TOXIC

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愛を失くした私は
ただ快楽に溺れて墜ちていく。
奈落の底まで
世界は色彩を失って破滅の道を突き進む。
毒が沁み込んできて苦くて不味い。
なのに愛おしい。
ただ温もりが欲しくて
眠る時独りきりじゃ寒すぎて、
飛び込むための胸を探していた。
手探りで探すけど届かない体温
掴めない。届かない。
あなたが要るの
ただ本能のままに
溺れていく。
落ちていく。
愛を捨てて愛を求めて
その指で触れて
私を引き寄せて身動きせずに暖めて。
重なり合った背徳に
ただ離れたくなくてしがみついていた。



愛した人が死んだときとてつもない喪失感を覚えた。自分の体の一部が切り取られてしまったみたいに。
どこまでも深く沈んでいくと思った。水圧がひどくて苦しい。
胸の痛みが全身をむしばんでいく。忘れ形見を残してあの人はいった。
シャツのにおい、今でも覚えている。抱きしめられて目をまっすぐにやさしく見つめられたこと忘れられない。
恋をして愛を知ってそれをはく奪された時神をのろい悪魔に魂を売った。
誰でもよかったわけじゃない。けれど誰かに痛みをいやしてほしかった。
だから、たくさんの人に抱かれた。探していた。恋できる人を。そんな人いやしないのに。

TOXIC

TOXIC

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日 2020-03-25

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