スカートとー週間 ①
「俺はお前のこと嫌いだわ。あんまり、お前がしつこいから付き合ってみたけど、もう限界。ベタベタしてきやがって、キモいんだよ! ストーカーみたいなこともしやがって。……俺は、相坂と付き合うことにしたから。じゃあな、もう俺に話しかけてくんなよ。」
ーー高3の夏、あたしの15年間の恋は終わった。
それから、毎日泣いた。理由をちゃんと聞きたくて、ちゃんと知りたくて、何度も秋斗に声をかけようとしたけど、あの時言われた言葉を思い出すと、勇気が出なかった。
友達から聞いた話だと、秋斗は、秋斗と同じクラスの相坂 愛里と付き合っているらしいことが分かった。学年でも一番可愛い女の子だと言われているらしい。
実際にクラスへ見に行ってみると、確かに可愛い子だった。悔しいけど、勝てる気がしない。
でも、諦めたらそこで試合は終わるぜ!!……って、慣用句? があったはず!! あきらめなければ奇跡は起こるはず!! あたしはそれを信じてる!
終わってしまった恋はもう一度始めれば良い! ――簡単なことだとあたしは思っていた。
でも、現実は違った。私は普通クラス、秋斗は特進クラス、カリキュラムの違いで同じ場所にいることすらなくなった。
気がついたら卒業式、久しぶりに確実に会える日。絶好のチャンスだと思い、前日は緊張で夜も眠れなかった。
「佐藤あかり。……佐藤あかり! 」と言う先生の声が聞こえた、と同時に、お尻に凄まじい衝撃が与えられ、目を開けるとざわざわとする体育館でみんながあたしを見ていた。
「……佐藤あかり!」とマイクを通した先生の声が聞こえた。
「返事して立て!」と後ろの席から小さな声が聞こえた。後ろの席の田中の声だ。さっき、あたしのパイプ椅子を蹴って起こしてくれたのも、田中だろう。
「あ、はい!」
しまった……焦りと恥ずかしさで固まった体を無理やり動かし、壇上にあがる。苦笑いをした校長から卒業証書を受け取り、体育館のあちらこちらから聞こえる笑い声に包まれながら、急いで自分の席についた。
卒業式が終わったあと、クラス記念撮影をしている中に秋斗の姿を探したが見つからなかった。
担任に聞くと諸事情のため卒業式を休んだらしい。
帰りに秋斗の家に寄ってみようとも思ったけど、やめた。会おうと思えばいつだってあえるんだから。
このあと、私は酷く後悔することになった。
秋斗は、私の届かないところへ行ってしまったのだから。
スカートとー週間 ①
ここまで読んでくださりありがとうございます!
恋愛もの好きなんですけど、いざ、自分で書いてみると難しいですね(´Д` )
しょっぱなから暗い恋愛ものって、恋愛ものって言っても良いんでしょうかね?! 最初に振られてからスタートする話って……自分で書いてみて、何度も読み返してみましたが、これで大丈夫でしょうか……!?
完結までには、恋愛ものって言えるように……頑張りたいと思います!