必ず

必ずやってくる、私はあの子と一緒に必ずやってくる。「約束する」彼女はそう言った。鳴りっぱなしの時計が壊されていく様を見ながら私は空を見上げた。

約束した。彼女は必ずやってくるって。
鳥の音だってもうずっと昔に忘れた。窮屈な音に身を潜めて、私を理解して。あなたはそう言った。
必ず私があなたのところに行く。あなたはそう言った、でも私は行かなかった、そんなこと許される?

だからあなたは私に会いに来る。例え私が死のうともあなたは会いに来る。鳥の夕暮れに染まって影を見る。ブランコの揺れがあなたの足跡を乗せる。傍にいるならもう一度だけ。

必ず

必ず

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-18

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