虚空

渡逢 遥

必要としてくれるひとが、ときみは謂う

必要としてくれるひとは、とぼくも謂う

いっている

謂っているうちにわからなくなる

呼吸が重たくなってくる

存在意義に飢えている

飴に小蠅がたかっている

見てほしいXXXに限って見てくれない と

世界にはじぶんしか いないとおもっていたころ

どう生きていたのか おもいだせないんだね

悟り 悟られ

諭し 諭され

諦め 諦められていたら

必要を必要とする意味が

謂っているうちにわからなくなってしまったんだ

心が死んでいなければ役に立たないものなんかないし、役に立たないひとだっていないよ

なにも救うつもりはなかったけれど

偶然救ってしまったなにかを目に浮かべる夜

きみはたぶん いまも泣いているんだとおもってしまう

きみもたぶん いますぐ泣き止みたいとおもっているだろうな

愛とか夢とか希望とか

必要とか

よく 知らない

いいよ 知らなくて

きみが死んだあともぼくは

死に方が不完全でどうせ生きてしまう

きみの謂うところの必要も

死んだら与えられても気付かないのに

いっしょに死のうだとか

いってい る いって イ る ?

死にたくないなんてひとことも謂ってないのに

死にたいひとたちが勝手に離れていく

必要って かたちがないくせに 脆いんだね

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・?)

ぼくがはなしていたひとは

ひとは

だれだったんだろう

虚空

虚空

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-03-23

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