すべらない話 2020 20話

西川詩乃

お笑い芸人も楽ではない‥

すべらない話 2020 20話

すべらない話『不良少女』
「じゃ、始めさせていただきます。僕ぅ、茨城出身なんですけど、大学は高知の方に行っていたんですよ。その時、僕、コンビニでアルバイトをしていて、よく強面の男と一緒に店に来る、同じ年くらいの不良の女の子がいたんですね。
周囲からも、僕は、真面目な優等生だと言われていたので、ちょっと、その子の事、苦手だったんですよ。
ある日、夕方の6時くらいにバイトが終わったので、ラーメンを食べて帰ろうかなと思って、ラーメン屋に入ったんです。すると、ちょうど隣に、あの不良の女の子が来て、
『コンビニのお兄さんですね。ラーメン好きなんですか?』と聞いてきたんですよ。
僕、味噌ラーメンだったんですけど、彼女は醤油ラーメンを頼んで、その日2人でラーメンを食べて、初めて、普通の会話をしました。
すると、彼女は同じ大学の医学部に行っていると。それで、僕、この人は、見た目はちゃらちゃらしているけど、中身はしっかりしているんだなと感心しました。
大学で医学部に行ってみると、本当に彼女がいて。ああ、素敵な人だなと。
毎日、彼女も大学に来ていたんですけど、彼女は東京の大学の医学部Tシャツを着ていたりしていたんですね。それで、僕の方から、彼女をデートに誘いまして、会う事になりました。
2人で有名な神社に行って、境内を歩いていると、ヤクザらしき集団が前から来たんですよ。突然、ヤクザが彼女にぶつかって、喧嘩になっちゃって。
彼女がバックから小刀を出して、『うああああ!うああああ!』振り回し始めたんですよ。
それでヤクザもブチ切れて、怒鳴り始めたんですけど
あっちの人って、方言が入っているから、かなり怖いんですよ。
さらに、四国の神様の名前とかも言いながら、怒鳴るんですね。
それで、彼女が僕に携帯を投げて、『これでジジイ呼んで!』
僕が、言われた番号に電話すると、『山〇組です。』と。
なんと、彼女は、四国が一番でかいヤクザの跡取り娘だったんです。
僕は、もう交際をやめましたけど、今でも、彼女の影に怯えて生活しています。」


すべらない話『師匠』
「はい、僕が、笑いでお世話になっている○○師匠について話したいと思います。
○○師匠が、『僕のネタに心が全然こもっていない。それは、僕が長い間、東京暮らしで自然に触れていないからだ。』と指摘をくださって。でも、師匠も東京生まれの東京育ちなんですけど、師匠が若い頃は、東京の緑もまだ豊かだったと。師匠の全盛期は20代後半ですから、僕が生まれていない時なんですよ。
師匠が言うには、東京は、明治の始め頃から、人ごみが絶えなかった。でも、ビルが建ちだしたのは、戦後からだと。それで、お前は、緑が豊かだった頃の東京を知らないから今度、岩手の自然教室に一緒に行こうと誘ってくれたんですよね。
僕も面白そうだなと思って、師匠が宿とか切符とかも全部用意してくれたので、僕、一緒に自然教室に行くことになりました。
自然教室って言っても、自然の中をガイドさんについて回るという内容で、大体、師匠の方が、ガイドさんよりも、自然について詳しいんですよ。
師匠が、地球が今どれほど大変な状況か、こういう自然が東京に増えるように、俺たちも活動していかないといけない。というお話を、その時、自然教室に参加していた方全員にされたんですね。
それで、師匠が僕に、今日自然の中で、心が洗われたと思うから、次の舞台がんばれよ。と言ってくれて、僕も笑いをこれからもっと頑張ろうと決めました。
次の舞台がちょうど、師匠の知り合いのホテルのディナーショーだったんですね。
師匠がホテルまで車で送ってくれる事になっていて、僕、待ち合わせ場所で待っていると、すずめが10羽くらい飛んできて、道路で遊び始めたんですよ。ああ、可愛いなって思って見ていたんですけど、師匠の車が突然走ってきて、すずめを何羽か、車で引いちゃったんですよ。
これはエライ事になったと思って、師匠を車から出して、一緒にお墓を作ったんですけど、それ以来、師匠は免許を返納しました。
やっぱり、今ある東京の自然を大事にする事が一番だと思います。」



すべらない話『謎の女性』
「はい、僕が、学生時代に、福井でアルバイトしていた時の事を話そうと思います。
デパートの土産品コーナーでバイトしていたんですけど、そこに、カナさんという25才の女性がいたんですね。それで、カナさんは、とても可愛いので、たくさんの男性が、カナさん目当てに、お土産を買いにきていました。
でも、カナさんは謎の女性で、人によって言う経歴がコロコロ変わるという、ちょっと変わった人だったんですよ。ANAでCAをしていましたとか、慶応大学でミスコンに出ていましたとか、地下アイドルとして、活動していましたとか。カナさんが本当は何をしてきたのか、全然分からなかったんです。
それで、ある日、カナさんが、私は浜崎あゆみをやってました。と僕に言ってきたので、僕が証拠見せてと言うと、次の日、カナさんが雑誌持ってきたんですよ。その表紙のあゆが自分だと。確かに、似てはいるんですけど、やっぱりちょっと、別人なんですよ。
嘘つくなと、僕が怒ると、カナさんが泣いちゃって。
『でも、私には、あゆとか、女優よりも、もっと大変な事がある。』と言ってきたんですね。
なんなんだろうと思って、僕が、『仕事中じゃあれだから、今度お茶しない?』誘ったんですけど、口をきいてもらえなくなっちゃったんですよ。
そういう状態が数日続いた時に、僕は、このデパートが他とちがうという、ある異変に気づいたんです。それは、婦人ブランドの店長を、みんな男性がやっている、お惣菜の製造係に、ベテランコックみたいな男がいる。やっぱり、デパートの従業員も、男性の方が多いし、ベテランコックみたいな男が、オバちゃん達とお惣菜を作っているのは、ちょっと普通じゃないなと思って。その事を、カナさんに言ってみたんです。
すると、「○○君、バイトの後、ちょっと話そうか。」とカナさんの方から、誘ってくれて。バイトの後、カフェで、カナさんが、「私は本当は、東京の料理の学校に行っていたんだけど、ちょっと自分がモテすぎて、やめてしまった。福井に帰ってきても、学校の先生やバイト先の店長だった人がついてきちゃって、今、このデパートで働いている。」と。
だから、デパートのベテランコックや、婦人服店の男性店長は全員、カナさんのストーカーだったんですね。
カナさんは、素性をなんとかして隠すために、嘘をついていたんですよ。
まぁ、今では、カナさんも30代半ばですから、だいぶ落ち着いて、幸せになっていると思いますけど‥、あの時は本当にびっくりしました。」


すべらない話『ふるえ』
「洗礼について話したいと思います。やっぱり、吉本の洗礼っていうのは、聞いていた通り、恐い物だったんですけど、それは今、置いておいて。今日は、東京の洗礼について話したいと思います。東京の洗礼っていうのは、人によってもちがうと思いますし、住んでいる場所や働く場所によってもちがうと思います。
一つの洗礼に、体の震えが止まらなくなくなるという物があります。これは、誰かに薬を飲まされたとかじゃなく、突然、体の震えが止まらなくなる事が東京の初心者には起こるんですよ。本当に、僕の知り合いが何人もそれを経験しています。
有名人を見た時とかに、体が震えて、止まらなくなるんです。
僕の場合、天やを見た時に、体の震えが止まらなくなってしまって。地元に天やがなくて、ずっと天やで天丼を食べたかったので、しょうがないんですけど。まぁ、その時は、天やに入る事はできませんでした。でも、今は天やに何度も行ってます。
後輩の○○とかは、アッコさんに会った時に、震えが出たらしいんですけど。
大体は、有名人に会った時に、震えが止まらなくなって、東京初心者の人は駅のベンチとかで、震えがおさまるまで、休むらしいです。

それで、僕が有名になったら、東京初心者の人が僕を見て、震えが止まらなくなることが起こるのかなとわくわくしていました。
ある日、相方の○○の弟が、僕らの楽屋に遊びに来て、僕を見て、ぶるぶる震え始めたんですよ。これはついに来たと。僕は、相方の弟に『大丈夫?』と声をかけて、休ませました。それで、相方が公演の後、病院に行くから、僕は先に帰っていいと。
ああ、やっぱり、病院に行くほどに震えが出たという事は、ビックになった証拠だなと、僕は胸を抑えました。でも、あとで分かったんですけど、相方の弟はインフルエンザだったんですよ。震えが起きたのは、僕のせいじゃない。
震えが起こったというのは、体の不調のサインですから、東京の洗礼でもなんでもなかったんです。
だから、後輩の○○がアッコさんに会って、震えが出てしまったのも、体が不調になっただけなんですよ。」


すべらない話『松本さん』
「次、○○や。」
「あぁ~。おい、こっち見るな。」
「しょうがないやん。」(つっこみ)

「いや、○○、本当にひどいんですよ。前回のすべらないの時も、俺が話している最中に、しーとかやってきて、全然しゃべりに集中させてくれないんですよ。」
(つっこみ)
「俺、1カ月前に、松本さんから『すべらないやるぞ』って言われて、『は?』って。
は?なんでやるの?全然、おもしろい話ないから、無理ですよって言ったんですけど、もう決まったことやから、って。本当、意味分かんない。こっちは、MVP2回取ってるから、すごいプレッシャーなんですよ。前回は、○○さんが落とされていたので、メンバーがどうなるかなと心配してたら、こいつから電話きて。『俺もすべらない呼ばれたから、よろしくな。その事で今度飲み行こ。』って。まぁ、俺もOkして、居酒屋で2人で会いました。
○○が、『俺は、自分の犬の話と、この前、後輩の○○とラーメン食べに行った時の話する。』って言っていたのに‥こいつ、全然その話をしてないんですよ。
俺も、期待かけられているから、寝ずに話を考えました。一応、本番の数日前には、プロデューサーの○○に話すじゃないですか?
その日に、絶対誰か俺の話聞きに来るって思ってたんだけど、誰もこない。あれ、おかしいな。
じゃあ、絶対、部屋のどこかに録音機つけられていると思って、一生懸命さがしたんですけど、見つからない。変だなって思いつつも、プロデューサーの○○が来て、俺が本番の話をしました。
それ終わって、『誰も、俺のネタ見に来ないですね。』『そうだね。』
『期待かけられてないのかな?』って部屋を出たら、影で松本さんが、ずっと立ち聞きしてたんですよ。」


すべらない話『Y君』
「ああ~、きたぁ‥。はい、僕が親しくしている俳優Y君の話をしたいと思います。
Y君は、ネットドラマとかで活躍している俳優なんですけど、旅番組をやっていて、海外にしょっちゅう行っています。
でも、Y君は、旅番組とかドラマじゃなくて、普通のバラエティーに出たいと。それで、僕にうまい事を言うコツを教えてくれって頼んできたんですよ。
だから僕は、まずは毎日テレビを観て、勉強するのが一番早いって教えてやったんですけど、Y君がディレクターに僕との共演を頼んでしまって、僕はY君とバラエティーに出る事になってしまいました。
収録前に、僕が『Y君、ちゃんとテレビ見て勉強してきた?』と聞くと、『はい、大丈夫です。さっきADさんと台詞を確認してあるから。』と言うので、僕も安心して、収録にのぞんだんですけど‥。収録の途中で、僕がY君にふってあげようと、『Y君はどうですか?』と聞くと、『何言うてんじゃボケェ!!』すごい勢いで、Y君が叫んできたんですよ。その場は盛り上がったんですけど、これじゃ放送できないから、収録後に、Y君に、『もっと勉強しなきゃダメだよ。そもそも、Y君は俳優だし、旅番組も持っているから、普通のバラエティーとかは向いてないよ。』って教えてあげたら、Y君が泣いちゃったんですよ。その後で、僕が楽屋で次の撮影の準備をしていると、泣き終わったY君がきて、
『それでも、やっぱり、こっちの仕事がしたいので、またご指導お願いします。』と頼んできて。でも、まずは今ある自分の仕事に集中してくれと、僕が言って、Y君はいったんは下がりました。
でも数日後、Y君から、食事行きませんか?って電話がきたんですけど、僕はY君とはあんまり合わないから、テレビ局で会おうって言って、2人で、局で会ったんですよ。
Y君が、『やっぱり俺は、お笑いがやりたいから、ネタ考えました。』‥何言ってるんやと思ったんですけど、『まぁ、そのネタ見せてみ。』と。
そしたらY君が、『太陽サンサン、ラブビーチ!』一発芸見せてきたんですよ。
絶対Y君は、最初に歩む道をまちがえたんですよ。」


すべらない話『同級生』
「僕の中学の同級生のLさんという女性が、年を10才サバ読んで、スポーツで世界大会に出たんですよ。それが何の競技で、誰かは言えないですけど、名前も変えていても、あきらかに僕らの同級生のLさんなので、みんな嫌だったんですよ。
どうにかせんといかんと思っていたところに、ちょうどLさんから僕の実家に電話がきて、『私の壮行会を開いてほしい。』と頼まれたんです。でも僕、中学の時、役員でもなんでもなかったんですよ。ただの不良やってまして。だから、女子副会長の子が同じ町内だったので、ちょっと聞いてみたら、『私は、生徒会長とも男子副会長とも付き合ってしまったんで、同級会とかは無理です。』と言われてしまって。他の人にもあたってみたんですけど、みんなLが苦手だから無理と、断られてしまったんですよ。
もう仕方ないから、僕が、Lと2人で会うことにしました。
『なんで、年齢10才もサバ読んでやるの?』と聞くと、『それは中学の時に、生徒会役員に選ばれなくて、もう一度、中学生をやりたかったから。』と言われたんですよ。
僕はあっけにとられて『もう絶対にお前試合出るな。』と忠告したんですけど、Lは止まりませんでした。
ある日、俺がとぼとぼ歩いていると、女子副会長の子に声をかけられまして、
『Lの事なんだけど、私はLと稚児舞を踊ったこともある。あの時すでに、Lの異常さを実感していた。だから、中学の時、Lを生徒会役員に選ばなかったのは、私です。私が責任もって、Lを止めます。』
そう言って、女子副会長がオリンピックを目指して、ついに、Lを倒したんですよ。」


すべらない話『神仏好きな嫁』
「はい、僕の嫁の話をします。僕の嫁がすっごい神社とかお寺が好きなんですよ。
この前、家族で地元のお寺に行った時に、可哀想だと思うんですけど、水子供養の場所があって、嫁が、子供たちに100円ずつ賽銭を渡して、自分はそこにあるお地蔵様と何か話して、500円賽銭を入れたんですよ。僕が『お前、過去に何かあったん?お地蔵様と話していたやん。』と言うと、『いや、あんたには関係ない。』それで何も教えてくれないんですよ。
お賽銭を入れる場所があちこちにあるんですけど、最後の場所になった時に、嫁が子供たちに『もう100円切れてしまったから、最後に2人で30円いれな。』『俺、まだ100円持っているよ。』と言うと、『いや、あんたの100円入れても何の意味もない。』全然、僕の好意を受け取ってもらえないんですよ。
それでお墓の前を通る時に、嫁が『あんた達、全員帽子をとって、マスクだけはしろ。』
『なんで、そんな事しなければ、あかんの?』と聞くと、『お墓の前で、帽子をとるのはド常識や。でも、よそ様の魂に目をつけられたらあかんから、顔は隠せ。』嫁がそう言ってきて、本当にちょっと怖いんですよ。
『どうしてそんなに気を使うんです?』と僕が聞くと、『私は神様とのつながりをいつでも感じている。あんたには分かっとらん。』と言われて、帰り道に、どこからともなく、鈴の音が聞こえてきたんですよ。
嫁は、本当にヤバいんだな。でも、これからの長い人生、この人と一緒にいたら安心やと思っていた時、嫁が、『あんたがテレビに出た翌日は、必ず悪い事が起こる。多分、あんたはたたられているんや。これ以上、一緒にいたらあかん。別れてくれないか?』と言われたので、僕は、別れないでくれと泣いて頼んで、なんとか、今もまだ嫁ともってます。」


すべらない話『高校生の甥っ子』
「はい、僕の高校生の甥っ子の純希君の話をしたいと思います。僕が姉の家に遊びに行った時に、純希君が、『おじちゃん、俺のクラスの三輪って男知ってる?』『いや、知らないよ。おじちゃんは純希君の友達には会った事ないからね。』『じゃあ今度ミワに会ってみな。あいつの肘鉄めっちゃ痛いから。』『いや、でも、おじちゃんも一応芸能人だから、純希君の友達とは関われないよ。』と言って、その場では純希君も納得したんですけど、数日後、純希君から電話がきたんですよ。
『おじちゃん、ミワが高校で大暴れして大変や。ミワが怖くて、誰も手だしできん。女子も男子もミワの言いなりや。このままじゃ、高校がいけんことになる。お願いだから、おじちゃん、ミワに会いにきて。』
まぁ、高校が大変な事になっているというわけですから、少しでも僕がお手伝いできればいいと思って、純希君と約束した放課後の時間に、許可をとって、高校に行ったんですよ。すると、純希君が、ミワさんの手を引いてきて、
『おじちゃん、この人がミワさんや!』それで、ミワさんの方も、『どうもよろしくお願いします。』みたいな感じで、そんなに悪そうじゃないんですよ。
ミワさんが行った後に、『純希君さ、ミワさんと仲良くできてるじゃん。』と言うと、純希君が、『いや、仲良くしているふりや。アイツは全然ダメ。アイツが暴れても誰も口出しできん。』『どうして誰も口出しできないの?』
『アイツは、サザンのメンバーの親戚なんや。だから、おじちゃんも口出しできんようになる。もしも、ミワがこれ以上悪くなれば、俺は警察に通報するつもりや。』
『いや、純希君。友達の事を絶対に、警察に通報したらいけないよ。』と伝えて、その場では、純希君も分かったという事だったんですけど、もしかしたら、またミワさんの様子を見に行ってあげないといけないかもしれないです。」


すべらない話『神仏好きな嫁2』
「ええと、じゃあ、また僕の神仏好きな嫁の話をします。家族で、この前、山の動物園に行った時に、3才の次男が『トイレ行きたい。』と。山の動物園なんで、人がいないんですよ。だから、『茂みでしなさい。』と言うと、嫁が『絶対そういうのはあかん。邪気がつくから。』と言って、嫁が遠くのトイレまで連れて行ったんですよ。
『なんで?俺、子供の時、よく外でしていたよ。』『私も子供の頃は、そういう事をした事あるけど、自分の息子にはそういう事をさせたくないんや。』『ああ、そうなんや。』
そうしたら、嫁が『私が外でトイレしたのは、小学校5年生の頃まで。』『いや、それは遅いんじゃないですか?』『でも、その時は、おばあちゃんが危篤で辛い時だったんや。』と。『まぁ、それは仕方ないな。』とにかく、動物園を楽しもうという事で、山の動物園を楽しんでいたんですけど、動物たちは子供好きで、子供には顔を向けるんですけど、僕の方には全然見向きもしないんですよ。『ああ~俺の方は見ないな。』すると嫁が、『動物園というのは、この世の物だけど、この世の物ではないんや。』『それはどういう事なんですか?』『動物園の動物っていうのは、亡くなった人間の御霊がやっているものなんです。ですから、人間の御霊は、邪気のない子供を笑わせることによって、綺麗になるものだから、御霊の動物たちは必死で子供を喜ばせている。』と。『いや、それは、新しい考えですから、発表したらいいんじゃないですか?』と聞くと、『その事についてはまだ検討中。』だという事なんです。
僕の嫁が、どんどんすごい霊能者になってきてしまっているんですよ。だから、僕も、もしかしたら、芸人をやめて、嫁のサポート一本にしぼらないといけないかもしれないです。」


すべらない話『焼肉』
「僕の嫁が霊能者になってきているという話は前にしたと思うんですけど、僕自身にも、ちょっと不思議な事が起こるようになってきているんですよ。その話をしたいと思います。
この前、長男の11才の誕生日に、家族で焼肉に行ったんですけど、嫁が、普段頼まないようなイカ焼きとか、フライドポテトとか頼み始めました。
もちろん、肉もいろいろ頼むんですよ。『そんなに頼んでいるけど、お金は大丈夫?』俺が聞くと、家族3人が俺をじっと見て、『お兄ちゃんの11才の誕生日よ。しっかり食べなあかんやん!』と怒ってきて。それで、俺も食べようと思っていたんですけど、お金が心配だから、嫁と子供が注文した物の残りを食べていたんですよ。
子供たちもどんどん注文して、パクパク食べています。そして、子供たちが『あー、食った食った。ちょっと俺たち、デザート持ってくる!』俺が嫁に、『デザートなんて、頼んでいいの?』『当然よ!今日はお兄ちゃんの11才の誕生日なんだから!あんたももう少し食べなあかん!』いや、そう言われても、家族がそんなに頼んでいるから、お金が心配で食べられないんですよ。俺が子供たちに、『デザートまで頼んでいるけど、これはお父さんが働いて稼いだお金で食べているんですよ。そんなにお金使って、贅沢したらあかん。』と言うと、お兄ちゃんが『わああ、ごめんなさい。』泣きだしてしまいました。『せっかくの誕生日に、お兄ちゃんを泣かせないでよ!』次男も怒ってしまって、嫁が、『そんなに高すぎるわけじゃないから、今日は私が払うよ。無理に焼肉誘ってしまってごめんね。』お兄ちゃんが、『お金がないのに、焼肉連れてきてもらってごめんなさい。』嫁が『いいよ、お父さんが払えないから、お母さんが払ってあげるからね。』それで、会計に行くと、ようやく俺が、ある言葉だけを聞いていなかった事が分かったんです。今日は、焼肉のバイキングに来ていたんですよ。俺は、バイキングという言葉だけが聞こえなかったんですよ。そういう不思議な出来事の話でした。」


すべらない話【○○師匠】
○○っていうコンビの○○と、○○師匠と俺で飲みに行った時の話をしようと思います。最初のうちは3人で楽しくお酒を飲んでいたんですけど、○○師匠って酔うと怒るタイプなんですよ。それで師匠が僕たちに、「お前たちはなぜお笑いにやっているんだ?」と聞いてきたので、僕は「日本をお笑いで元気にしたいからです。」と言ったのですが、○○が「僕は京大出身なので、頭脳を活かした新しいお笑いをしたいからです。」と言ってしまったんですよ。案の定、師匠が怒り出して「お前は笑いのわの字も分かってない。大体、お前には有名人の価値はない。」と。「ええ、師匠それはどういうことですか?」「あのな、その有名人がいることで、同じ人種の人間が幸せになれたか?その人と同じ年齢や境遇の人間が幸せになれたかどうか。その結果を出して、価値が分かるもんや。京大出身のお前と似ている人間がどこにおるねん。お前が笑いで有名になる価値はない。」と怒ったんですよ。「いや、そんな言い方ないじゃないですか。大学卒業しても病気になってしまったり、人の不幸に巻き込まれたりして、人生がうまくいかない人だっていますよ。」と僕が言うと師匠が、「そういう事を言われると俺の心も痛む。俺の姪っ子が東大に行っているんや。でも、俺はメイっ子を有名にする気はない。一般家庭に嫁に入って幸せになるのが一番やと思ってる。だけど○○が京大出身として有名になったからには、世間様に嘘だけはつく事なく頑張れよ。」すると○○が、「京大出身という事を鼻にかけてしまって、本当にすみませんでした。」師匠も「わかればいい」と。というわけで、その場はおさまったんですけど、後日、○○が僕の楽屋にきて、「実はあの時言い出せなかったんだけど、俺は本当は京大出身じゃないんよ。」事務所の方で仕切ってくれて、○○はそういう経歴として出してもらっているだけだったんですよ。だから○○の方も、あの時、京大出身という言葉をギャグとして使っただけで、師匠が最後まで○○の話を聞いてあげなかったから、師匠が悪かったんです。


すべらない話【後輩の○○】
○○という地元の後輩の話をしたいと思います。○○は芸人じゃなくて、何度か読者モデルとして雑誌に出た事があるだけの普通の男なんですよ。でも○○本人は、もっと本格的な芸能人を目指したいという事で、僕に弟子入りしたいと頼んできたんですね。
「いや、でも僕はいろいろな仕事をさせてもらっていて、今は忙しいから無理だよ。」と断ったんですけど、「荷物持ちでもなんでもいいから、○○さんのロケについていかせてください。」と。でも直近のロケが海外だったですよ。僕は海外ロケが一番楽しみですし、力を入れているので、○○は絶対ついてきてほしくないと言ったんですけど、○○が、番組のプロデューサーに「自費で行って、ただ働きしますから、ロケに同行させてください。」と頼んでしまって、○○も、僕の海外ロケについてくる事になってしまったんです。
「もう最悪や。」と思っていたんですが、スタッフ達は○○に優しくして、○○が「いずれは僕も人気タレントになって、海外ロケをしたい。」と言って、もちろん放送はしないですけど、○○が芸能人の真似をして、それをカメラに撮ってもらって、僕が食レポのやり方を教えたりしたんですよ。まぁロケ自体は成功したのでよかったのですが、その後○○は会社役員に気に入られて、本格的に芸能人になるためにバックアップをしてもらう事になってしまったんですよね。それで○○はモデルからしっかり入っていこうという事で、雑誌に頻繁に出るようになったんですけど‥。本当は○○は、以前、アダルトビデオの撮影のスタッフをした事があったらしくて、苦情が入るようになりまして、会社役員の方から僕に「申し訳ないですけど、○○君の事は我々の手に負えませんので、○○さんの方でなんとかしてもらえませんか?」と。うわぁ、これは困ったなと思って、仕方ないのでアダルトビデオの会社の方に、僕が100万円を渡して、これ以上○○にかまわないでくれと頼んだんですよ。○○の方も僕に「本当にありがとうございました。ちょうど僕の彼女が妊娠したので、芸能人を目指すのをやめて、まとも働きます。」と。結局、○○が芸能人を目指さなくなったので、よかったというお話なんです。


すべらない話【鎌倉の大仏】
僕は元々、心の病をわずらっています。ごみごみした東京が合わないと感じつつも、東京から離れられないという悪いスパイラルに入ってしまっています。
普通の人でもこんなにごみごみしている所にいれば、頭を正常に保っていられませんから、精神病の僕なんかはさらにおかしくなってしまうわけです。
僕が住んでいる所から鎌倉まで電車で1時間半以上かかるのですが、以前毎週のように通っている時期がありました。大体はカフェでご飯を食べてから、海を数時間ながめて帰るというのが習慣だったんですけど、ある日、今日は有名な鎌倉の大仏を見に行ってみようと思いまして、バスに乗ったんですよ。バスに乗って、鎌倉の大仏に近づくにつれ、霊気によって精神が狂ってくるのを感じました。そして、鎌倉の大仏につくと、僕は自分をおさえられなくなり、母親に泣いて電話して、「僕がこんなになってしまったのは、全て母さんのせいだ。」と大きな声で怒ってしまいました。そして、異常になった僕がその頃通っていた新宿の精神科に電話すると、先生が「今から来い。」と。
僕はそのまま、鎌倉から新宿まで移動したんですよ。なんておかしい行動をしてしまったのだろうと後悔したのですが、
夜、鎌倉の大仏様が夢の中に出て来て、「精神病の者の中には、自分に会った後に亡くなってしまう者もいる。」とおっしゃったんです。だから、鎌倉の大仏様は、わざと僕におかしい行動をさせて、助けてくれたんですよ。
この話は今から10年前の話になるのですが、実は、それ以来、僕は鎌倉の大仏を見に行っていません。だから、心の病の方が、長引いているんだと思います。



すべらない話『恋の犠牲者』
では僕の後輩の女子の話をします。僕の後輩の女子が昔悪い男と付き合っていて、後輩の方が彼にすごく尽くしていたんですけど、後輩が歌手目指していて、東京に出たとたん、彼にふられてしまったんですよ。
別れてよかったんですが、後輩が歌を書いていて、そのノートを彼が盗んで持っていたそうなんです。それで後輩はお金だけでなく、体も彼に尽くしていました。そして、その男は別の女子を使って、エロ動画を作成して、後輩の親に見せました。これをバラまかれたくなければ、後輩が書いた歌全部くれと脅したんですよ。もちろん親は激怒して、歌は全部あげるから、もう絶対に家と関わらないでくれと言いました。
結局、その男は歌手になりました。それが誰かというと、米津玄師です。
米津玄師っていうのは、ここでは言えないようなもっと悪い事をたくさんしています。だから‥、芸能業界も特別酷い人を背負っちゃったと思いますよ。
まぁ、米津玄師も何人かいますから、そいつの本名はここでは控えさせていただきます。


すべらない話【悪い男】
Kさんというスーパースターに、ここ数年ずっと、偽物が入っちゃっているんですよ。まぁ、本物のKさんは神様ですから、あまり地上派には登場しません。
偽のKさんっていうのは、女の子の唇が大好きで、物凄くキモイ男です。有名芸能人を狙っても、Kと言えば落とせるじゃないですか。
だから、たくさんの有名芸能人の猥褻な動画を持っていて、多額のお金を請求したりするそうです。
偽のKさんは、キョウコさんという女優との猥褻な動画を持っていたので、その動画を使って、キョウコさんの両親を脅しました。その結果、キョウコさんのお父さんが病気で亡くなってしまい、偽のKさんが葬儀に参列したところ、親族からキョウコさんとの結婚をせがまれてしまいました。その中にキョウコさん以上にタイプの女性がいたので、偽のKさんはその女性までもを、物にしてしまったのです。もちろん、お金で、キョウコさんとの結婚はなしにしてもらったそうです。

本物のK様は香取神社の総氏神様ですから、絶対に悪く言いたくありません。
偽のkを、いつか警察に引き渡す日が来ると思いますよ!僕は!
皆さん、その日まで‥(机をたたく)ともに戦いましょう。


すべらない話【憧れの先輩】
僕は24才から27才までホームセンターでアルバイトしていました。今日はその時の話をしたいと思います。
同じ部署にアカリさんという29才の女性がいて、アカリさんはもう結婚していたんですけど、僕はすごく憧れていました。
大学院生の牛島くんという男も働いていて、そいつがまたイケメンで。僕も牛島君と少し仲良くしたんですけど、牛島君が辞める事になった時、また縁があれば牛島君と会えると思って、ほとんどさよならを言わずにお別れしちゃったんですよ。
それで僕は仕事を辞めてからも、牛島君とコンビを組む空想をふくらませて、何度も一人しゃべりをしました。それで、アカリさんの事は、僕が29才になった時にやっぱり良い人だったなと何度も思い出しました。
しかし、僕が30才になった時、とんでもない事実が発覚します。
アカリさんのHIVが発症したんです。
29才の時に、牛島君と不倫をしてしまって、牛島君からHIVウイルスをもらってしまっていたんですよ。
牛島君は大学院まで卒業したんですけど、アカリさんが裁判を起こして、1000万円の慰謝料を払う事になりました。
牛島君は治療をしながら、慰謝料を払い続けているそうです。
もしも僕が牛島君とコンビを組んでいたら、牛島君は1000万円の慰謝料を簡単に返せたでしょう。僕の人生も変わっていたのかもしれません。


すべらない話【レコード会社の菜々子ちゃん】
うちの相方が歌を出している関係で、知り合いになったレコード会社に勤める菜々子ちゃんという女の子の話をしたいと思います。
菜々子ちゃんのお父さんは55才で良い会社に勤めていました。いいですか?やっぱり50代っていうのは一番緊張感があるんですよ。親が無事に定年を迎えられるように、子供が支えないといけないんです。しかし、菜々子ちゃんはそれをしませんでした。東京のレコード会社に勤めて、良い給料をもらって、良い暮らしをしていたんです。菜々子ちゃんはロックバンドと関わって、どんどん反抗的になり、それはお父さんにも影響して、なんとお父さんは56才で、会社に辞表を提出しました。
菜々子ちゃんはお父さんが定年前に無職になっても、東京暮らしをやめようとしませんでした。
電車の中で、狂った若い男が、菜々子ちゃんの顔に向かって、息を吹きかけた時、菜々子ちゃんはその人に、セクシーな感じで息をかけ返してしまったのです。そして、電車の中で別の狂った男が、菜々子ちゃんの前に立った時に、菜々子ちゃんは口を大きく開けてしまったんですよ。それを菜々子ちゃんの運命の人が見ていて、菜々子ちゃんに声をかけました。「大丈夫?よければ、少し話さない?」でも、菜々子ちゃんのお父さんが定年退職をきちんと迎えられなかった事で、菜々子ちゃんの結婚はうまくいかなかったのです。

僕の知り合いの女性が、東京で暮らしたかったんですけど、ずっと我慢していました。そうしたら、先日、その人が神の国から子供をもらいまして、その子供が、川端康成さんの生まれ変わりだそうです。だから、東京暮らしを我慢した方が、優れた子供を自分の一族に迎えられますので、無意味な東京暮らしをしているのなら、皆さん、今すぐにやめてください!


すべらない話【子育て法】
僕には子供はいないんですけど、まわりの人たちがどんどん親になっていくので、今日は僕の母の子育て法について話そうと思います。
僕の父は漁業やっていまして、ものすごく忙しかったので、僕は、幼い頃はほとんど母と過ごしていました。
それで、僕の母が占いにハマっていて、タロットカード占いを僕に仕込んだのも、母です。
母は、僕と弟を連れて、よく散歩に出かけました。大体は、母が元カレと行った事がある場所で、「ここはお母さんにとって呪いの場所だから、ここに来れば、お前たちの才能が伸びるはずだ。」と。それで、僕たちは初めて横浜に連れられて来た時に、まず、アパートに連れて行かれて、「ここはお母さんが昔、一人暮らしをしていた場所です。」と、言われたんですけど、僕と弟には、意味が分からないんですよ。
その後は、中華街に連れて行ってもらって、ようやく楽しくなってきたんですけど、みなとみらいに行って、3人で観覧車に乗ったんです。それでも、楽しいとかじゃなくて、すごく気まずいんですよ‥。僕たちが気をつかって、「お母さん、景色綺麗だね。」とか言っても、母は考え事をしていて、何も言わないんです。
それで、母が、後ろのお客さんを見て、「やっぱりきた‥。」と。
見てみると、後ろのカップルが、ずっとキスしているんですよ。
「あれは、昔のお母さんとお父さんです。お父さんとお母さんが悪い種をまいたので、こういう事が、お前たちの前で起きるんだと思います。」と、母が言いました。
僕たち、電車の中でもすごく気まずくて、子供の頃のことを全体的に振り返っても、母と過ごした時間は、そこまで面白くはありませんでした。
でも、母が教えてくれたことは、霊能力の高め方です。勉強、スポーツ、涙、努力‥それらすべてを、一定量こなさないと、神様から特別な霊能力はもらえません。
僕が○○グランプリで優勝できたのも、母が高めてくれた霊能力のおかげです。やっぱり、今改めてふりかえると、一緒に過ごした時間は面白くはなかったんですけど、母の存在っていうのは大きいな‥と、オモイマス。


すべらない話【母の話】
僕は3人兄弟なんですけど、父がバリバリ働いていて、母はずっと働きに出ていなかったんです。それで、僕たちは母のことをすごく尊敬していました。母は医療系の仕事じゃなかったんですけど、毎晩医学の勉強をしていたんです。
「お母さん、どうしてお医者さんじゃないのに、お医者さんの勉強してるの?」と聞くと、
「親がやるべき勉強をしないと、子供が本来、その勉強をやらなくてもいいのに、やることになってしまう。」と。だから、僕たちは、医者になる事を憧れたんですけど、医学の勉強は、させてもらえなかったんです。
母は「犯罪はダメだけど、親がやるべき事、勉強、仕事をしないと、それを子供が負うことになってしまう。」と言って、母は40代で社会復帰をしました。社会復帰といってもスーパーでのパートなんですけど、僕たちは母を尊敬していたので、母が職場で怒られていないか心配だったんですよ。母に来るなと言われていたんですけど、僕たちは母が勤めるスーパーを見に行きました。すると、母が若い人からすごく注意されていたんですよ。
それで僕たちが泣いて、「お母さん、大丈夫?」と聞くと、「お母さんはお前たちが思うよりも卓越しているから、大丈夫です。」と。そして、その3ヶ月後、母に注意していた若い人が退職する事になったんです。それが母のせいかは分かりませんが、母が僕たちに、「生きる上ではプライドを捨てる事が大事です。」と言ったんです。それで、お笑い芸人になった僕に、母が、「お前は、アーティストや政治家、スポーツ選手、テレビ業界の方々、視聴者の方々に好かれないといけない。好かれよう好かれよう、そうやっているうちに、自分の方が強くなります。」と。その言葉が僕を、○○グランプリ優勝に導いたのだと思います。

すべらない話 2020 20話

すべらない話 2020 20話

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