希望の星

言葉に重さがあるのなら
彼はきっと言葉の瓦礫の下で
肋骨の軋みに喘いでいるのだろう

駆けつけたレスキュー隊は
彼の前を素通りして
知らず言葉を積み重ねる

スポットライトに晒され
盤上で喝采を浴びる
彼は。


プレッシャーを力にできる人は
実はほんのひと握りだ

再び立ち上がる彼を
強い人間に仕立て上げているのは
拍手を送る私たちかもしれない

(それでもなお希望の星を掲げてしまう私たちは!)

希望の星

母はフィギュアスケートが好きで、2月になると楽しそうに応援しています。私は知らない人の勝ち負けに重きを置かないので、そんなもんかなぁと一緒に観ています。

希望の星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-22

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