レメディ

渡逢 遥

グロテスクな絵がひとり歩きしないように

胸にこびりつくにおいを 隠蔽しながら生きている

おびただしい数のじぶんの顔が

ひとりであるはずのじぶんを取り囲んでいる

つまらないものがふえていくたびに

つまらない人間になっている気がする

みんながわらっているわけが わからなくなって

じぶんがわらえないことにも どうでもよくなったら

頭に山茶花が咲いてしまう気がする

だから死なないように時々

換気しないと 腐敗して死ぬ

言わずにしまいこんだことばを細かく切って

『また』のひとことをさがしている

きのうからただ 逃げていたいだけ

レメディ

レメディ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-03-24

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