIに入ったミハエルだが憧れの上司の闇を知り苦悶する毎日。そんな時FBIを付回すNY市警のマイケルとジェームズの存在に気付く。そこでミハエルは彼らと接触し自身も捜査を手伝う事を約束したのであった。
クライドトルソン「FBI副長官」
FBIの実質的No.2で‥長年に渡りフーヴァー支えてきた人物。彼らはしばしば共に休暇を取り、毎日昼食を共にとっていた。フーヴァーは同性愛者とも言われていてトルソンとの関係を証明する写真をマフィアが所有していたという噂もある。が真実かどーかは定かではない。アルバンカルピスを捕まえ‥ハリー・ブルネットとの銃撃戦を生き延びロングアイランドとフロリダでナチスの工作員を捕まえる事にも参加した。フーヴァーが死ぬまでFBI副長官の座に座り‥彼の死後一度は長官代行の地位に座ったもののすぐにFBIを引退した。
(錦)警視総監「ニシキ」
日本警察の事実上トップに君臨する男。日本に来た「K」と部下の成瀬を使い暴力団の内偵を依頼した人物。CIAや米国政府とも太いパイプを持っており日本の政治家も錦には逆らえない。錦は閣僚や外交官など政府関係者の悪事を集めたファイル「通称ニシキファイル」を隠し持っておりそれをネタに彼らを屈服させている。
成瀬尊「ナルセ」
錦の部下の刑事。日本警察でも指折りの成績で警察官となった‥若手のホープである。錦が期待をよせる次代を担う警視総監候補である。成瀬は日本に来た「K」と共に暴力団の内偵を錦より命じられ‥暴力団が運営する運送会社に潜入した。そこで暴力団の内偵をする内に驚愕の事実を知る事になる。
ジョセフ
端正な顔立ちで背の高い白人男性で…ダラスでジャックが経営するナイトクラブに通う警官。いつもジャックにタダで飲み食いさせてもらっており…妻子がいるにも関わらず毎晩…ストリッパーを抱く男。ジャックが警察署に容易に武器を持って入れた理由こそが彼のような警官たちである。
Rel(レル)関係者各位
ペンシルベニアを拠点として活動する便利屋集団。その多くはペンシルベニアに住む白人男性で構成されている。組織の幹部である…ジャンを始め…多くの白人メンバーが在席しており…その殆どが…便利屋を副業としてやってるものが多く。彼等の多くは…平日は普通の会社員や医師…警察…警備員…救命隊員として生活しているが中には仕事が平日が休みの人間もいてそういう人間たちのシフトは平日勤務に回される。勤務時間中であってもウォルトンの要請とあらば駆け付ける。がそういう時は稀である。ペンシルバニアでオルフェに頼まれた際…警備員をしていたのも渋滞で止まっていた車も…道で心臓マッサージされていた男性も救急ヘリから出てきた隊員も全て「レル」の団員たちである。
「便利屋」(レル)
ニックス・ベル・ウォルター
オルフェの友人で…ペンシルバニアを拠点として活動する便利屋集団…通称「レル」の一員。様々な事を生業としており依頼とあらばどんな事でもする。警備員…清掃員…探偵補助…家事…掃除…警備補助…等など…できる事のスペックは広く…基本何でもこなす。典型的な白人男性で嫌いな人種は黒人である。その事もあってかオルフェとは気があい…彼の依頼とあらばどんな所にでも行く。またニックスは全米各地にある公衆電話の位置を数多く知っており…自身の記憶から公衆電話MAPを自作している。オルフェにマイクの足止めを頼まれた際も近くに公衆電話がある場所を狙ったのである。オルフェは予めニックスにそのMAPを貰っており…レルの別のメンバーに公衆電話からマイクの現在地を教えて貰っていたのである。
ジャン・ウィル・ウォルトン
オルフェの友人で…ペンシルバニアを拠点として活動する便利屋集団の一員通称「レル」の幹部。オルフェ同様…外国のテロ組織に捕らえられた際目の前で黒人兵士に妹を殺された男。帰国後は便利屋「レル」を設立し様々な依頼をこなしている。できる事の範囲は大きく基本なんでもするが…犯罪の手助けはしない。そしてオルフェ同様…黒人を恨んでおり…今でもテロの時の悪夢を見て目が覚める。消える事のない恨みが執念に変わりオルフェと共に黒人たちを追い詰めていく。
エリック・ヘンリー・テイラー
オルフェの友人で…ペンシルベニアを拠点として活動する便利屋集団の会長兼社長。元々この会社はウォルトンとヘンリーの2人で始めた仕事だったのがいつの間にか大きくなり現在に至る。現在は…ペンシルベニアだけで数万人規模の団員がいて様々な企業や人の役に立っている。ヘンリーの家はペンシルベニアでは有名な資産家で彼の支援なしにこの会社はここまで大きくなれなかった。初期時代の従業員の給与はヘンリーのポケットマネーで賄われていたが現在はしっかりとした収益が出ておりそれに応じて給与を支払っている。
反社会的組織関係者各位
「マフィア」関係者各位
カルロ・ガンビーノ
組織のNo.1でありNYの支配者。元々はトラックを使った密輸から始まった彼の人生は酒の密造…そしてゲイバー開店を契機として徐々に力を強め組織内での力を盤石のものとした。ガンビーノは麻薬ビジネスを嫌っているが彼の部下の中には秘密裏にそれを行う者がいる。鷲鼻だけが特徴の物静かな男で‥「浮気は良いけど離婚はダメ」と家族に指摘した事がある。現在はNYと米国マフィアを実質的に支配し…この時代のガンビーノに逆らう事ができるものはいなかった。
アニエロ・デラクローチェ
組織の実質的No.2でありリックの直属の上司。アニエロはガンビーノ一家きっての武闘派で後にBOSSとなるジョン・ゴッティ等の屈強な兵隊を従えていた。普段街ではオイール神父を名乗り街を出歩き‥裏ではガンビーノの目を盗んでジョン・ゴッティを使い麻薬ビジネスを展開していた。またその半生の殆どは謎とされているが「マーダーインク」殺人株式会社のメンバーであったともされている。組織内でも抜群の人気を誇っていた人物でガンビーノ亡き後投票に持ち込めばBOSSになる事もできたがガンビーノの意思を尊重しそうしなかった。
カルロス・マルセロ
アメリカで最も古い歴史をもつマフィアファミリーのゴットファーザーで、ニューオーリンズを本拠地にルイジアナ州、テキサス州などの都市を支配しメキシコ湾岸も支配していた暗黒街の顔役だった。カルロスの力で優れていたのは他人を操る力で警察さえも掌握していた。また160cmという小柄な肉体でデカイ黒人をねじ伏せる程の腕力があったとされている。またケネディ大統領暗殺に何らかの形で関わっているとされる人物でこの時代のカルロスはマフィア内でガンビーノに次いで2番目の影響力と力を有していた。
サムジアンカーナ
シカゴマフィアのBOSS。ケネディ家と古くから深いつながりを持っており、ジョン・F・ケネディの当選の陰の功労者であることが明らかになっているだけでなく、暗殺の黒幕の一人とも言われている。ジアンカーナはマフィアとCIAはコインの裏と表だと言っていたことがある。国が国民に知られたら困るようなきたない仕事(殺しや武器の横流し)はマフィアに頼む、と仲間に言っていた。さらにマフィアとCIAが協力したことは1度だけではなく何度もあるという。CIAの依頼を受けてキューバのフィデル・カストロ首相の暗殺計画にも加わっていた。カストロ暗殺計画を引き受けた3人のボスの一人。
フランク・コステロ
暗黒外の首相と言われたマフィアの重鎮。マフィア最高幹部会コミッションの議長。FBIのジョン・エドガー・フーヴァー長官やウィリアム・オドワイヤーニューヨーク市長など政界司法界の大物と付き合いがあった。用心棒や専属運転手を使わず、常に徒歩かタクシーを使って移動したとされスロットマシン事業では警官を賭博漬けにした。サムジアンカーナに「コステロのような人間になりたくて彼の仕草をよく観察した」と言わしめた暗黒街のドンである。
リック・ジオルト・ルチアーノ
ガンビーノ一家のファミリーで組織の実質的No.2アニエロの指示で日本において秘密裏に麻薬取引を進めてる人物。ルチアーノの家は元々大物マフィアの家柄で‥麻薬ビジネスにより財を成した一族である。彼の叔父の送別会にはガンビーノやフランク・コステロ・アルバート・アナスタシアなどの大物が名を連ねた。リックはその叔父に憧れマフィアに入り‥アニエロの元麻薬ビジネスで徐々に一家での地位をあげてきた。昔から喧嘩には強く…大のアジア人好きも攻をそうしてアニエロに日本での麻薬ビジネスの任を任せられた。
ステファニー
ルチアーノの妹で…トワたちの依頼者。突然消えた兄のリックの行方を探す為に探偵事務所に訪問した人物。ステファニーは叔父や兄の職業を知っているが…だからこそ心配したのである。かつてステファニーとリックの父もある時を堺に連絡が取れなくなり数週間後に遺体となって発見された。その事が頭に浮びいても立ってもいられなくなったステファニーはトワたちの元に来たのである。
カーマイン・スコッチ
アニエロの部下でルチアーノと共に秘密裏に麻薬取引を日本で進めてる人物の一人。ずる賢く…喧嘩に強い方ではないが頭が周り様々なビジネスを展開し金を稼ぎ出す。ルチアーノにとっては大切なパートナーであり…暴力団とマフィアを繋ぐパイプ役の一人である。
ジャック・ルビー
1920年代にマフィアと関わり始めて以降様々な仕事をこなし。運び屋…違法ギャンブル‥麻薬取引等を手掛け…正式なマフィアのメンバーではないにも関わらずカルロス・マルセロ、サント・トラフィカンテ、ジミー・ホッファらの側近たちと多くのコネを持っておりミッキー・コーエンとは友人だった。その後オズワルドがケネディ大統領を射殺した際に刑務所へ移送される車に乗る直前にオズワルドを射殺し自らも獄中で自殺を遂げた。
ケビン・コスナー
カルロスの部下でジャックをとある計画に誘う男。計画の全容は不明だが…彼がジャックを巻き込んだ事でジャックはその後悲惨な運命を辿る。物語の構成上…重要な人物の一人。
レナードクルー
ガンビーノ一家の暗殺を担う組織で…リッチモンドをリーダーとしてその配下にレナード…マイク…ダグ…ザックの4名がいる。彼らは暗殺命令の下った人物をブルックリンのアパートに連れ込み殺害する。その殺害方法は…サイレンサー付きの銃で頭を貫いた後…ターゲットの頭をタオルで縛り‥まだ動いている心臓にナイフで一刺しして殺害する。その後遺体を浴槽で洗い血を抜いた後…リビングで解体しバッグに積めて組織のゴミ処理場に破棄する。
リッチモンド
レナードクルーのリーダーで4人の部下を従えている。白人のレナードとザック…黒人のマイクとダグの4名である。リッチモンドはその4人の監視役のようなポジションで彼を通して4人はターゲットを伝えられる。失敗すれば自らの上司のコレクションにコレクトされるかもしれないという恐怖心から…動いている。レナードがこんな事はもうしたくない。とさじを投げかけた時はリッチモンドがレナードを拷問してまで彼を屈服させた。
レナード・コスナー
レナードクルーのサブリーダーでプロの「殺し屋」である。普段はブロンクス区の豪邸に住み…ロングアイランドに別荘まで所有している。5歳の子供が一人おり…彼の前では優しい父親である。だがひとたび依頼が舞い込むと決意を決めたような表情になりターゲットを始末する。ブルックリンで殺害に使われるアパートの全ての部屋を組織が借りており…レナードたちはそこの2階部分の4室を使用できる。NOAHに勤める黒人メンバーの寮としても使用され…そのアパート全てが組織の組員である。
マイク・スミ・ルーム
典型的なアフリカ系アメリカ人でレナードクルーのメンバーの一人でプロの「殺し屋」である。元々はルイジアナを拠点とするNigg「ニッグ」という黒人犯罪集団の団員であったが…カルロスの命を受け…ガンビーノファミリーに来た。プロの殺し屋であるが任務外の殺人も多く…その事でリッチモンドを度々怒らさせている。友人のゲイリーに彼の姪の殺害や…組織の事がバレそうになり突発的にゲイリーを殺してしまい…やむなく彼の遺体を解体しバッグに詰め処分する事となった。半分はリッチモンドが処分してくれたがもう半分は自身で処分せざる負えなくなり…古いツテを頼りルイジアナへ向かう事となった。その道中ニックスやウォルトンに足止めされたり様々な事があったがルイジアナに辿り着き…旧友であるニルズと会う事となる。
ウォルフ・ベル・アレン
NOAHに務める白人従業員で遺体処理を担当している。ゴミ処理場の工場長を勤めており…ターゲットの遺体を始末するのが彼の役目である。工場の中にアパートがあり…遺体処理を担当する者はそこに住まわせている。また工場内に売店もあるので食いっぱぐれる事はない。ゴミ処理場の工場長であると周囲に知れ渡っている為多少匂いがしても怪しまれない。年間で処理するほとんどは一般ゴミであり…自分が手をくだす必要もないので暗殺を特化してるメンバーに比べ賃金は劣るもののそれでも普通のゴミ処理工場に比べれば破格の賃金で雇われている。
NOAH「ノア」
マーダーインクの後継会社として設立され…「暗殺」を生業とする会社である。メンバーの大多数を白人で占められているが一部黒人もいる。表向きはゴミ処理場の運営をする会社という事になっており…全米全土から人員を募集している。だが…組織の組員以外が採用される事はなく…200人程がそこに務めている。暗殺に特化したメンバーと遺体処理を担当する者とに分けられており…特殊なゴミを扱う工場は全て組織の組員で埋め尽くされている。一般ゴミもしっかり処分する一方でそのゴミの中には暗殺されたターゲットの遺体も混ざっている。ターゲットの遺体が入った袋は1000℃を超える溶岩に放り込まれ骨ごと溶かされて処分される。リサイクルできるゴミに関しては組織の子会社と連携をとり再使用できるようにする。一般公募の人間の多くは組織の子会社であるリサイクルを担う会社に回されそこに派遣される手はずとなっている。また万一遺体を放置し過ぎて死臭がしてしまった場合も特殊清掃を担う部門の人間により消臭されるようになっている。
Nigg「ニッグ」
ルイジアナを拠点として暗躍する…黒人犯罪集団「ニッグ」彼らはカルロスの部下の黒人メンバーで構成されており基本的に誰もが嫌がる汚い仕事を回される。マイクは元々そこの団員であったが‥ある時…BOSSであるカルロスの命令でガンビーノファミリーに行くように命じられる。マイクの叔父や兄もニッグの団員で元々…カルロスがBARでマリファナを密売していた時の顧客の一人で今でもマリファナ目当てでカルロスの元‥仕事をこなしている。
ニルズ・ローガン・ゲイル
ルイジアナを拠点として暗躍する…黒人犯罪集団「ニッグ」のメンバーの一人。典型的なアフリカ系アメリカ人で…カルロスがマリファナを売っていた際の顧客の一人。ニルズはマリファナの魔力に取り込まれ…もうそれ無しでは生きていけない身体となっており…カルロスの部下である…白人男性…ディック・エリソンからマリファナを購入している。マイクがルイジアナに来た際は彼の頼みでゲイリーの遺体を処分した時のメンバーの一人。
「暴力団」関係者各位
稲川聖城
稲川会初代会長であり総裁。会津若松歩兵第29連隊に現役兵として入隊(父親が福島県出身であった為)。1936年、二・二六事件に鎮圧軍側の一人として出動。戦争終結から数年が立った1949年に5代目総長になると同時に稲川組を結成。その後、「鶴政会」、「錦政会」、「稲川一家」と名称変更を経て、1972年に現在の「稲川会」となった。稲川会を一代で築き上げた男である。
林喜一郎
稲川会最高顧問。初代林一家総長。グランドパレス事件の時の中心人物の一人で当時の錦政会の幹部の一人。横浜愚連隊四天王と呼ばれた内の一人で当時の日本において林の存在は一際目立つ存在であった。戦争中は兵役で満州に向かい弟が愚連隊を結成後…華中に転戦…昭和20年(1945年)の終戦時、林喜一郎は、上海で、八路軍(正式名称は中国国民革命軍第八路軍)に捕らえられ、その後捕虜生活を送った。終戦後は稲川会幹部としてその名を轟かせヤクザ界にその人ありと言われた男である。
後に制定される稲川会三カ条
一つ「稲川会内で揉め事を起こしてはいけない。揉め事を起こした者は破門」
二つ「麻薬・覚醒剤を扱った者は破門」
三つ「山口組と抗争を起こしてはならない」
田岡一雄「三代目組長」
山口組三代目組長。甲陽運輸社長、芸能事務所・神戸芸能社社長、日本プロレス協会副会長など様々な肩書きを持ち戦後の混乱の中山口組を成長させた男。神戸芸能社では美空ひばりや田端義夫などのトップスターを手掛けた。1937年(昭和12年)2月25日、山口春吉の舎弟に暴力を振るった大長政吉を福原遊廓で襲撃し、鉄瓶で殴打して頭を割る。その報復で山口組に殴り込みをかけた大長八郎(政吉の弟)を返り討ち、日本刀で刺殺後数年間を刑務所で過ごし出所後…戦後の混乱で警察力が弱体化し治安の悪い神戸の町と闇市を三国人から守るために自警団を組み頭角を現し、登の死後長らく空位であった三代目組長へ推す声が高まった。1946年(昭和21年)10月、組の長老たちの推薦により、山口組三代目組長を襲名した。三代目襲名時の組員の数は30名程だったがこの時代に2府33県に559団体、1万1800人余の総勢を擁する組織に成長させた現在の山口組の基板を作った男。
政府関係者各位
ジョンFケネディ
時の米国大統領。ケネディ家のルーツは1848年にジョン・F・ケネディの曽祖父パトリック・ケネディ(1823 - 1858)が、まだ英国領であったアイルランドでの差別と飢饉を逃れて新大陸アメリカを目指したことに始まる。ケネディの父ジョセフは米国で名のしれた政治家であり実業家であった。ケネディは1961年1月20日に第35代アメリカ合衆国大統領に就任した。このときジョン・F・ケネディは43歳8か月で、合衆国史上もっとも若くして選ばれた大統領であり‥後に訪れる暗殺への幕開けでもあった。順調に政治家としての道を歩み始めこれからという矢先の1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺された。
リンドンジョンソン
時の米国副大統領でケネディ暗殺後に大統領へと昇格した人物。フーヴァーFBI長官同様フリーメイソンの会員でもある。ケネディ大統領暗殺後に大統領へ昇格したジョンソン(第36代大統領)であったが、およそ100年前、リンカーン大統領暗殺後に昇格したのもジョンソン(第17代大統領)であった。同じ南部生まれの大統領としてはアイゼンハワーがいたが彼は軍人であった為引っ越しが多く…戦後の生涯の大半をペンシルベニア州バレーフォージで過ごした。南北戦争以来南部出身の政治家はなかなか大統領になれなかったが南部生まれのアイゼンハワー…そして南部出身のジョンソンが大統領となった事で南北戦争以来抱えていた一つの悩みの種がなくなった瞬間でもあった。
追記予定のキャラ原案
アッシュ・ゴールド・ジュニア(白人)
「ユダヤ系イギリス人」
(私立探偵)
裕福なユダヤ系イギリス人家庭に生まれ…大学卒業までをイギリスで過ごした。在学中から抜きん出た推理力で数多の難事件を解決し卒業後に探偵事務所を設立した。普段は街で私立探偵として活躍し…ヨーロッパにおける様々な事件解決に貢献している。また犯罪被害者支援団体「アッシュ」を設立し彼らを支援している。アッシュはそこの代表理事であり名誉会長でもある。ヨーロッパのホームズとしばしば新聞にも取り上げられ…TVやメディアに多数出演しヨーロッパにおける彼の人気は絶大である。
犯罪被害者支援団体「アッシュ」
様々な事件の被害者家族や遺族…親戚またはアッシュの思想に共感する人々が集まる団体。彼らは「犯罪にカラーは関係ない」をスローガンにして立ち上がり様々な人物や団体に抗議している。アッシュベル財団のテン・フー・リンやジャック・パーセル‥ノアのスコット・オブ・ライアン等しばしば肌の色で全てを判断する人間や検事…政府関係者に至るまで様々な人物を対象としてデモ活動を行っている。
シルバ・ロメオ(白人)ユダヤ系イタリア人
数年前に起きた連続児童殺傷事件の時の被害者家族の一人。犯人グループは黒人数名と白人数名で構成されたグループであった。しばしばシルバは「犯罪にカラーは関係ない」を言葉にし…黒人であろうと白人であろうと「犯罪者」は全員同じである。と叫んでる。例えばジャックのテン・フー・リン等は極度の黒人好きで彼らが例え犯罪者であっても擁護するのに対して白人男性が犯罪を犯した場合は強く非難する。その事に不信感をもったシルバはテンに対して強く抗議をしていく。テンは街で黒人犯罪者を強く非難する白人やアジア人たち全員を人種差別主義者扱いし周囲の反感を買っている。そんなテンに業を煮やしたシルバ・ロメオはテンに果敢に挑んでいく。
ブラック・ゲイル・ペイン(ハーフ)
ユダヤ系アメリカ人
数年前に起きた…妻子刺殺事件の被害者家族の一人。犯人グループは白人と黒人の男2名で…白人の男が車の運転をし…黒人の男が殺人の実行犯である。ブラックもシルバ・ロメオ同様に「犯罪にカラーは関係ない」をスローガンにしており…ノアに所属するスコット・オブ・ライアンが犯人グループの一人である白人の運転手のみを強く庇い…黒人の殺人犯だけを非難していた事に不信感を覚え彼に抗議をした。だが…スコットはそれでも白人男性はただ車の運転をしていただけを武器にしてどこまでも擁護する。スコットのその行動に不満を持ったブラックは彼と対決していく事になる。
ミスター・ブラウン・パーク(黒人)
数年前に起きた連続児童殺傷事件の時の被害者家族の一人。犯人グループは黒人数名と白人数名で構成されたグループであった。しばしばブラウンは「犯罪にカラーは関係ない」を言葉にし…黒人であろうと白人であろうと「犯罪者」は全員同じである。と叫んでる。例えばニアのチェ・ハラ等は極度の白人好きで彼らが例え犯罪者であっても擁護するのに対して黒人男性が犯罪を犯した場合は強く非難する。その事に不信感をもったブラウンはチェに対して強く抗議をしていく。チェは街で白人犯罪者を強く非難する黒人やアジア人たち全員を黒人至上主義者扱いし周囲の反感を買っている。そんなチェに業を煮やしたミスター・ブラウンはチェに果敢に挑んでいく。
needs「ニーズ」
ルイジアナを拠点として活動する。便利屋集団。その多くはルイジアナに住む黒人男性で構成されており便利屋を副業としてやってるものが多い。彼等の多くは…平日は普通の会社員や医師…警察…警備員…救命隊員として生活しているが中には仕事が平日が休みの人間もいてそういう人間たちのシフトは平日勤務に回される。勤務時間中であってもリーダーであるボビー・フェリックスの要請とあらば駆け付ける。ルイジアナでは犯罪者と知らずに…マイクの手助けをしてしまうが…後にマイクが犯罪者であるとわかった時はフェリックスがマイクを連れてきた弟のミックを強く怒った。
ボビー・ゲイル・フェリックス
典型的なアフリカ系アメリカ人で幼少の頃より運動神経がずば抜けて高く…学生時代100mでは負けなしだった。ある時…事故により足を痛めて走れなくなるが…彼が選手としてしっかりトレーニングを積んでいればオリンピックで金メダル間違いなしと言われてきた人物。全力で走れないまでも普通に歩く事やジョギングぐらいは可能だった為日常生活に害はない。大学卒業後に自身で便利屋「ニーズ」を設立し現在に至る。
ミック・ウォルコット・フェリックス
典型的なアフリカ系アメリカ人。マイクの幼馴染で…高校卒業までをマイクと共に過ごした。兄が立ち上げた便利屋「ニーズ」の団員でありマイクがルイジアナに来た際に彼を匿った人物。ミックの指示でマイクに扮した黒人たちが多くニューオーリンズの街に出現した為…オルフェはマイクの居場所を一時は見失う事となる。その後…兄にマイクが「犯罪者」であるとバレた時はボビーの怒号が部屋中を包み込んだ。ミックは涙ながらに謝罪し…兄から許しを得たのであった。
ロバート・ジェルジンスキー
ノアに所属する反共主義の男性で‥主に共産主義に反対している。反共主義者は共産主義者の政党である共産党や労働党に対しては、その一党独裁と政治的反対者への厳格な不寛容の傾向を持つ権力を批判している。ロバートは第二次世界大戦における何十万人という人間の死は全て共産主義に責任があると度々批判している。またロバートは平等主義を否定し人間の性質は通常は反共産主義によって説明されるという視点で、平等主義者による社会は理想的に見える一方で、実際には達成できないと考えていると度々語っている。
NOAHの下部組織(ニア)
ニア「near」は黒人を除いた全ての女性と…。白人…アジア人に対してだけ優しいが黒人のみを軽視する団体。デモがおきたり集会が開かれる理由は様々で女性の人権問題や…白人に対する黒人の問題行動等を起点として抗議する。ノアの下部組織で…様々な理由から黒人を嫌う者たちが集まっている。
チェ・ハラ
ニアに所属する白人好きのアジア人女性。黒人男性が犯罪を犯せばこの世のゴミとまで罵るのに対して白人男性が犯罪を犯しても…徹底的に擁護し彼は悪くないと言い張るアジア人女性。
(JB)下部組織「Jack」
白人を除いた全ての女性と…。黒人…アジア人に対してだけ優しいが白人のみを軽視する団体。デモがおきたり集会が開かれる理由は様々で女性の人権問題や…黒人に対する白人の問題行動等を起点として抗議する。ジャック・ブラウンの下部組織で…様々な理由から白人を嫌う者たちが集まっている。
テン・フー・リン
ジャックに所属する黒人至上主義者の女性。白人男性が犯罪を犯せばこの世のゴミとまで罵るのに対して黒人男性が犯罪を犯しても…徹底的に擁護し彼は悪くないと言い張るアジア人女性。
歴史のおさらい(ヨーロッパにおける黒人と奴隷貿易についての正しい知識)
現代のアメリカで深刻とされている黒人差別の原因ともなった奴隷貿易は元々…ヨーロッパ(スペイン、ポルトガル、オランダ、イギリス、フランス、デンマーク、 スウェーデン、アメリカ州を含むヨーロッパ系植民者)とアフリカとアメリカ大陸を結んで、その後約3世紀にわたってアフリカ原住民を対象として展開されてきました。
米軍に黒人軍人がいるようにイギリスにも数は少ないけれど黒人軍人がいます。イギリスでの黒人の歴史は第二次世界大戦以降と思われがちですがそうではありません。
古くは紀元前4世紀頃に存在し…遺骨まで現存している。遺骨は紀元4世紀の後半のものだと、年代が特定されている。
黒玉や象牙のブレスレット、イヤリング、ペンダント、ビーズ、青いガラスの水差し、そしてガラスの鏡と共に発見された。つまり、貧乏ではなかったということだ。
ヘンリー8世の時代に黒人のラッパ吹きの存在
チューダー朝時代には何百人もの黒人移民がイングランドに住んでいた。チューダー朝と言われてピンとこなければ、それは1500年代のことだ。
15世紀から19世紀にかけてヨーロッパ各地で奴隷貿易が開始されイギリスもまたそれによって巨万の富を得たのである。これらの出来事が確かにあってその後アメリカの現代社会に大きな闇を残す事に繋がったのは紛れもなく事実であるのです。
イギリスでは自国の過ちを認め1807年に奴隷貿易が禁止されたが…イギリスで禁止されてからも米国では奴隷制度がその後約60年に渡って繰り広げられ‥1960年代になっても黒人は法律の上で差別されていた。その問題を解決したのが有名なキング牧師である。キング牧師の元…黒人たちが結集しまたそれを支援する人間も増え…1964年7月2日に公民権法(Civil Rights Act)が制定された。これにより、建国以来200年近くの間アメリカで施行されてきた法の上における人種差別が終わりを告げることになった。
シリアでのイギリス軍。
※https://parstoday.com/ja/news/middle_east-i52673
MAKA‥特殊工作科
※実話を題材にしたハーフフィクション小説。史実(真実)に創作を織り交ぜた作品です