コント 2020 20話

西川詩乃

得意な分野でコメディーも

コント2020 20話

コント 宮高監督の講演
「みなさん、今日は、映画監督の宮高一伯先生が来てくださいました。宮高先生、今日は、よろしくお願いいたします。」

「モロの娘だね、噂は聞いているよ。」

「違いますよぉ!…先生、時間ですので、こちらへお願いします。」

「はいはいはいはい。」 

「みなさん。オホンオホン‥
今日は、遠い所、おこしいただいて、ありがとうございます。
まずは、僕の、プロフィールから、話していきたいと思います。
僕はですね、東京都江戸川区出身で、高校卒業後は、
新聞社で、挿絵やライターをして、働いていました。
新聞社を退職した後は、アニメーション部門にいきまして、
初めて、監督を務めた作品が、『バナナのダンゴ』というアニメになります。
これはね、小さな女の子がバナナボートに乗って旅をするという話です。
次の作品は、『未来少年孝太郎』という作品です。
この作品を機にですね、僕は、
広報担当に鈴木くん、絵コンテ担当に高畑くん。
その3人と共に、『スタジオ ブリブリ』という会社を、
設立しました。
初めての作品が、『天空のプータロー』という作品です。


それで、僕の、代表作である、『隣のトロロ』は、プータローの次の作品になります。
小さな子供にですね、『トロロは本当にいるの?』
と、聞かれた時に、僕は言葉につまりました。
僕はですね、キャラクターにリアリズムは求めていません。
ただ、子供達から愛されるキャラクターを生みたかったので、トロロを書いた、それだけです。
よくね、嘘つきと言われますけども、僕はですね、嘘をついているつもりはありません。
ただね、笑わせたいんですよ、人を。

スタジオ ブリブリで働きたい人は、毎日のように僕の会社に来ます。
もちろん、絵が描ければ、雇ってあげられますよ。
席が空いていればの話ですが‥。

ただ一つ、約束してください。
犯罪は、これっきりだぞ。

いいですね。人を傷つけることも、犯罪です。
人を傷つけることをしない、それが、スタジオ ブリブリの掟です!」

「はい、先生、今日はありがとうございました。
みなさん、宮高監督に、大きな拍手をお送りください!」

「今日は、みなさんにお会いできて、とてもいい経験になりました。
どうも、ありがとう!」


コント トウミ君と源氏、バスケ竹野内選手と会う

ゲ「遅れてごめんなさい!今、用意します。」
ト「いいよ。俺がほとんどやっておいたから。」
ゲ「そうか、ありがとう。元気ないね、どうしたの?」
ト「いやー、今日さ、バスケの竹野内選手の撮影だから、俺、緊張してるんだよ。」
ゲ「大丈夫だって!」
ト「いや、分かんない。だってさ、竹野内選手って、すごいカッコイイって言われてるじゃん。‥俺、あの人のこと、うまく撮れるかな?」
ゲ「大丈夫だって!!」
ト「怒らせたらどうしよう?」

タ「ちわーす。」
ト「あっ、竹野内選手。早かったですね。」
タ「すいませーん。俺、待ち合わせより、30分早く、到着するタイプなんで。」
ゲ「そうですか。では、こちらへどうぞ。」
タ「どういうポーズしますか?」
ト「えっと、じゃあ、両手を組んで、上にあげてください。」
タ「こうっすか~。」
ト「あ、オッケーです。」

ゲ「竹野内選手、今日は、ありがとうございました。」
タ「楽しかったっすぅ~。よければ今度、一緒にバスケしませんか?」
ゲ「え‥。」
ト「はい、竹野内選手とならよろこんでご一緒させていただきます!」

練習当日

ゲ「どうすんの、こんなことになっちゃって。」
ト「大丈夫だって。俺さ、高校3年間、バスケ部だったから。」
ゲ「え、そうなの?俺もね、中学3年間、バスケ部だったんだ。」
ト「なら、高校は?」
ゲ「写真部。」
ト「それなら、今の仕事に生きてるね。」

男「ちわぁ~。どうしたんすかぁ。」
ト「あの‥竹野内選手と約束があって。」
男「竹野内君なら、奥でドリブルしてます。」

ダムダムダムダム‥

ゲ「竹野内選手!こんにちは!」
タ「おぉ~‥お二人、バスケ部だったんですねぇ。俺、スイッチ入っちゃいました。」
ト「え、どうして知ってるんですか?」
タ「聞こえてました。」

タ「さっそく、始めていきましょう。俺とお二人で‥。」
ゲ「ええ!大丈夫かなぁ!」
タ「大丈夫っすよぉ!」

ダムダムダム‥
タ「2人、強いっす。」
ト「いやいや、竹野内選手にはかないませんよ!」
タ「俺、ちょっとぬけていいですか。」
ゲ「はい、どうぞ。」

ゲ「竹野内選手、超強い。俺また、バスケやりたくなってきたわ。」
ト「俺はもうこりごり。プロの速さに追いつけない。」

タ「すみません、遅くなって。クソしてきました‥。」
ゲ「え‥。」

ト「その後、源氏と俺は、竹野内選手に、指一本触れられなかった。
試合中のクソは、竹野内選手の隠し技らしい。
源氏は、バスケに本気になったようだ。
俺はもう二度と、竹野内選手とバスケはやりたくない。」


コント 宮高監督の講演2
アナウンサー「みなさん、こんにちは!今日は、アカデミー賞長編アニメーション部門で、最優秀作品賞を授賞した、『琥珀川の首飾り』の監督、宮高先生がお越しくださいました。
みなさん、拍手で、お迎えください!」

宮「はいはいはいはいはい。」

アナウンサー「宮高監督、今日はよろしくお願いいたします。」
宮「はいはい、よろしくね、分かりました。」

宮「オホンオホンオエ‥。」
アナウンサー「監督、大丈夫ですか?お水、お飲みください。」
宮「大丈夫大丈夫。オホンオエ‥。」

宮「前回の講演で、僕のプロフィールを紹介しました。なので今日は、スタジオブリブリの映画作りの、基本的な流れを、紹介をしたいと思います。
まず、ストーリーと音楽はセットです。
作曲家の久石君を、ブリブリの事務所に呼んで、三日三晩、寝ずに、ストーリーと音楽を考えていきます。
その後、キャラクター設定に入ります。
キャラクター設定は、僕の仕事ですから、僕が頑張るんですけど、高畑君からの、厳しい指摘が入りまして、キャラクターは10段階の推考の下、決められていきます。
キャラクターが決まれば、もう二度と変わりません。
天空のプータローの、プータローのヘアは、金髪か黒髪で、すごく悩みました。
プータローっていうのは、遊び人ですからね、金髪でもいいかなと思ったんですけども、
高畑君の方から、あの~、教育に悪いという指摘が入りまして、黒髪で、進めていきました。
その後は、絵コンテに入ります。
絵コンテは、高畑君の担当ですから、僕は一切、手をふれません。
ただ、ここでいつも問題が起きます。
高畑君が、勝手にキャラクターを変えてしまうんですよ。
自分のタイプの子ではない子にするんですね、やっぱり‥主人公っていうのは、とても苦しい思いをしますから。

オホンオエ‥

その後はですね、背景を描いていきます。
ここまでくると、広報担当の鈴木君が、動き出します。
ラジオ出演、テレビ出演、ネットニュースへのコメント等々‥
ここで鈴木君がしっかり働いてくれないと、集客が変わりますから‥。

大体の映画が出来るとですね、アフレコの作業に入ります。
アフレコというのは、声優さんを呼ぶわけですね。
ただ、高畑君というのは‥オーエ‥
声優に、自分の友達を使うんですよ。
だから、全然イメージが変わっちゃうんですよね、それは僕のせいじゃないんですけど、僕が困るんですよ。
アフレコは大体三日で終わります。

こんな感じで、映画が作られるんですけども‥、一本の映画につき、スタッフが約3人辞めます。映画はですね‥オーエ!とても命がけです。

皆さん、スタジオブリブリの掟を覚えていますか?
人が嫌な思いをすることはしない。それは犯罪です。」

アナウンサー「はい、宮高監督、今日はありがとうございました。
みなさん、宮高監督に、大きな拍手をお送りください。」

宮「オーエ!犯罪は、これっきりだぞ!」


コント 宮高監督の講演3
アナウンサー「今日は、『琥珀色の恋煩い』で、金熊賞を受賞した、宮高監督が、お越しくださいました。みなさん、拍手でお迎えください!」
宮高「はいはいはいはい。」
アナウンサー「先生、今日はよろしくお願いします。」

宮高「はいはいはいはい。分かりました。
えー‥前回まで、僕のプロフィールと映画製作の流れを紹介したので、僕の過去の作品の秘密をですね、みなさんに、お話したいと思います。
まず、天空のプータローはね、プータローが天空の城を目指すという話なんだけど、本当は、プータローは元から、天空の城にいて、バイオリン職人を目指しているという設定でした。プータローはバイオリンの作り方を知らないので、地上から来たバイオリン職人の女の子ルシータから、バイオリン作りを習うという設定でした。でも高畑君から、「もう少しオーソドックスの方がいい」と言われまして、今現在の、ストーリーになりました。
次の「もののけ森」なんですけども、最初、主人公のサンは、高校生で、制服を着ていたんですよ。現在から、もののけの太古の森に、タイムスリップするという話だったんですね。
どこからかというと、隣のトロロに出てくる、木の幹の中からです。

僕の代表作といえる、「風の谷のナムコ」。主人公のナムコのスカートの中身をですね、どうしようかということで、高畑君といろいろ話し合ったんですけども、結局決まらなくて、何もはかせず、劇場化ということになってしまいました。
そこは気がかりなんですけども、ナムコの中に出てくる、リスネズミは、トロロの次にお気に入りのキャラクターです。
全ての僕の作品に登場させたい子なんですけども、ポケットゴースターにですね、一度、著作権をとられまして。著作権どころでなく、僕のお抱えの作曲家、久石君までも盗られそうになりまして、まぁ‥広報担当の鈴木君がですね、両方とも取り返してくれたんですけども。まぁ、それはよかったです。

まぁ、最後になりますけどもね、2020年東京オリンピックパラリンピックが開催されるわけです。
僕はね、生まれてこの方、東京に住んでいます。
なのに、僕に、ひと声もかからない。

スタジオブリブリの名にかけて、なんとしても、廃止させる。
僕を呼ぶなら、別ですが。」

アナウンサー「はい。宮高監督、今日はありがとうございました。
今日は一段と素晴らしい講演でございました。
みなさん、宮高監督に大きな拍手をお願いします。」

宮高「オーエ!犯罪は、これっきりだぞ!」


コント 宮高監督の講演4
アナ「みなさん、今日は、『ハウシーと動き蟲』で、アカデミー賞を授賞した、宮高監督が来てくださっています。宮高監督~!」

宮「はいはいはいはい。オーエ!」

アナ「宮高監督、今日はよろしくお願いいたします!」

宮「はい、はい。」

宮「チッチッ。チッチッ。‥ウッ。」
アナ「宮高監督、どうしたんですか?」
宮「ウッ、チッチッ。チッ。」
アナ「宮高監督、何をされているんですか?」

宮「いやいや‥。私の友人がね、あの~‥今、調子のってる水泳選手、池江のことが好きでね!」
アナ「ああ~‥そうだったんですか‥。」
宮「それでね、池の秘密のブログで、池が、ポプリ作ってるっていうもんだから、
友人が真似してね。あの‥ポプリ作ったんだけど、作ってる最中に、心臓発作で亡くなったんだよ。」

アナ「ええ、そんな!」
宮「これは、本当だよ。
スターになるんだったらさ、見知らぬ人から、愛されることだってあるんだからさ!
そういうことだって分からないと!」
アナ「そうですよねぇ~‥。でも、とりあえず、今日は、講演をお願いします。」

宮「はいはいはい。オオオ、オエ!」

宮「もういろいろ話したからさ、何か僕に質問がある人はいますか?」

竹野内「はい。」
宮「はい、君。」
竹「すみません、質問なんですけど。」
宮「まず名前を名乗ってくれるかな!」
竹「僕はバスケをしています、竹野内です。」
宮「はいはい、竹野内君、何かな?」
竹「宮高監督の好きな食べ物を教えてください。」

宮「映画に関係ないことだね。」
竹「すみません、どうしても知りたくて。」
宮「いいよ、じゃあ、答えよう。好きな食べ物は、ハンバーグです。」
竹「へえ~、意外でしたぁ。どうしてハンバーグなんですか?」
宮「いや、ハンバーグって答えておくとね、何も送られてこないんだよ。
送られたとしてもね、ハンバーグ屋のクーポンだから、こっちも困らないんだよ。」
竹「そういうわけだったんですか。勉強になりました。」

宮「いやいや、構わないよ。オエ―オエ―‥
あのね、夏の災害で、僕の調子悪いから、今日はこれくらいで‥。」

アナ「はい、宮高監督、ありがとうございました。」

宮「いいよいいよ‥オエ‥
犯罪は、これっきりだぞ!」



コント 大女優ファン・ムランの記者会見

社長「今日は、中国を代表する女優、ファン・ムランの記者会見にお集まりいただき、
ありがとうございます。560億円の脱税疑惑について、ファン・ムラン本人の口から、
お答えいたします。みなさん、拍手でファンをお迎えください。」

ファンが入場する

社長「ファン、今日は疑惑の内容、全てを答えるのだ。」

ファン「ああ、今日は私のために集まっていただき、ありがとうございます。
ここには何人いらっしゃるでしょうか?私はこんなに多くの人が参加している結婚披露宴を見た事がありません。」

社長「今日来ているのは、430人の記者たちだ。」
ファン「そうですか、社長。多いですね。」
社長「脱税疑惑について、しっかり話すのだ。」
ファン「分かりました。私が女優になった理由は、貧しかった家の家計を助けるためです。
私は、初めての主演映画の撮影の朝、実家の畳の部屋の姿鏡で、母からもらった口紅をぬりました。
私は、トップスターに登りつめてからも、同じトップスターの男には興味が持てませんでした。私が気にかけていたのは、村に住み、労働を強いられている男達のことです。」

社長「(うなずく)ファンは人一倍、愛情深いんだよ。」

ファン「私は村の男達の、1000億倍のお金を、スクリーンで稼ぐ自分を、許すことができませんでした。
映画『恋スルテオドール錠』で、私の給料は、500億円です。
でも、私は、5万円と報告してしまいました。
それが、脱税疑惑の真相です。」

社長「ファン、よく言ってくれた。(拍手)ファン、手紙が届いているよ。」

ファンは手紙を受け取り、口を抑え、泣く。

ファン「拝啓 ファン様。
あなたの愛情は、僕の全てを包みます。
あなたがいない映画界など、ただの茶番でしかありません。
あなたの出ている映画は、僕の人生を全てです。
あなたを愛しています。
あなたの一番のファンより。‥あああ。」

社長「これで分かっただろう。ファンがどれほど、中国国民から愛されている女優か。」

ファン「私が、女優として生きてこられたのも、
中国の政府の素晴らしい政策のおかげです。
これから私は、500億の滞納金を返し、一刻も早く、スクリーンに戻れるよう、
精進してまいりたいと思います。」

社長「今日は、中国の大スター、ファン・ムランのためにお集まりいただき、ありがとうございました。」


コント 大女優カリファの授賞式
「今日は、僕(マイク)の従姉の女優、カリファ・ローレンスのゴールデングローブの授賞式だ。
カリファは、『赤いバラの棘』という映画で主役を務め、ノミネートされている。
赤いバラの棘は、カリファ演じるトミーが、レオナルド演じる大物政治家、プリオの偽の妻を演じるという映画だ。」

「そんな。」
スマホを見るカリファが言った。
マイクが聞いた。
「どうしたんだい?」
「たった今、ジャックとの離婚が成立したわ。」
「よりによって今日かよ!今日はカリファの大切な授賞式じゃないか!」
「ええ。ジャックは結婚した時から、私への気持ちは少しもなかったわ。ジャックはいつも自分のことばかり。別れて正解よ。」
「お気の毒に。」
「いいえ、大丈夫よ。」

コンコン
「はい。」
「お姉ちゃん、ゴールデングローブ、ノミネートおめでとう。」
「ありがとう、ルビー。」
「これ‥、小さな花束だけど。」
「ああ、なんて、可愛いの。自宅のリビングに飾るわ。」

「ジャックも喜ぶといいけど。」
「ああ‥。」
マイクはうつむいた。
「ああ、ルビー。たった今、ジャックとの離婚が成立したの。」
「そんな。よりによって今日?」
「ええ、私も気が滅入っているわ。」
「今まで言えなかったけど、ジャックは最悪な男よ。お姉ちゃんには似合わないわ。」
「もっと早く教えてくれればよかったのに。」

「そろそろ時間だ、行こうか。」
マイクが提案した。
「私の髪型、決まっている?」
「後ろがちょっと重いな。」
「直してちょうだい。ふぅ、ありがとう。」
「いや、いいんだ。」

「さぁ、行きましょうか。」
ルビーが言った。
「その前にトイレへ行くわ。」
「じゃあ、手伝うわよ。」

「いや、結構。何を考えていたのかしら。トイレには、今さっき、行ったばかりなのに。」
「我慢しなくても大丈夫だ。」
「いえ、本当にもういいの。さぁ、行くわよぉ。」


アナウンサーが、最優秀賞の発表をした。
「最優秀賞は、赤いバラの棘、カリファ・ローレンスさんです。おめでとうございます。」

「ああ、ありがとう。とても光栄よ。」
「ローレンスさん、ついに、最優秀賞ですね。今の気持ちを教えて下さい。」
「たくさんの人に感謝しているわ。今まさに、夢が現実になった瞬間よ。」

「審査員のピエールさん、一言お願いします。」
「カリファ、最初から最後まで、君の演技は完璧だった。」
「ありがとう。」
「特に、最後にプリオに言った台詞、『演技はまだ、終わってないわ。』監督に聞いたのだが、これは君のアドリブだそうだね。あの台詞は最高だったよ。」
「ええ、そうなんです。『演技はまだ、終わっていないわ。』とっさに浮かんだ言葉よ。その台詞が評価されることは、とても嬉しいわ。」

アナウンサーが言った。
「ジャックさんも喜んでいるところでしょうね。」
「ああ‥、もうすぐ、あなた達の会社に、私からの直筆FAXが届くわ。
今さっき、ジャックとの離婚が成立したの。」
「そんな。何も知らず、すみません。」
「いいのよ。今日の授賞式は最高だったわ。
映画を観てくれた、全ての人に感謝の気持ちを述べるわ。今日はありがとう。」


そして、カリファは、高らかに両手をあげ、おじぎをし、会場を去っていった。


コント 大女優カリファの授賞式
「今日は、僕(マイク)の従姉の女優、カリファ・ローレンスのゴールデングローブの授賞式だ。
カリファは、『赤いバラの棘』という映画で主役を務め、ノミネートされている。
赤いバラの棘は、カリファ演じるトミーが、レオナルド演じる大物政治家、プリオの偽の妻を演じるという映画だ。」

「そんな。」
スマホを見るカリファが言った。
マイクが聞いた。
「どうしたんだい?」
「たった今、ジャックとの離婚が成立したわ。」
「よりによって今日かよ!今日はカリファの大切な授賞式じゃないか!」
「ええ。ジャックは結婚した時から、私への気持ちは少しもなかったわ。ジャックはいつも自分のことばかり。別れて正解よ。」
「お気の毒に。」
「いいえ、大丈夫よ。」

コンコン
「はい。」
「お姉ちゃん、ゴールデングローブ、ノミネートおめでとう。」
「ありがとう、ルビー。」
「これ‥、小さな花束だけど。」
「ああ、なんて、可愛いの。自宅のリビングに飾るわ。」

「ジャックも喜ぶといいけど。」
「ああ‥。」
マイクはうつむいた。
「ああ、ルビー。たった今、ジャックとの離婚が成立したの。」
「そんな。よりによって今日?」
「ええ、私も気が滅入っているわ。」
「今まで言えなかったけど、ジャックは最悪な男よ。お姉ちゃんには似合わないわ。」
「もっと早く教えてくれればよかったのに。」

「そろそろ時間だ、行こうか。」
マイクが提案した。
「私の髪型、決まっている?」
「後ろがちょっと重いな。」
「直してちょうだい。ふぅ、ありがとう。」
「いや、いいんだ。」

「さぁ、行きましょうか。」
ルビーが言った。
「その前にトイレへ行くわ。」
「じゃあ、手伝うわよ。」

「いや、結構。何を考えていたのかしら。トイレには、今さっき、行ったばかりなのに。」
「我慢しなくても大丈夫だ。」
「いえ、本当にもういいの。さぁ、行くわよぉ。」


アナウンサーが、最優秀賞の発表をした。
「最優秀賞は、赤いバラの棘、カリファ・ローレンスさんです。おめでとうございます。」

「ああ、ありがとう。とても光栄よ。」
「ローレンスさん、ついに、最優秀賞ですね。今の気持ちを教えて下さい。」
「たくさんの人に感謝しているわ。今まさに、夢が現実になった瞬間よ。」

「審査員のピエールさん、一言お願いします。」
「カリファ、最初から最後まで、君の演技は完璧だった。」
「ありがとう。」
「特に、最後にプリオに言った台詞、『演技はまだ、終わってないわ。』監督に聞いたのだが、これは君のアドリブだそうだね。あの台詞は最高だったよ。」
「ええ、そうなんです。『演技はまだ、終わっていないわ。』とっさに浮かんだ言葉よ。その台詞が評価されることは、とても嬉しいわ。」

アナウンサーが言った。
「ジャックさんも喜んでいるところでしょうね。」
「ああ‥、もうすぐ、あなた達の会社に、私からの直筆FAXが届くわ。
今さっき、ジャックとの離婚が成立したの。」
「そんな。何も知らず、すみません。」
「いいのよ。今日の授賞式は最高だったわ。
映画を観てくれた、全ての人に感謝の気持ちを述べるわ。今日はありがとう。」


そして、カリファは、高らかに両手をあげ、おじぎをし、会場を去っていった。


コント 大女優ペニイへのインタビュー
「僕の名前は、ジョージ・ウォルトマート。ファッション誌で、ライターをしている。
今日は、スペイン出身の女優、ペニイへのインタビューするため、地中海レストランに来た。」

「こんにちは。ライターのジョージ・ウォルトマートです。ペニイさん、今日はよろしくお願いします。」
「どうも。‥注文をしてもいいかしら?」
「どうぞ。」
ペニイは、ウェイターを呼び、スペイン語で注文をした。

「えっと、僕は、本日のランチプレートをお願いします。」

「ペニイさん、新作映画がついに公開ですね。今回の映画の見どころを教えてください。」
「そうね‥。見どころはないわ。」
「え?」
「ああ、私が演じたポニーは、想像していた役じゃなかった。私はヒューマニズムを見せたいわけじゃないの。私には、もっと見せたい物がある。」
「そうですか‥。今までの出演作で、一番、お気に入りの映画はなんですか?」
「抱擁のカイロよ。あれは、一番の思い出ね。‥ああ、私は演技だと割り切っていたけど、相手役のジャクソンがそうじゃなかったの。私の実家まで、会いにきたわ。‥それで、母に、こっぴどく叱られたの。」
「それは、大変でしたね。」

「ええ。私は、初めての主演作は、ポルノだった。その日、家族に黙って家を出たの。
‥あの映画に出たのは失敗だったわ。アメリカで、初めて、高級レストランに入ったの。
それで、相手役のジョニーから、『この料理気に入ったか?』と聞かれて、私はこう答えたの。『紙に包んで、スペインの家族に持って帰るわ。』みんな大笑いしていた。」

「ポルノに出たのは大変でしたね。」

「ええ。その後、ジョニーが、今晩どうだいと‥。もちろん断った。私のようになれなければ、ポルノに出るのは無理。病気で早死にする。」

「ポルノに出演したことを、家族はなんと言いましたか?」

「叱られるのを恐れていたけど、何も言ってこなかった。寝たきりの祖父に、一度裸を見せたわ。でも、求めてなかった。」

「それはもちろんです。お爺様は、あなたを女性としては見ていないはずだ。」
「ええ、そうね。」

僕たちの下に、料理が運ばれてきた。
「うわぁ、美味しそうだ。」
しかし、ペニイは、スペイン語で怒り始めた。

「どうしたんですか?」
「料理が間違ってる。カタツムリなんて、頼んでいないわ。」

ウェイターが笑顔で料理を運んできた。
「ありがとう、これ、チップよ。」

「それで、このインタビューのギャラはいくらでしたっけ?」
「5ドルです。」

「一体、何のつもり?!私は、たった二言の役で、SATCに出たわ。それで、クレジットには、上から10番に、名前が入っていた。もらったギャラは、たった二言で、10億ドルよ。」
「すみません。5ドルというのは、一文字で5ドルという意味です。」
「ああ、そう。それなら、まだ安心ね。」

「ペニイさんの写真を撮ってもよろしいですか?」
「食べている時はやめて。」
「すみません。」
「いいの。」

「失礼な質問かもしれませんが、ペニイさんは今まで何人とお付き合いをしましたか?」
「その質問は、それほど失礼な質問ではないわ。私の恋人の数?それとも‥?」
「今までにいた恋人の数です。」
「それなら1人よ。別れた旦那だけ。でも今は、私は若い男と付き合っている。恋人と呼べるかどうか。」
「そうでしたか。でも、ペニイさんが幸せなら、良いと思います。」
「ええ、ありがとう。」

ペニイさんへのインタビューは無事に終わった。
レストラン代は、2人で30万円。ペニイさんへのギャラは、500万円となった。
しかし、このインタビューはラッキーエンドだった。
僕は、ペニイさんから、サインをもらえたのだ。


コント『山川プロデューサー』
登場人物、山川プロデューサー、新人ギタリストの彪(たけし)、スタッフのノニちゃん

山川プロデューサーが、彪の演奏を、腕組みをして見ている。
山川プロデューサーはうなずき、彪は演奏を続けている。
演奏を終えた彪は、山川プロデューサーを見て言う。
「お前、やる気あんの?」
「こっちの台詞だよ!俺がプロデューサーだぞ。」
「ずっと見ているだけじゃ、分からないでしょう!」

「もっとこうだよ。」
山川プロデューサーは自分のギターで、激しく踊りながら、演奏を始める。
「やってみろって。」
「はい。」
彪も踊りながら、ギターを演奏し始める。
「ちがう、ちがう、ちがう!もっとこうだよ!」
山川プロデューサーは手本を見せる。

「こんにちは~!」
「ノニちゃん!どうしたの?」
「いや~これから、弁当買いに行くんでぇ、何か2人にも買ってこようかなと思って。」
「じゃあ、俺はなんでもいいけど、彪には力がつく物買ってきてあげて。」
「わかりましたぁ~!」

「俺たちはもっと練習を続けるぞ!」
「はい!」

「お前、ド素人かよ!!」
「すみません‥。」
彪はうなだれる。
「こんなんで、バンドメンバーついてくるのかよ!」
「はい。今日はまだ来ていないだけなんです。」

「ふーん。じゃあ、頑張って、メジャーデビューできるように、もっと練習するぞ!」
「はい。」

「弁当買ってきました~。」
「ノニちゃん、ありがとう。ところでさ、彪のバンドメンバー、まだ来てない?」

「あっ、さっき連絡があって、全員バンドを辞めるそうです!」
ノニは言い、彪と山川プロデューサーは息を飲んだ。

End


コント『ラッパーのニーナ』
「こんにちは、ラッパーをやっています。ニーナです。
ようやく、今年でデビュー4年だけど、みんな、うちとフィートしたがる。
でも、うちが、そのアーティストの会社に行くと、みんな、きもいきもいって言ってくる。
うちはうんざりしてる。本当はフィートは面倒くさい。
スキじゃない歌に、ラップを書かないといけない。
うちが、超お気に入りのラップを書いて持って行くと、みんな超うけるって大笑いしてくる。
ある日、フィートをする事になった、男のアーティストに、
『ごめん、この歌詞はスキじゃない。』と言われたの。
だから、うち、落ち込んで、次の日、とうとう起きられなかった。
ママが、部屋まで食事を持ってきてくれて‥。ああっ‥。今はこんな話したくない。

そのラップが超お気に入りだったから、それを自分のシングル曲として、出す事にした。すると、たちまちヒット曲の仲間入り。うちは本当に嬉しかった。これで、ばん回できたと思った。でも、1カ月後。あの時、そのラップを断った、男のアーティストが亡くなったの。
うちは辛くて辛くて、ずっと泣いていた。すると、スタッフから電話が来て、お葬式にうちの写真を飾りたいって言ってきたの。うちはまだ死んでないのに。
でも、よく話を聞いてみると、メモリアル動画を作るためだった。
残念ながら、うちは、彼との写真を持っていなかった。
だからうちは、自分の頬に、星のシールをつけた写真を提出したの。
うちにとっては、星は涙の意味だった。でも、スタッフは、その写真を飾らないって言ってきたの。
『自分はスターだと見せつけているのか?』と、うちは怒られた。
でも、うちを断るのは不吉の予兆よ。
みんな、それがわからない。それでもうちはあきらめない。
よく‥学校の放課後、机を叩いてビートを刻んでは、ラップを書いてたわ。
今でもあの頃を思い出す。」

ニーナはラップを歌い出した。


コント『結婚式のスピーチ』
「あなたと初めて出会った日の事を、今でも覚えています。
あなたは、僕の会社の上司で、20才年上でした。でも、僕は、あなたを年上だと思ったことはありません。
あなたと初めて見た紅の豚。『いつまでも2人は一緒だよ。』
それは、あなたが言った台詞です。
僕たちが初めて口づけをした、代々木公園。2人で食べたハンバーガー。
あなたとの出来事は、全てが大切な思い出です。
僕は、これからも、あなたを愛し続けます。

ヒロ君、鈴ちゃん、今日という日のご結婚おめでとうございます!
僕は3年前に、家内を亡くしました。でも、家内を愛する気持ちは変わりません。
きっと2人も幸せな家庭を築いていけると思います。

皆さん、グラスをお持ちください。
2人のご結婚に、乾杯!!」


コント『お母さんとアキちゃんの会話』
「あきちゃん、もう東京で暮らすのやめなさい。」
「ダメ!私の夢がまだかなってないんだから!!」
「夢って何?お母さんに分かるように、言ってみなさい。」
「私の夢は、芸能人になること。」
「芸能人になるなんて、無理に決まってるじゃない!!あきちゃん、このままじゃ、どんどんおかしくなっちゃうよ!!」
「おかしいのは、お母さんの方じゃん。もう、あんたと話したくない。」
「ちょっと待ちなさい。あきちゃん、お母さんの話を聞いてちょうだい。」
「は?何?」

「あのね、お兄ちゃんの友達に、総理大臣がいます。」
「えっ?どういう事?」
「お母さん、見ちゃったの。お兄ちゃんが、首相官邸からラインもらっているのを。」
「嘘!!」
「これは本当よ。お兄ちゃんがどんな事に関わっているのか、お母さんには分からんけど‥。お兄ちゃんはもう家族と関われない状況にきていると思う。」
「そんな!!」
「だから、お兄ちゃんには、家を出てもらうつもりです。どこかで誰かと結婚しても、お兄ちゃんは大人だからやっていけると思うし。」
「ええ、お兄ちゃんが結婚するなんて、悲しいよ!」
「仕方ない事なの。アキちゃんが幸せになるためにも、お兄ちゃんに道筋を作ってもらわなきゃならないのよ。」
「でも、やだ!」
「あきちゃん、ちょっと待って。
もしも、家に戻るつもりがないなら、お母さん、もう家を出ます!」
「ええ‥。」
「あきちゃんがいない家に住んでいてもつまらないから、お母さん、アキちゃんの家に引っ越します!」

『その後、私は実家に戻る決断をした。芸能人を目指す気持ちは変わっていない。夢を見続ければ、いつか叶うと信じて、これからも頑張りたい!』
コント『お母さんとアキちゃんの会話』
「あきちゃん、もう東京で暮らすのやめなさい。」
「ダメ!私の夢がまだかなってないんだから!!」
「夢って何?お母さんに分かるように、言ってみなさい。」
「私の夢は、芸能人になること。」
「芸能人になるなんて、無理に決まってるじゃない!!あきちゃん、このままじゃ、どんどんおかしくなっちゃうよ!!」
「おかしいのは、お母さんの方じゃん。もう、あんたと話したくない。」
「ちょっと待ちなさい。あきちゃん、お母さんの話を聞いてちょうだい。」
「は?何?」

「あのね、お兄ちゃんの友達に、総理大臣がいます。」
「えっ?どういう事?」
「お母さん、見ちゃったの。お兄ちゃんが、首相官邸からラインもらっているのを。」
「嘘!!」
「これは本当よ。お兄ちゃんがどんな事に関わっているのか、お母さんには分からんけど‥。お兄ちゃんはもう家族と関われない状況にきていると思う。」
「そんな!!」
「だから、お兄ちゃんには、家を出てもらうつもりです。どこかで誰かと結婚しても、お兄ちゃんは大人だからやっていけると思うし。」
「ええ、お兄ちゃんが結婚するなんて、悲しいよ!」
「仕方ない事なの。アキちゃんが幸せになるためにも、お兄ちゃんに道筋を作ってもらわなきゃならないのよ。」
「でも、やだ!」
「あきちゃん、ちょっと待って。
もしも、家に戻るつもりがないなら、お母さん、もう家を出ます!」
「ええ‥。」
「あきちゃんがいない家に住んでいてもつまらないから、お母さん、アキちゃんの家に引っ越します!」

『その後、私は実家に戻る決断をした。芸能人を目指す気持ちは変わっていない。夢を見続ければ、いつか叶うと信じて、これからも頑張りたい!』
コント『お母さんとアキちゃんの会話』
「あきちゃん、もう東京で暮らすのやめなさい。」
「ダメ!私の夢がまだかなってないんだから!!」
「夢って何?お母さんに分かるように、言ってみなさい。」
「私の夢は、芸能人になること。」
「芸能人になるなんて、無理に決まってるじゃない!!あきちゃん、このままじゃ、どんどんおかしくなっちゃうよ!!」
「おかしいのは、お母さんの方じゃん。もう、あんたと話したくない。」
「ちょっと待ちなさい。あきちゃん、お母さんの話を聞いてちょうだい。」
「は?何?」

「あのね、お兄ちゃんの友達に、総理大臣がいます。」
「えっ?どういう事?」
「お母さん、見ちゃったの。お兄ちゃんが、首相官邸からラインもらっているのを。」
「嘘!!」
「これは本当よ。お兄ちゃんがどんな事に関わっているのか、お母さんには分からんけど‥。お兄ちゃんはもう家族と関われない状況にきていると思う。」
「そんな!!」
「だから、お兄ちゃんには、家を出てもらうつもりです。どこかで誰かと結婚しても、お兄ちゃんは大人だからやっていけると思うし。」
「ええ、お兄ちゃんが結婚するなんて、悲しいよ!」
「仕方ない事なの。アキちゃんが幸せになるためにも、お兄ちゃんに道筋を作ってもらわなきゃならないのよ。」
「でも、やだ!」
「あきちゃん、ちょっと待って。
もしも、家に戻るつもりがないなら、お母さん、もう家を出ます!」
「ええ‥。」
「あきちゃんがいない家に住んでいてもつまらないから、お母さん、アキちゃんの家に引っ越します!」

『その後、私は実家に戻る決断をした。芸能人を目指す気持ちは変わっていない。夢を見続ければ、いつか叶うと信じて、これからも頑張りたい!』


コント『新人歌手のはゆみ』
「こんにちは~。」
はゆみが部屋に入ってくる。
「こんにちは、お待ちしていました!こちらへどうぞ。」
社長が立ち上がり言う。

「ありがとう~。」
はゆみと爺さんがソファーに座る。

「このソファー、ベッドみたいじゃない?」
はゆみが爺さんに囁く。

「えっと、歌手のはゆみさんですよね。」
「はい。」

爺さんがしゃべりだす。
「私の名前は、楠木太蔵。今年で71才になります。どぞ、よろしくお願いします。」
「はい、よろしくお願いします。では、太蔵さんは、はゆみさんのマネージャーだということですか?」
「ううん、ちがう。私の彼氏。」

「ええっ。ずいぶん、年が離れているんですねぇ。」
「出会ったのが遅かったもんで、仕方ないんですわ。」
「うん、それはしょうがないよね。」

「えっと‥はゆみさんのご両親は、歌手になる事は知っていますか?」
「うーん。ママにはまだ言ってない。」
「あー、そうでしたか。」
「私のママさ、スナックで働いているんだよね。若い人の面倒もあるから、言っても許してくれないと思う。でも、歌手は、はゆがずっと憧れてた夢だからあきらめたくない。」
「はゆだって、覚悟決めて、東京に来たんだもんな。」
「うん。そう言ってくれるの、太ちゃんだけ。」

「太蔵さんは、普段仕事は何をされているんですか?」
「太蔵さんじゃなくて、太ちゃんって呼んでくれる。」
はゆみが社長に言う。
「えっと‥太ちゃんは、普段仕事は何をされているんですか?」
「俺はもうずいぶん前に定年退職しましてねぇ、今はシルバーやってます。」
「ああ、そうでしたか。」

「ライブとかってぇ、そっちで構成考えてくれるんだよね?」
「うん。そうだけど、基本的には、はゆみさんが主導になって計画してほしいんだよね。」
「へー、そっかぁ。はゆがやる事って、歌うことだけ?」
「うん‥ダンスとかできるの?」
「少しはできる。」
「はゆみは、ダンスがうまいんですよ。なぁ、はゆ、ここでやってみろ。」
「いや、今はいいって。太ちゃん、何言ってんだよ!」

「はゆみさんは、歌って踊れる歌手なんだね。」
「うん。でも本当は、歌手じゃなく、女優になりたいの。」
「ええ、女優に?歌手になりたいから、前の会社をやめてきたんじゃないの?」
「そうじゃなくて、前の会社では、突然、水着になれって言われたの。」
「そうだったんだ。でも、はゆは、歌が書けるんだから、わざわざ女優にならなくてもいいんじゃない?」
「ううん。私は歌書けないよ。」
「ええ?」
「はい。はゆみの歌は、全部、俺が書いているんですよ。」
「それで、私が歌っているんだよねぇ。」
はゆみは太蔵に笑う。
「ええ、そうだったんですかぁ‥。」

「それでさ、社長。」
「何?」
「薬代くれる?」
「ええ、それ、どういう事?」
「だからー、はゆ、歌手でしょ?妊娠とかしたら困るじゃん。」
「あの‥この会社では、薬代とかおやつ代とかは出ません。」
「おやつ代なんて言ってないじゃん。何言ってんの!」

「はゆ、しっかりと仕事をすれば、必ず結果もついてくるからな。」
「太ちゃんの言う事が一番信用できる!」

「はゆみさん、もう少し大人になってくれないと、ここではやっていけないからね。」
「大人って何!アイドルに年齢なんて関係ないじゃん!アイドルはずっと子供みたいだから、いいんじゃないの?」
「ええ、アイドル?はゆみさんは、歌手じゃなくて、アイドルになりたいの?」
「うん、そうだよ!」
「はゆはずっとアイドルになりたかったんだもんなぁ。」
「うん。」

「ええ。」

「もう社長とは話合わない。さよなら。」
「社長、また来ますわ。」
2人は出て行った‥。


コント『事務所のマーティンと女優たち』
若手女優のクレアが椅子に座っている。マーティンが来る。
「クレア、よく来たね。もしかして僕の電話待ってた?」
「うん、少し待ってた。」
「そっか、ごめんね。役者はずっと電話待ちだ。それがハリウッドの基本だよ。」
「分かってる。それで、私に来た役はどんな役?」
「うーん、言いづらいんだけど、その役は主役じゃない。」
「そんな!!私、主役しかやりたくなかったから。」
「そういうわけにはいかないよ。君だって年をとるわけだし。」
「そんな言い方、ひどいんじゃない?言い直してよ!」
「いや‥君はまだ若いよ。だから、言い直さない。もっとおばさん相手なら、ごめんねとは言うんだけど。」

「こんにちは~!!」
2人のアラフィフ女優が入ってくる。
「なんだい君たちは。突然入ってきて。」
「マーティン、私たちにも役をもらってきてよ!!」
「私たちどんどん干からびちゃうじゃない!!」
「おばさんの役を探すのが、どんな大変か。僕は今、クレアと話している。君たちはもう出て行ってくれ。」
「あら、クレア。こんにちは。」
「新しくもらったのはどんな役?」
「まだ聞いていないんです。」
「マーティン、どんな役か教えなさいよ。」

「あー‥クレアの次の役は、大御所女優のマネージャー役だ。」
「うっ。」
クレアは泣いてしまう。
「そんな?!そんな役ってあり?マネージャーなら、本物のマネージャーにやらせなさいよ。」
「クレアはトップ女優なのよ?」
「仕方ないんだ。これにはフォックスが関わっている。」
「ああ‥。フォックスって、大嫌い。」

「大御所女優役はもう決まっているの?決まっていないのなら、私にやらせてちょうだい。」
「もう決まっているに決まっているだろう!バカだな。そんなでかい役、君たちに回ってくるわけないじゃないか。」
「何!その言い方!あんた謝りなさいよ!」
「一応言っておくけど、あんた達の仕事を回しているのは俺だからな!そっちこそ、言葉に気をつけてくれ!!」

「もうムカつく!!」
2人の女優は部屋を出て行ってしまう。

「クレア、うるさくなってしまって、すまなかったね。それで、マネージャー役を受けてくれるかい?」
「ええ、よろしくお願いします。」
「わかった、マネージャー役、がんばろうな!!」

『私たちにも役まわしなさいよ!!』
2人の女優の声が鳴り響いていた‥。


コント『事務所のマーティンと女優のリンダ』
事務所のマーティンとアラフィフ女優のリンダがレストランで話している。
「クレア。オホ‥リンダ。この前はごめんね。」
「今、クレアって言わなかった?」
「すまない、まちがえたんだ。」
「いいわよ。もう気にしてないから。それで‥、私にも役はもらってくれたのかしら?」
「うん。一応もらったよ。」
「どんな役?」
「赤ずきんの実写映画で、狼に食べられるお婆さん役だよ。やってみるかい?」
「もちろん。どんな役だって受けなきゃ、もう生きていけないもの。」
「そうだね。お互い難しい年齢になってきた。」
「人によってはそうじゃない。普通の人なら、子供も一人前になって、幸せな年齢のはずよ。」
「人の数だけ人生がある。みんな同じじゃなくていいんだよ。」
「あなたって良い事言うのね。さすが、映画業界で30年も生きてきた価値がある男。」

「ところで、そろそろメニューを注文しないとまずいよな。すみません、お願いします。」

「ええと、子羊の煮込み料理と赤ワイン。あなたは?」
「僕は、ラザニアと同じ赤ワインを頼みます。」

「お待たせしました。」

「うん、美味しい。」「そうだな。ここの料理はどれも絶品なんだよ。」

「…だけど、もう少し女優として、良い映画に出るにはどうしたらいいのかしら?」
「それは‥つまり、僕と寝るとか。」
「え?」
「嘘だよ。君とそんな関係になりたくない。」
「本気になってもいいわよ。」
「本当に今のは冗談だ、気にしないでくれ。」

「何!私と付き合えばいいじゃない!!」
「やめよう!!君との良い関係をこわしたくない。」

「何それ!!私を女として見てくれないの?!」
リンダがテーブルをめちゃめちゃにしてしまう。

「リンダ!君はもうおしまいだ!!もう出てってくれ!!」


コント『俳優のレックスと女優のカリス』
ベテランイケメン俳優のレックスとアラフィフ女優のカリスが、レストランにいる。
「ハリウッドは電話待ちが命なんだよ。顔がよくても、電話の催促をすればもうおしまいさ。」
「ええ、そう思うけど、若いうちは実力さえあれば、何をしたって仕事は回ってくるわ。
ポルノに出れば、みんなが面白がってその役者を呼ぶもの。どうしたらこんなに変態が集まるのかしら?」
「しー。一度だけ、僕もカメラの前でベッドシーンをやった事がある。でも僕は、酒を飲んでグダグダの状態で演じたんだ。だからほとんど覚えてない。」
「あら、本当?あなたってそういうの全部覚えていそうだから。」

「本当さ。僕は演じた役は全て覚えている。でも内容といったら、忘れかけている物の方が多いんだ。」
「そう。今まで印象に残っているシーンはないの?」
「あるよ。カウボーイの役で、馬の体を湖で洗うシーンがあったんだ。」
「あら、そんなシーンがあったの?」
「うん。あの時はすごかったよ。ケガもしたしさ。なんといっても、馬の調教師がひどかったんだよ。僕への言葉遣いが。バカとかクソとか当然のように言ってくるんだぜ?」
「それは酷いわね。」

「君はどうだい?印象的なシーンとかあるの?」
「うーん、印象的なシーンていうか、ジャックと共演した冬物語でのキスシーンは、あの時猛烈にインフルエンザが流行っていて、キスしたジャックから、私、インフルエンザに感染しちゃったのよ。レックス、冬物語見てくれたでしょ?」
「いや‥実はまだ観てないんだ。今度見てみるよ。」
「もう。」
「僕は自分の作品にしか興味がないんだ。」
「そう。やっぱり、役者として生きていく上で、一番大変なのは、電話待ちなのかな?」
「そうだね。電話は待たなきゃまずいだろう。若い頃は自分から電話して、よく失敗したよ。
だから、今はもう20年も電話を待っている状態さ。」
「嘘!そんな待つなら、もう事務所に押し掛ければいいじゃない?」
「もちろん。事務所にはよく行っている。だから、事務所も電話待ちなんだ。僕の役のね。」

「もうダメかもしれないわね。」
「いや、まだ望みはある。」


コント『俳優レックスと女優のメリー』
俳優のレックスとアラサー女優のメリーがレストランにいる。
メリーが聞いた。
「注文してもいい?」
「いいよ。」
「もちろん、支払いはあなたよね?」
「え‥持ち合わせがあるかな?」
「わかった。私が支払う。ちょうどこの前、主役を演じたばかりだから。」
「へええ、どんな役なの?」
「白鳥の湖の主役よ。バレエもやったわ。」
「そうなんだ。女優とダンサーの掛け持ちをするのかな?」
「アハハ!バレエは今回だけ!そんなにやっていたら、体がもたないもの。私が一番好きな事、知ってるでしょ?」
「なんだい、それは?僕は、まだ知らないんだよ。」
「はあ…。言えないわ、ここでは。」
「たのむ、教えてくれ。」
「下品な事よ、どうしようもなく。」
「そうかい‥。」
「決まった?注文してもいい?」
「もちろん。OKだ。」
「すみません、お願いします。」

「ペリエを頼むわ。ワインは白でね。ハンバーグを一つ、デミグラスソースで。」
「僕は赤ワインとビーフシチューを頼む。」
「かしこまりました。」
(メリーの愛想笑い)
「聞いてもいいかい?ペリエとワインをなぜ一緒に頼む?」
「あら、知らない?女優はみんなペリエを頼むわ。飲みたくなくても、絶対に頼むのよ。」
「そうだったのか。」

「この前の私の撮影の話してもいい?」
「はい、どうぞ。」
「その撮影は、主役の私が酷くバカな事をするシーンだった。付き合っていた彼が食事を用意していたのに、私が癇癪を起して、料理に水をかけてしまうの。みんなが私の演技を見るために集まってきていたわ。私‥すごく緊張しちゃって、台詞をかんで、何度も撮りなおした。監督もニヤニヤ笑って、私の名字を呼ぶのよ。名字って、家族もみんな一緒でしょう?名字を呼びつけるのってどうかしら?」
「いや、それは‥ひどいと思うな。」
「そうでしょう?それで、あんまりにも、まわりの笑い声が大きいから言ってやったの。
これは遊びじゃない、仕事だ、って。だから、私は、役者である以上に、大きな責任を負っている仕事人よ。」

「そうなんだ。あー‥。君はなんというか、ちょっと個性的かもしれないな。僕は楽天家だから、気にならないけど、神経質な男は君とは合わないかもしれない。」
「それって、誘ってる?」
「いや、そういうわけじゃないよ。僕はこの前も、君より年上の女優と会っているから。」
「つまり、おばさんってわけね。」
「うーん、彼女はおばさんとまではいかないな。」
「じゃあ、私たち、付き合っちゃう?」
「話がそれてる。僕は君には興味ない。」
「何!それは酷いんじゃない!!」
「役になりきるのはやめてくれ!!」
「なりきってないわよ。」
メリーが席を立ち、言う。

「いい、会計はあなた持ちよ。」
「なぜ、そうなる?」
「だって、あなたが私を怒らせたんだから、しょうがないじゃない!!」
メリーは癇癪を起し、レックスは立ち尽くしていた‥。


コント【彪のラジオ】
「こんばんはー。彪のウルトラタイムラジオの時間がやってまいりましたー。毎週この時間、ラジオ聞いてくれているみんなありがとう!今日はゲストをお呼びしています。僕のソロデビューを一番近くで応援してくれた山川プロデューサーです。」
「こんばんはー。」
「山川プロデューサー、お久しぶりです。」
「いや、さっき打ち合わせで会ったばっかじゃん。いいって、そういうのは。」
「はい。(苦笑)今日は、山川プロデューサーのおすすめ音楽を紹介してもらうんですけど、まず初めに、どんな音楽を紹介してくださるんでしょうか?」
「はい。第一曲目は、ヴァルフガング・アマデウス・モーツァルトの交響曲第41番『ジュピター』です。あの有名なホルストのジュピターとは全く別の魅力がある名曲なので、ぜひ、皆さんお聴きください。」
「はい。素晴らしいですけど、僕、山川プロデューサーはロック音楽専門だと思っていたので、少し意外でした。」
「うん、俺は仕事ではロックをやっているけど、普段は、クラシックばかり聴いています。」」
「そうだったんですか。では、第二曲目の紹介をお願いします。」
「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのピアノソナタ第14番『月光』第一楽章です。」
「はい。ありがとうございました。やっぱり、ベートーヴェンとモーツァルトの音楽は永久に不滅ですね。」
「はい。モーツァルトとベートーヴェンは同じ時代に生きた人物なんですよ。モーツァルトの方が年上で、ベートーヴェンはモーツァルトに会いに行った事もあります。」
「へぇ、そうだったんですか。」
「はい。最後に、クラシックばかり聴いている僕が作ったロックの曲を聴いてください。タイトルは、『とんでもないキャブ』」
「ええ。タイトルをもう一度お願いします。」
「とんでもないキャブ。」
「キャブとは、どういう意味ですか?」
「キャブっていうのは、キャビンの略で、客室や船室、運転席の意味で使われています。どうぞ、お聴きください。」

「はい、ありがとうございました。すごく斬新な歌ですね。僕は面白いと思います。」
「そうだろ?良いものっていうのは、あぐらをかかなきゃ書けないんだよ。」
「え?あぐら?」
「そう。何か新しい物を書く時の座り方の問題なんだけど、女性は正座で、男はあぐらかかなきゃ、書けないんだよ。」
「へぇ、そうなんですか。(苦笑)そろそろ、時間がきましたので、最後の曲をお聴きください。」
「ちょっと待ってよぉ、まだ話したい事があるんだよね。書く時の姿勢についてなんだけどー‥。」
「いやいや、もう結構です。」
「書く時はねー、腰を丸めちゃダメだから。」
「はい。山川プロデューサー、今日はありがとうございました。」
「あの、一番最初に、お母さんについて想ってあげてください。」

エンド‥。


コント【事務所のマーティンと女優のメラニーとリンダ】
メラニーが椅子に座り、雑誌を読みながら、マーティンを待っている。
マーティンが入ってくる。
「こんにちは、メラニー。久しぶりだね。」
「こんにちは。」
「お茶でいいかな?」
「コーヒーをお願い。」
「え、コーヒー?分かった。今淹れてくるよ。」

「はい、お待たせしました。」
「別に待ってないわ。ミルクはないの?」
「ちょっと待って。」

「はい、どうぞ。ミルクです。」
「ありがとう。」
「それで‥、また女優をやるつもりなんだね?」
「もちろん。やめるなんて言った覚えはないの。」
「そうかい。それで、君に来た役なんだけど、まだ何もないんだ。」
「そんな!!嘘でしょう?マーティン。」
「本当だよ。だって君は、昨日僕に連絡をしてきたばかりだろ?」
「はああ、私も年をとったってことね。」
「そういう意味じゃない。君が急ぎすぎなんだよ。‥それで、演じるなら、どんな役がいいんだい?」
「できれば、赤ずきんのような可愛い役がいいわ。」
「可愛い役か。」
「もちろん、女刑事のような女豹の役でもかまわない。」
「わかった。ちょっと映画会社にたのんでみるよ。」
「ありがとう。」

「こんにちは~。」
「リンダ。なぜ来たんだ?」
「話したい事があるの。」
「ふーん、そうかい。僕は今、メラニーと話している。ちょっと待っていてくれ。」

「もう私は失礼するわ。役の事はよろしくね。」
「わかった。」
「さようなら、マーティン。」
「さよなら、メラニー。」

「なんだか、邪魔しちゃったみたいね。」
「連絡もせずに突然来るなんて、どうかしているぞ。」
「ごめんなさい。でも、話したい事があるの。私、良い物語を考えちゃったのよ。」
「へぇ。どんな物語だい?」
「エンジョイという女性の話よ。エンジョイは40才なんだけど、まだ独身なの。たくさんの失敗をして、良い男性警察官アルドと巡り合うんだけど、その時、エンジョイは大きな犯罪組織に入ってしまっていたの。アルドはエンジョイを逮捕するよう命じられるわ。でも、愛しているから、そんな事はできない。アルドはエンジョイが入っている犯罪組織のボスを殺す事を計画し実行するの。でも、そこに立ちはだかったのがエンジョイよ。なんと犯罪組織のボスは、エンジョイのパパだったってわけ。」
「へぇ‥それはすごい物語だな。それで‥、エンジョイを誰が演じるんだい?」
「もちろん、エンジョイを演じるのは私。脚本は‥、そうね、あなたが書いてちょうだい。」
「いや、僕は脚本を書く技術なんて持っていないよ。」
「そんな‥。じゃあ私が脚本を書くしかないってこと?」
「ああ。それだけの話を考えられるなら、君はもう女優を引退して、脚本家になった方がいい。」
「女優を引退するなんて無理よ!!」
リンダが突然キレる。

「おい、またキレるのか?」
「キレているわけじゃないわ!!」
「じゃあ、そんなに怒鳴りつけないでくれ!!」
「もういいわよ!!あなたとはお別れしてやる!!」
「それはいいけど、他の人には迷惑をかけないでくれよ!!」
「迷惑なんてかけないわよー!!!!」
リンダは出ていってしまう。


コント【マーティンと女優のリンダとメラニー2】
「こんにちは~。」
「なんだ、リンダ。また来たのか?」
「そんな言い方ないじゃない?この前の事を謝りにきたの。突然怒鳴ってごめんなさい。」
「いいよ。君のはいつもの事だ。」
「私、エンジョイを演じるために、工場で働き始めたのよ。」
「へえ、そうなのかい?」
「ええ。エンジョイは食品工場で働く女性だから、私も働いてみてとても大変だったわ。いじわるな上司がいて、私に向かって怒鳴ってくるの。人に怒鳴るのって悪い事ね。」
「ああ。怒鳴るのはよくない。プロスポーツの現場ならありなのかもしれないけど、普通に働く現場で怒鳴りつけるのは非常識だ。」
「そう言ってもらえると安心するわ。」
「怒鳴られる事は体に悪いし、心に泥がついてしまう。人に怒鳴るのはダメだ。」

「こんにちは~。」
「メラニー。」
「あら、私、邪魔だった?」
「そんな事ないさ。座ってくれ。」

リンダが言った。
「メラニー、私ね、今度エンジョイという、食品工場で働く女性を演じるのよ。」
「そうなの。監督はどなた?」
「監督はまだ決まってないの。だって、私がこれから脚本を書くんだから。」
「ええ、それはエライ事ね!」
「そうでしょう。」

「マーティン、私に役はまだ来ないの?」
「すまないが、まだ来ていないんだ。」
「そう。そういえば、女優のキャサリンが引退だってね。」
「キャサリンはもういい年だ。これからはゆっくり過ごした方がいいだろう。」
「それもそうだけど、自分がキャサリンだって思っている子が多いのよ。」
「どういう事だい?」
「女優の魔法よ。良い女優は魂の一部が抜け出て、精霊化するの。」
「なんですって。私もそういう話を聞いた事があるの。地中海に住むナントカっていう魔女の呪いでしょう?」
「ええ、そうよ。」
「その呪いをうまく使えば、幸せになれるけど、使いこなせないと不幸になってしまう。それが女優の魔法。」
「よく知っているのね。」

「へえ、その話は大胆だな。それを映画にしてみたらどうだい?」
「これは秘密よ。映画になんかできないわ。」
メラニーが言った。

リンダが言った。
「私、もう帰るわね。さようなら、マーティン。」
「私ももう行くわ。」

「さようなら、2人とも。」

「この業界にいて15年になるけど、女優の魔法の話を聞いたのは初めてだ。」

コンコン
「誰だい?」

「私がその魔法を使える魔女だよ。よくも女優の魔法の話を聞いてくれたな。呪いをかけてやる。」

「うわああーー!!!」
マーティンは魔女の呪いで倒れてしまった。


コント【マーティンと魔女の呪い】
魔女の呪いで倒れたマーティンは、異空間に来ていた。
「ここはどこだ?!」
「異次元空間の中だよ。マーティン、呪いを解いてほしければ、私の命令に従うのだ。」
「‥呪いを解いてもらえなければ、私は再び女優たちの管理をする事ができない。よし、分かりました、あなたの命令に従いましょう。」

「誰かが誰かのせいで自ら命を絶てば、誰かが復讐に行く必要がある。時には、無関係な暇人が復讐に向かう事もある。そうしてくれるのはいいが、魂が謝礼を求めるために、自殺した可哀想な魂が償いをする羽目になり、大変なんだ。運命が狂うと幸せになれないんだよ。もちろん、自殺をする方が悪いが、可哀想な魂にそれ以上の不幸はあげられない。」
「そうですよね。あなたの命令と何か関係があるのですか?」
「ああ、そうだよ。アイドルのミチルが結婚したせいで、一人の可哀想な女の子が自殺をした。お前は見返りを求めない男だ。だから、お前がミチルの部屋に化けて出て、復讐をしてくれ。」
「ええ、嫌ですよ!俺が化けて出るなんて!」
「やれ!やらなければ、お前を生きて返さない。」

「あああ~。」
マーティンは仕方なく、ミチルの部屋に化けて出た。

魔女は呪いを解き、マーティンを元に戻した。

「あれ?俺、元に戻っている。はぁ~、よかった。」

「こんにちは~。」
リンダとメラニーが入ってくる。
「あら?マーティン、なぜここにいるの?」
「ちょっと、急に具合が悪くなって、ここで寝てしまったんだよ。」
「可哀想なマーティン。大丈夫。」
「もう大丈夫さ、ありがとう。」

「それでね、私達、あれから考えたの。やっぱり、あの魔女の話を映画にしたらどうかなーって思ったのよ。」
「ええ、それは‥ちょっと止めた方がいいんじゃないか?」
「でも、私達、盛り上がっちゃって、一晩で脚本を書きあげちゃったの。」
「そうなんだ。しかし、もう少し待ってくれ。その話は急がない方がいい。」
「そう言って、いつもあなたは私達に役をくれないんじゃない?私達はもうスタジオに連絡するわ。」
「それは中止してくれ!」
「中止はしない。さよなら、マーティン。」
「待ってくれ!!」

「行ってしまった。」
膝をつくマーティン。
キィィ。魔女が入ってくる。
「よくも裏切ってくれたな。」
「待ってくれ、僕はまだ裏切っていない。」
「同じ事だ!!呪いをかけてやる!!」
「うわあああーー!!!!」

マーティンはまた気を失ってしまった。

コント 2020 20話

コント 2020 20話

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted