birth
思えば
初めて道を間違えたのは
私がまだ精子と卵だったころ
彼は右に行くべきだったのに
何をとち狂ったか左へ向かって
運命の片割れと出逢いました
かわいそうに彼の兄弟たちは
出口のない二人の愛の巣で
手渡せなかった恋文を抱えて死んでいく
狭い産道をとおって
ひかりに晒される私を祝福するのは
幾億もの白い紙ふぶき
ひらひらと
ひらひらと
ここに辿りついた私に
死骸のラブレターが声援をおくる
生きろよと
がんばれと
産声をあげる私に
死骸のラブレターが声援をおくる
birth
これはかなり気に入ってるやつの1つ。もうだめだってなった自分が読み返して生きるための詩。