狗尾草のころ

狗尾草のころ




     
レボトミン6錠、溶ける。

慟哭。白い群れ。生きた。数限りなく。

「わすれないでね、わすれないでね」。

反芻する初夏の熱度を飲み込んで、いまなおあの川べりの解離。もっと路を。なのに歩けない。吐くものがなく吐瀉する息。踏み外して擦り剥ける。一つだけでよかった。

「ずっと、リルの、みかただからね」
      

狗尾草のころ

作品集1 http://slib.net/a/1845/
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

狗尾草のころ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-13

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