夢の轍

核を濁して嘘を清める 腹

どう伝えたところで もうきみは きみは

帰って・・・・こないんでしょう?

約束しなくても 空
綺麗だったのに

朝 消えるほど 透明だったよ

目が覚めたら きみは生きてるのに きみはもう死んでいて

現実が夢になる 残り香も書き置きも手の感触も
すべて 月の轍に 攫われて

朝 消えるほど 透明だったよ

愛してると脳に書いたら
愛してると脳裏に谺が響くの かな

わすれてしまいたくて 消してしまいたくて

春を無視していたら また春が来てしまった

変わったんじゃなくて もとにもどっただけだよ

塩辛いさよならが目に染みて 舌がうまく使えない

笑った時間だけ笑えない時間が来ることを

ただ受け入れるしかなくて

夢の栞を束ねていたら

いつのまにか また春が来ていた

夢の轍

夢の轍

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-21

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