サンドウィッチの中身

揺れるホイップクリームと酸っぱいキュウイフルーツ

赤いイチゴが半分になって辺りを赤く染める

「これさあ凄く甘いと思わない?」

あなたがそう聞くけど僕はうんともすんとも言わなかった

「でもさあお菓子の国があって、その中にいたらこれだってそんなに対したこと無いんだと思うんだよね」

君の言ってることがよく分からなかった

足元に見える四つ葉のクローバーを一つ掴む

「だからさあ、対して甘くないってこと」そう言いながら頬張るサンドウィッチは溢れるばかりに生クリームが飛び出していて今にも甘くてどうにかなりそうだった

「それってさあどういうこと?甘くないってこと?それとも甘すぎるってこと?」

「だからさあ辛くないってこと」

引っこ抜いた四つ葉のクローバーは今にも、風に揺れて一ついなくなりそうだった

「辛くない?」

「だからさあ、明日家が無くなっても、明後日君がもし死んでも、当たり前ってこと」

続けて君は言った

「慣れたら全部、当たり前なんだ」

葉っぱが一枚、飛んでった
元から三つ葉だったみたいに、それが当たり前だったみたいに

「ね、そうでしょ」

ふわふわのクリームをくっつけて君が僕を見て微笑みかけた

サンドウィッチの中身

サンドウィッチの中身

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-07

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