Unlock!(R18)
注意事項
①米印はト書きです。読まないでください。
②カッコ内は読んでください。
③この作品は、男性3人女性4人の合計7人声劇です。
④この作品はR-18です。18歳未満の方はお気をつけください。
Unlock!(R18)
〔登場人物〕
・嵯峨峰 愛梨(さがみねあいり/♀)
・山下 葵(やましたあおい/♀)
・栗川 猛(くりかわたける/♂)
・本江 祐子(もとえゆうこ/♀)
・中田 真美(なかたまみ/♀)
・中田 玲央(なかたれお/♂)
・ナレーション(N表記/♂)
N:これは、主人公の嵯峨峰愛梨(さがみねあいり)と周りが織りなす茶番劇である。彼女は、お酒片手にフワフワと謎な言葉を並べる会社員。この日は翌日から3日間も休日であるということで、帰宅後すぐに飲み始めた。
愛梨:お酒はあまい♡あまいよお酒♡メロンだピーチだグレープだ♪レモンは嫌い、酸っぱいのだめ。梅ちゃんダメダメ天下り♪
…おっと。フラッッときちゃった。
N:その瞬間、彼女は近くの音楽プレイヤーに衝突し再生開始。腕が音量つまみに引っかかり最大音量に。
猛:ただいま、今帰ったぞ。
玲央:猛さん、おかえりなさい。
ご飯にしますか?お風呂にしますか?お酒の時間ですか?
猛:こうするしかないんだよな?
玲央:あなた…♡ ぎゅ~♡
猛:ん…、ん…。
玲央:はむ♡ ん♡ あむ♡
愛梨:あえ?何か聞こえるぞぉ~?
ま、いいや♪
葵:何か急に下がうるさいわね。一体何事かしら?急に変なやり取りを始めるだなんて。こっちは明日も朝早くから仕事なのに、冗談じゃないわよ。
N:爆音で響くは2人の男性のリップ音。あろうことか、かけたCDはまさかのシチュエーションBL。しまうのをすっかり忘れていたのだ。
玲央:…た、たけるん…。
猛:玲央…。
「玲央、愛してる…。」
玲央:たけるん…♡
「だぁ~いすき♡」
ひゃあ♡あん♡
猛:れお、れお。玲央!
玲央:キス、きす♡ あん♡
ちゅ♡ はむ♡ あむ♡ はむはむはむ♡ あん♡
猛:ん…。ん…。
玲央:たけるんの…♡ あん♡ 大きくてボクからはみ出ちゃうくらいだよ~♡
あん♡♡ そ、そんなに強く貫かないでぇ~♡♡
愛梨:いいぞいいぞぉ~。もっとyられぇ~。 グヘヘ♪
今日もコーラチューハイが美味しいし進む進む。 ウヘヘ♪
N:一方、愛梨の家の外では。
猛:ん?何か変な音が聞こえるんだが。一体何の音だ??
聴くからに、何かのやり取りらしい気はするが。
こんな夜遅くに騒音問題で近所迷惑とかゴメンだぞ…。
N:隣の住民に至っては…。
真美:ねぇ、ちょっと。あなた…。
玲央:…ん?どうかした?
真美:隣の部屋から大音量で何か聞こえるのですが。
玲央:ん?
玲央:“あぁ~ん♡ いっくぅ~~♡♡”
玲央:…。
真美:あなた…。
玲央:よし、決めた。隣の部屋に行って来る。
真美:私も行きます。
玲央:よし、行こう。
N:外でも…。
猛:あの部屋、ずっとライト付けてるからな。それに、“五月蠅い(うるさい)”。
愛梨:あっれれぇ~?おっかしぃぞぉ~?もうお酒が無くなっちゃった。(´・ω・`)
冷蔵庫から…。
とちおとめチュ~ハイ~♪
んん~!あっま~い♡
猛:ノックノックノック。ノックノックノック。
N:誰かが愛梨の部屋をノックしている。
愛梨:はぁい?どちらさまです??
猛:外を歩いていた者です。あまりにも五月蠅かったのでやってきてしまいました。
祐子:愛梨さん?夜遅くに私を起こさないでください。
またお酒でなにかしでかしたのですね?
N:猛と一緒にいたのは、このアパートの管理人である“本江裕子(もとえゆうこ)”。猛からのクレームにいち早く対応をしてくれたのだ。
祐子:入りますからね?
失礼します。
猛:うっわ!!
何なのですか?!このボリューム。耳が痛い…。あぁ、痛い…。
愛梨:んぁ?
あっれぇ??
N:愛梨。全く気が付いていない。ハッピーウーマンである。
愛梨:そこのお姉さん、どちら様です?なんで勝手に私の部屋に??
祐子:(※音楽機器を破壊するかのような大声で)
“そのBGMをさっさと切って!!!!!!!!!!!!”
愛梨:んあ?
猛:(あ!これを使おう!!)
ちょきん♪
N:猛は近くにあったはさみで再生機器のコードを強引に切断。停止。周りはさきほどの管理人の絶叫が響いている。
真美:ちょっと?お隣さん?(怒)
玲央:爆音を響かせて変なもの流してんじゃねぇよ…。こっちは人(ひと)さまが気持ちよく寝付いていたのに。
猛:ったく、これじゃあ明日の仕事にも遅刻s…。
…って、“玲央?!”
玲央:あい?
え?!“猛さん?!”
真美:あなた、知り合いなの?
玲央:知り合いも何も、同じ事務所所属の声優だぞ!それに、お前とも何度か食事をしているんだぞ。
もしかして、先月の俺の誕生日会で一緒にお話をしたの忘れた?!
真美:…あ!思い出した!!
あなたを上手くはぐらかしたっていう…。
玲央:そう!その人!!
まさかこんな近くにいたとはなぁ。
猛:たまたまだよ、たまたま。
葵:…何かしら?下がやけに騒がしいと思ったr…。
N:猛と玲央。何かを察したのか、仕事で培ったイケボで葵に挨拶。
玲央:“どうも♪葵さん♪突然驚かして、申し訳ありません。”
猛:“すまんな、上の階の人。もし、上の階じゃなかったら申し訳ない。
この部屋がやけに五月蠅いから管理人を呼んでたたき起こしてもらったのさ。
正確に言えば、警告を与えに来た。だな。”
葵:え?玲央様に猛様!?
なんでこんな私が激推しの人気声優様がここに?!
猛:“君。名前を教えてくれ。”
葵:…は、はい!わたし、“山下葵(やましたあおい)”と申します。つい数日前にここに引っ越してきました。2人の大ファンで、シチュエーションCDはコンプしています!初回限定盤に通常版、予約限定生産盤に各キャラクターがジャケ写になっているもの全て。ライブもほぼ全てコンプしています。
猛:“…何だか、恥ずかしいなぁ。”
玲央:“でも、良かったじゃないですか。我々のファンがこんなにも近くにいてくれていますし。”
真美:ちなみに、葵さんは何故このアパートに?
葵:大きい駅が近くて、比較的静かな所に建てられているということです。周辺もコンビニやらスーパーやら病院等々、充実していますし。
祐子:というわけで。
“愛梨?アンタは私と一緒に来なさい。”
N:祐子、愛梨を勢いよく往復ビンタ。流石に酔いが醒(さ)めたようだ
愛梨:は、はい…。
N:愛梨、連行。
祐子:少し彼女に説教してくるから、そのまま皆さんで仲良くしててください。この部屋の物、食料品含めて勝手に使ってもらって結構ですから。
猛:はい!ありがとうございます!!
あ、管理人さん。1つ質問です。
祐子:何かしら?
猛:もう夜も遅いですから、この部屋で一晩明かしてもよろしいですか?
勿論タンスやクローゼット等は開けたりしませんし、犯罪やそのまがいもしないので。
玲央:何かあれば私も責任を取るので。
祐子:なら、安心だわ。
ほら、これがこの部屋の鍵。自由に使っちゃっていいから。管理人の言葉よ♡
N:祐子、愛梨を閉じ込め大説教。無期限の禁酒も約束されてしまった。それだけではなく、部屋の随所に防犯カメラを強制設置し常に監視されていることも約束された。
祐子:いいわね?!
愛梨:じゅびばじぇんでじた~~!!!
(※すみませんでした~!!)
(お酒がもっと飲みたいのに~!!)
N:一方、その頃。
猛:お!み~つけた♪
玲央:?
真美:何かありましたか?
猛:こんなところに“未開封の色紙”があったぞ。10枚入り。
葵:!!
真美:葵さん!やりましたね!!
葵:うん!
玲央:“せっかくですし、ファンのためにサインでも書きますか。”
猛:“あぁ、そうしよう。
間違っても、売ったりするなよ?こんなにも大ファンなんだから、大切にするくらいは余裕だよな?”
葵:勿論!!
玲央:でしたら、早速書きましょう。ペンも見つかりましたし。
私から先に。
“私の親愛なるファン、山下葵様へ。中田玲央。”
よし!
もう一枚は、さらさらさら~。
よし!OK♪
猛:次は俺だな。
“俺の虜(とりこ)になってくれた山下葵さんへ。栗川猛。”よし。
それと、さっきの玲央のに書き加えて…。これでいいかな?よしとしよう!!
真美:楽しみね♪
葵:ドキドキ!ワクワク!
N:ここからは、葵のお楽しみの時間である。
猛:“葵、俺たちからのプレゼントだ。受け取れ。”
玲央:“こんなものくらいしか用意できなくてごめんね。
また時間に余裕が出来たら、キミの部屋に遊びに来ちゃおうかな♪”
葵:え?!玲央様が私のお部屋に?!
猛:“おい、ちょっと待て。そこは俺が一番だろうよ。”
玲央:“何でなのですか?”
猛:“葵が好きなのは、「この俺」だからだよ。
Noだなんて、言わせねぇよ。”
葵:(キャーーーー!!!!)
玲央:“いいえ、違います。一番の激推しはこのボクですから。
ね?葵ちゃん♡”
葵:(キャーーーー!!!!)
猛:“おい!葵!!”
玲央:“ねぇ、葵ちゃん♪”
猛・玲央:“俺(ボク)たちのどっちが一番なんだよ(なのですか)?!”
葵:(両耳イケボ~~♡♡)
同率一位、です♡どちらかに決められないのです♡
真美:(うふふ♡葵ちゃん、幸せそうね。今夜はゆっくりと眠れそうね♪)
猛:“玲央。”
玲央:“はい、何でしょうか?”
猛:“もういっそのことさ、俺たち2人で遊びに行こうぜ?
実は、俺の家もここから近いし。歩いて3分もありゃ着く。”
玲央:“え?そうなの??”
猛:“あぁ、本当さ。今度、お前を招待してやるよ。アニメの会議でもするか。”
玲央:“それもそうですね。”
葵:いいなぁ。(´・ω・`)
猛:(しゃあねぇなぁ~。)
“葵。お前の部屋に、玲央と2人で遊びに来るからよ。その時、何かお土産でも持って来るわ。きっと、喜んでくれるぜ。”
玲央:“そうだね、そうしよう。”
葵:楽しみだぁ~♡
真美:せっかくですから、御三方でお写真どうですか?私が撮りますよ。
玲央:感謝!!
猛:賛成だ!!
葵は、この真ん中。少し前かな?
玲央:そうそう。そのすぐ後ろに僕たちが…。
真美:OK♪そのまま。
N:真美、20枚もの写真を撮影。そのうち、数枚は2ショットも混じっていた。なぜそこまでして撮れる?
祐子:…ただいま戻りました。
猛:よろしければ、一緒にお写真でも?
祐子:えぇ?!そんな、私なんて人がこんな…。
玲央:(※祐子のセリフにかぶせるように)
私も問題ないですよ。一緒に。ね?
祐子:…は、はい!!
N:真美、追加で数枚撮影。
祐子:ありがとうございました。
玲央:あと、こちらを。
我々2人のサインです。
猛:感謝の気持ち、ということで。この部屋も今晩だけですが貸していただけるということへの気持ちも込めて。
祐子:本当に、ありがとう。
もうこんな時間ですから、改めてゆっくりと休んでくださいね。
おやすみなさい、皆さん。
葵・真美:“おやすみなさい”
玲央・猛:“おやすみなさい、祐子さん♡”
玲央:我々も寝ましょう。
真美:皆さん、おやすみなさいませ。
葵:真美さん、ありがとうございました。
“玲央様♡猛様♡おやすみなさい♡♡”
真美:おやすみなさい。
玲央:“おやすみなさい、葵ちゃん♡”
猛:“良い夢見てくれよな!”
N:愛梨とその周りが織りなす茶番劇、“Unlock!”。これにて閉幕。
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訂正情報
・3月19日(木) 本文の一部を修正。