わたしになれないことが 苦痛だった

詩をかけばかくほど 詩をかいている感覚が薄らいで

詩にかかされている感覚に かわっていった

喉の奥に飼っていた同姓同名の別人たちが 方々に朋輩をつくった

放さないで 飼い殺したらよかったのだろうか

わたしになれないことが 苦痛だった

わたしはただ ひとつの詩になりたかった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-07

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