坂道に追い風

第一志望に行けなかった私の
うしろ髪を巻きあげて
桜まじりの風が吹きます

ぱんぱんになった鞄を
なかば引きずるように
私は歩いていかなければなりません

ゆるやかで長い坂道を

もうすでに息は切れていて
鋼のような太ももが
私に訴えかけます
「そろそろここらでひと休み!」

私は一度足を止めて
遠くを歩く彼らをあおぎ
もっと早足で歩き出します

いつか あの場所へゆけるでしょう
仲間と出会って 長い坂道だったと 笑うのでしょう
私が私に報いる日が いつか 必ず

・・・・・・

来ないのかもしれません
あの日違えた道は永遠に交わらず
私は見当違いな道をひっしに歩いているのかもしれません

それでも
どこにも辿りつかない坂道は無いと信じて
花降る追い風を一身に受けるのです

坂道に追い風

これもとても気に入ってるやつ。1回生(ここにあるのは全て1回生の頃書いた詩だけど)の4月12日に書いた。多感な時期(笑)。
第一志望に落ちた自分を思って悔し涙をこぼしながら、国文から発達への途中にあるゆるやかな上り坂の道路をひとりで歩いていた。春だった。

坂道に追い風

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-22

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